JP2908958B2 - 電気掃除機の吸込具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、吸込具本体内に掃除面
に対向する吸込口を設け、上記吸込具本体に該吸込口に
沿って回転自在に回転ブラシを設け、上記吸込具本体に
該回転ブラシを伝達機構を介して回転駆動させる電動機
を設け、該電動機の回転力を上記回転ブラシに伝達する
ベルトを張設した電気掃除機の吸込具に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の電気掃除機の吸込具５１を図１０
及び図１１に示すように、吸込具本体５２内に電動機５
３を設けるとともに、床面に対向する吸込口５４を設け
た回転ブラシ室５５を形成し、この回転ブラシ室５５に
回転ブラシ５６を配置し、電動機５３と上記回転ブラシ
５６の一端部のみに設けた歯車のような被伝達部５７と
を伝達手段であるベルト５８で連動し、電動機５３の回
転力によって上記回転ブラシ５６を回転させ、絨毯等の
床面の塵埃をかき上げて吸い込むように構成したもので
ある。

【０００３】上記回転ブラシ５６は両端に回転軸５９を
具備し、該回転軸５９は軸受組品６０に支持されている
軸受６１に軸支されている。該軸受６１は内部に軸受メ
タル６１ａを有しており、回転軸５９を回動自在に保持
している。

【０００４】そして、蓋体６２は、吸込具本体５２の上
部に着脱自在に設けられ、掃除の際或いは長期間の使用
により、上記回転ブラシ５６のブラシ毛６３にごみが付
着したとき、このごみを容易に取り除くことができるよ
うに、回転ブラシ５６を回転ブラシ室５５から着脱でき
るように設けられている。また、蓋体６２はその両端部
にスプリング６３が設けられており、このスプリング６
３により常に上記軸受６１を下方に付勢し、上記回転ブ
ラシ５６を常に掃除面に接触させていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記構成の吸込具にお
いては、回転ブラシが蓋体に向けられたスプリングによ
り常に下方に付勢されているので、該回転ブラシと掃除
面（床面）との間に間隙がないため、壁際等に大きなご
みがある場合に、このごみを吸い込むときに吸込具の吸
込口の前方から一旦吸い込まれたごみが、回転ブラシ
（ブラシ毛）が邪魔になり、吸口パイプ（電気掃除機）
側に吸い込まれず、ごみの吸い込み残しを生じる虞れが
あった。

【０００６】本発明の電気掃除機の吸込具は上記の問題
に鑑みなされたものであり、回転ブラシを吸込口に位置
する掃除位置と吸込口の上方に位置する収納位置とに移
動させることにより、回転ブラシが邪魔になることなく
大きなごみをも確実に吸い込むことができる吸込具を提
供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記問題を解決
するためのもので、吸込具本体に掃除面に対向する吸込
口を設け、上記吸込具本体に該吸込口に沿って回転自在
に回転ブラシを設け、上記吸込具本体に該回転ブラシを
伝達機構を介して回転駆動させる駆動装置を設け、上記
吸込具本体に、上記回転ブラシを上記吸込口に位置する
掃除位置と、当該吸込口の上方に位置する収納位置とに
移動させる可動体を設け、該可動体を操作して上記回転
ブラシを掃除位置と収納位置とに切り替える操作部を設
け、該可動体の操作にて上記回転ブラシを収納位置に位
置させた際に上記吸込口の開口面積を開成動作にて大き
くする開閉部を設けている。

【０００８】そして、上記開閉部を吸込具本体の吸込口
の前方向側を開閉成可能に設けている。

【０００９】

【作用】上記構成の吸込具であれば、大きなごみを吸い
込むときに、操作部を操作して可動体により回転ブラシ
を収納位置に位置させ、大きなごみを吸込口から回転ブ
ラシに邪魔されることなく吸い込み確実に掃除を行う。

【００１０】また、回転ブラシの収納位置への移動とと
もに、吸込具の前側壁の吸込口を開成するので、壁際の
掃除のときにおいても良好に掃除を行うことができ、し
かも、吸込口の吸込口がより大きくなるので大きなごみ
であっても確実に吸い込むことができる。

