JPH0128756Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は電気掃除機の吸込口体に係り、特に回
転ブラシを有する吸込口体に関するものである。

（従来の技術） 従来、回転ブラシを吸込口本体内に有し回転ブ
ラシの回転によりごみを掻きあげて吸引する電気
掃除機の吸込口体において、掃除終了後、回転ブ
ラシに付着した糸くずや髪などの除去は、一般に
吸込口本体の下面の吸込口から行なつていた。

しかし、吸込口は、吸引力を低下させないため
必要以上大きくすることができず、その大きさは
吸込口本体内の回転ブラシよりかなり小さいのが
一般的である。

従つて、吸込口から回転ブラシの掃除をしよう
としても吸込口が狭いため掃除がきわめてやりず
らかつた。

このような問題を解決するため実開昭56−
17047号公報に記載されているように、電動機に
より駆動される回転ブラシに臨んで吸込口本体の
上面を開口し、その開口部に開閉自在の蓋体を取
付けた構造も従来採られている。

この構造によれば、回転ブラシの掃除を容易に
行なえる。しかし、蓋体を開けたとき、回転ブラ
シが回転駆動されたままであると、掃除しにくい
ばかりでなく指等を入れると危険であつた。

回転ブラシの駆動源がフアンであつたとして
も、電気掃除機の運転中に蓋体を開ければ、回転
ブラシが回転しているので、同様に危険である。
したがつて、回転ブラシを掃除するときには、電
源を切らなければならないので、面倒である。

（考案が解決しようとする問題点） 上述のように、従来の電気掃除機の吸込口体に
おいては、回転ブラシの駆動中にその掃除用の開
口部を開放しても、回転ブラシが回転し続けるた
め、危険であり、また、この危険性を避けるため
には、電源を切つてから回転ブラシを掃除しなけ
ればならないため、手間がかかる問題があつた。

本考案は以上の点に鑑みなされたもので、回転
ブラシの掃除を容易かつ安全に行なうことのでき
る電気掃除機の吸込口体を提供することを目的と
するものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案の電気掃除機の吸込口体は、上記目的を
達成するために、内部にフアン室およびこのフア
ン室にフアン室の前側を開口する連通口を介して
連通する回転ブラシ室を形成し上記回転ブラシ室
の下側となる下面に吸込口を形成するとともに上
記回転ブラシ室の上側となる上面に開口部を形成
しこの開口部に開閉自在の蓋体を取付けた吸込口
本体と、上記蓋体に一体に設けられるとともに通
風口を有し上記蓋体の閉成時に上記フアン室およ
び回転ブラシ室間に介在して上記連通口を塞ぐ閉
塞板とを備え、また、上記フアン室に臨む上記吸
込口本体の後側に上下回動自在に取付けられ上記
フアン室に連通する回転管と、上記フアン室内に
回転自在に設けられ上記通風口に対向して配設さ
れるフアンと、上記回転ブラシ室内に回転自在に
設けられ上記フアンの回転により回転駆動される
回転ブラシとを備えたものである。

（作用） 本発明の電気掃除機の吸込口体では、掃除時、
吸込口本体の回転ブラシ室の開口部を蓋体により
閉じておくが、この状態では、蓋体と一体の閉塞
板が吸込口本体内のフアン室および回転ブラシ室
間に介在して、フアン室の回転ブラシ室側を開口
してなる連通口を塞ぐとともに、閉塞板の通風口
がフアンに対向する。そして、フアン室に臨む回
転管に電気掃除機を接続して、この電気掃除機を
運転すると、吸込口、回転ブラシ室および通風口
を介してフアン室内に吸込風が流入するが、通風
口の開口面積がより小さく、この通風口を通る吸
込風の速度が速いことにより、フアンに吹付ける
この吸込風によりフアンが回転し、回転ブラシが
回転駆動される。また、回転ブラシを掃除すると
きには、蓋体を開けるが、このとき、蓋体と一体
の閉塞板が連通口から外れて、この連通口が開放
される。この連通口はフアン室の前側を開口した
ものであつて開口面積が大きいので、電気掃除機
が運転中であつたとしても、連通口を通る吸込風
の速度が遅いことにより、フアンは回転せず、回
転ブラシの回転が停止する。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図ないし第５図
に基づいて説明する。

