JPH0336577B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、燃焼装置に係り、特に石炭粉砕機
の起動時間を短縮するに好適な石炭粉砕装置に関
するものである。

従来、粉砕した石炭を使用するボイラ装置等に
おいては、下記の性能を有する各種の石炭粉砕機
が使用されている。すなわち、 (1) 原炭を細かく粉砕して表面積を大きくし、燃
焼効率をあげる。

(2) 粉砕した微粉炭を粉砕機内部で乾燥させる。

(3) 粉砕粒度を所要粒子径以下に分離する。

第１図は、その代表例であつて、低速にし摩滅
作用を利用した竪型リングボールミルの概略構成
図を示す。

まず上記従来例の構成と作用を説明すると、図
示実線矢印は石炭の流れを示し、破線矢印は熱空
気の流れを示すもので、石炭は給炭管１から粉砕
機へ送炭され、該石炭は、粉砕機内において粉砕
機駆動モータ２および減速機３を経て回転される
下部粉砕輪４により、遠心力によつて粉砕ボール
７側へ送られる。該粉砕ボール７は、粉砕機内に
複数個配置されており、送入された石炭は、該粉
砕ボール７と上下部粉砕輪５，４との間の圧縮力
によつて粉砕される。上部粉砕輪５は、石炭の粉
砕能力を向上し、かつ粉砕ボール７が外部へ離脱
するのを防止するために、上部粉砕輪加圧装置６
により加圧されている。また粉砕機には、粉砕さ
れた石炭を内部で乾燥し、かつ輸送する目的のた
めに、粉砕入口に熱空気１２と冷空気１１とを下
記石炭の状態に応じて適切に混合できるように通
風管を配管し、かつ１次通風機１３によつて上記
通風システムに必要な圧力と量の空気が送られる
ようにしてある。上記熱空気量およびその温度
は、上記石炭の状態すなわち石炭の種類、湿度お
よび石炭の量により予め決められた空気量と温度
に制御されるように構成されている。熱空気は、
スロートリング８のスリツト状のスロートギヤツ
プから粉砕機内に入り、粉砕ボール７によつて粉
砕された微粉炭を高速で吹き上げながら乾燥しつ
つ輸送するようにしてあり、分級器ベーン１０に
よつてさらに旋回エネルギーを与えられて、粒度
の小さいものは微粉炭管１６を通り、微粉炭ビン
または燃焼装置の石炭バーナ１９に送られ、粒度
の粗いものは、分級器９の側壁に沿つて落下し、
再び粉砕機内へ循環するようにしてある。石炭に
混じつて粉砕機内に移送された石や鉄片等の粉砕
できない異物は、運転中においても容易に取り出
しパイライトボツクスへ回収できるようにしてあ
る。

上述のように、粉砕機は、その内部において被
粉砕物を必要な粒度に粉砕し、乾燥、移送に適し
た構造になつている。

近年、事業用ボイラにおいては、起動停止回数
が多くて負荷変動幅の大きい、いわゆる中間負荷
大容量ボイラの必要性が高まつており、特に燃料
事情から石炭火力に頼る傾向が強くなつている。

一方、従来技術においては、急速な負荷上昇が
図れない要因の一つとして、ミルウオーミング時
間の問題がある。すなわち、粉砕機は、起動前10
〜30分程度から石炭粉砕機内へ所定の空気量（一
般に基準空気量の約70％）を１次空気として流入
させてミルウオーミングを行ない、ミル出口温度
が例えば90〜100℃に達したときに初めてミルを
起動させ、給炭機から原炭を給炭する方法が採ら
れて来た。