【００１１】

【実施例】以下図面に示した本発明の実施例について詳
細に説明する。図１乃至図６は本発明の第１実施例を示
す図であり、吸込具本体１は上ケース５、下ケース６及
びカバー７により外郭を構成し、後端部に上下回動自在
な駆動パイプ８を備え、さらに該駆動パイプ８の先端に
回転自在な吸口パイプ９を連結する。

【００１２】下ケース６は絨毯用のそりとして作用する
もので、その下面前部に横長の吸塵吸込口１０を形成し
かつ該吸込口１０の後方にてゴム製のシール材１１を横
方向に配設している。又、下ケース６は下面前部にて前
車輪１２を、後部にて後車輪１３を備え、この前車輪１
２と後車輪１３とによって下ケース６の下面と床面との
間に一定の間隙を生じるようになっている。

【００１３】吸込具本体１の内部には上ケース５と下ケ
ース６との結合により回転ブラシ室１４と該ブラシ室１
４を駆動パイプ８側に連通させる連絡路１５とを形成
し、この回転ブラシ室１４と連絡路１５により吸込口１
０から駆動パイプ８，吸口パイプ９に至る吸塵通路を形
成する。又、吸込具本体１の内側両側には機械室１６，
１７を形成し、かつこの内側で連絡路１５の両側には電
動機室１８と制御回路基板（電源コンセント）収納室１
９を形成しており、この各室１６乃至１９は上記吸塵通
路に対し適宜区画されている。

【００１４】上ケース５の開口部２０は回転ブラシ室１
４に対面し回転ブラシ２にからみついた糸くず等を容易
に除去できるようにするためのもので、通常は着脱自在
なカバー７により閉塞している。バンパー２１は両ケー
ス５，６間に挾着され吸込具本体１の外周に位置するも
ので、両ケース５，６の結合面の密閉作用と障害物に対
する緩衝作用とをなすものである。

【００１５】回転ブラシ２は外周面にアジテータ２２及
びブラシ毛２３を１条または複数条螺旋状に設けた構造
であり、回転ブラシ室１４内にあって両端の軸２４を機
械室１６、１７内に突出し該機械室１６，１７内で軸受
組品２５により回転自在に軸支されている。

【００１６】上記軸受組品２５は軸受２６、軸受ホルダ
ー２７よりなり、機械室１６，１７内において上下動自
在に保持されている。そして、この軸受組品２５は機械
室１６，１７を構成する下ケース６側に回動自在に設け
られた可動体３９に一体に形成された対峙する一対のリ
ブ２９，２９間の溝３０内に位置させ、該軸受組品２５
が溝３０に沿って上下動できるようになっている。ま
た、スプリング３１は上ケース５と軸受組品２５との間
に設けられ、該回転ブラシ２はスプリング３１の作用に
より下方に付勢され最下位に付勢されている。尚、回転
ブラシ室１４と機械室１６、１７間の区画壁には回転ブ
ラシ２の端部が挿通しかつ該回転ブラシ２の上下動を許
す程度の開口部３２を設けてある。

【００１７】電動機３は直流マグネットモータであり、
電動機室１８内に設置され、その回転軸３３を機械室１
６内に突出し、該機械室１６内において、回転ブラシ２
の一方の軸２４との間に伝達機構４を介設する。

【００１８】この伝達機構４は電動機３の回転軸３３に
設けたプーリ３４、回転ブラシ２の一方の軸２４に設け
たギヤプーリ３５、及び両プーリ３４，３５間に張設し
たタイミングベルト３６よりなり、電動機３の回転を回
転ブラシ２に伝達する。また、電動機３の回転軸３３の
先端にも軸受組品３７が設けられて、下ケース６に一体
形成されたリブ３８内に保持されている。この電動機３
の回転方向は、掃除をするときの進行方向に合わせて回
転ブラシ２が回転するようにプーリ３４側から見て反時
計方向に設定している。

