JP2744019B2 - 竪型ミルの制御装置 - Google Patents

竪型ミルの制御装置

Info

Publication number
JP2744019B2
JP2744019B2 JP63188163A JP18816388A JP2744019B2 JP 2744019 B2 JP2744019 B2 JP 2744019B2 JP 63188163 A JP63188163 A JP 63188163A JP 18816388 A JP18816388 A JP 18816388A JP 2744019 B2 JP2744019 B2 JP 2744019B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mill
differential pressure
classifier
amount
rotation speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63188163A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02157053A (ja
Inventor
一紀 正路
信康 廻
一教 佐藤
拓 大島
忠 長谷川
善憲 田岡
浩明 金本
Original Assignee
バブコツク日立株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by バブコツク日立株式会社 filed Critical バブコツク日立株式会社
Priority to JP63188163A priority Critical patent/JP2744019B2/ja
Publication of JPH02157053A publication Critical patent/JPH02157053A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2744019B2 publication Critical patent/JP2744019B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crushing And Grinding (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は制御装置に係り、特に性状の異なる各種石炭
を高効率で粉砕するのに好適な竪型ミルの制御装置に関
する。
〔従来の技術〕
石炭焚ボイラ用等の微粉炭燃料を製造する乾式粉砕機
としては、無数のボールを充填した円筒状の容器を回転
させて粉砕するボールミルと複数のボールまたはローラ
を回転テーブル上に押圧しつつ回転させて粉砕する竪型
ミルがあるが、後者は粉砕動力が前者の約1/2〜2/3程度
であるために多用されている。竪型ミルは粉砕部の構造
すなわち回転テーブル上を押圧されて回転する粉砕媒体
の構造と回転テーブルの構造により、リングローラミ
ル,ボールレースミル,ボウルミル等と通称されるが本
質的な粉砕方式は同一である。従来からこのタイプのミ
ルには内部にサイクロン型分級機が設置され、粉砕炭を
粗粉と微粉に分級して200メツシユ通過70〜80%程度の
微粉炭が製造されていた。しかるに最近の国内において
使用されている石炭の大半は、価格の点から輸入炭であ
り、今後もますます増加する傾向にある。これらの海外
炭はその性状においても多種多様であり、最近は燃料比
(固定炭素/揮発分)が2以上の石炭や、揮発分が殆ど
ないオイルコークスの使用も増加しつつある。これらの
燃料は燃料比が1程度の国内炭と比較して燃焼しにくい
ため、従来よりも細かく粉砕することが要求される。こ
のため最近の竪型ミルでは、サイクロン型分級機よりも
細かく分級できる回転式分級機が用いられるようになつ
てきた。
第16図は従来の竪型ミルを有する微粉炭焚ボイラの装
置系統図である。この装置は、燃焼用空気Aを供給する
押込通風機1と、この空気Aを予熱する空気予熱器2
と、予熱された一次空気A1を加圧して送出する一次空気
用押込通風機3と、竪型ミル4と、該竪型ミルに石炭を
投入するためのバンカ5および給炭機6と、ボイラ7お
よびボイラ7に備えられたバータ7aとから構成される。
このような構成において竪型ミル4内で粉砕された石炭
は一次空気A1とともにバーナ7aに供給され、空気予熱器
2から送られる二次空気A2と一緒になつてボイラ7内で
燃焼される。
この竪型ミル4は、ハウジング8の下部に設けられた
一次空気入口孔9と、前述の給炭機6に連結される給炭
管10と、該給炭管10の開口部の下方に配置された粉砕テ
ーブル11と、該粉砕テーブル11に固定された粉砕リング
13と、粉砕リング13上に支持された複数個のローラ14
と、該ローラ14へ荷重をかける加圧フレーム15と、その
加圧力をスプリングフレーム17およびスプリング16を介
して調整する加圧シリンダ18と、多数の空気の噴出孔を
有するスロートリング19と、粉砕された石炭を回転羽根
21により分級する回転式分級機20と、該回転式分級機20
を駆動させる分級機モータ22と、粉砕テーブル11を回転
させるギヤが納入されたギヤボツクス12とミルモータ23
とから主として構成される。なお、24は粉砕された石炭
微粒子を前述バーナ7aに供給する送炭管、25は一次空気
ダンパー、38は一次空気流量調節器、26は熱空気ダンパ
ー、39は熱空気流量調節器、27は冷空気ダンパー、40は
冷空気流量調節器、28は分級機回転速度検出器、29は分
級機回転速度調節器、30は給炭流量検出器、37は給炭量
調節器、31はミル出口空気温度検出器、32はミル差圧検
出器、33は加圧シリンダ圧力検出器、34はミル動力検出
器、35は一次空気差圧検出器、36は一次空気温度検出
器、100はミル制御装置である。
このような竪型ミルにおいては、粉砕テーブル11はギ
ヤと連動して20〜40rpmで回転する。またローラ14は支
軸により固定され、粉砕テーブル11と一体となつた粉砕
リング13と接触しており、粉砕テーブル11が回転すると
同時にローラ14も回転する。給炭管10から粉砕テーブル
11に供給された石炭(粒径5〜20mm程度)は遠心力によ
つて粉砕リング13と一定圧力で加圧されたローラ14との
隙間を通過し、その際粉砕される。一方、300℃前後に
加熱された一次空気A1は底部の一次空気入口孔9から導
入され、多数の空気噴出孔を有するスロートリング19を
経てスロート上部19aへ供給され、ローラ14で粉砕され
た石炭粒子を矢印Eで示すように上方へ搬送する。上方
へ搬送された石炭粒子のうち粗粒子は空気流速の低下に
伴い矢印Fで示すように気流から分離し、再び粉砕テー
ブル11上へ戻される。また、粗粒子よりも粒径が小さい
粒子は一次空気とともにハウジング8に沿つて上昇し
(一次分級)、分級機20の回転羽根21の回転によつて粒
子に働く遠心力と粒子の求心方向の抗力のバランスによ
つて細粉と微粉に分級される。すなわち、粒子に働く遠
心力が大きい細粉は遠心力により分級機の外側に吹き飛
ばされ、ハウジング8に沿つて流下し(矢印G)、前述
の一次分級部で分級された粗粒子と合流して再び粉砕テ
ーブル11へ戻される。一方、小さい遠心力しか受けない
微粉は分級羽根21間の隙間を気流とともに通過し(矢印
H)、送炭管24からバーナ7aに輸送される(二次分
級)。第17図は、回転式分級機の部分分級効率すなわち
粒径毎の粗粒側に捕集される割合の一例を示すもので、
その特徴は分級機の回転速度により分級特性を可変でき
ることである。
このような竪型ミルにおいては、ボイラマスタ(図示
されていない)からの燃料量要求信号FDに応じて給炭
量,一次空気流量,ミル出口空気温度および分級機回転
速度を制御するミル制御装置が設けられている。すなわ
ち、給炭機6には石炭流量検出器30と、給炭流量調整器
37が設けられ、燃料量要求信号FDに基づいて竪型ミルへ
の石炭供給量が制御される。また、竪型ミル4へ供給さ
れる一次空気A1の供給量は、一次空気差圧検出器35と、
一次空気温度検出器36とによつて検出され、燃料量要求
信号FDに基づいて、一次空気ダンパー25の開度が一次空
気流量調節器38により制御される。一方、ミルの出口空
気温度はミル出口空気温度検出器31により検出され、熱
空気ダンパー26の開度を調整する熱空気流量調節器39に
よる熱空気Cの流量調整と、冷空気ダンパー27の開度を
調整する冷空気流量調節器40による冷空気Dの流量調整
によつて制御される。また、回転式分級機20には回転速
度を検出する分級機回転速度検出器28と分級機回転速度
調節器29が設けられ、燃料量要求信号FDに基づいて分級
機回転速度が制御される。さらに竪型ミル4の運転監視
用機器としては、スロートリング19と分級機20との間の
石炭量を把握するためにスロートリング19の下部と分級
機20の入口間のミル差圧を検出するミル差圧検出器32、
粉砕ローラへの加圧力を監視するための加圧シリンダ圧
力検出器33、ミルの粉砕動力を監視するためのミルモー
タ電流やモータ電力形等のミル粉砕動力検出器34が設け
られている。
第18図は第16図に示した構成のミルにおいて、粉砕性
(HGI)の異なる石炭を粉砕した場合の粉砕量とミル出
