JPH0338559Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、特に低温流体用のタンクのための、
複数層からなる流体密な断熱壁に関する。

（従来の技術） 低温タンク用の断熱壁の内面壁は大きな熱収縮
や熱膨張を受けるため、これに適応できるような
伸縮継手を形成する構造とされる必要がある。

しかしながら、この内面壁を支持する中間断熱
層には熱収縮や熱膨張に対する十分な対策が考慮
されていなかつたため、この中間断熱層の負荷分
散特性や負荷伝達特性が損なわれるおそれがあつ
た。

（考案が解決しようとする課題） そこで本考案の目的は、中間断熱層の負荷分散
特性や負荷伝達特性を損なうことなく、タンク内
面壁の熱収縮および熱膨張への対処を可能にする
ことにある。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するため、本考案によれば、特
に低温流体用のタンクのための、複数層からなる
流体密な断熱壁であつて、自立構造を有する剛性
の外壁と、該外壁の内側に取り付けられ、負荷を
支持かつ伝達するようになされた中間断熱層と、
流体と接触し、実質的に可撓性を有する隔壁状の
不透過性の内壁を含み、前記中間断熱層の内側に
取り付けられ、該中間断熱層によつて連続的に支
持され且つこれに当接している流体密な第１の防
護壁であつて、その前記内壁が、前記タンクの内
方に向かつて片側に突き出した互いに離間され且
つ平行な１組の波形部とこの波形部と直交する同
様なもう１組の波形部とからなる２組の波形部が
形成された薄い金属シートから作られている、第
１の防護壁と、前記中間断熱層に埋設され、且
つ、少なくともほぼ矩形をして互いに並置され相
互に近接する縁がそれぞれ前記波形部の位置に位
置付けられ且つ該波形部に沿つて延在するように
なされている複数の支持パネルを含む分割層によ
つて前記第１の防護壁から離隔されている流体密
な第２の防護壁と、を備えている、タンクの流体
密な断熱壁面構造形成装置において、互いに隣接
する前記支持パネルの縁間には間隙が形成されて
おり、前記支持パネルのそれぞれには、該支持パ
ネルの厚さの少なくとも大部分にわたつて延び且
つ前記第１の防護壁の前記波形部の下方にてこれ
に沿つて対応するように延在している互いに直交
するスリツトが形成されている、ことを特徴とす
るタンク用の複数層からなる流体密な断熱壁が提
供される。

（実施例） 第１乃至５図は本考案による断熱壁の体の第１
の実施態様を示す。この壁面は、外側から内側に
向けて順次、自立構造の特に金属の外壁面１と、
圧力荷重を伝達し、実質的に連続するシートを形
成し望ましくは外壁面１に接着された断熱性で特
に射出形成された充填材からなる最も外側の層５
を含む断熱材料製の中間パツド即ち緩衝材と、例
えば挾置され接着された特に塩化ビニール又はポ
リウレタンの如き例えば３層の多孔質材からなる
中央の１シート即ち１層の断熱性の特に複式構成
即ち積層状に並置された主パネル６（前記中央の
シートは最も外側の層５に添着されスタツドボル
ト７により外壁面１に固定されている）と、第２
の密封即ち流体密の防護壁１４と例えば主として
塩化ビニールの如き多孔質材料から作られ間隙に
より分断された１シートの並置された支持パネル
からなる最も内側即ち分離層と、片側から内側に
露出された側即ち内面側から突出し前記間隙上方
にこれに沿つて延在する望ましくは直交する２組
の平行に離間された波形部２９を有する薄手の波
形金属シートから作られる金属製の流体密な第１
の防護壁１１とからなる。それぞれ連続的に隣接
する主パネル６間に残された分割間隙４４と、最
も内側の層１０の支持パネル間に残された間隙と
は、そのそれぞれの位置により各主パネル６間に
設けられる間隙に実質的に対応し、任意の隣接す
る２枚の主パネル間の各間隙は、その各表面と平
坦整合位置関係で層１０の隣接する２枚の支持パ
ネルの間において埋設嵌合された当材、突合せ帯
材状の被覆帯状４５により内側から被覆され、又
前記パネルの各々と前記突合せ帯材４５の間に間
隙２８を残している。４枚の相互に隣接する主パ
ネル６の各接合部においては、各間隙４４の相互
に交差する区域は、前記プラグ４６と各突合せ帯
材４５との間に間隙２８を残しながら、各パネル
の表面と平坦整合位置関係に間隙の交差区域に向
けて延在する４個の突合せ帯材４５の各端部間に
少くとも組付け即ち埋設された例えば正方形又は
矩形のプラグ４６により内側から被覆されてい
る。各突合せ帯材４５と各プラグ４６は、これ等
を囲撓する包囲層と実質的に同じ構成を有し、そ
れぞれ第２の防護壁１４と連続部を復活させる第
２防護壁４７の一部を構成する。

