JPH0339562Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、たとえばカーポート、サンルーム
などの組立屋根、テラスに差し掛けられる組立屋
根、建物の入口や窓などに差し掛けられる組立屋
根に関するものである。

この明細書において、前後は第４図を基準に
し、前とは第４図手前側を指すものとする。ま
た、左右とは後方に向つていうものとする。

従来技術とその問題点 従来、カーポートなどの組立屋根としてはつぎ
のようなものがある。すなわち組立屋根は、左側
２本の支柱の上端および右側２本の支柱の上端に
それぞれ支持された左右一対の桁と、両桁間に前
後方向に等間隔で渡し止められた正面からみてア
ーチ形の複数のたるきと、隣り合うたるき間に渡
し止められた棟木と、隣り合うたるき間において
桁と棟木との間に嵌め止められた屋根板と、桁と
棟木との間において隣り合うたるき間に渡し止め
られかつ屋根板を支えるもやとからなる。

たるきは横断面略方形であり、その両側壁下部
にはそれぞれ、長さ方向にのびる水平外方突出状
のもや受け部が形成されている。

また、もやは横断面略方形であり、その両端部
がそれぞれ、桁と棟木との中間におけるたるきの
もや受け部に受けられ、もや受け部を下方から貫
通するねじがねじ込まれることにより、たるきに
連結されている。

しかしながら、このような組立屋根は、たるき
もやとを連結固定するためのねじが多く必要であ
り、組立にもねじ孔あけやねじ締めなどの工程に
より多くの時間がかかり、コストが高くかつ組立
の能率が悪いものであつた。

この考案の目的は、上記の問題点を解決したカ
ーポートなどの組立屋根を提供することにある。

問題点の解決手段 この考案によるカーポートなどの組立屋根は、
互いに所定間隔をおいて配された複数のたるき
と、隣り合うたるきの間に渡し止められかつ屋根
板を支える複数のもやとを備えたカーポートなど
の組立屋根において、たるきは、少なくとも一方
の側に、上部がその上壁よりも上方へ突出した上
部もや受け部を有する上部側壁と、上部側壁に連
なりかつ下部もや受け部を有する下部側壁とを備
えており、もやは、その両端上部に設けられた下
向き鉤部を備えており、もやの鉤部が上部もや受
け部に掛け止められ、もやの端部が下部もや受け
部に載せ置かれていることを特徴とする。

実施例 以下、この考案の実施例を図面を参照しながら
説明する。

この考案の１つの実施例は、第１図ないし第５
図に示されており、この考案の組立屋根が組立式
カーポートに用いられているものである。

組立式カーポートは、左右２本ずつの支柱１
と、支柱１の上端に支持されたアーチ形の組立屋
根２とから構成されている。

組立屋根２は、左側２本の支柱１の上端および
右側２本の支柱１の上端にそれぞれ支持された左
右一対の桁３と、互いに平行であつて、前後方向
に等間隔で両桁３間に渡し止められた正面からみ
てアーチ形の複数のたるき４，９と、隣り合うた
るき４，９の頂部どうしの間に渡し止められた棟
木５と、隣り合うたるき４，９どうしの間におい
て桁３と棟木５との間に嵌め止められた屋根板６
と、桁３と棟木５との間において、隣り合うたる
き４，９どうしの間に渡し止められかつ屋根板６
を支えるもや７とからなる。桁３の両端には端カ
バー８が被せられかつ固定されている。

支柱１、桁３、たるき４，９、棟木５およびも
や７は、すべてアルミニウム押出型材製である。

第１図は、内側たるき４または外側たるき９と
もや７との連結状態を示している。内側たるき４
は、横断面が左右対称の略方形であり、その上壁
１０の巾中央に、長さ方向にのびる一対の上方突
状１１が形成されている。

内側たるき４は、上部が同たるき４の上壁１０
よりも上方へ突出した上部部もや受け部１２ａと
された上部側壁１２と、上部側壁１２の下縁に連
接された外方突出水平壁１３と、水平壁１３の突
出縁に連接され、かつ上部が水平壁１３よりも上
方へ突出し突出高さが上部側壁１２の高さよりも
低い下部もや受け部１４ａとされた下部側壁１４
とを、横断面左右対称形に備えている。

また、外側たるき９は屋根２の両端部または両
側部に設けられるものであつて、横断面が左右非
対称の略方形をしており、その内部側には、内側
たるき４とまつたく同じように、上部側壁１２、
水平壁１３および下部側壁１４が形成されてお
り、その外部側には、上部に、長さ方向へのびる
とともに同たるき９の上壁１０よりも上方へ突出
した逆Ｌ字形立ち上がり部１５ａが設けられた上
部側壁１５と、上部側壁１５の下縁に連設されか
つ内部側のものと対称形の外方突出水平壁１３
と、水平壁１３の突出縁に連設されかつ内部側の
ものと対称形の下部側壁１４とが形成されてい
る。