口200メツシユ通過量の関係を示すものである。カーブ
(a)は前述したようにHGI50の石炭の粉砕特性であ
り、カーブ(b)はHGI40の石炭、さらにカーブ(c)
はHGI60の石炭の粉砕特性を示すものである。本図よ
り、ミル出口粒度は石炭粉砕量のみならず粉砕性に大き
く依存することがわかる。
また第19図は、第16図の構成においてHGIは同一(HGI
50)であるが、ミルへ供給される石炭の粒度が異なる石
炭を同一の条件で粉砕した結果を示すものである。本図
より明らかなようにミル出口粒度は、HGIが一定でも原
料石炭のミルへの供給量のみならず原料石炭の粒度にも
大きく依存する。
上記した回転式分級機を備えた竪型ミルによる粉砕量
(給炭量)とミル出口200メツシユ通過量の関係を第20
図に示す。本図において、カーブ(a)はハードグロー
ブ粉砕性指数(HGI)が50の石炭の粉砕特性であり、分
級機は粉砕量100%で設定した回転速度を粉砕量の低減
に伴つて減少して運転されているために、回転速度一定
で運転した場合の粉砕特性(カーブ(a′))のように
低負荷(低粉砕量)領域での過粉砕がなく、すなわち効
率的に粉されている。これは低負荷時には粉砕能力に余
裕があるため粉砕部を通過した石炭の粒度が高負荷時に
比較して細かくなるが、分級機の回転速度が一定であれ
ば分級特性が一定であるためある程度細かくなつた粒子
もミルに再循環されて過粉砕されるのに反し、分級機の
回転速度を低減して分級点を粗くすることにより(第17
図参照)、過粉砕を避けることができることによる。こ
の種に関連するものには、さらに負荷変化時のミルの応
答特性を改善する試みとして、給炭量の変化速度に応じ
て分級機の回転数を調整するものがある。
この一例として特開昭60−241976があり、その構成を
示したのが第22図である。第22図において、給炭機から
の給炭流量が給炭流量検出器30により検出され、ブロツ
ク501内に示したように給炭流量信号30Sの関数として得
られる分級機回転速度要求信号501Sか分級機回転速度演
算器501で演算される。また給炭流量信号30Sは微分器50
2で時間に関して微分され、給炭流量変化速度が求めら
れ、その信号502Sが回転速度増減量演算器503に入力さ
れる。該演算器503では、給炭流量変化速度信号502Sの
絶対値が設定値よりも小さい場合には回転速度の増減量
を0とし、該信号502Sが設定範囲の上限より大きい場合
は回転速度を減少する負の信号503S、また該信号502Sが
設定範囲の下限よりも小さい場合は回転速度を増加する
正の信号503Sが出力され、加算器507で前記回転速度演
算器501からの回転速度要求信号501Sと加算されて回転
速度要求信号507Sとして出力される。該加算器507から
の回転速度要求信号507Sと、回転速度検出器28で検出さ
れた回転速度信号28Sとの偏差が減算器508で求められ、
該回転速度増減量要求信号508Sが分級機回転速度調節器
29を駆動する。第22図に示した従来例においては、給炭
流量が急激に増加する場合、演算器501により、給炭流
量が変化する前よりも大きい回転速度要求信号501Sが出
力されるが、演算器503により負の信号、すなわち回転
速度減少信号が出力される。そのため、分級機回転速度
は一旦減少され、分級機の分級点が粗くなり、ミル内循
環粒子が瞬時に払い出されるためにミルの応答性が早く
なる。一方、給炭流量が急激に減少する場合には、分級
機回転速度は一旦増加されるため分級点が細かくなりミ
ル内循環量が増加し、ミルからの払出量が急速に減少す
ることにより、ミルの負荷変化に対する追従性が向上す
る。
一方、第16図の如き竪型ミルでは、ミルの粉砕容量Q
(t/h)は、粉砕テーブルの回転速度をω、粉砕ローラ
を粉砕テーブル上面へ押圧する押圧力M、粉砕テーブル
の有効直径をDRとすれば、これらの積に比例する(Powd
er Technology,33,127,1982)。すなわち、Q∝M・ωD
Rで表される。また、ミルの粉砕動力MPは、ミルの粉砕
テーブル径DRが決まると、MP∝Mωによつて変わる(Po
wder Technolgy,29,263,1981)。
一方、微粉炭焚ボイラにおいては、通常5台前後のミ
ルが配置されており、ボイラの負荷が100%で各ミルの
負荷は約80〜100%になるように設計されている。すな
わち、該設計点での押圧力Mと粉砕テーブルの回転速度
ωが決定される。しかしながら、微粉炭焚ボイラにおい
てはボイラ出力は一定ではなく負荷調整され通常40〜10
0%の負荷で運用されるので、ミルの運転はボイラの負
荷変化に応じて3〜5台の切替え操作によつて行なわれ
る。この間、各ミルの負荷は通常50〜100%に変動す
る。したがつてミルの設計点以下の低負荷運転ではミル
の最適運転条件から隔離し、無駄なエネルギーを消費す
ることになる(すなわち、粉砕ローラにかける押圧力M
と粉砕テーブルの回転速度ωの積が大き過ぎる)。さら
に、油焚ボイラと異なり石炭焚ボイラにおいては、ボイ
ラの負荷変化の要求に対してミルの応答遅れという特有
の問題点がある。このような問題に対して最近では、ミ
ルへの給炭量に応じて粉砕ローラへの押圧力を可変する
方法(特開昭57−87855,特開昭59−169543)、ミルへの
給炭量の変化速度に応じて前記押圧力を可変する方法
(特開昭59−16953)、給炭量に応じて粉砕テーブルの
回転速度を可変する方法(特開昭59−193154)、負荷要
求の変化時に前後押圧力あるいは粉砕テーブルの回転速
度を増加させる方法がとられている。このような方法に
よれば、性状の安定した単一炭種に対しては動力原単位
(kwh/t)の低減や負荷応答性の向上が可能である。
また上記した低負荷時の過粉砕を避けるための工夫と
しては、低負荷時の粉砕力を小さくするものすなわち、
ミルへの給炭量あるいは給炭量の変化速度に応じて粉砕
ローラへの押圧力を調整する方法(特開昭57−87855,特
開昭59−169543)、給炭量に応じて粉砕テーブルの回転
速度を調整する方法(特開昭59−193154)がある。また
負荷応答性を向上させるための工夫としては、ミルへの
給炭量の変化速度に応じて粉砕ローラへの押圧力を調整
する方法(特開昭59−169543)、負荷要求の変化時に粉
砕ローラへの押圧力あるいは粉砕テーブルの回転速度を
増加させる方法(特開昭58−88042)等が挙げられる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、従来の竪型ミルの制御方法にあつては、原料
石炭の性状変動や多炭種対応への配慮がなされていな
い。
即ち、石炭はマセラル(炭分)と鉱物質から構成され
る典型的な不均一物質であり、同一鉱山あるいは同一炭
層から採炭されてもその性状は大きく異なるものであ
る。さらに石炭ヤードや貯蔵装置における水分変動や粒
度偏折等は常に伴うものである。このような場合におい
ては、上記した従来技術では均一は微粉炭を連続的に製
造することはできないばかりか、負荷変動に応じた粉砕
動力の低減は困難である。また、近年の発電所では、10
〜20炭種の石炭を使用するケースが増えているが、これ
に対しては粉砕動力単位の低減が困難であると共に製品
粒度の低下を招く恐れがあり、更に炭種が変わるごとに
試行錯誤による莫大な労力を要して最適運転条件を設定
しなければならないという問題がある。
また、従来の竪型ミルでは、分級機の回転速度が粉炭
量と粉炭量変化速度によつてのみ制御されるため、原炭
性状の変動により粉砕特性が異なり、ミル内粒子循環量
は同一の粉砕量においても常に一定では無く、たえず変
動する。したがつてミルの負荷変動に対する応答性も必
ずしも改善できないばかりか、スムーズでない(負荷変
化速度が一定に保たれない)ためにボイラ主蒸気温度の
ハンチング等のトラブルが生じる問題点がある。さらに
上記のように10〜20炭種の石炭を単味または混炭にして
使用する場合炭種切替時あるいは炭種切替前後にミルの
負荷応答特性が異なるという問題点がある。
本発明の目的は、上記従来技術の実情に鑑みてなされ
たもので、粉砕される石炭などの被粉砕物の性状及びそ
の変動にかかわらず、品質の均一な微粉を過粉砕を生じ
させることなく低コストに製造できるようにした竪型ミ
ルの制御装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ミルに供給される石炭な
どの被粉砕物の性状及びその変動によらずミルの負荷変
化に対する応答性を改善できるようにした竪型ミルの制
御装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明は、 上面に被粉砕物が供給される粉砕テーブルと、該粉砕
テーブルを回転駆動するミルモータと、前記粉砕テーブ
ル上の被粉砕物を押圧しながら粉砕する粉砕子と、該粉
砕子を前記粉砕テーブル側へ押圧する加圧手段と、粉砕
物を粗粉と微粉とに分離する分級機とを備えた竪型ミル
を対象とするものである。
そして第1の本発明は、 ミル差圧を検出するミル差圧検出手段と、 前記被粉砕物の量(例えば供給量または要求量)に応
じて設定ミル差圧を演算する設定ミル差圧演算手段と、 その設定ミル差圧演算手段によって演算された設定ミ