従つてボイラ起動時等の予め負荷上昇に伴うミ
ルの運転台数の増加が予測できる場合には、事前
にこのミルウオーミング操作を実施して、ミルの
起動時間をある程度短縮することは可能である
が、通常運転時にボイラ負荷を上昇させ、ミル運
転台数を増加させる場合には、まず、このミルウ
オーミング操作を実施してからミルを投入するこ
とになるため、急速な負荷上昇には対応できな
い。従つてミルの早期起動を図かるためには、ボ
イラ運転中に常にミルをウオーミング完了状態に
しておくこと、すなわち常時ウオーミングの実施
が望まれるが、このウオーミング操作は、ミル出
口ダンパ１８を開にして１次空気を流入すること
により行ない、かつウオーミング空気量は、微粉
炭管１６におけるミニマム速度（火炉からの逆火
を防止するのに必要な速度）を確保するためにミ
ルの基準風量の約70％に保たれるから、燃料が全
然投入されていない石炭バーナ１９より大量の１
次空気を火炉に吹き込むことになり、火炉全体の
過剰空気の増加によつて、ドラムレベルの変動、
火炉における熱吸収のバランス変動および低負荷
域での熱効率の悪化につながるため、上記従来技
術においては、ミルの常時ウオーミング操作を実
施できないという欠点があつた。なお、１４は粉
砕機入口ダンパ、１５はミルハウジングまた１７
は空気予熱器を示す。

この発明の目的は、上記した従来技術の欠点を
なくし、大量の１次空気による長時間のミルウオ
ーミングをミル起動前に実施することなく、少量
の１次空気によるミルの常時ウオーミングを可能
にし、ミルの起動時間を短縮することができる石
炭粉砕装置を提供するにある。

要するにこの発明は、従来の石炭粉砕機のミル
出口部に微粉炭管の総開口面積に比較して、開口
面積の小さい常時ウオーミング用の管路を設ける
ようにしたものである。

以下、この発明を図面に基づいて説明する。第
２図は、この発明の一実施例の概略構成図であ
る。なお、第１図と同一または同等の部位には同
一の符号を付ける。

まず構成を説明する。第２図は、ミル出口部に
微粉炭管１６とは別にミルの常時ウオーミング用
管路２０を１本設けた場合を示しており、該実施
例ではミル運転時に該常時ウオーミング用管路２
０を閉ざすための遮断弁２１も設け、上記常時ウ
オーミング用管路２０の出口には、石炭バーナ１
９が接続してある。

つぎに作用を説明する。上記常時ウオーミング
用管路２０の断面積は、微粉炭管１６の総断面積
に比較して十分小さく選定されるため、１次空気
によるウオーミング空気量は、常時ウオーミング
用管路２０のミニマム速度確保のためには少量で
十分であり、従つてウオーミング時に大量の１次
空気が火炉内に流入することを防止することがで
きるので、常時ウオーミングの実施が可能とな
る。常時ウオーミング空気量は、ミルのウオーミ
ング効果（ミルの放散熱量に見合う以上の空気量
は少なくとも必要）から適切に選定され、ミル出
口の管路の温度が所定値になるようにウオーミン
グ空気の温度はコントロールされる。また上記ウ
オーミング操作では、全然ウオーミングされてい
ないミルを初めてウオーミングするボイラ起動時
等の場合には、時間がかかり過ぎることが懸念さ
れるが、このような場合には、一旦、従来技術の
方法でミルウオーミングを実施し、その後にこの
発明による常時ウオーミング操作に切り換えるこ
とで対応可能である。

上記の実施例では、常時ウオーミング用管路２
０を１本にした場合につき述べたが、何らこれに
限ることなく、常時ウオーミング用管路２０の数
は、ミルの均等ウオーミングを考慮して、複数に
しかつその出口も石炭バーナ１９以外の適切な個
所に接続しても差支えない。

以上説明したように、この発明によれば、ボイ
ラ運転中に停止しているミルを常時ウオーミング
完了の状態に維持することが可能となるため、ミ
ルの起動時間が短縮できるという効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来技術による石炭粉砕装置の概略
構成図、第２図は、この発明の一実施例の概略構
成図を示す。 符号の説明、１……給炭管、４……下部粉砕
輪、５……上部粉砕輪、７……粉砕ボール、９…
…分級器、１１……冷空気、１２……熱空気、１
５……ミルハウジング、１６……微粉炭管、１８
……ミル出口ダンパ、１９……石炭バーナ、２０
……常時ウオーミング用管路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 熱空気を流入することにより、原炭を粉砕す
   ると同時に乾燥して、微粉炭管により火炉のバー
   ナ部へ微粉炭を搬送する手段を備えた石炭粉砕機
   において、該石炭粉砕機の出口部と火炉のバーナ
   部との間に、上記微粉炭管とは別途に、上記石炭
   粉砕機の常時ウオーミング用管路を設けたことを
   特徴とする石炭粉砕装置。