内側たるき４および外側たるき９には、アルミ
ニウム押出型材製の板状屋根押え１６が、これを
貫通するねじ１７がたるき４，９における一対の
上方突条１１内にねじ嵌められることにより、そ
れぞれ取り付けられている。屋根押え１６の両側
部には、長さ方向にのびかつ下方に開口した内部
拡大状溝１８がそれぞれ形成されており、各溝１
８にパツキン１９が嵌め止められている。

もや７は横断面正方形であつて、その両端上部
にそれぞれ外方突出状に下向き鉤部２０が設けら
れている。この鉤部２０は内側水平面２０ａ部の
突出幅がたるき４，９の上部もや受け部１２ａの
上縁の幅に等しく、内側水平面２０ａともや７の
端部下面との距離がたるき４，９の上部もや受け
部１２ａの上縁と下部もや受け部１４ａの上縁と
の距離に等しくなるように設けられている。

このようなもや７は、その下部側の端面７ａが
たるき４，９の上部側壁１２の外面に当てがわれ
た状態で、かつたるき４，９の上部もや受け部１
２ａがもや７の下部側の端面７ａ、鉤部２０の内
側水平面２０ａ、および鉤部２０の内側略垂直面
２０ｂで挟まれた状態で、もや７の両端部がとも
に、たるき４，９の上部もや受け部１２ａおよび
下部もや受け部１２ｂにより支持されている。

そして、屋根板６の各側縁部６ａは、屋根板押
え１６と、もや７の端部上面との間に、上記パツ
キン１９を介して挾み止められている。

このようにして、たるき４，９の上方突条１１
と上部もや受け部１２ａとの間は上方へ開口した
一対の雨水排出用溝２１とされ、たるき４，９の
上部側壁１２下縁と下部もや受け部１４ａとの間
は上方へ開口した一対の吊り下げ部材吊り下げ用
溝２２とされている。

第２図は外側たるき９と、これの上壁１０にね
じ１７により固定された棟木５との連結状態を示
している。

第３図は内側たるき４の吊り下げ用溝２２に吊
り下げ部材２３の一端を嵌め入れて、同部材２３
を内側たるき４から吊り下げた状態を示してい
る。

吊り下げ部材２３は、第４図に示すように、一
端が折り返し状に、かつ長さの略中央部が段状に
それぞれ屈曲され、他端寄りに楕円孔２４が設け
られた板状のものである。

このような吊り下げ部材２３を、第１図に示す
ように一対用いて、２つの楕円孔２４に物干し２
５のフツクを通して第５図に示すように物干し２
５を吊り下げるのである。

考案の効果 この考案によるカーポートなどの組立屋根は上
記のように構成されており、もやの鉤部がたるき
の上部もや受け部に掛け止められ、もやの端部
が、たるきの下部もや受け部に載せ置かれている
ものである。

したがつてこの考案によれば、たるきともやと
を連結固定するためのねじは不要であり、また組
立の際に、ねじ孔あけやねじ締めなどの工程も不
要であり、コストが低くかつ組立の能率がきわめ
てよくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はこの考案の１つの実施例
を示すもので、第１図はたるきともやとの連結状
態を示す拡大断面図、第２図は外側たるきと棟木
との連結状態を示す拡大断面図、第３図はたるき
の吊り下げ用溝に吊り下げ部材が吊り下げられた
状態を示す正面図、第４図は吊り下げ部材を示す
斜視図、第５図はカーポートの斜視図である。 ４，９……たるき、６……屋根板、７……も
や、１０……上壁、１２……上部側壁、１２ａ…
…上部もや受け部、１４……下部側壁、１４ａ…
…下部もや受け部、２０……鉤部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに所定間隔をおいて配された複数のたるき
   ４，９と、隣り合うたるき４，９の間に渡し止め
   られたかつ屋根板６を支える複数のもや７とを備
   えたカーポートなどの組立屋根において、たるき
   ４，９は、少なくとも一方の側に、上部がその上
   壁１０よりも上方へ突出した上部もや受け部１２
   ａを有する上部側壁１２と、上部側壁１２に連な
   りかつ下部もや受け部１４ａを有する下部側壁１
   ４とを備えており、もや７は、その両端上部に設
   けられた下向き鉤部２０を備えており、もや、７
   の鉤部２０が上部もや受け部１２ａに掛け止めら
   れ、もや７の端部が下部もや受け部１２ａに載せ
   置かれていることを特徴とするカーポートなどの
   組立屋根。