ル差圧と、前記ミル差圧検出手段によって検出された実
測ミル差圧との偏差値に応じて粉砕部調整用の第1の制
御信号(例えば加圧力増減量要求信号など)を出力する
第1の制御信号出力手段(例えば加圧力増減量演算器、
加圧力最大増減量設定器、信号制限器などで構成)と、 その第1の制御信号出力手段からの制御信号に基づい
て、前記加圧手段の押圧力ならびに前記粉砕テーブルの
回転速度の少なくともいずれか一方を調整する粉砕部調
整手段(例えば加圧シリンダ圧力調節器など)とを備え
たことを特徴とするものである。
第2の本発明は、 ミル差圧を検出するミル差圧検出手段と、 前記被粉砕物の量(例えば供給量または要求量)に応
じて設定ミル差圧を演算する設定ミル差圧演算手段と、 その設定ミル差圧演算手段によって演算された設定ミ
ル差圧と、前記ミル差圧検出手段によって検出された実
測ミル差圧との偏差値に応じて粉砕部調整用の第1の制
御信号(例えば加圧力増減量要求信号など)を出力する
第1の制御信号出力手段(例えば加圧力増減量演算器、
加圧力最大増減量設定器、信号制限器などで構成)と、 前記被粉砕物の量(例えば供給量または要求量)に応
じて粉砕部調整用の第2の制御信号(例えば標準加圧力
信号など)を出力する第2の制御信号出力手段(例えば
標準加圧力演算器など)と、 前記第1の制御信号出力手段からの第1の制御信号と
第2の制御信号出力手段からの第2の制御信号とに基づ
いて、前記加圧手段の押圧力ならびに前記粉砕テーブル
の回転速度の少なくともいずれか一方を調整する粉砕部
調整手段(例えば加圧シリンダ圧力調節器など)とを備
えたことを特徴とするものである。
第3の本発明は、 ミル差圧を検出するミル差圧検出手段と、 前記被粉砕物の量(例えば供給量または要求量)に応
じて設定ミル差圧を演算する設定ミル差圧演算手段と、 その設定ミル差圧演算手段によって演算された設定ミ
ル差圧と、前記ミル差圧検出手段によって検出された実
測ミル差圧との偏差値に応じて分級機回転速度調整用の
第3の制御信号(例えば分級機回転速度増減量要求信号
など)を出力する第3の制御信号出力手段(例えば分級
機回転速度増減量演算器など)と、 その第3の制御信号出力手段からの制御信号に基づい
て、前記分級機の回転速度を調整する分級機回転速度調
整手段(例えば分級機回転速度調節器など)とを備えた
ことを特徴とするものである。
第4の本発明は、 ミル差圧を検出するミル差圧検出手段と、 前記被粉砕物の量(例えば供給量または要求量)に応
じて設定ミル差圧を演算する設定ミル差圧演算手段と、 その設定ミル差圧演算手段によって演算された設定ミル
差圧と、前記ミル差圧検出手段によって検出された実測
ミル差圧との偏差値に応じて分級機回転速度調整用の第
3の制御信号(例えば分級機回転速度増減量要求信号な
ど)を出力する第3の制御信号出力手段(例えば分級機
回転速度増減量演算器など)と、 前記被粉砕物の量(例えば供給量または要求量)に応
じて分級機回転速度調整用の第4の制御信号(例えば分
級機標準回転速度要求信号など)を出力する第4の制御
信号出力手段(例えば分級機標準回転速度演算器など)
と、 前記第3の制御信号出力手段からの第3の制御信号と
第4の制御信号出力手段からの第4の制御信号とに基づ
いて、前記分級機の回転速度を調整する分級機回転速度
調整手段(例えば分級機回転速度調節器など)とを備え
たことを特徴とするものである。
第5の本発明は、 前記被粉砕物の量(例えば供給量または要求量)と性
状に応じて前記加圧手段の押圧力と、前記粉砕テーブル
の回転速度との少なくとも一方を調整する粉砕部調整手
段(例えば加圧シリンダ圧力調節器など)と、 前記被粉砕物の量(例えば供給量と要求量)と、ミル
差圧とに基づいて前記分級機の回転速度を調整する分級
機回転速度調整手段(例えば分級機回転速度調節器な
ど)を備えたことを特徴とするものである。
〔作用〕
従来、被粉砕物の例えば粉砕性、粒度分布、水分付着
量などの性状が変わると、その度毎に標準粉砕条件にお
ける適正な加圧力を実際の運転経験に基づいて設定しな
ければならず、そのための作業が煩雑で、また加圧力設
定の精度に問題があり、適正な設定が出来ないことが多
々ある。
これに対して第1ないし第4の本発明はミル差圧が被
粉砕物の量とその性状によって大きく変動することに着
目し、被粉砕物の量に応じて設定ミル差圧を演算する設
定ミル差圧演算手段を設けている。そしてこれにより実
際の被粉砕物の量に対応した設定ミル差圧を演算し、そ
れと実測のミル差圧を比較して設定ミル差圧と一致する
ように、各操作端(例えば加圧手段の押圧力、粉砕テー
ブルの回転速度、分級機の回転速度など)を調整するよ
うに構成されている。
このようにその被粉砕物の量に応じて演算した設定ミ
ル差圧と、その同じ被粉砕物の量での実測ミル差圧とを
比較するということは、結果的にはミル差圧の発生要因
の中から被粉砕物の量を相殺して(差し引いて)、その
比較差から被粉砕物の性状によるミル差圧の変化が自動
的に把握でき、その性状の変化を各操作端の自動調整に
より無くして、一定品質の微粉を得ることができる。
そのため従来のような性状変化による煩雑な設定作業
が不要となり、各操作端の調整が適正に行なわれる。
さらに第5の本発明のように、被粉砕物の量と性状の
変化に基づいて調整できる粉砕部調整手段と、被粉砕物
の量とミル差圧の変化に基づいて調整できる分級機回転
速度調整手段との両方の調整手段を設けることにより、
より適切でかつ応答性の速い竪型ミルが提供できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明による制御装置の第1実施例を実現す
る制御系のブロツク図、第2図は第1図の制御系が適用
される竪型ミルの概略構造及びボイラに対する系統図を
示している。また、第3図は加圧力制御装置の構成を示
すブロツク図である。
第2図においては、第16図と同一又は同一機能を有す
るものには同一引用数字を用いたので、以下においては
重複する説明を省略する。
第2図の構成が第16図の構成と異なるところは、加圧
シリンダ圧力調整器41が付加され、かつ加圧シリンダ圧
力検出器33からのシリンダ圧力信号を、ミル制御装置10
0に取込むようにした構成と、ミル動力検出器34からの
ミル動力信号をミル制御装置100に取込むようにした構
成と、ミル差圧検出器32からのミル差圧信号をミル制御
装置100に取込むようにした点にある。
第1図において、ミル制御装置100は、給炭量制御装
置200と、一次空気量制御装置300と、ミル出口空気温度
制御装置400と、加圧力制御装置500とから構成される。
給炭量制御装置200は、燃料量要求信号FDと給炭流量
検出器30からの給炭流量信号30Sが一致するように動作
し、給炭量要求信号200Sにより給炭量調節器37が駆動さ
れる。
一次空気流量制御装置300は、一次空気差圧検出器35
により検出された一次空気差圧信号35Sと、一次空気温
度検出器36により検出された一次空気温度信号36Sとか
ら求められた一次空気流量信号(図示せず)と、燃料量
要求信号FDの関数として得られる一次空気流量要求信号
(図示せず)が一致するように動作し、一次空気ダンパ
開度要求信号300Sにより一次空気流量調節器38が作動
し、一次空気ダンパ25の開度が調節され、一次空気流量
が制御される。
ミル出口空気温度制御装置400は、ミル出口空気温度
検出器31により検出されたミル出口空気温度信号31S
と、ミル出口空気温度設定器(図示せず)によつて設定
されたミル出口空気温度信号が一致するように動作し、
熱空気ダンパ開度要求信号400Sにより熱空気流量調節器
39と、冷空気ダンパ開度要求信号401Sにより冷空気流量
調節器40を駆動する。
加圧力制御装置500は、燃料量要求信号FDに応じた加
圧シリンダ18による標準加圧力信号と、給炭流量検出器
30により検出された給炭流量信号30Sの関数として求ま
る設定ミル差圧信号とミル差圧検出器32により検知され
たミル差圧信号32Sとの偏差に基づく加圧力増減量信号
と、給炭流量検出器30により検出された給炭流量の変化
速度に応じた加圧力増減量信号とに基づいて求められた
加圧力要求信号が加圧シリンダ圧力検出器35で検出され
たシリンダ圧力信号33Sの関数である粉砕ローラへの実
加圧力に一致するように、かつミル動力検出器34で検出
されるミル動力信号34Sが設定値範囲内になるように、
動作し、加圧シリンダ圧力増減量要求信号500Sにより加
圧シリンダ圧力調節器41を駆動する。
第3図は、加圧力制御装置500の構成の詳細を示すブ
ロツク図である。加圧力制御装置500は、燃料量要求信
号FDに基づいて標準加圧力を演算する標準加圧力演算器
502と、給炭流量検出器30により検出される給炭流量信
号30Sに基づいて給炭流量の変化速度を求める給炭流量
変化速度演算器503と、該給炭流量変化速度演算器503で
求められた給炭流量変化速度信号503Sに基づいて加圧力
増減量を演算する加圧力増減量演算器504と、該加圧力
増減量の最大値を設定する加圧力最大増減量設定器505
と、給炭流量検出器30からの給炭流量信号30Sに基づい
て設定ミル差圧を演算する設定ミル差圧演算器506と、
該設定ミル差圧演算器506からの設定ミル差圧要求信号5
