JPH0337569Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、被掃除面から塵埃を掻き出す回転ブ
ラシを着脱自在に設けた電気掃除機の吸込口体に
係り、回転ブラシに回転駆動体の回転を伝達する
ベルトを回転ブラシを脱した際に所定位置に保持
する構造に関する。

（従来の技術） 従来、吸込口本体内に、その下面前側に形成さ
れた吸込口と対向して回転ブラシを回転自在かつ
着脱自在に設け、この回転ブラシの回転によつて
被掃除面から塵埃を掻き上げ、この塵埃を吸込口
から吸込んで、吸込口本体の後側に設けられた連
結管を介して電気掃除機に送り込むようにしたこ
の種の電気掃除機の吸込口体においては、掃除終
了後に回転ブラシに付着した糸くずや毛髪などを
除去するため、この回転ブラシに対向して吸込口
本体の上面前側に、蓋体により開閉される開口部
を形成し、この開口部を介して回転ブラシを挿脱
できるようにした構造が採られている。

また、吸込口本体の内部後側に、例えば、吸込
気流を受けて回転する回転駆動体としてのフアン
を設け、前記回転ブラシには、フアンに固設され
た駆動プーリと回転ブラシに固設された従動プー
リとに巻回されたベルトを介して、フアンの回転
を伝達するようにした構造も採られている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記ベルトは、吸込口本体の内部後側に配設さ
れたフアン側の駆動プーリと、内部前側に配設さ
れた回転ブラシの従動プーリとに掛け渡してある
から、このベルトは、その後側が吸込口本体内の
開口部に臨まない位置に位置し、前側が開口部に
臨んで位置することになる。そして、このベルト
は、一般的に弾性を有する合成ゴムなどで略円形
に成形されているから、回転ブラシを吸込口本体
から外した際には、変形して丸まろうとし、その
ために、このベルトが開口部に臨まない吸込口本
体の内部後側にはいり込んでしまうおそれがあつ
た。

このような、ベルトが吸込口本体内の開口部に
臨まない位置に完全に潜り込んでしまえば、そこ
からベルトを引き出すのは非常に厄介であるし、
完全に潜り込んでしまわなくとも、ベルトが大き
く変形すれば、回転ブラシを装着するに際して、
ベルトを回転ブラシの径の大きい従動プーリに掛
けるのに手間を要する問題点があつた。

本考案は、吸込口本体の開口部を介して回転ブ
ラシを脱した際に、この回転ブラシに回転駆動体
の回転を伝達するベルトが所定位置に保持され、
このベルトが吸込口本体内の開口部に臨まない位
置にはいり込んだり、大きく変形したりすること
がなく、したがつて、再び回転ブラシを吸込口本
体に装着する際に、手間を要することのない電気
掃除機の吸込口体を得ることである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案の電気掃除機の吸込口体は、吸込口を下
面に開口し蓋体により開閉される開口部を上面に
形成した吸込口本体と、この吸込口本体の内部に
前記吸込口および開口部に対向して回転自在かつ
着脱自在に設けられこの開口部を介して挿脱され
る回転ブラシと、前記吸込口本体の内部に設けら
れた回転駆動体と、この回転駆動体に設けられた
駆動プーリと前記回転ブラシに設けられたこの駆
動プーリより径大の従動プーリとに巻回され前記
回転駆動体の回転を回転ブラシに伝達するベルト
とを備え、前記吸込口本体の内部の上面および下
面に、前記ベルトに上方および下方より小間隙を
保持して対向され前記回転ブラシを外した際にベ
ルトを所定位置に保持する突出部をそれぞれ設け
たものである。

（作用） 本考案の電気掃除機の吸込口体は、掃除時に
は、回転駆動体によりベルトを介して回転ブラシ
を回転させ、この回転ブラシによつて被掃除面か
ら塵埃を掻き出して、この塵埃を吸込口より吸引
し、その際回転ブラシに付着した糸くずなどを掃
除後に除去するために、この回転ブラシを吸込口
本体の開口部を介して取脱した際に、吸込口本体
に設けられ回転ブラシの装着時にはベルトに上方
および下方より小間隙を保持して対向される突出
部によつて、このベルトの変形を規制して、この
ベルトを所定位置を保持するものである。

（実施例） 本考案の電気掃除機の吸込口体の一実施例の構
成を第１図ないし第４図について説明する。

２０は吸込口本体で、上面を開口した函形状の
下部ケース２１と、この下部ケース２１にその上
面開口を後側を覆うようにねじで取着され下面を
開口した函形状の上部ケース２３と、これら両ケ
ース２１，２３の各開口面の周縁部に挾持された
バンパー２４とで構成されている。そして、前記
下部ケース２１の上面開口の前側が、その一側縁
から他側縁に至る回転ブラシ掃除用開口部２５と
なつている。