【００１９】上記可動体３９は、上記機械室１６，１７
に位置し上記吸込具本体１の両側壁に近接する側部と吸
込具本体１の前側壁に近接する前側部とで形成されてお
り、側部の後端部に設けられた回動軸４０を上記下ケー
ス６に設けられた嵌合孔４１に回動自在に嵌合されてい
る。上記可動体３９の一方の側部の後端部分を延設して
可動操作体４２を形成し、該可動操作部分３９ａを操作
して可動体３９を回動軸４０を中心に上下に回動させる
操作部である押しボタン４３を上記吸込具本体１の後部
に設けている。

【００２０】この押しボタン４３はその頭部を吸込具本
体１の上面へ突出させ、押しボタン４３の下部にも設け
られた突起４４をラッチメカ４５に嵌合している。該ラ
ッチメカ４５は内部にイタバネを有しており、上記押し
ボタン４３を上方及び下方の位置に保持するように構成
されている。

【００２１】上記のように構成された吸込具を使用する
際には、この吸込具本体１を図示しない電気掃除機本体
に連通するホース，延長管に接続し掃除機本体を運転す
る。その際、まず、電動機３が駆動されて該電動機３の
回転力がベルト３６，伝達機構４に設けられたギヤプー
リ３５を介して回転ブラシ２を回転させ、そのアジテー
ト２２，ブラシ毛２３によって掃除を行う床面即ち絨毯
のごみをかき出し、このかき出されたごみを吸込口１
０，連結路１５，吸口パイプ９を介して図示しない掃除
機本体に集塵される。

【００２２】この掃除を行っているときに大きなごみが
あるときは、押しボタン４３を押して回転ブラシ２がご
みの吸い込みに邪魔にならないように当該回転ブラシ２
を吸込口１０の上方の収納位置へ移動させてごみを吸い
込む。この回転ブラシ２の移動は、押しボタン４３が押
されると当該押しボタン４３が下方へ移動してラッチメ
カ４５によってこの下方位置で保持される。このとき、
押しボタン４３の下部が可動体３９の可動操作部分３９
ａと当接して当該可動操作部分３９ａを下方へ移動させ
る。すると、可動体３９は回動軸４０を中心にして回動
して当該可動体３９の回動軸４０よりも前方が上方へ移
動し、該可動体３９の上方への移動に伴って軸受組品２
５も上方へ移動し、この軸受組品２５により軸支してい
る回転ブラシ２も吸込口１０の上方の収納位置へ移動す
る。

【００２３】したがって、掃除面と回転ブラシ２との間
に間隙ができ吸込口１０の吸込口面積が大きくなり、効
率的にごみを吸い込むことができる。

【００２４】次に本発明の電気掃除機用の吸込具の第２
実施例を図７乃至図９とともに説明する。

【００２５】尚、上記第１実施例と同一部分は同一符号
を付して詳細な説明は省略する。

【００２６】本発明の第２実施例の吸込具は、吸込口本
体１の底面から前側壁にかけて吸込口１０を形成し、可
動体４６の前側部に吸込口１０の前側を開閉する開閉部
４７を一体に形成している点が上記第１実施例とことな
り、他の部分については上記第１実施例と同一構成とな
っている。

【００２７】上記のように構成された吸込具を使用する
際には、この吸込具本体１を図示しない電気掃除機本体
に連通するホース，延長管に接続し掃除機本体を運転す
る。その際、まず、電動機３が駆動されて該電動機３の
回転力がベルト３６，伝達機構４に設けられたギヤプー
リ３５を介して回転ブラシ２を回転させ、そのアジテー
ト２２，ブラシ毛２３によって掃除を行う床面即ち絨毯
のごみをかき出し、このかき出されたごみを吸込口１
０，連結路１５，吸口パイプ９を介して図示しない掃除
機本体に集塵される。

【００２８】この掃除を行っているときに壁際に大きな
ごみがあるときは、押しボタン４３を押して回転ブラシ
２がごみの吸い込みに邪魔にならないように当該回転ブ
ラシ２を吸込口１０の上方の収納位置へ移動させてごみ
を吸い込む。この回転ブラシ２の移動は、押しボタン４
３が押されると当該押しボタン４３が下方へ移動してラ
ッチメカ４５によってこの下方位置で保持される。

【００２９】このとき、押しボタン４３の下部が可動体
４６の可動操作部分４６ａと当接して当該可動操作部分
４６ａを下方へ移動させる。すると、可動体４６は回動
軸４０を中心にして回動して当該可動体３９の回動軸４
０よりも前方が上方へ移動し、該可動体３９の上方への
移動に伴って軸受組品２５も上方へ移動し、この軸受組
品２５により軸支している回転ブラシ２も吸込口１０の
上方の収納位置へ移動するとともに、開閉部４７も上方
へ移動して吸込口１０の前側を開成する。

【００３０】したがって、掃除面と回転ブラシ２との間
に間隙ができるとともに吸込口１０の前側も開成され、
吸込口１０の吸込口面積が大きくなり、壁際のごみも効
率的に吸い込むことができる。

【００３１】

【発明の効果】本発明の電気掃除機の吸込具は上記のよ
うな構成であるから、大きなごみを吸い込むときに操作
部を操作して回転ブラシを吸込口の上方の収納位置に位
置させるとともに開閉部の開成動作にて吸込口の開口面
積を大きくすることができるので、該吸込口より大きな
ごみを確実且つ効率良く吸い込むことができ、清掃性を
向上させることができる。また、開閉部を吸込具本体の
吸込口の前方向側を開閉成可能に設けることにより、壁
際にあるごみをも確実且つ効率的に吸い込むことがで
き、清掃性をより向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の電気掃除機の吸込具を示
し上ケースを取り外し一部を断面図示した平面図であ
る。

【図２】図１の回転ブラシを掃除位置に位置させた状態
を示す断面図である。

【図３】図１の回転ブラシを収納位置に位置させた状態
を示す断面図である。

【図４】図２の可動体及び押しボタンを示す分解斜視図
である。

【図５】図２のラッチメカを示す斜視図である。

【図６】図２の押しボタン及びラッチメカを示す分解斜
視図である。

【図７】本発明の第２実施例の電動機の吸込具におい
て、回転ブラシを掃除位置に位置させた状態を示す断面
図である。

【図８】本発明の第２実施例の電動機の吸込具におい
て、回転ブラシを収納位置に位置させた状態を示す断面
図である。

【図９】図７の可動体及び押しボタンを示す分解斜視図
である。

【図１０】従来の電気掃除機の吸込具を示し上ケースを
取り外し一部を断面図示した平面図である。

【図１１】図１０の断面図である。

【図１２】図１０の軸受組品部分を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 吸込具本体 ２ 回転ブラシ ３ 電動機 ４ 伝達機構 ２５ 軸受組品 ２６ 軸受 ３９ 可動体 ４０ 回動軸 ４１ 嵌合孔 ４３ 押しボタン ４５ ラッチメカ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸込具本体に掃除面に対向する吸込口を
   設け、上記吸込具本体に該吸込口に沿って回転自在に回
   転ブラシを設け、上記吸込具本体に該回転ブラシを伝達
   機構を介して回転駆動させる駆動装置を設けた電気掃除
   機の吸込具において、 上記吸込具本体に、上記回転ブラシを上記吸込口に位置
   する掃除位置と、当該吸込口の上方に位置する収納位置
   とに移動させる可動体を設け、該可動体を操作して上記
   回転ブラシを掃除位置と収納位置とに切り替える操作部
   を設け、該可動体の操作にて上記回転ブラシを収納位置
   に位置させた際に上記吸込口の開口面積を開成動作にて
   大きくする開閉部を設けたことを特徴とする電気掃除機
   の吸込具。
2. 【請求項２】 上記開閉部を吸込具本体の吸込口の前方
   向側を開閉成可能に設けてなることを特徴とする請求項
   １記載の電気掃除機の吸込具。