06Sとミル差圧検出器32からのミル差圧信号32Sとの偏差
を求める減算器507と、該減算器507により求めたミル差
圧増減量要求信号507Sに基づいて加圧力増減量を演算す
る加圧力増減量演算器508と、該加圧力増減量の最大値
を設定する加圧力最大増減量設定器509と、給炭流量変
化速度演算器503からの給炭流量変化速度信号503Sの絶
対値があらかじめ設定された値に等しいか、あるいは小
さい場合には加圧力最大増減量設定器509からの加圧力
増減量要求信号509Sを加圧力増減量要求信号510Sとして
出力し、給炭流量変化速度信号503Sの絶対値が設定値よ
りも大きい場合には前記加圧力最大増減量設定器509か
らの加圧力増減量要求信号509Sを0として出力する信号
制限器510と、該信号制限器510からの加圧力増減量要求
信号510Sと前記加圧力最大増減量設定器505からの加圧
力増減量要求信号505Sと前記標準加圧力演算器502から
の標準加圧力要求信号502Sの和を求める加算器511と、
該加算器511からの加圧力要求信号511Sの最大値を設定
する最大加圧力制御器512と、加圧シリンダ圧力検出器3
3で検出された加圧シリンダ圧力信号33Sに基いて粉砕ロ
ーラを押圧する実加圧力を演算する信号変換器514と、
該信号変換器514からの実加圧信号514Sと最大加圧力制
御器512からの加圧力要求信号512Sとの偏差を求める減
算器513と、該減算器513からの加圧力増減量要求信号51
3Sに基いて加圧シリンダ圧力増減量を演算する加圧シリ
ンダ圧力増減量演算器515と、減算器513からの加圧力増
減量要求信号513Sに基づいてミル動力変化量を演算する
ミル動力変化量演算器516と、該ミル動力変化量演算器5
16からのミル動力変化量信号516Sとミル動力検出器34か
らのミル動力信号34Sとの和を求める加算器517と、該加
算器517からの設定ミル動力信号517Sの最大および最小
値を設定するミル動力制限器518と、該ミル動力制限器5
18からのミル動力要求信号518Sと加算器517からの設定
ミル動力信号517Sとの偏差を求める減算器519と、該減
算器519からのミル動力偏差信号519Sに基いて加圧シリ
ンダ圧力増減量の修正量を計算する加圧シリンダ圧力増
減量演算器520と、該加圧シリンダ圧力増減量演算器520
からの加圧シリンダ圧力増減量修正量要求信号520Sを加
圧シリンダ圧力増減量演算器515からの加圧シリンダ圧
力増減量要求信号515Sから減算する減算器521とから構
成されている。減算器521からの加圧シリンダ圧力増減
量要求信号500Sにより加圧シリンダ圧力調節器41が駆動
される。
次に、第4図〜第11図を参照して第3図の構成の動作
について説明する。
先ず、与えられた竪型ミルの粉砕ローラを押圧する標
準加圧力がボイラマスタからの燃料量要求信号FDに対応
して標準加圧力演算器502で演算され、標準加圧力信号5
02Sが加算器511に送られる。第4図は燃料量要求信号FD
に基づくミルの給炭量すなわち粉砕量と標準加圧力の関
数関係の一例を示すものである。ここで、標準加圧力は
粉砕量の他に、ミルの寸法,砕料の種類等の条件によつ
て変わりうるものである。また、給炭流量検知器30で検
出された給炭流量信号30Sに基づいて給炭流量の変化速
度が給炭流量変化速度演算器503で演算される。該給炭
流量変化速度演算器503で求められた給炭流量変化速度
信号503Sは加圧力増減量演算器504に送られ、加圧力増
減量が演算される。
第5図は給炭流量変化速度と加圧力増減量との関数関
係の一例を示すものである。本図において、給炭流量変
化速度が0の場合、すなわち給炭流量が一定の場合、加
圧力増減量が0であり、また、変化速度が負である場合
はその絶対値に比例して加圧力増減量の負の絶対値(す
なわち加圧力低減量)が大きく設定される(実線のカー
ブa)。加圧力増減量演算器504からの加圧力増減量信
号504Sの絶対値は設定された最大値以下になるように加
圧力最大増減量設定器505で制限され、加算器511に送ら
れる。加圧力最大増減量設定器505で制限処理後の給炭
流量変化速度と加圧力増減量の関数関係の一例を第5図
中の破線のカーブbで示す。さらに、給炭流量検出器30
からの給炭流量信号30に基づいて設定ミル差圧が設定ミ
ル差圧演算器506で設定される。
一般に竪型ミルにおけるミル差圧は主として給炭流量
と一次空気流量の関数として決まるが、給炭流量と一次
空気流量の関係は第6図で示すような関係で表される。
したがつて、給炭流量が与えられるとミル差圧は第7図
の(a)で示すような関数関係で与えられ、設定ミル差
圧演算決506で設定ミル差圧が演算される。設定ミル差
圧演算器506からの設定ミル差圧要求信号506は減算器50
7に印加され、ミル差圧検出器32により検出されたミル
差圧信号32Sとの偏差が減算器507で求められる。該減算
器507から出力されるミル差圧増減量要求信号507に基づ
いて加圧力増減量が加圧力増減量演算器508で演算され
る。
第8図の実線のカーブ(a)は加圧力増減量演算器50
8で演算されるミル差圧増減量と加圧力増減量の関数関
係の一例を示す。加圧力増減量演算器508からの加圧力
増減量要求信号508Sは加圧力最大増減量設定器509で最
大値以下に制限される。加圧力最大増減量509で演算処
理された後のミル差圧増減量と加圧増減量の関係の一例
を第8図の破線のカーブ(b)で示す。加圧力増減量演
算器509からの加圧力増減量要求信号509Sは、給炭流量
変化速度演算器503からの給炭流量変化速度信号503Sの
絶対値が設定値以下の場合には、そのまま信号制限器51
0の出力信号として出力され、また、設定値より大きい
場合には0として信号制限器510から出力され各々加算
器511に送られる。信号制限器510からの加圧力増減量要
求信号510Sは、燃料量要求信号FDに基づく標準加圧力要
求信号502Sと、給炭流量変化速度に基づく加圧力増減量
要求信号505Sと加算器511で加算され、最大加圧力制御
器512で設定された最大加圧力以下になるように制限さ
れて加圧力要求信号512Sが出力される。加圧力要求信号
512Sと、加圧シリンダ圧力検出器33で検出されたシリン
ダ圧力信号33Sから信号変換器514で求められた実加圧力
信号514Sとの偏差が減算器512で減算される。減算器513
からの加圧力増減要求信号513Sはシリンダ圧力増減量演
算器515に送られて演算され、シリンダ圧力増減量要求
信号515Sが出力され減算器521に送られる。
第9図は、加圧力増減量とシリンダ圧力増減量の関係
の一例を示すものである。減算器513からの加圧力増減
量要求信号513Sはシリンダ圧力増減量演算器515と同時
にミル動力変化量演算器516に送られ、加圧力増減量に
基づくミル動力変化量が演算され、ミル動力変化量信号
516Sとして出力されミル動力検出器34で検出されたミル
動力信号34Sとともに加算器517に入力される。
第10図は加算力増減量に伴うミル動力変化量を示す。
加算器517からの設定ミル動力信号517Sはミル動力制限
器518に送られ、ミル動力が最大および最小値で設定さ
れる範囲内の値になるように制限され、ミル動力要求信
号518Sとして出力される。ミル動力要求信号518Sと、設
定ミル動力信号517Sとの偏差が減算器519で演算され、
その出力であるミル動力偏差信号519Sがシリンダ圧力増
減量演算器520に入力される。シリンダ圧力増減量演算
器502においては、ミル動力偏差信号519Sに基づいて加
圧シリンダ圧力増減量の修正値が演算され、シリンダ圧
力増減量修正要求信号520Sが減算器521に入力される。
第11図はミル動力偏差値とシリンダ圧力増減量修正量
の関係を示す。ミル動力は加圧シリンダ圧力増減量演算
器515によつて演算されたシリンダ圧力増加量により予
想され、最大ミル動力値を超える場合にはシリンダ圧力
の増加量を低減する。また、シリンダ圧力低減量により
予想されるミル動力が最小ミル動力値以下になる場合に
は、シリンダ圧力の低減量が少なくなるように修正す
る。
減算器521は、シリンダ圧力増減量演算器515からのシ
リンダ圧力増減量要求信号515Sからシリンダ圧力増減量
修正量要求信号520Sが減ぜられ、加圧力増減量要求信号
500Sとして出力され、加圧シリンダ圧力調節器41を駆動
する。
本実施例においては、ミルへの給炭流量が一定の場
合、また給炭流量の変化速度が小さい場合には、給炭流
量の変化速度に基づく加圧力増減量演算器503からの出
力は0もしくは小さい値であり、粉砕ローラ加圧力は、
主として燃料量要求信号FDに基づいて決定される標準加
圧力と、給炭流量から決定される設定ミル差圧と実測の
ミル差圧が一致するように演算される加圧力増減量とか
ら決定される、すなわち、実測のミル差圧が設定ミル差
圧より大きい場合には、加圧力が増加され、実測ミル差
圧が設定値より小さい場合には加圧力は低減される。し
たがつて、ミルへの給炭量が一定の場合でも、供給石炭
の粉砕性,粒度分布,水分等の性状が変動すればミル差
圧に変化が表れるため(例えばHGI値が大きくなつて粉
砕性がよくなるとミル差圧は第7図の破線のカーブ
(b)のように低くなる。また、HGI値が小さくなつて