最も内側の層１０の各支持パネルは、厚さの少
くとも大部分にわたり延長し、直交するスロツト
又はスリツト２８′の網状のシステム即ち形状を
構成する事により内面側に開口する２組の直交し
平行に離間された例えば従方向および横方向のス
ロツト又はスリツト２８′を有し、一方少くとも
各突合せ帯材４５は前記支持パネルの対応するス
ロツト又はスリツトと望ましくは整合位置の前記
の横方向のスロツト又はスリツトが形成されてい
る。各スロツトおよびおそらくは最も内側の層１
０の前記各間隙２８は、第１防護壁１１のそれぞ
れ１波形部２９の下方又は背後で延在する。

最も内側の層１０の各支持パネルは、例えば参
板３７の比較的堅固な内張り板によりその内面で
被覆された多孔質材料から作られ、層１０の１つ
の支持パネルに設けられた各スロツト又はスリツ
ト２８′は、パネルを予め組立てる時例えば鋸等
の工具で切込まれる切目又は刻み目により作られ
た略々直線状の溝により形成され、この切込みは
勿論合板又は厚板３７上に延在する。

各主パネル６は最も外側の層５に接着され、第
２の防護壁１４，４７は主パネル６に接着され、
最も内側の層１０の支持パネルは前記主パネル６
上の第２防護壁１４に接着される。各当板状の突
合せ帯材４５と各プラグ４７とは、それぞれ第２
防護壁４７のそれ自体の部位により主パネル６に
接着された第２防護壁１４に接着されるが、最も
内側の層１０の支持パネルを内張りする各々の負
荷分散板３７は、第１防護壁１１と直接接触する
様に前記板の内面側に接続されている。

更に、第２，３，５図に詳細に示す如く、２枚
の隣接する主パネル６の隣接する縁部は、それぞ
れ内側に、前記隣接する主パネル６の隣接するさ
ねはぎ又は小穴継ぎ部４８と共に、１つの溝を形
成するフランジ部即ち段部４８を形成するさねは
ぎ、小穴継ぎ又は横桟を有し、各主パネル６を被
覆する最も内側の層１０の支持パネルは関連する
小穴継ぎ部４８の肩部を設けた縁部又は桟部から
凹状にされ、これにより別の段部４９を設けて隣
接する支持パネルと共に少くとも２段部４８，４
９を有する溝を形成し、前記段部には前記の段付
き溝に関連する形状を有する前記の肩部を設けた
突合せ帯材４５の１つが嵌合されている。この様
に、各突合せ帯材４５は、前記層１０の支持パネ
ルと略々同じ厚さを有し、特に合板から作られた
堅固な負荷分散板３７を用いて内部から内張りさ
れる事が望ましい例えば多孔質材料から作られた
内側層５０を有し、外面側は第２防護壁４７の前
記部分の１つからなり、層３７と４７はそれぞれ
内側層５０の反対側の面に接着されている。更
に、突合せ帯材４５は、前記の小穴継ぎ部４８の
深さと略々同じ厚さを有する例えば多孔質材料か
ら作られ、望ましくは第２防護壁４７の部分に接
着された外側層５１を有する。各突合せ帯材の横
方向巾は、これを収容して周部の間隙２８を設け
る為の対応する段付き溝４８，４９の巾よりも小
さく、各突合せ帯材４５は、一方では第２防護壁
４７の一部からなるそのフランジ部により第２防
護壁１４から主パネル６に接着され、他方ではそ
の外側層５１の底部により小穴継ぎ部又は桟部４
８により形成される溝の底部に接着され、２枚の
隣接する主パネル６間に残された分割間隙４４に
跨座している。

４枚の隣接する主パネル６の各接合点におい
て、前記の小穴継ぎ部、横桟部又は段部４８，４
９はカツプ即ち樋５２（第１，４，５図参照）を
形成し、前記各突合せ帯材４５の対応する端部は
最も内側の層１０の支持パネルと整合関係に終
り、第２防護壁４７に取付けられた端部をして、
隣接する突合せ帯材４５の対応する舌部５３に対
し各斜め継ぎ部に沿つて左右両側で隣接する望ま
しくは実質的に二等辺の梯形の形状の前記カツプ
即ち樋部５２の肩部を設けた縁部に向けて突出さ
せる。関連するプラグ即ち栓部４６は、突合せ帯
材４５と同じ構造、巾および厚さと、カツプ即ち
樋部５２の形状と関連する係合形状を有するが、
縦方向および横方向寸法は前記カツプ即ち樋部の
対応寸法よりも小さく周部に間隙を残して前記カ
ツプ即ち樋部内に嵌合する。従つて、各プラグ即
ち栓部４６は、例えば合板３７から作られた比較
的堅固な負荷分散板を用いて望ましくは内側で内
張りされた最も内側の層５４を有し、第２防護壁
４７の部分と１外側層５５は外側層５４からその
周縁部で凹状となつて、プラグが前記カツプ即ち
樋部５２の底部に当接する周部に側方に突出する
フランジを形成している。各プラグ４６は、一方
では第２防護壁４７の部分をなすその桟部で前記
の梯形舌部５３をなす包囲状の縁部に接着され、
他方ではその最も外側の底部において前記４枚の
隣接する主パネル６間に残された分割間隙４４の
継点に対し跨座即ち重合関係に前記カツプ即ち樋
部５２に接着されている。

あるいは又、各々の梯形の舌部５３は矩形の舌
部で置換しても良く、この場合、カツプ即ち樋部
５２のいずれかの側に位置された相方の整合され
た突合せ帯材４５は、前記舌部の長さに等しい距
離丈それぞれ凹状とし、あるいは反対方向に折返
されて、最初の突合せ帯材に対し直角位置に整合
された他の２つの突合せ帯材４５の舌部の長手方
向側に当接させられる必要がある。この様に、カ
ツプ５２、従つてプラグ４６は正方形の代りに矩
形形状である。

第２図に特に示す如く、主パネル６を固定する
為の各スタツドボルトは、例えば１対の部材即ち
１方は外ねじを設けた雄型部材７、他方は内ねじ
を設けた雌型部材１５（ナツト形状）で相互に螺
合する部材からなり、この一方は外壁面１に固定
され、他方は取外し可能で頭部を有する。この様
に、第２図においては、雄型部材７は外壁面１に
溶接され、中空形状の雌型部１５は管状即ちプラ
ンジヤヘツドを付けたナツトからなる。各スタツ
ドボルトは、２枚の隣接する主パネル６間に残さ
れた分割間隙４４を貫通して延長して、両方の桟
部又は小穴継ぎ部４８上に跨座重合関係に突出す
る挾置された支持ワツシヤ即ち小形板５６の中継
により２つの各小穴継ぎ又は桟部４８からなるフ
ランジ部に対して同時にその頭部１５により当接
する。このスタツドボルト７，１５は又、望まし
くは、隣接する４枚の主パネル６間に残された
各々の分割間隙４４の各交点５７（第１図参照）
において、前記隣接する主パネルの４つの隣接す
る隅部上に跨座重合関係に突出する支持ワツシヤ
即ち小形板５６が設けられ、各スタツドボルト頭
部１５は、そのワツシヤ５６と共に、突合せ帯材
４５又は対応するプラグ４６の最も外側の面５１
又は５５に形成され、望ましくはグラスウール又
はロツクウールで充填される係合する凹部状の関
連するハウジング５８内に収容される。中央の断
熱性の主パネル６の層により、最も外側の充填層
５（これが容易に変形可能な場合）の過度の破
砕、つぶれ、又は圧縮を防止する為、各固定用ス
タツドボルト７は、望ましくは該スタツドボルト
上の所定位置に調整可能で主パネル６の支持圧力
を受止めるストツパ即ち支持用架部７ａを有し、
前記主パネルの相対的位置が任意に前記の変位可
能なストツパ７ａにより調節可能となる。各スト
ツパ７ａは、望ましくは、中心部にねじを設けた
た貫通孔が形成され、関連するスタツドボルト７
の対応するねじ部上に螺合される孔を有するワツ
シヤ即ち小形板からなる。各小形板即ちワツシヤ
は、隣接するパネル６の背後に突出する側方に十
分な寸法を有しても、少くとも２枚以上の隣接す
るパネルに対して共通の支持ストツパ即ち架部と
して作用する。各パネル６は、この様に前記スト
ツパ７ａにより外壁面１からの距離に関し所定位
置に調節され、次いでプランジヤナツト１５（第
２図参照）により前記各ストツパに対して緊締す
る事により固定される。

第３図の右手側に示された別実施例によれば、
例えばエポキシ樹脂から作られた最も外側の層５
を形成する特に大容積の充填材の連続シートは、
前記充填材５よりも廉価である多孔質材料から作
られ、相互に接触位置関係に並置されて外壁面１
全体を内張り又は被覆する小形で例えば矩形又は
正方形のブロツク又は厚板５′の相等層により置
換出来る。これ等のブロツク又は厚板５′は、望
ましくは外壁面１に直接接着され、この壁面の表
面における不規則形状、不整部又は凹凸部を補正
する吸収層を形成する。この目的の為、ブロツク
又は厚板５′の前記層の内面が自動作用の機械に
よる平削作業により平坦化、平滑化され、主パネ
ル６は望ましくは、スタツドボルト７に固定され
る以前にブロツク又は厚板５′の前記層に接着さ
れる。

突合せ帯材４５又はプラグ４６の下方で２枚の
隣接する主パネル６間に残された各分割間隙４４
は、例えば多孔質の材料から作られたストツパー
パツド５９（第３図）により最も外側の層５に向
けて閉塞され、望ましくはグラスウール又はロツ
クウールにより充填される。

第６図は、２枚の主パネル６を最初のもののい
ずれかの側方に位置させた主パネル６の中継部の
別実施例を示す。この実施例によれば、各主パネ
ル６は、各１対の反対位置の縁部に２つの相互に
逆方向の小穴継ぎ部即ち桟部６０，６１を有す
る。即ち、一方の桟部６０は外側に向け、他方の
桟部６１は内側に向け従つて反対側の両方向にそ
れぞれ向く事になり、その各々は隣接する１枚の
主パネル６の対応して逆方向の係合桟部即ち小穴
継ぎ部と重合し、望ましくは、主パネルの各小穴
継ぎ部即ち桟部により形成される舌部の端部と、
隣接する主パネルの対応する肩部との間に間隙を
残している。隣接する両方の主パネルは、この様
に小穴継ぎ部により組立てられ、前記各々の間隙
は、その内側では、最も内側の層１０の支持パネ
ルと同じ材料組成を有した１本の当板状の突合せ
帯材６２により被覆され、一方外側方向には第２
防護壁４７の一部により、又おそらくは内側方向
には例えば合板３７から作られた堅固な分散板に
より内張りされている。これ等の突合せ帯材６２
の各々は、これ等の各面に対し平坦整合関係にあ
り乍ら、それぞれが対応する主パネル６から凹状
となつた最も内側の層１０の２枚の隣接する支持
パネル間の左右両側の周部の間隙と嵌合してい
る。この様に、各凹状パネル１０は前記小穴継ぎ
部６１により形成された舌部上の対応する桟部又
はフランジを開被させ、各突合せ帯材６２は前記
間隙上に跨座し乍ら、前記の２つの相対するフラ
ンジ又は桟部上に定置している。各突合せ帯材６
２は、望ましくは第２防護壁４６のそれ自体の部
分により隣接する主パネルの第２防護壁１４に対
して接着され、これにより流体密の第２防護壁の
連続性を復活させる。

第６図に示す如く、外側に向け位置された前記
小穴継ぎ部６０の１つからなる主パネル６の各延
長舌部を介して延長しているのは数本の離間され
た固定用スタツドボルト７で、その各々の突出す
る自由端部には緊締用ナツト１５がねじ込まれ
て、そのナツトと共に前記自由端部を、桟置され
た支持ワツシヤ５６の作用により前記小穴継ぎ部
即ち桟部に対して押圧し、その支持ワツシヤは、
隣接する主パネル６の被覆舌部の対応する凹部５
８（内側に向けて位置された折返された桟部即ち
小穴継ぎ部６１により形成される）内で収容され
る。各凹部５８はグラスウール、ロツクウール等
で充填される事が望ましい。

各種材料の使用を一般化する為に、第２防護壁
１４は、合板又は積層構成の合成材料又はプラス
チツク材料で作られた板又はシートからなり、主
パネル６および（又は）支持パネル１０は、バル
サ木材又は例えば塩化ビニール又はポリウレタン
の如き多孔質材料から作られ、又最も外側の層５
はち密な又は多孔質の、発泡又は膨張され、同質
あるいは異質で比較的硬質又は軟質の材料からな
るが、圧力を伝達するも実質的に一定の体質を維
持するものである事が望ましい。

即に述べた通り、第１の防護壁１１は、これを
中実の壁部の断熱層に結合する不連続の係止部材
に固定されていた。第１乃至３図にそれぞれ示す
如く、各々の係止部材は、望ましくは最も内側の
層１０内に埋設又は沈設された硬質の断熱材料か
ら作られ前記層を貫通して第２防護壁１４迄延長
する少くとも１個の緊締具支持ブロツク６４を有
し、前記第２防護壁に対しては前記の緊締具支持
ブロツク６４が望ましくは渉着され、同様に少く
とも１個の金属部材は略々平坦に露出された一面
を前記ブロツク６４に固定させ、望ましくは周部
の空隙を残して例えば金属製の熱遮蔽シールドに
より囲撓させ、前記部材の表面並びに最も内側の
層１０の内面に対して平坦整合関係に位置させて
いる。第１防護壁１１の金属シートは、この様
に、前記金属シートの又はその長形の切落し開口
部の一縁部の一部に沿つて、スポツト溶接又は連
続又は不連続のビードによる溶接（望ましくは電
弧溶接）により係止部材の如きものに局部的に固
定され、前記縁部は前記係止部材に跨座重合して
いる。硬質の断熱材料６４の各ブロツクは、望ま
しくは合成樹脂で含浸させた合板又は積層木材か
ら作られるか、あるいは又グラスフアイバおよび
合成樹脂からなる複合材料から作られる。前述の
遮熱シールドの主な機能は、ブロツク６４と囲撓
する最も内側の層とを、第１防護壁を固定する溶
接工程において生じる熱に対して保護する事であ
る。

第１防護壁１１の例えば矩形の各金属シート
は、一方ではその周部の一部又は半分にわたり位
置された前記係止部材に対して前記一部又は半分
の長さにわたり溶接され、他方では前記周部の残
部又は前記の他の半分にわたり望ましくは重ね継
手により第１防護壁の隣接する金属シートに対し
て取付けられて、前記の金属シートを対応する係
止部材上に溶接する為に設けられた長形の開口を
被覆する。前記の重ね継手による結合を実施する
為には、前記被覆用金属シートの縁部は、これと
隣接する被覆金属シートの厚さ丈折曲げられある
いは傾斜させられて、第１防護壁全体に対して支
持又は取付け面を維持し、前記取付面はその外面
即ち断熱層に向いた面上で実質的に平坦である。

前記の各係止部材は、特に金属シートから作ら
れ前記遮熱シールドを形成する板材の対応する孔
内周部の空隙により挿入された例えば金属製の丸
形の要素からなり、前記の丸形の要素および前記
シールド板は、前記の緊締具支持ブロツク６４内
に埋設又は設置され、前記ブロツクと共に最も内
側の層１０の内面の表面と、あるいはその高さに
おいて平坦位置関係にある。各丸形要素は望まし
くは、設置すべき第１防護壁の金属シートを緊締
する事等により維持する為の保持具を一時的に固
定する為の少くとも１つのねじ孔が設けられる。

第２図および第３図は、特に第１防護壁１１の
隣接する２枚の金属シートを１つの溶接による重
ね継ぎ部９５に沿つて両方の金属シートに共通の
１つの係止部材６５上に固定する方法を示す。

なお、負荷分散層は、第１の防護壁の支持する
負荷を有効に分散させることができるので、断熱
壁を軽量でしかも強度の強いものとすることがで
きる。

（考案の効果） 本考案の断熱壁によれば、流体と接触する第１
の防護壁の波形部の下方にてこれにに対応するよ
うに延在している互いに直交するスリツトが、中
間断熱層をなす分割層の支持パネル自身に形成さ
れて伸縮継手の役割をしているので、分割層の負
荷分散特性および負荷伝達特性を損なうことな
く、第１の防護壁１１の熱収縮および熱膨張に対
する抵抗を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による断熱壁の完成
部分をその内側からその各部を破断し断面により
拡大視した部分平面図。第２図は第１図の−
断面図。第３図は第１図の−断面図。第４図
は４枚の隣接する対をなす重ね合わせ状態の断熱
パネルの接合区域ならびにそれぞれ前記パネルま
で延長する各パネル間の４本の突き合わせ帯材す
なわち被覆材の当接区域を取り外し位置で斜示的
に示された充填プラグを形成する閉塞用ブロツク
とともに拡大寸法にて示す部分的に分解された平
面図。第５図は第４図の−断面図。第６図は
第２図と類似するが、中間の層すなわちシートの
１つの断熱用パネルのいずれかの側の２枚の隣接
する前記パネル間の接合部の別の実施態様を、被
覆材の別態様とともに示し、第１防護壁用の係止
装置を省略した拡大図。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 特に低温流体用のタンクのための、複数層か
   らなる流体密な断熱壁であつて、 自立構造を有する剛性の外壁１と、 該外壁の内側に取り付けられ、負荷を支持か
   つ伝達するようになされた中間断熱層５，６，
   １０と、 流体と接触する第１の防護壁１１であつて、
   可撓性を有する不透過性の薄い金属シートで作
   られ、前記中間断熱層の内側面に当接するよう
   に取り付けられて該内側面により連続的に支持
   されるようになされている隔壁状の内壁からな
   る流体密な第１の防護壁１１と、 前記中間断熱層５，６，１０の一部をなす分
   割層１０を介して前記第１の防護壁１１から離
   隔されるようにして前記中間断熱層５，６，１
   ０内に埋設配置されている流体密な第２の防護
   壁１４と、を備えているタンク用の複数層から
   なる流体密な断熱壁において、 前記内壁には、前記タンクの内方に向かつて
   突き出した形になつた複数の波形部２９が形成
   されており、該複数の波形部は、互いに離間さ
   れ且つ平行な１組の波形部と、これらの波形部
   に直交する同様なもう１組の波形部とからなつ
   ており、 前記分割層１０は、互いに並置されている複
   数の支持パネルからなつており、該支持パネル
   は、それぞれがほぼ矩形をしており、それぞれ
   の支持パネルの互いに隣接する縁は、前記波形
   部２９に沿つて延在するように位置付けられて
   おり、 互いに隣接する前記支持パネルの縁間には間
   隙２８が画成されており、前記支持パネルのそ
   れぞれには、該支持パネルの厚さの少なくとも
   大部分にわたつて延び且つ前記第１の防護壁１
   １の前記波形部２９の下方にてこれに沿つて対
   応するように延在している互いに直交するスリ
   ツト２８′が形成されている、ことを特徴とす
   るタンク用の複数層からなる流体密な断熱壁。 ２ 前記支持パネルのそれぞれが、前記第２の防
   護壁１４側に取り付けられた多孔質材料からな
   る層と、この層の前記第１の防護壁１１に面す
   る方の表面に支持され且つ合板および剛性の合
   成材料を含むグループから選択された一剛性材
   料で作られた負荷分散層３７とからなり、該負
   荷分散層の、前記多孔質材料からなる層の表面
   に支持されていない方の側は、流体密な前記第
   １の防護壁１１に取り付けられていることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載
   の断熱壁。 ３ 前記外壁１と第２の防護壁１４との間に存在
   する中間断熱層５，６の部分領域が、少なくと
   もほぼ矩形をした複数枚の互いに隣接するパネ
   ル６よりなり、前記第２の防護壁１４が、前記
   パネル６と前記分割層１０を構成する板ととも
   に連続板６，１４，１０を一体に形成してお
   り、互いに隣接する連続板６，１４，１０間に
   存在する分割間隙４４が断熱材で充填され且つ
   被覆材４５，６２により流体密に被覆されてお
   り、被覆材４５，６２は連続板６，１４，１０
   に形成されている溝内にはめられているととも
   に、少なくとも内側に固有の分割層３７，５０
   および流体密な防護壁４７を備え、互いに隣接
   する連続板６，１４，１０の防護壁１４の並列
   した縁領域４９が重なり合うようになされてい
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項または第２項に記載の断熱壁。 ４ 前記分割間隙４４の交点５７においては、ほ
   ぼ矩形であつて被覆材４５と同じ構成を有する
   プラグ４６が溝４８，４９，６０，６１内には
   め込まれており、それぞれの第２の防護壁１４
   の縁領域が互いに流体密な状態に重なり合つて
   いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第３項に記載の断熱壁。 ５ 前記分割層１０内には第１の防護壁１１を溶
   接するための断熱性の金属係止手段６５，７
   ３，７５がはめ込まれていることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項ないし第４項の
   いずれかに記載の断熱壁。