この実施例の吸込口体は、略直方体をなす筐体
状に形成された吸込口本体１と、この吸込口本体
１の後側壁中央部に上下回動自在に取付けられた
回転管２と、上記吸込口本体１内に回転自在に設
けられた回転ブラシ３と、この回転ブラシ３を回
転駆動するフアン４とを備えている。

上記吸込口本体１は、上部ケース１１と下部ケ
ース１２とから成り、その内部は吸込口本体１の
長手方向に沿つて立設された仕切壁１３によつて
前後に区分され、その前側が上記回転ブラシ３を
内蔵した回転ブラシ室１４となつているととも
に、その後側がさらに上部ケース１１および下部
ケース１２に設けた仕切板１５，１６によつて３
つの室に区分され中央が上記フアン４を内蔵した
フアン室１７として形成され、その右側がフアン
保持室１８となつている。そして、上記仕切壁１
３の中央部が切欠かれていることにより、フアン
室１７の前側が開口されて連通口１９が形成され
上記回転ブラシ室１４とフアン室１７とが連通し
ている。また、上記フアン室１７を形成している
上部ケース１１および下部ケース１２の部分の断
面は円弧状に形成されており、さらに、フアン室
１７の一側となる上記吸込口本体１の後側中央部
に切欠孔２０が形成されている。また、上記回転
ブラシ室１４の下側となる吸込口本体１の下面に
吸込口２１が形成されているとともに、回転ブラ
シ室１４の上側となる上部ケース１１の前側が切
欠かれて回転ブラシ室１４の上側全面を開口する
開口部２２が吸込口本体１の上面に形成され、こ
の開口部２２に開閉自在の蓋体２３が取付けられ
ている。

そして、上記開口部２２を形成するため上記上
部ケース１１の前側を切欠いたことにより上部ケ
ース１１に左右の開口縁部２４，２５と上記仕切
壁１３と一体となつた後側の開口縁部２６とを残
している。さらに、右側の開口縁部２５に係合孔
２７が穿設され、左側の開口縁部２４に開口部２
２に向かつて進退自在に設けられるとともに係合
孔２８を有する係止つまみ２９が摺動自在に設け
られており、また、上記連通口１９の上方に位置
する部分を除き後側の開口縁部２６に沿つて上記
蓋体２３の後側縁を保持する保持リブ３０が突設
されている。

上記蓋体２３は両端に右側の開口縁部２５の係
合孔２７、および、左側の開口縁部２４における
係止つまみ２９の係合孔２８内にそれぞれ係脱自
在の係合突起３１を有するとともに、上記上部ケ
ース１１における後側の開口縁部２６に対応する
長辺部に上記保持リブ３０に嵌合する嵌合リブ３
２が設けられている。

そして、この蓋体２３の後側縁中央部から下方
へ上記連通口１９に対応する大きさに形成されこ
の連通口１９を塞ぐ閉塞板３３が垂設されてい
る。この閉塞板３３の下部中央には回転ブラシ室
１４からフアン室１７へ吸込風を通す通風口３４
が形成されており、この通風口３４の上側縁には
上記フアン室１７内側へと突出したつば部３５が
設けられている。

上記回転管２は管本体４１の一端にこの管本体
４１と直交する半円筒部４２を設けるとともに、
上記管本体４１の他端にこの管本体４１の周方向
に回動自在の接続管４３を設けて形成したもの
で、上記半円筒部４２の両側に回転管２の回動支
点となる支軸４４が突設され、各支軸４４が上記
上部ケース１１および下部ケース１２の仕切板１
５，１６に回動自在に挾持されて半円筒部４２が
上記フアン室１７内において回動自在に保持さ
れ、管本体４１および接続管４３が上記切欠孔２
０から吸込口本体１外へ突出している。そして、
上記半円筒部４２は、正面から見て略矩形状の開
口部４５を有し、この開口部４５を介して回転管
２とフアン室１７とが連通している。

上記フアン４は、筒部５１の周囲に一方向に傾
斜した複数の羽根５２を放射状に設け、その両側
を円形のフランジ５３で覆つたもので、上記フア
ン室１７内において上記回転管２の半円筒部４２
に包まれて、上記通風口３４に対向するように配
置されている。さらに、上記筒部５１内にシヤフ
ト５４が挿入され、このシヤフト５４が上記フア
ン保持室１８内において回動自在に保持されてフ
アン４が回転自在となつている。またこのシヤフ
ト５４の先端にはギヤ５５が取付けられている。