粉砕性の悪くなると第7図の破線カーブ(c)のように
ミル差圧は高くなる。)、上述したように自動的に粉砕
ローラの加圧力が最適値に調整できる点が従来例と異な
る点である。また、従来例においては、炭種が変わる毎
に標準粉砕条件における適正な加圧力を実際の運転経験
に基づいて設定しなければならないが、本実施例におい
ては全自動で最適な加圧力が設定される。
一方、燃料量要求信号FDにより給炭流量が急激に増加
する場合、実測されるミル差圧は粉砕の遅れにより常に
設定値より小さくなるため、加圧力増減量演算器509は
制御したい方向と逆の加圧力減少の第8図のような信号
を出力するが、信号制限器510により出力信号が0にさ
れる。また、給炭流量が急激に減少する場合は、逆に加
圧力増加の信号を出力するため、信号制限器510によつ
て出力信号が0にされる。すなわち、給炭流量が急激に
変化する場合は、燃料量要求信号FDに基づいて設定され
る標準加圧力と、給炭流量の変化速度に応じた加圧力増
減量とから粉砕ローラの加圧力が設定される。この場
合、給炭量が増加する場合は増加後の定常状態時よりも
加圧力が常に高く設定され、給炭量が減少する場合は減
少後の定常状態時よりも低く設定されるため、ミルの応
答性が早くなり短時間に定常状態に到達できる。その結
果、石炭性状変動へのシステムの対応が速やかに可能と
なる。
なお、以上の実施例においては、燃料量要求信号と給
炭量信号とミル差圧信号に基づいて設定ミル動力範囲内
で設定したミル差圧と実測のミル差圧が一致するように
粉砕ローラの加圧力が制御されたが、上記燃料量要求信
号と給炭量信号とミル差圧信号に基づいて、設定したミ
ル運転動力範囲内で設定したミル差圧と実測のミル差圧
が一致するように粉砕ローラへの加圧力の代わりに粉砕
テーブルの回転速度を可変することによつても(図示せ
ず)、前記実施例と同様の効果を得ることが可能であ
る。
さらに、粉砕される石炭が多炭種に及んで性状が大き
く異なる場合等において、設定したミル差圧と実測した
ミル差圧が一致するように粉砕ローラへの加圧力と粉砕
テーブルの回転速度の両方を可変することも可能であ
る。
次に、第12図に本発明の第2実施例を実現する制御系
のブロツク図を示す。本実施例においては、第1図と同
一または同一機能を有する部材には同一引用数字を用い
たので、以下においては重複する説明を省略する。
本実施例の特徴とするところは、第1図の構成に対
し、分級機回転速度制御装置600を設け、分級機回転速
度調節器29を制御するようにしたところにある。更に、
ミル差圧検出器32,ミル動力検出器34の各出力は、加圧
力制御装置500に代えて分級機回転速度制御装置600に入
力される。
加圧力制御装置500は、燃料量要求信号FDの関数とし
て求められる粉砕ローラへの加圧力要求信号と加圧シリ
ンダ圧力検出器33により検出されるシリンダ圧力の関数
として求められる実加圧力が一致するように動作し、加
圧シリンダ圧力要求信号500Sによりシリンダ圧力調節器
41を駆動する。
分級機回転速度制御装置600は、燃料量要求信号FDに
応じた分級機標準回転速度要求信号と、給炭流量検出器
30により検出された給炭流量信号30Sの変化速度に基づ
いた分級機回転速度の増減量要求信号と、給炭流量検出
器30により検出された給炭流量の関数として求まるミル
差圧要求信号とミル差圧検出器32により検出されたミル
差圧信号32Sとの偏差に基づく分級機回転速度の増減量
要求信号の和と分級機回転速度検出器28からの回転速度
信号28Sが一致するように動作し、回転式分級機回転速
度増減量要求信号600Sにより分級機回転速度調節器29が
駆動する。さらに該分級機回転速度制御装置において
は、常時分級機回転速度の増減量要求信号の関数として
与えられるミル動力変化量と前述加圧力制御装置500か
らのシリンダ圧力増減量要求信号500Sの関数として与え
られるミル動力変化量とミル動力検出器34で検出される
ミル動力信号の和が演算され、これがミル動力値の設定
範囲内にあるかどうか監視され、範囲外になる場合に
は、分級機回転速度増減量が修正されて分級機回転速度
増減量要求信号600Sとして出力される。
第13図は、加圧力制御装置500の詳細を示すブロツク
図である。加圧力制御装置500は、燃料量要求信号FDに
基づいて粉砕ローラへの加圧力を演算する加圧力演算器
531と、加圧シリンダ圧力検出器33からのシリンダ圧力
信号33Sを粉砕ローラへの実加圧力に変換する加圧力演
算器532と、加圧力演算器531からの加圧力要求信号531S
より加圧力演算器532からの加圧力信号532Sを減算する
減算器533と、該減算器533からの加圧力増減量要求信号
533Sから加圧シリンダ圧力の増減量を減算する加圧シリ
ンダ圧力増減量演算器534とから構成される。該加圧シ
リンダ圧力増減量演算器534からの加圧シリンダ圧力増
減量要求信号500Sにより加圧シリンダ圧力調節器41が駆
動される。また加圧シリンダ圧力増減量要求信号500Sは
同時に分級機回転速度制御装置600に入力される。
第14図は、分級機回転速度制御装置600の詳細を示す
ブロツク図である。本図において、分級機回転速度制御
装置600は、燃料量要求信号FDに基づいて分級機の標準
回転速度を設定する分級機標準回転速度演算器601と、
給炭流量検出器30からの給炭流量信号30Sに基づいて給
炭流量の変化速度を演算する微分器602と、該微分器602
からの給炭流量変化速度信号602Sに基づいて分級機の回
転速度の増減量を演算する分級機回転速度増減量演算器
603と、給炭流量検出器30からの給炭流量信号30Sに基づ
いて設定ミル差圧を演算する設定ミル差圧演算器604
と、該設定ミル差圧演算器604からの設定ミル差圧要求
信号604Sよりミル差圧検出器32からのミル差圧信号32S
を減算する減算器605と、該減算器605からのミル差圧偏
差信号605Sに基づいて分級機回転速度の増減量を演算す
る分級機回転速度増減量演算器606と、分級機標準回転
速度演算器601からの分級機標準回転速度要求信号601S
と前記分級機回転速度増減量演算器603からの分級機回
転速度増減量要求信号603Sと分級機回転速度増減量演算
器606からの分級機回転速度増減量要求信号606Sとを加
算する加算器607と、該加算器607からの分級機回転速度
要求信号607Sから分級機回転速度検出器28からの分級機
回転速度信号28Sを減算する減算器608と、該減算器608
からの分級機回転速度増減量要求信号608Sに基づいてミ
ル動力変化量を演算するミル動力変化量検出器609と、
加圧力制御装置500からの加圧シリンダ圧力増減量要求
信号500Sに基づいてミル動力の変化量を演算するミル動
力変化量演算器611と、該ミル動力変化量演算器611から
のミル動力変化量信号611Sと前記ミル動力変化量演算器
609からのミル動力変化量信号609Sとミル動力検出器34
からのミル動力信号34Sとを加算する加算器610と、該加
算器610からのミル動力予想信号610Sを最大値以下およ
び最小値以上に制限するミル動力制限器612と、加算器6
10からのミル動力予想信号610Sからミル動力制限器612
からのミル動力要求信号612Sを減算する減算器613と、
該減算器613からのミル動力偏差信号613Sに基づいて分
級機回転速度増減量の修正量を演算する分級機回転速度
増減量修正器614と、減算器608からの分級機回転速度増
減量要求信号608Sから分級機回転速度増減量修正器614
からの分級機回転速度増減量修正量信号614Sを減算する
減算器615とから構成される。該減算器615からの分級機
回転速度増減量要求信号600Sにより分級機回転速度調節
器29が駆動される。
次に、第12図〜第14図の構成の動作について説明す
る。
まず、与えられた竪型ミル4の粉砕ローラ14を押圧す
る加圧力はボイラマスタからの燃料量要求信号FDに対応
して加圧力演算器501で演算され、演算された設定加圧
力と加圧シリンダ圧力検出器33で検出したシリンダ圧力
値から演算された実加圧力とが一致するように加圧力増
減量要求信号500Sが加圧シリンダ圧力調節器41を駆動す
る(第13図)。粉砕ローラ14への加圧力と粉砕量の関係
は、第13図の加圧力演算器531で演算されるが、粉砕量
の増加とともに加圧力も増加する関数関係にある。加圧
力はミル寸法と粉砕量の他に砕量の種類によつても変わ
りうるものであり、前記加圧力演算器501の関数関係は
手動で任意に設定可能である。また、加圧力制御装置50
0からの加圧シリンダ圧力増減量要求信号500Sは、分級
機回転速度制御装置600に入力され、加圧力増減量に伴
うミル動力変化量が演算される。
次に、回転式分級機20の標準回転速度もまたボイラマ
スタからの燃料量要求信号FDに基づいて第14図に示す分
級機標準回転速度演算器601で演算される。分級機標準
回転速度演算器601は給炭流量が増加するにつれて分級
機の分級点が細かくなるように(第17図参照)回転速度
が増加されるような関数関係が用いられる。また、給炭
流量検出器30で検知された給炭流量の変化速度が給炭流
量変化速度演算器602で演算され、該給炭流量変化速度
信号602Sに基づいて分級機回転速度増減量演算器603の
分級機回転速度増減量が演算される。すなわち、給炭流
