JPH0339120Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （業上の利用分野） 本考案は自動車用シートに関するものである。

（従来の技術） 従来、自動車用シートとして、シート部の上面
又はシートバツク部の表面の周囲に平縁を設けた
ものがある。この種の平縁にはひだ、しわ等が設
けられ、装飾的効果を出している。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、この種の平縁に、例えば、ひだ
を設けるには、平縁にひだを折り込みながら平縁
をシートの表皮に縫着しなければならず、作業が
煩わしいという問題がある。また、平縁は単層で
あつてひだを設けても重厚感に乏しいという問題
がある。

本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたもの
で、ひだ又はしわ出し作業が容易で、しかも重厚
感のある平縁を有する自動車用シートを提供する
ことを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 前記問題点を解決するため、本考案は、少なく
ともシート部の上面周囲に平縁を有する自動車用
シートにおいて、前記平縁が上層帯、下層帯及び
これらより幅の狭い中層帯からなり、上層帯及び
下層帯の内方に折り返した各縁と中層帯の縁を縫
着するとともに、少なくとも上層帯にしわを形成
したものである。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を添付図面に従つて説
明する。

第１図において、平縁１は自動車用シートのシ
ート部のクツシヨンパツド２を被覆する上面の表
皮３と側面の表皮４の合わせ目に縫着されてい
る。この平縁１は、表皮３，４と同材質の上層帯
５及び下層帯６と、布製又はレザー製であつて、
上層帯５及び下層帯６よりも幅の狭い中層帯７と
の３層からなり、上層帯５及び下層帯６の縁をそ
れぞれ内方に折り返して中層帯７の縁とともに、
図中Ａ部分で縫着してある。すなわち、上層帯
５、下層帯６、中層帯７の順でそれぞれの縁を揃
えて重ね合わせ、図中Ａ部分の縁を縫着した後、
下層帯６と中層帯７を同方向に、上層帯５をこれ
らと反対方向に折り返し、それぞれの他方の縁を
揃えた状態で前記表皮３および４とともに縫着し
たものである。

このとき、中層帯７の幅寸法は上層帯５及び下
層帯６の幅寸法よりも小さいため、上層帯５及び
下層帯６の折り返し部には丸みが出て平縁１に重
厚感が生まれることになる。また、第１図中Ａ部
分を縫着する際に、少なくとも上層帯５の縁にし
わ出し縫いを行なつてしわを設けておくことによ
り、折り返した後の上層帯５には丸みのあるしわ
が生まれ、第２図に示すように、より重厚感を出
すことが可能となる。そして、上層帯５及び下層
帯６の幅が中層帯７よりも広くとゆとりがあるた
め、上層帯５又は下層帯６に形成される丸み又は
しわの形状は常に保持され、平縁１が偏平になつ
たり、しわが崩れることはない。

なお、第２図に示すように、本考案の平縁１と
さらにシート上面をボタン８により窪ませて放射
状のしわ９を設けることにより、格段の重厚感を
出すことができる。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、予め平縁の段階でしわを出しておくことが可
能であり、しわ出し工程が簡略化される。また、
丸みのあるしわを形成することが可能で、重厚感
が生み出され、しかもその形状が常に保持される
ため、商品価値が向上する等の効果を有してい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車用シートの平縁部
の断面図、第２図は本考案に係る自動車用シート
のシート部の斜視図である。 １……平縁、５……上層帯、６……下層帯、７
……中層帯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくともシート部の上面周囲に平縁を有する
   自動車用シートにおいて、前記平縁が上層帯、下
   層帯及びこれらより幅の狭い中層帯からなり、上
   層帯及び下層帯の内方に折り返した各縁と中層帯
   の縁を縫着するとともに、少なくとも上層帯にし
   わを形成したことを特徴とする自動車用シート。