上記回転ブラシ３は回転軸６１の周囲にブラシ
毛６２を螺旋状に植毛して形成したもので、上記
回転軸６１の一端にギヤ６３が取付けられてい
る。そして、この回転ブラシ３は上記回転ブラシ
室１４内の両側において回転軸６１の両側が回動
自在に支持されることによつて回転ブラシ室１４
内に内蔵されている。さらに、上記シヤフト５４
のギヤ５５と上記回転軸６１のギヤ６３とに無端
状の駆動ベルト６４が巻回されてフアン４の回転
が回転軸６１に伝わり、回転ブラシ３が回転する
ようになつている。

そして、閉塞板３３によつて塞がれる連通口１
９と、閉塞板３３に形成されている通風口３４の
大きさを比較すると、上記連通口１９の開口面積
は、蓋体２３が開かれることによつて連通口１９
から閉塞板３３が外されたときこの連通口１９を
通過する吸込風の速度を上記フアン室１７内のフ
アン４を回転させるのに必要な連度より遅くする
大きさで、上記通風口３４の開口面積は蓋体２３
を閉じることによつて連通口１９を閉塞板３３で
塞いだときこの通風口３４を通過する吸込風の速
度を上記フアン室１７内のフアンを回転させるの
に必要な速度以上に速くする大きさとなつてい
る。すなわち、第１図に示すように、連通口１９
は上記フアン室１７の前側壁全面を開口した大き
さで、通風口３４は正面から見たフアン４の大き
さの略1/2の大きさに形成されている。

次にこの実施例の吸込口体の作用について説明
する。

開口部２２を蓋体２３で閉じるとき、まず右側
の開口縁部２５の係合孔２７内に蓋体２３の右端
の係合突起３１を挿入し、次に係止つまみ２９を
開口部２２の反対方向へ退行させて蓋体２３を閉
じ、さらに係止つまみ２９を開口部２２側へ進行
させてその係合孔２８内へ蓋体２３の左端の係合
突起３１を挿入して蓋体２３を閉状態に係止す
る。

これにより、蓋体２３と一体の閉塞板３３がフ
アン室１７と回転ブラシ室１４との間に介在して
連通口１９を塞ぐ。そして、吸込口体と連結した
電気掃除機の電源を入れると吸込風が吸込口２１
から入り回転ブラシ室１４、閉塞板３３の通風口
３４、フアン室１７、回転管２を通つて電気掃除
機内へ抜け、吸込口２１からごみ等を吸込む。こ
の吸込風は通風口３４を通る際通風口３４の開口
面積が小さいためその速度が速くなりフアン室１
７内のフアン４を回転させる。このフアン４の回
転力はシヤフト５４、ギヤ５５、駆動ベルト６
４、ギヤ６３を介して回転ブラシ３の回転軸６１
に伝えられるので回転ブラシ３が回転駆動されて
被掃除面上のごみ等を掻き集める。なお、通風口
３４からフアン室１７へ入る吸込風はつば部３５
によつてフアン室１７内の上方へ行かないように
なつているのでフアン４の下部にあたりフアン４
が確実に回転する。

掃除の途中あるいは掃除終了後に回転ブラシ３
の掃除をする場合先述した手順と逆の操作により
蓋体６２を開いて開口部２２を開放し、開口部６
１から行なう。このとき、蓋体２３と一体の閉塞
板３３が連通口１９から外れて連通口１９が開放
されるので、電気掃除機の運転中であつても、今
まで通風口３４からフアン室１７内へ入つていた
吸込風は通風口３４より大きい連通口１９からフ
アン室１７内に入るので吸込風の速度が遅くな
り、フアン４の回転が止まり、これとともに回転
ブラシ３の回転も止まる。従つて、安全であると
ともに、電源を切らなくとも回転ブラシ３の回転
を止めてその掃除をすることができ、便利であ
る。

また、蓋体２３を開くと連通口１９が開放され
るのでフアン室１７内のフアン４に付着したごみ
などの除去も容易にできる。

さらに、蓋体２３に閉塞板３３が一体に設けら
れているので、蓋体２３に加わる荷重に対して強
度が増し、掃除中に家具等にぶつかつたりしても
蓋体２３がゆがんで不用意に外れたり破損したり
するおそれがない。