量の変化速度が0の場合、すなわち給炭流量が一定の場
合には分級機回転速度の増減量を0にする。また、該変
化速度が正の場合、すなわちボイラの燃料量要求信号が
増大する場合には、分級機回転速度増減量を負の値とす
る。この場合、分級機の回転速度は一時的に減少し分級
点が粗くなるため(第17図参照)、ミル内部に保有され
ている石炭が瞬時に払い出されミルの負荷応答が第16図
に示した従来例より早くなる。一方、給炭流量の変化速
度が負の場合すなわちボイラの燃料量要求信号が減少す
る場合、分級機回転速度増減量を正の値とする。すなわ
ち分級機の回転速度は一時的に増加して分級点が細かく
なるため、ミル内を循環する石炭量が増加し、ミルの応
答性が第16図に示した従来例より早くなる特徴がある。
さらに、給炭流量検出器30からの給炭流量信号30Sに基
づいて設定ミル差圧が設定ミル差圧演算器604のブロツ
ク内の特性図に示したような関数関係から演算される。
すなわち、粉砕量が多くなるにつれて運転ミル差圧が大
きくなるように設定される。該設定ミル差圧演算器604
からのミル差圧要求信号604Sに基づいてミル差圧検出器
32により検出されたミル差圧信号32Sが減算器605で減算
される。次に、該偏差に基づいて分級機回転速度増減量
演算器606のブロツク内の特性図に示すように偏差が正
の場合、すなわち設定ミル差圧の方が実測値よりも大き
い場合には、分級機20の回転速度を増加する信号が出力
される。この場合、分級機20の回転速度を増加すること
によつて分級点が細かくなるため(第17図参照)、ミル
内の石炭粒子循環量が増加し、ミル差圧が増大する。逆
に、前記の偏差が負の場合すなわち実測のミル差圧が設
定値よりも大きい場合には、分級機20の回転速度を減少
する信号が出力される。この場合、分級機20の回転速度
を減少することにより、分級点が粗くなるため(第17図
参照)、ミル内の石炭粒子の循環量が減少しミル差圧が
減少する。燃料量要求信号FDに基づく分級機標準回転速
度信号601Sと、給炭流量変化速度に基づく分級機回転速
度増減量要求信号603Sと、給炭流量に基づく設定ミル差
圧と実測値との偏差に基づく分級機回転速度増減量要求
信号606Sは加算器607で加算され、該加算器607からの分
級機回転速度要求信号607Sから分級機回転速度検出器28
により検出された分級機回転速度信号28Sが減算され、
調整すべき分級機回転速度増減量要求信号608Sが出力さ
れる。
次に、この回転速度増減量要求信号608Sに基づいてミ
ル動力の変化量がミル動力変化量演算器609のブロツク
内の特性図に示すように演算される。すなわち、分級機
回転速度増減量が正の値の場合には、分級点が細かくな
り、(第6図参照)ミル内粒子の循環量が増加するため
ミル動力は増加し、該増減量が負の値の場合には分級点
が粗くなりミル内循環量が減少するためにミル動力は減
少する。一方、前記加圧力制御装置500からの加圧シリ
ンダ圧力増減量要求信号500Sによる粉砕ローラへの加圧
力の変化によつてもミル動力は変化する。そこで該加圧
シリンダ圧力増減量要求信号500Sをミル動力変化量演算
器611に取込んでミル動力の変化量を演算する。すなわ
ち、ミル動力変化量演算器611のブロツク内の特性図に
示すように、加圧シリンダ圧力増減量が正の場合は粉砕
ローラへの加圧力が増大するためミルの駆動動力は増大
し、該増減量が負の場合は該加圧力が減少するためにミ
ル内の駆動動力は減少する。この加圧力増減量に基づく
ミル動力変化量信号611Sと、分級機回転速度増減量に基
づくミル動力変化量信号611Sと、ミル動力検出器34から
のミル動力信号34Sは加算器610で加算され、ミル動力予
想信号610Sが出力されミル動力制限器612に入力され
る。該ミル動力制限器612においては、ミル動力予想信
号610Sがミルの設定運転動力範囲内になるように制限さ
れる。すなわち、ミル動力予想信号610Sがミル駆動動力
の最大値以上であれば最大値とし、最小値以下であれば
最小値とされる。ミル動力制限器612からのミル動力要
求信号612Sは加算器610からのミル動力予想信号610Sか
ら減算器613で減算され、その偏差に基づいて分級機回
転速度増減量修正器614のブロツク内の特性図に示した
ように分級機回転速度増減量の修正量が演算される。す
なわち、ミル動力予想信号610Sがミル動力要求信号612S
より大きい場合(偏差が正の場合)、正の修正量が出力
され、減算器615において前記加算器608からの分級機回
転速度増減量要求信号608Sから減算され、修正後の分級
機回転速度増減量要求信号600Sが分級機回転速度調節器
29に入力される。一方、偏差が負の場合すなわち、ミル
動力予想信号610Sがミル動力要求信号612Sより小さい場
合は、負の修正量が出力され、減算器615において加算
器608からの分級機回転速度増減量要求信号608Sから減
算され、修正後の分級機回転速度増減量要求信号が減算
器615から出力され、分級機回転速度調節器29を駆動す
る。
本実施例においては、ミルへの給炭流量が一定の場
合、また給炭流量の変化速度が小さい場合には、給炭流
量の変化速度に基づく分級機回転速度の増減量演算器60
3からの分級機回転速度増減量信号603Sは0もしくは小
さい値であり、分級機20の回転速度は主として燃料量要
求信号FDに基づいて決定される標準回転速度と、給炭流
量から決定される設定ミル差圧と実測ミル差圧が一致す
るように演算される分級機回転速度増減量とから決定さ
れる。したがつて、ミルへの給炭流量が一定の場合にお
いても、供給石炭の粉砕性,粒度分布,水分,灰分含有
率等の性状が変動すれば、ミル内の石炭粒子の循環量が
変動するためにミル差圧が変化するが、本発明の実施例
によればミル差圧が設定値になるように分級機20の回転
速度が自動調整できる点が従来例と異なる点である。さ
らに従来技術においては、炭種が変わるごとに粉砕量と
分級機20の回転速度の適正値を実際の運転経験に基づい
て設定しなければならず莫大な労力を要するが、本発明
の実施例によれば自動的に達成できることが従来例とは
異なる。
一方、燃料量要求信号FDにより給炭流量が急激に増加
した場合、給炭流量の増加に伴なつて分級機回転速度増
減量演算器606からは回転速度増加信号が出力される
が、給炭流量の増加速度が大きいために、分級機回転速
度増減量演算器603からは回転速度減少信号が出力され
る。その結果、分級機20の回転速度は一旦減少し、分級
機20の分級点が粗くなり(第6図参照)、ミル内循環粒
子が瞬時に払い出されるためミルの応答遅れが短くな
る。逆に、燃料量要求信号FDが急激に減少する場合、給
炭流量の減少に伴なつて分級機回転速度増減量演算器60
6からは回転速度減少信号が出力されるが、給炭流量の
減少速度が大きいために分級機回転速度増減量演算器60
3からは回転速度増加信号が出力される。その結果、分
級機回転速度は一旦増加され、分級機20の分級点が細か
くなるために石炭粒子のミル内循環量が増加してミルか
らの払出し量が減少し、ミルの応答遅れの時間が短くな
る。このように本実施例においては、ミル負荷が急激に
変化する場合もミルの応答性が早いため短時間にミルが
定常状態に到達するため、石炭性状変動へのミルシステ
ムの対応が速やかに可能となる。
本実施例においては、常にミル動力が監視され、ミル
の運転動力の設定範囲を超える場合にはミル動力値が設
定範囲内に収まるように分級機回転速度の増減量が修正
される。このため、ミル差圧が設定範囲内にならない場
合には、粉砕ローラへの加圧力制御装置500の加圧力演
算器501の設定値、分級機標準加圧力演算器601の設定
値、設定ミル差圧演算器の設定値、ミル動力制限器612
の設定値等を手動変更することができるのでミルの最適
が効率的に達成できる。
次に、第15図に本発明の請求項2,5及び6の制御方法
を実現する制御系のブロツク図を示す。本実施例におい
ては、第14図と同一であるものには同一引用数字を用い
たので重複する説明を省略する。
本実施例が第14図の構成と異なるところは、ミル動力
変化量演算器611を除去すると共に第12図中の加圧力制
御装置500よりの加圧シリンダ圧力増減量要求信号500S
を分級機回転速度制御装置600に印加しないようにした
ものである(加圧シリンダ圧力は、手動によつて設定す
る)。
したがつて、ミル動力予想信号610Sには、ミル動力変
化量信号611Sが加味されないものとなる。
演算器609からのミル動力変化量信号609Sは、ミル動
力検出器34からのミル動力信号34Sと加算器610で加算さ
れる。加算器610からのミル動力予想信号610Sは、ミル
動力制限器612に入力され、ミル動力の設定範囲内に収
まるように制限される。すなわち、ミル動力予想信号61
0Sが設定最大値以上であれば最大値に、また設定最小値
以下であれば最小値に制限される。
しかし、本実施例では、ミル動力変化量信号611Sが加
算されていないので、ミルの粉砕ローラの加圧力の調整
はなされないが、この場合でもミル差圧が設定値になる
ように分級機の回転速度が自動調整、すなわちミル内石
炭粒子の循環量を自動的に制御することができ、ミルの
負荷変化に対する応答性を改善することができる。