また、この吸込口本体２０の内部には、上部ケ
ース２３の前面壁２３ａと、下部ケース２１内に
立設され前記前面壁２３ａに接合される仕切壁２
６とによつて前側に回転ブラシ室２７が区画形成
され、また、前記前面壁２３ａおよび仕切壁２６
より後側は、短手方向に延びる一対の仕切壁２
８，２９によつて、中央部のフアン室３０と、一
側のフアン保持室３１と、他側の切換摘み室３２
とに区画形成され、さらに、前記回転ブラシ室２
７およびフアン保持室３１の側方には、仕切壁３
３によつてベルト室３４が区画形成されている。

そして、前記ブラシ室２７の下面には吸込口３
５が開口されている。また、前記フアン室３０
は、その前面に開口された連通口３６によつて前
記ブラシ室２７と連通しており、また後面には切
欠部３７が開口されている。

また、前記下部ケース２１の前面壁２１ａの上
縁部には、その両端部および中央部に係合孔３８
がそれぞれ形成され、前記上部ケース２３の前面
壁２３ａには、前方に突出して側面略Ｌ字形状の
係合段部３９が形成されているとともに、この係
合段部３９の両端にそれぞれ対向して係合突起４
０が突出形成されている。

また、前記下部ケース２１の切換摘み室３２内
には、左右方向へ延びる一対のガイド壁４１が立
設され、これらガイド壁４１には、上下方向へ延
び相対向するガイド壁４１側へ窪んだ２対の係合
溝４２がそれぞれ相対向して形成されている。

さらに、前記上部ケース２３の上面には、前記
ガイド壁４０に対向して左右方向へ延びる摺動孔
４３が開口形成されている。

また、前記回転ブラシ室２７の両端に対向して
下部ケース２１の両側壁には、一対の突片よりな
る嵌合部４４がそれぞれ形成されている。

５０は前記吸込口本体２０の後側に回動自在に
設けられた連結管で、管本体５１と、この管本体
５１の後側に回動自在に設けられた回動管５２と
で構成されている。そして、前記管本体５１の前
側は、前面に開口部５３を設けた半円筒部５４に
形成され、連結管５０は、この半円筒部５４の両
側面に形成された軸部５５が前記フアン室３０の
両側の仕切壁２８，２９に回動自在に軸支される
ことによつて、前記吸込口本体２０の後側に上下
回動自在に取着されている。

６０は前記回転ブラシ室２７内に回転自在かつ
着脱自在に設けられた回転ブラシで、周面にはブ
ラシ毛６１が螺旋状に植設されている。そして、
この回転ブラシ６０は、その両端面から突出した
図示しないシヤフトに軸受６３が回転自在に嵌合
され、これら軸受６３が前記嵌合部４４にそれぞ
れ嵌合されることによつて、前記回転ブラシ室２
７内にその下面の吸込口３５に臨んで回転自在に
保持されている。また、この回転ブラシ６０の一
端部には、後述の駆動プーリ７５より径大のギア
状の従動プーリ６４が固設され、この従動プーリ
６４は前記ベルト室３４内に位置している。

７０は前記フアン室３０内に回転自在に設けら
れたフアンで、円盤状の一対の端面壁７１と、こ
れら端面壁７１間に側面放射状に形成された吸込
気流を受ける複数のブレード７２とからなつてお
り、これらブレード７２は、吸込気流の衝突時の
騒音低減のため、フアン７０の回転軸の方向に対
して螺旋状に傾斜されている。さらに、このフア
ン７０には棒状のシヤフト７３が貫通されている
とともに、このシヤフト７３には軸受７４が回転
自在に嵌合され、さらにこの軸受７４より外側に
位置してギア状の駆動プーリ７５がシヤフト７３
に固設されている。

そして、前記軸受７４がフアン保持室３１の両
側の仕切壁２９，３３に支持されることによつ
て、フアン７０はフアン室３０内に回転自在に保
持されている。

また、この状態で前記ベルト室３４内に位置し
たこのフアン７０の駆動プーリ７５と前記回転ブ
ラシ６０の従動プーリ６４とにベルト７６が掛け
渡されており、フアン７０が吸込気流によつて回
転されるのに伴つて、このベルト７６を介して回
転ブラシ６０が回転駆動されるようになつてい
る。