次に本考案の他の実施例を第６図および第７図
に基づいて説明をする。なお先の実施例と同一の
部分については同一の符号を付してその説明を省
略する。

この実施例の吸込口体において、閉塞板３３の
通風口３４は先の実施例における通風口３４より
大きくここを通る吸込風の速さではフアン４が回
転しないようになつている。すなわち、通風口３
４の開口面積は通風口３４を通る吸込風の速度を
上記フアン４の回転に必要な速度より遅くする大
きさとしている。

そして、上記蓋体２３に閉塞板３３に沿つて摺
動し上記通風口３４の開口面積を大小に変えるこ
とのできる摺動体７１を設けてあり、この摺動体
７１のつまみ７２は蓋体２３の上面側に突出して
いる。他の部分は第１図ないし第５図と同一であ
る。

そうして、被掃除面がカーペツトなどのときは
摺動体７１により通風口３４の開口面積を小さく
して先の実施例と同様にフアン４の回転により回
転ブラシ３を回転駆動して掃除をし、床板面など
を掃除するときは摺動体７１により通風口３４の
開口面積を大きくして連通口１９を開放した場合
と同様にフアン４の回転および回転ブラシ３の回
転を停止させる。

このようにすれば、被掃除面の種類に応じた掃
除をすることができる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、吸込口本体内に回転ブラシ室
を形成してその中に回転ブラシを回転自在に設
け、回転ブラシ室の上側となる上面に開口部を形
成しこの開口部に開閉自在の蓋体を取付けたの
で、蓋体を開くことにより容易に回転ブラシの掃
除をすることができる。また、吸込口本体内に連
通口を介してフアン室を形成し、その中に上記回
転ブラシを回転駆動するフアンを回転自在に設
け、上記蓋体に上記連通口を閉塞するとともに通
風口を有する閉塞板を一体に設け、蓋体を閉じる
ことにより連通口が閉塞板により閉じられて通風
口を通る吸込風でフアンが回転し、蓋体を開くこ
とにより連通口から閉塞板が外され連通口が開放
されてフアンの回転が停止するようにしたので、
蓋体を開いて回転ブラシの掃除をする場合、電気
掃除機の運転中であつても回転ブラシの回転が停
止し、安全かつ容易に掃除をすることができる。
また、蓋体を開くと連通口が開放されるのでフア
ン室内のフアンに付着したごみなどの除去が容易
にできる。さらに、蓋体に閉塞板が一体に設けら
れているので、蓋体に加わる荷重に対して強度が
増し、掃除中に家具等にぶつかつたりしても蓋体
がゆがんで不用意に外れたり破損したりするおそ
れがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の吸込口体の一実施例を示す分
解斜視図、第２図はその下面からみた斜視図、第
３図は蓋体を開いた状態の斜視図、第４図は蓋体
部分の斜視図、第５図は吸込口体の縦断側面図、
第６図は他の実施例の吸込口体の蓋体部分の斜視
図、第７図はその吸込口体の縦断側面図である。 １……吸込口本体、２……回転管、３……回転
ブラシ、４……フアン、１４……回転ブラシ室、
１７……フアン室、１９……連通口、２１……吸
込口、２２……開口部、２３……蓋体、３３……
閉塞板、３４……通風口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内部にフアン室およびこのフアン室にフアン室
   の前側を開口する連通口を介して連通する回転ブ
   ラシ室を形成し上記回転ブラシ室の下側となる下
   面に吸込口を形成するとともに上記回転ブラシ室
   の上側となる上面に開口部を形成しこの開口部に
   開閉自在の蓋体を取付けた吸込口本体と、 上記蓋体に一体に設けられるとともに通風口を
   有し上記蓋体の閉成時に上記フアン室および回転
   ブラシ室間に介在して上記連通口を塞ぐ閉塞板
   と、 上記フアン室に臨む上記吸込口本体の後側に上
   下回動自在に取付けられ上記フアン室に連通する
   回転管と、 上記フアン室内に回転自在に設けられ上記通風
   口に対向して配設されるフアンと、 上記回転ブラシ室内に回転自在に設けられ上記
   フアンの回転により回転駆動される回転ブラシ
   と、 を備えたことを特徴とする電気掃除機の吸込口
   体。