なお、以上の実施例においては、設定ミル差圧の演算
に給炭流量検出器30からの信号30Sが使用されたが、そ
の代わりに燃料量要求信号FDを用いても同等の効果があ
る。また第4図においては、演算器501における分級機
回転速度の演算に燃料量要求信号FDが使用されたが、そ
の代わりに給炭流量検出器30からの信号30Sを用いても
同等の効果がある。
また、第15図の構成においては、分級機回転速度の増
減によつてミル動力が設定値内に収まるようにミル動力
を検出して回転速度の増減量を補正する回路が組まれて
いるが、ミルモータに余裕がある場合、微粉炭の粒度を
著しく細かくする必要がない場合、あるいは極端に粉砕
性の悪い石炭を取扱わない等の場合には、演算器509,51
0,511,512,513,514は省略し、演算器508からの信号を直
接に回転速度調節器29に入力する構成にしてもよい。
また、第1図,第3図,第12図及び第14図の実施例に
おいては、燃料量要求信号と給炭量信号とミル差圧信号
に基づいて、設定ミル動力範囲内で、設定したミル差圧
と実測のミル差圧が一致するように粉砕ローラの加圧力
が制御されたが、上記燃料量要求信号と給炭量信号とミ
ル差圧信号に基づいて、設定したミル運動動力範囲内で
設定したミル差圧と実測のミル差圧が一致するように粉
砕ローラへの加圧力の代わりに粉砕テーブル11の回転速
度を可変することによつても(図示せず),第1,第3図
に示した実施例と同等の効果を得ることが可能である。
さらに、粉砕される石炭が多炭種に及んで性状が大き
く異なる場合等において、設定したミル差圧と実測した
ミル差圧が一致するように粉砕ローラ14への加圧力と粉
砕テーブル11の回転速度の両方を可変することも可能で
ある。
〔発明の効果〕
第1ないし第4の本発明はミル差圧が被粉砕物の量と
その性状によって大きく変動することに着目し、被粉砕
物の量に応じて設定ミル差圧を演算する設定ミル差圧演
算手段を設けている。そしてこれにより実際の被粉砕物
の量に対応した設定ミル差圧を演算し、それと実測のミ
ル差圧を比較して設定ミル差圧と一致するように、各操
作端(例えば加圧手段の押圧力、粉砕テーブルの回転速
度、分級機の回転速度など)を調整するように構成され
ている。
このようにその被粉砕物の量に応じて演算した設定ミ
ル差圧と、その同じ被粉砕物の量での実測ミル差圧とを
比較するということは、結果的にはミル差圧の発生要因
の中から被粉砕物の量を相殺して(差し引いて)、その
比較差から被粉砕物の性状によるミル差圧の変化が自動
的に把握でき、その性状の変化を各操作端の自動調整に
より無くして、一定品質の微粉を得ることができる。
そのため従来のような性状変化による煩雑な設定作業
が不要となり、各操作端の調整が適正に行なわれる。
さらに第5の本発明のように、被粉砕物の量と性状の
変化に基づいて調整できる粉砕部調整手段と、被粉砕物
の量とミル差圧の変化に基づいて調整できる分級機回転
速度調整手段との両方の調整手段を設けることにより、
より適切でかつ応答性の速い竪型ミルが提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による一実施例を示すブロツク図、第2
図は本発明が適用される竪型ミルの概略構成及びボイラ
の系統図、第3図は加圧力制御装置の構成を示すブロツ
ク図、第4図は粉砕量と一次空気流量の関係を示す説明
図、第5図は給炭流量と加圧力増減量の関係を示す説明
図、第6図は粉砕量と一次空気量の関係を示す説明図、
第7図は粉砕量とミル差圧の関係を示す説明図、第8図
はミル差圧の増減に必要な加圧力増減量を示す説明図、
第9図は加圧力を増減するためのシリンダ圧力増減量を
示す説明図、第10図は加圧力増減量に対するミル動力変
化量を示す説明図、第11図はミル動力に基づくシリンダ
圧力増減量の修正量を示す説明図、第12図は本発明の第
2実施例を示すブロツク図、第13図は第2実施例の加圧
力制御装置500の詳細を示すブロツク図、第14図は第2
実施例の分級機回転速度制御装置600の詳細を示すブロ
ツク図、第15図は本発明の第3実施例を示すブロツク
図、第16図は従来の竪型ミルを有する微粉炭焚ボイラの
装置系統図、第17図は回転式分級機の部分分級効率と回
転速度の関係を示す説明図、第18図は従来の回転式分級
機を有する竪型ミルによるミルの負荷特性とミル差圧に
及ぼす石炭のHGIの影響を示す説明図、第19図は従来の
竪型ミルによる負荷特性とミル差圧に及ぼす原炭粒度の
影響を示す説明図、第20図は従来の回転式分級機を有す
る竪型ミルによるミルの負荷特性に及ぼす石炭の粉砕性
の影響を示す説明図、第21図は従来の回転式分級機を有
する竪型ミルによる負荷特性に及ぼす原料石炭の粒度の
影響を示す説明図、第22図は従来の分級機回転速度制御
装置の構成を示すブロツク図である。 4……竪型ミル、6……給炭機、7……ボイラ、9……
一次空気入口孔、11……粉砕テーブル、14……粉砕ロー
ラ、18……加圧シリンダ、20……回転式分級機、21……
回転羽根、22……分級機モータ、23……ミルモータ、29
……分級機回転速度調節器、30……給炭流量検出器、32
……ミル差圧検出器、33……加圧シリンダ圧力検出器、
34……ミル動力検出器、37……給炭量調節器、41……加
圧シリンダ圧力調節器、100……ミル制御装置、200……
給炭量制御装置、300……一次空気量制御装置、500……
加圧力制御装置、600……分級機回転速度制御装置、FD
……燃料量要求信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大島 拓 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日 立株式会社 呉研究所内 (72)発明者 長谷川 忠 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 田岡 善憲 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 金本 浩明 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社 呉工場内 (56)参考文献 特開 昭60−125260(JP,A) 特開 昭63−44951(JP,A) 特開 昭60−241976(JP,A) 特開 昭57−87855(JP,A) 特開 昭63−147559(JP,A) 特開 昭62−162818(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上面に被粉砕物が供給される粉砕テーブル
    と、該粉砕テーブルを回転駆動するミルモータと、前記
    粉砕テーブル上の被粉砕物を押圧しながら粉砕する粉砕
    子と、該粉砕子を前記粉砕テーブル側へ押圧する加圧手
    段と、粉砕物を粗粉と微粉とに分離する分級機とを備え
    た竪型ミルにおいて、 ミル差圧を検出するミル差圧検出手段と、 前記被粉砕物の量に応じて設定ミル差圧を演算する設定
    ミル差圧演算手段と、 その設定ミル差圧演算手段によって演算された設定ミル
    差圧と、前記ミル差圧検出手段によって検出された実測
    ミル差圧との偏差値に応じて粉砕部調整用の第1の制御
    信号を出力する第1の制御信号出力手段と、 その第1の制御信号出力手段からの制御信号に基づい
    て、前記加圧手段の押圧力ならびに前記粉砕テーブルの
    回転速度の少なくともいずれか一方を調整する粉砕部調
    整手段とを備えたことを特徴とする竪型ミル。
  2. 【請求項2】上面に被粉砕物が供給される粉砕テーブル
    と、該粉砕テーブルを回転駆動するミルモータと、前記
    粉砕テーブル上の被粉砕物を押圧しながら粉砕する粉砕
    子と、該粉砕子を前記粉砕テーブル側へ押圧する加圧手
    段と、粉砕物を粗粉と微粉とに分離する分級機とを備え
    た竪型ミルにおいて、 ミル差圧を検出するミル差圧検出手段と、 前記被粉砕物の量に応じて設定ミル差圧を演算する設定
    ミル差圧演算手段と、 その設定ミル差圧演算手段によって演算された設定ミル
    差圧と、前記ミル差圧検出手段によって検出された実測
    ミル差圧との偏差値に応じて粉砕部調整用の第1の制御
    信号を出力する第1の制御信号出力手段と、 前記被粉砕物の量に応じて粉砕部調整用の第2の制御信
    号を出力する第2の制御信号出力手段と、 前記第1の制御信号出力手段からの第1の制御信号と第
    2の制御信号出力手段からの第2の制御信号とに基づい
    て、前記加圧手段の押圧力ならびに前記粉砕テーブルの
    回転速度の少なくともいずれか一方を調整する粉砕部調
    整手段とを備えたことを特徴とする竪型ミル。
  3. 【請求項3】上面に被粉砕物が供給される粉砕テーブル
    と、該粉砕テーブルを回転駆動するミルモータと、前記
    粉砕テーブル上の被粉砕物を押圧しながら粉砕する粉砕
    子と、該粉砕子を前記粉砕テーブル側へ押圧する加圧手
    段と、粉砕物を粗粉と微粉とに分離する分級機とを備え
    た竪型ミルにおいて、 ミル差圧を検出するミル差圧検出手段と、 前記被粉砕物の量に応じて設定ミル差圧を演算する設定