一方、前記ベルト室３４内において、上部ケー
ス２３の前縁およびその後方から、板形状の突出
部７７ａ，７７ｂがそれぞれ垂設され、また、下
部ケース２１には、前記突出部７７ａ，７７ｂと
それぞれ同一鉛直面内に位置する突出部７７ｃ，
７７ｄが立設されている。なお、前記上部ケース
２３の前側の突出部７７ａは、この上部ケース２
３の前面壁２３ａの一部で兼ねてある。そして、
前記回転ブラシ６０の駆動プーリ６４にベルト７
６が掛けられた状態では、第１図に示すように、
このベルト７６に、前記上部ケース２３の突出部
７７ａ，７７ｂが上方より小間隙を保持して対向
され、前記下部ケース２１の突出部７７ｃ，７７
ｄが下方より小間隙を保持して対向されるように
なつている。

８０は前記切換摘み室３２内に摺動自在に設け
られた切換摘み体で、下面を開口した直方体函形
状の本体部８１と、この本体部８１の上面に突出
形成された操作部８２とからなり、前記本体部８
１の前面側には摺動板８３が固設されている。ま
た、前記本体部８１には、その両側面に切り欠き
状の嵌合部８４が相対向して形成されているとと
もに、内側の前面および後面に上下方向に延びる
半円柱形状の係合突条８５が相対向して形成され
ている。

そして、この切換摘み体８０は、その本体部８
１の嵌合部８４が前記ガイド壁４１に摺動自在に
嵌合されることによつて、前記操作部８２が摺動
孔４３から突出した状態で摺動自在に取付けられ
ている。また、この状態で、前記摺動板８３は吸
込口本体２０の仕切壁２６の前面に摺動自在に当
接される。さらに、切換摘み体８０は、その摺動
に際して、その本体部８１の係合突条８５が前記
ガイド壁４１の係合溝４２に係合されることによ
つて、所定位置に保持される。

そして、係合突条８５がフアン室３０側の係合
溝４２に係合した際には、前記摺動板８３が前記
連通口３６の一部を閉塞して、この連通口３６か
らの吸込気流が前記フアン７０を回転させる速さ
となり、一方、係合突条８５が外側の係合溝４２
に係合した際には、前記連通口３６の全体が開放
されて、この連通口３６からの吸込気流が前記フ
アン７０を回転させない速さとなるようになつて
いる。

９０は前記吸込口本体２０の開口部２５を開閉
する蓋体で、平面形状がこの開口部２５の形状に
等しい下面を開口した函形状に形成されている。
そして、この蓋体９０の前縁部には、その両端部
および中央部に前記吸込口本体２０の係合孔３８
に係合される側面略Ｌ字形状の係止爪部９１がそ
れぞれ垂設され、両側縁部の後側には凹部９２が
それぞれ形成されている。また、これら凹部９２
の底壁には、左右方向へ延びる一対の保持溝９３
が開口形成されている。

９５は前記蓋体９０の両側縁部に摺動自在に設
けられた操作摘み体で、前記蓋体９０の凹部９２
と略等しい形状に形成されている。また、この操
作摘み体９５には、その下面に前記蓋体９０の保
持溝９３に摺動自在に係合される側面略Ｌ字形状
の係合爪部９６が対をなして一体的に垂設され、
後面側に前記吸込口本体２０の係合突起４０に係
合される図示しない係合溝が形成されている。そ
して、この操作摘み体９５は、その係合爪部９６
を前記蓋体９０の保持溝９３に係合することによ
つて、この蓋体９０に摺動自在に保持されてい
る。

次に、この実施例の作用について説明する。

掃除時には、蓋体９０により吸込口本体２０の
開口部２５を閉じておく。そして、床面などを掃
除するときは、切換摘み体８０を摺動させて連通
口３６の開口面積を大きくしておき、フアン７０
および回転ブラシ６０を回転させない状態で掃除
を行ない、一方、じゆうたんなどを掃除するとき
は切換摘み体８０を摺動させて連通口３６の開口
面積を小さくしておき、フアン７０および回転ブ
ラシ６０を回転させ、この回転ブラシ６０により
じゆうたんなどから塵埃を掻き出しながら掃除を
行なう。

塵埃は、吸込口から回転ブラシ室２７、フアン
室３０、連結管５０を順次通つて、この連結管５
０に接続された延長管やホースを介して電気掃除
機の集塵室へ導かれる。

そして、塵埃が吸込口気流とともに回転ブラシ
室２７内を通過する際に、この回転ブラシ室２７
内の回転ブラシ６０に引掛つた糸くずや毛髪など
を、掃除後に除去するには、まず蓋体９０を脱し
て吸込口本体２０の開口部２５を開放する。

また、蓋体９０を外すには、まずその操作摘み
体９５を外方へ摺動させ、吸込口本体２０の外面
から突出した状態にする。そうすると、操作摘み
体９５の係合溝が、吸込口本体２０の係合突起３
９から脱れ、操作摘み体９５と吸込口本体２０と
の係合が解除される。

次いで、蓋体９０をその前縁を支軸として上方
へ回転させるとともに、その係止爪部９１を吸込
口本体２０の係合孔３８より外して、蓋体９０を
吸込口本体２０から取外す。

次に、まず回転ブラシ６０のプーリ６４が設け
らていない側の軸受６３を嵌合部４４より外し、
次いで、従動プーリ６４をベルト７６から抜くと
ともに、この従動プーリ６４が設けられている側
の軸受６３を嵌合部４４より脱すことによつて、
回転ブラシ室２７から回転ブラシ６０をその軸受
６３とともに脱し、開口部２５より取出して、こ
の回転ブラシ６０にからみついた糸くずや毛髪な
どを除去する。さらに、ベルト室３４や回転ブラ
シ６０の軸受６３用の嵌合部４４近傍の掃除を行
なう。

このように、回転ブラシ６０を外した状態で
は、ベルト７６は、ベルト室３４内の突出部７７
ａ，７７ｂ，７７ｃ，７７ｄによつて、変形が規
制されて所定位置に保持されるため、このベルト
７６が、開口部２５に臨まないベルト室３４の後
側にはいり込んでしまうことはない。

また、回転ブラシ６０などの掃除後は、この回
転ブラシ６０を再び回転ブラシ室２７に装着し、
次いで、蓋体９０を取付け、開口部２５を閉塞す
る。

そして、回転ブラシ６０を装着するには、まず
その従動プーリ６４にベルト７６を掛けながら、
このベルト７６側の軸受６３を嵌合部４４に嵌合
し、次いで、ベルト７６と反対側の軸受６３を嵌
合部４４に嵌合する。その際、ベルト７６は、ベ
ルト室３４内の突出部７７ａ，７７ｂ，７７ｃ，
７７ｄによつて、変形がある程度規制されている
ため、このベルト７６を従動プーリ６４に掛け易
い。

また、蓋体９０を取付けるには、その係止爪部
９１を吸込口本体２０の係合孔３８に係合し、こ
の蓋体９０をその前縁を支軸として下方に回転さ
せれば、その後面の下縁部が吸込口本体２０の係
合段部３９に係合される。次いで、操作摘み体９
５を内方に摺動させれば、その係合溝が吸込口本
体２０の係合突起４０に係合されて、蓋体９０が
吸込口本体２０に係止される。

〔考案の効果〕

本考案によれば、吸込口本体の内部の上面およ
び下面に、回転駆動体の回転を回転ブラシに伝達
するベルトに上方および下方より小間隙を保持し
て対向される突出部をそれぞれ設け、吸込口本体
の開口部を介して回転ブラシを脱した際に、ベル
トの変形を規制してこのベルトを所定位置に保持
するようにしたので、このベルトが、開口部に臨
まない吸込口本体の内部にはいり込んでしまうこ
とがないとともに、大きく変形することがなく、
回転ブラシを再び装着するに際して、手間を要す
ることなく容易に装着することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電気掃除機の吸込口体の一実
施例を示す縦断側面図、第２図は同上蓋体および
回転ブラシを脱した状態を示す縦断側面図、第３
図は同上分解斜視図、第４図は同上切換摘み体の
下方斜視図である。 ２０……吸込口本体、２５……開口部、３５…
…吸込口、６０……回転ブラシ、６４……回転ブ
ラシに設けられた従動プーリ、７０……回転駆動
体としてのフアン、７５……回転駆動体に設けら
れた駆動プーリ、７６……ベルト、７７ａ，７７
ｂ，７７ｃ，７７ｄ……突出部、９０……蓋体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 吸込口を下面に開口し蓋体により開閉される開
   口部を上面に形成した吸込口本体と、 この吸込口本体の内部に前記吸込口および開口
   部に対向して回転自在かつ着脱自在に設けられこ
   の開口部を介して挿脱される回転ブラシと、 前記吸込口本体の内部に設けられた回転駆動体
   と、 この回転駆動体に設けられた駆動プーリと前記
   回転ブラシに設けられたこの駆動プーリより径大
   の従動プーリとに巻回され前記回転駆動体の回転
   を回転ブラシに伝達するベルトとを備え、前記吸
   込口本体の内部の上面および下面に、前記ベルト
   に上方および下方より小間隙を保持して対向され
   前記回転ブラシを外した際にベルトを所定位置に
   保持する突出部をそれぞれ設けたことを特徴とす
   る電気掃除機の吸込口体。