JP2540336B2

JP2540336B2 - トリムカバ−の製造方法

Info

Publication number: JP2540336B2
Application number: JP62192211A
Authority: JP
Inventors: 光弘足立; 邦彦伊藤; 宗治浦井
Original assignee: Tachi S Co Ltd
Current assignee: Tachi S Co Ltd
Priority date: 1987-07-31
Filing date: 1987-07-31
Publication date: 1996-10-02
Anticipated expiration: 2011-10-02
Also published as: JPS6434394A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は自動車などの車両用シート（座席）における
その表面を構成するトリムカバーの製造方法に関する。

（従来の技術とその問題点）従来、この種のトリムカバーを第７図に示すような構
造であり、斯る従来品はシートにおける着座面である身
頃部（a1）を表皮（11a）、発泡体製ワディング
（２）、ワディングカバー（３）の三者を積層して高周
波溶着又はミシンによる縫着によって積層体を一体にし
て形成し、この身頃部（a1）にシートの隆起状の土手部
を構成する額縁部（b1）（b1）を縫着することにより製
造しており、額縁部（b1）（b1）は身頃部（a1）の表皮
（11a）と同一材質からなる一枚状生地より構成されて
いる。

なお、この額縁部（b1）（b1）にはシートの側面を構
成するまち部（14）（14）が玉縁（15）（15）を介して
連結されている。

そして、前記身頃部（a1）を構成する各構成部材（11
a）（２）（３）及び額縁部（b1）（b1）は夫々別々
に、且つあらかじめ所定形状に裁断した後、縫着によっ
て一体に連結している。

第８図はベンチ式シート用のトリムカバーで左右の身
頃部（a1）（a1）間に中央部（13a）を有し、前記と同
様な方法で製造したものである。

そのため、従来品は身頃部（a1）、額縁部（b1）（b
1）を別々に裁断して連結しているため、裁断工数、縫
着工数を要するばかりか、身頃部（a1）、額縁部（b1）
（b1）に夫々縫い代を確保しなければならず、しかも、
身頃部（a1）、額縁部（b1）（b1）の表面に、例えば、
連続する柄などを表わす場合には、その柄合わせに工数
を要する不具合がある。

（問題点を解決すべき手段）そこで、本発明はトリムカバーの生産性の向上と、材
料を有効に利用することを目的とするものであり、その
要旨とするところは身頃部を構成する発泡体製ワディン
グとワディングカバーとの積層体上に、前記身頃部と額
縁部の表皮形成用生地を重ね、然る後、少なくとも前記
ワディングとワディングカバーからなる積層体の端縁と
前記生地とをミシン縫いして、前記身頃部と額縁部とを
同時に一体成形するものであり、斯るミシン縫いは一度
に複数個所を縫着する多針（多軸）ミシンによって行な
い、また、この縫着時に身頃部を構成する積層体は一体
に連結される。

（実施例）以下、本発明を図面に基づいて説明する。

第１図、第２図は本発明に係るトリムカバー製造方法
に使用する装置の一例を示し、図中（20）は身頃部
（ａ）を構成する発泡体製ワディング（２）と、該ワデ
ィング（２）の裏面側に積層されているワディングカバ
ー（裏基布）とからなる捲巻体、（21）は身頃部（ａ）
の表皮（11）と額縁部（ｂ）を構成する表皮（12）とを
形成する表皮形成用生地の捲回体を夫々示す。

以上のワディング（２）等の捲回体（20）はテーブル
盤（31）上方にシャフト（38）に、また、その前方のテ
ーブル盤（31）上には表皮形成用生地の捲回体（21）が
シャフト（39）によって夫々回動自在に横架されて、テ
ーブル盤（31）上に供給されるようになっており、ワデ
ィング（２）等の捲回体（20）はテーブル盤（31）上に
取付けたガイド片（32）（32）・・・に沿って移送され
る。

図中（33）はテーブル盤（31）に設けた溝内をプーリ
ー（34）・・・によって移動する針布（33）であり、テ
ーブル盤（31）上の表皮（12）（12）、ワディング
（２）、ワディングカバー（３）をミシン針（36）（3
6）・・・方向に送り込むものであり、各プーリー（3
4）・・・は伝動軸（34a）によって一体に連結されてい
る。

図中（35）は多針ミシン本体（37）に送り込まれる表
皮（11）（12）、ワディング（２）、ワディングカバー
（３）の積層体に皺が生じないようにする押さえ板であ
る。

ミシン本体（37）は、その内部にミシン針（36）・・
・が所定の間隔をおいて配設され、一度に、複数個所
（図示するものは４ケ所）縫着できる構造のものであ
る。

斯して、テーブル盤（31）上に、発泡体製のワディン
グ（２）とワディングカバー（３）との積層体を移送
し、該積層体（２）（３）上に該積層体に対して幅広い
表皮形成用生地（11）（12）を重ね乍ら移送し、その生
地（11）とワディング（２）、ワディングカバー（３）
の積層体を同時に複数個所をミシン本体（37）で縫着す
る。その際、少なくともワディング（２）とワディング
カバー（３）の幅方向の左右端縁に沿って縫着する。こ
れにより、その縫着部（ロ）（ロ）の外側の表皮（12）
（12）が額縁部（ｂ）となる。そして、その内側の表皮
（11）もワディング（２）、ワディングカバー（３）に
縫着することにより、表皮（11）がワディング（２）、
ワディングカバー（３）に一体に連結され、表面に縫目
（イ）（イ）を有する身頃部（ａ）が形成される。

以上の額縁部（ｂ）には前記従来品の如く、玉縁（1
5）を介してまち部（14）（14）が縫着され、略袋状の
トリムカバーが形成される（第３図）。

第４図は、斯るトリムカバーを使用した自動車用シー
ト（セパレート）を示す。第５図は前記同様な製造方法
によって製造したベンチ式シートのトリムカバーを示
し、その左右の身頃部（ａ）（ａ）間に額縁部（ｂ）と
同様に一枚状の表皮からなる中央部が設けてある。第６
図はこのトリムカバーを使用した自動車用シート（ベン
チ式）を示す。

（効果）本発明は叙上の如くトリムカバーを製造するため、身
頃部と額縁部とが同時に一体成形できる。そのため、前
記従来品の如く各部分を別々に裁断して縫い付けする必
要がないため、裁断工数、縫い付け工数が削減できる
し、また、額縁部、身頃部の表面に柄等を設けたものの
場合の如く柄合わせが不要となる。従って、前記従来品
に比べ生産性が頗る良好となる。

加えて、前記従来品の如く、額縁部と身頃部とに縫い
代を設ける必要がないため、材料の歩留りが向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る方法に使用するミシンの部分切欠
斜視図、第２図は同II−II線断面図、第３図は本発明に
よって製造したトリムカバーの断面図、第４図はその使
用状態を示す斜視図、第５図は本発明によって製造した
他のトリムカバーの断面図、第６図はその使用状態を示
す斜視図、第７図、第８図は従来品の断面図である。図中、（ａ）は身頃部、（ｂ）は額縁部、（11）（12）
（12）は身頃部、額縁部を構成する表皮、形成用生地、
（２）はワディング、（３）はワディングカバーを夫々
示す。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】表皮、発泡体製ワディング、ワディングカ
バーの積層体からなる身頃部に、表皮からなる額縁部を
一体に有する車両用のシートのトリムカバーにおいて、
前記身頃部を構成する発泡体製ワディングとワディング
カバーとの積層体上に、前記身頃部と額縁部の表皮形成
用生地を重ね、次に、少なくとも前記ワディングとワデ
ィングカバーからなる積層体の端縁と、前記生地とをミ
シン縫いして、前記身頃部と額縁部を同時に一体成形す
ることを特徴とするトリムカバーの製造方法。