    ミル差圧演算手段と、 その設定ミル差圧演算手段によって演算された設定ミル
    差圧と、前記ミル差圧検出手段によって検出された実測
    ミル差圧との偏差値に応じて分級機回転速度調整用の第
    3の制御信号を出力する第3の制御信号出力手段と、 その第3の制御信号出力手段からの制御信号に基づい
    て、前記分級機の回転速度を調整する分級機回転速度調
    整手段とを備えたことを特徴とする竪型ミル。
  4. 【請求項4】上面に被粉砕物が供給される粉砕テーブル
    と、該粉砕テーブルを回転駆動するミルモータと、前記
    粉砕テーブル上の被粉砕物を押圧しながら粉砕する粉砕
    子と、該粉砕子を前記粉砕テーブル側へ押圧する加圧手
    段と、粉砕物を粗粉と微粉とに分離する分級機とを備え
    た竪型ミルにおいて、 ミル差圧を検出するミル差圧検出手段と、 前記被粉砕物の量に応じて設定ミル差圧を演算する設定
    ミル差圧演算手段と、 その設定ミル差圧演算手段によって演算された設定ミル
    差圧と、前記ミル差圧検出手段によって検出された実測
    ミル差圧との偏差値に応じて分級機回転速度調整用の第
    3の制御信号を出力する第3の制御信号出力手段と、 前記被粉砕物の量に応じて分級機回転速度調整用の第4
    の制御信号を出力する第4の制御信号出力手段と、 前記第3の制御信号出力手段からの第3の制御信号と第
    4の制御信号出力手段からの第4の制御信号とに基づい
    て、前記分級機の回転速度を調整する分級機回転速度調
    整手段とを備えたことを特徴とする竪型ミル。
  5. 【請求項5】上面に被粉砕物が供給される粉砕テーブル
    と、該粉砕テーブルを回転駆動するミルモータと、前記
    粉砕テーブル上の被粉砕物を押圧しながら粉砕する粉砕
    子と、該粉砕子を前記粉砕テーブル側へ押圧する加圧手
    段と、粉砕物を粗粉と微粉とに分離する分級機とを備え
    た竪型ミルにおいて、 前記被粉砕物の量と性状に応じて前記加圧手段の押圧力
    と、前記粉砕テーブルの回転速度との少なくとも一方を
    調整する粉砕部調整手段と、 前記被粉砕物の量と、ミル差圧とに基づいて前記分級機
    の回転速度を調整する分級機回転速度調整手段を備えた
    ことを特徴とする竪型ミル。
JP63188163A 1988-07-29 1988-07-29 竪型ミルの制御装置 Expired - Fee Related JP2744019B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63188163A JP2744019B2 (ja) 1988-07-29 1988-07-29 竪型ミルの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63188163A JP2744019B2 (ja) 1988-07-29 1988-07-29 竪型ミルの制御装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29430097A Division JPH1085624A (ja) 1997-10-27 1997-10-27 竪型ミルの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02157053A JPH02157053A (ja) 1990-06-15
JP2744019B2 true JP2744019B2 (ja) 1998-04-28

Family

ID=16218854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63188163A Expired - Fee Related JP2744019B2 (ja) 1988-07-29 1988-07-29 竪型ミルの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2744019B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0330841A (ja) * 1989-06-28 1991-02-08 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ローラミルの制御方法
JP6180218B2 (ja) * 2013-07-24 2017-08-16 三菱日立パワーシステムズ株式会社 固体燃料燃焼装置
JP6225217B1 (ja) 2016-05-13 2017-11-01 三菱日立パワーシステムズ株式会社 石炭粉砕装置及びその制御装置及び制御方法、並びに石炭焚き火力発電プラント
CN106622620A (zh) * 2016-09-27 2017-05-10 华北电力大学(保定) 基于系统动力学的中速磨煤机模型构建方法
JP6718852B2 (ja) * 2017-10-06 2020-07-08 三菱日立パワーシステムズ株式会社 石炭粉砕装置及びその制御装置及び制御方法、並びに石炭焚き火力発電プラント
CN107673644A (zh) * 2017-11-02 2018-02-09 福建源鑫环保科技有限公司 一种立磨矿物掺合料生产线
WO2019221302A1 (ja) * 2018-05-18 2019-11-21 三菱日立パワーシステムズ株式会社 粉砕装置及び粉砕装置の制御方法
JP6973321B2 (ja) * 2018-08-06 2021-11-24 Jfeスチール株式会社 高炉吹込み用微粉炭の製造方法およびその製造装置
JP7274876B2 (ja) * 2019-01-25 2023-05-17 三菱重工業株式会社 固体燃料粉砕装置及びこれを備えた発電プラント並びに固体燃料粉砕装置の制御方法
JP7330786B2 (ja) * 2019-07-05 2023-08-22 川崎重工業株式会社 粉砕システムの運転方法及び粉体の製造方法
CN113442004A (zh) * 2020-03-26 2021-09-28 北京控联科技有限公司 数控立式滚磨机床
CN115007303B (zh) * 2022-06-21 2023-10-20 合肥水泥研究设计院有限公司 辊压机预粉磨系统的预测控制方法及存储介质

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60125260A (ja) * 1983-12-13 1985-07-04 宇部興産株式会社 竪型ロ−ラミルにおける粉砕品粉末度の制御方法
JPS60241976A (ja) * 1984-05-15 1985-11-30 三菱重工業株式会社 回転数制御方法
JPH0794019B2 (ja) * 1986-08-12 1995-10-11 バブコツク日立株式会社 ミル制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02157053A (ja) 1990-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2744019B2 (ja) 竪型ミルの制御装置
JP4576365B2 (ja) 石炭・バイオマス混焼システム及び混焼方法
JP6599259B2 (ja) 固体燃料粉砕装置およびその制御方法
CN111515009A (zh) 一种无最低煤量限制的全变频式制粉系统及调试方法
JP6180218B2 (ja) 固体燃料燃焼装置
JP4801552B2 (ja) バイオマス粉砕装置及びその制御方法
JP2008080206A (ja) 石炭−バイオマス混合粉砕装置及びそれを装備したボイラ装置
JP3048617B2 (ja) 微粉炭機
JP3292496B2 (ja) 石炭焚ボイラ用粉砕ミル
KR102533816B1 (ko) 고체 연료 분쇄 장치 및 이것을 구비한 발전 플랜트 및 고체 연료 분쇄 방법
JPH1085624A (ja) 竪型ミルの制御装置
JPH0438464B2 (ja)
JP6195512B2 (ja) 固体燃料粉砕装置および固体燃料粉砕方法
JPH09126436A (ja) 微粉炭燃焼ボイラの燃焼制御装置
JP2878369B2 (ja) 堅型粉砕機
JPS6138670Y2 (ja)
JP3681458B2 (ja) ローラミルの加圧力制御方法
JPH05146696A (ja) 竪型ローラミルおよびこれを用いた粉砕方法
JP3129347B2 (ja) ローラミルの運転制御方法
JPH05288335A (ja) 石炭焚きボイラ用ミル装置およびその粉砕方法
JPH09122517A (ja) 粉砕機の制御装置
JPH06254421A (ja) 石炭粉砕装置およびその粉砕方法
JPH07213936A (ja) 竪型ミルの出炭特性修正制御方法
JPH01199658A (ja) スロート面積調整構造
JP2000171026A (ja) 石炭焚火力発電プラントの出炭量制御方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees