JP3292496B2 - 石炭焚ボイラ用粉砕ミル - Google Patents

石炭焚ボイラ用粉砕ミル

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JP3292496B2
JP3292496B2 JP03947792A JP3947792A JP3292496B2 JP 3292496 B2 JP3292496 B2 JP 3292496B2 JP 03947792 A JP03947792 A JP 03947792A JP 3947792 A JP3947792 A JP 3947792A JP 3292496 B2 JP3292496 B2 JP 3292496B2
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信康 廻
一紀 正路
一教 佐藤
忠 長谷川
照章 立間
善憲 田岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石炭焚ボイラにおい
て、石炭を粉砕、乾燥、分級する粉砕ミルに係り、特に
ミル低負荷運転時におけるミルの過大振動を低減するの
に好適な石炭焚ボイラ用粉砕ミルに関する。
【0002】
【従来の技術】竪型ローラミルは、例えば微粉炭を燃料
として使用する石炭焚ボイラの微粉炭製造装置に使用さ
れている。石炭焚火力発電所においても電力の需給調整
用に中間負荷運用が要求されるようになってきた。ま
た、わが国の石炭焚火力発電所において、多種多様な石
炭が使用されるのが一般的になっている。
【0003】図2に石炭焚ボイラの概略系統図を示す。
石炭の燃焼用の二次空気は、押し込み通風機50より空
気予熱器60を経てボイラ70へ送られる。一方、石炭
の搬送用の一次空気は、押し込み通風機50より空気予
熱器60を経由した熱空気と押し込み通風機80からの
冷空気とを混合して通常250℃前後の温度に調節し
て、竪型ローラミル1へ送られる。一次空気温度は、冷
空気ダンパ81の開度と、熱空気ダンパ82の開度を制
御して調節し、一次空気量は一次空気ダンパ83の開度
を制御して調節する。竪型ローラミル1内で粉砕された
石炭は、微粉炭となり一次空気とともにバーナを経てボ
イラ70内へ送られ、燃焼する。
【0004】次に図3を用いて従来の堅型ミルシステム
について説明する。石炭焚ボイラ用の竪型ローラミルシ
ステムは、竪型ローラミルへの石炭供給系統100と、
石炭を粉砕する竪型ローラミル1と、竪型ローラミルへ
の空気供給系統200と、竪型ローラミルへ供給される
石炭量、空気量及び空気温度を駆動制御してバーナへの
微粉炭供給量及び空気温度を調節する制御系統400と
から主に構成されている。
【0005】石炭供給系統100は、石炭バンカ2と、
石炭バンカ2からの石炭を竪型ローラミル1へ供給する
給炭機3とから構成されている。
【0006】竪型ローラミル1は、下部に粉砕テーブル
4と粉砕ローラ5とからなる粉砕部を、上部に粗粉を分
離するための分級機22を備えている。石炭バンカ2か
らの石炭は、給炭機3から竪型ローラミル1の中央に位
置する給炭管7を経て、回転テーブル4の上へ供給さ
れ、石炭量は、給炭機3のベルトコンベア8の回転数を
モータ9によって調節することにより制御される。
【0007】一方、空気は空気ダクト83aより竪型ロ
ーラミル1の下部にある円環状のスロート11を経て竪
型ローラミル1内へ導入され、空気量は一次空気ダンパ
83の開度を調節することにより制御される。ミル出口
の空気温度は、冷空気ダンパと熱空気ダンパ82の開度
を調整してミル入口の一次空気温度を調節することによ
って,常に一定の温度に制御される。
【0008】なお、図中の33は回転検出器、34はロ
ードセル、36は温度計、37は演算器、38は差圧検
出器、41〜43はダンパコントロールドライブ、84
は空気流量計である。
【0009】竪型ローラミル1を図4により説明する。
竪型ローラミル1の底部に円盤状粉砕テーブル4が有
り、該粉砕テーブル4はギヤボックス12と連結してい
る。該粉砕テーブル4は、モータ9によって回転駆動さ
れるギヤボックス12内のギヤ(図示せず)を介して数
十rpmで回転するように構成されている。
【0010】粉砕テーブル4の上面外周上には、凹状上
面を有する円環状の粉砕リング14が固定されている。
粉砕リング14の上面には複数の粉砕ローラ5が上部の
加圧フレーム15によって押圧された状態で当接してお
り、被粉砕物を介して粉砕リング14により回転力が付
与される。加圧フレーム15への加圧力は、スプリング
16およびスプリングフレーム17を介して加圧シリン
ダ18によって調整される。粉砕テーブル4、粉砕リン
グ14及び粉砕ローラ5より粉砕部が構成されている。
【0011】石炭等の被粉砕物は、粉砕リング14と粉
砕ローラ5との間に導入され、圧潰されて粉粒状に粉砕
される。粉砕部中心上方には、給炭管7が設けられ、こ
の回りに粉砕された粉粒体をその大きさにより仕分け、
所定粒度以下のものをバーナへ移送し、所定粒度に達し
ないものを前記粉砕部へ戻す分級機22が設けられてい
る。分級機22の上方には細粒化された粒子をボイラの
バーナに移送する送炭管19が設けられている。粉砕部
及び分級機22は円筒状ハウジング20内に収納されて
おり、ハウジング20の内壁と、粉砕部外周面及び分級
機22外周面との間の空間は、粉砕された粉粒体を空気
によって移送される流路を形成している。
【0012】移送用の熱空気Bは、粉砕テーブル4の外
周とハウジング20の内壁とで形成される円環状の流路
であるスロートリング11より供給される。なお、図中
のAは石炭、Cは微粉炭と空気の混合流体である。
【0013】次に動作について説明する。給炭管7を通
じて粉砕テーブル4上に供給された通常8%前後の付着
水分を含む40mm以下の石炭は、粉砕テーブル4の回
転によって生じる遠心力により粉砕リング14とローラ
5との隙間を通過する間に微粉炭に粉砕され、スロート
リング11を経て供給された熱空気Bによって上方へ吹
き上げられる。
【0014】上方へ吹き上げられた石炭粒子のうち粗い
粒子は、気流から分離し、再び粉砕テーブル4上へ戻さ
れる(一次分級)。また、粒径が小さい粒子は、空気と
ともにハウジング20に沿って上昇し、分級機22に到
達する。分級機22では回転羽根21によって遠心力が
働き、粗粉を分離する。一方、小さな遠心力しか受けな
い微粒子は回転羽根21の間を通過して分級機22内部
へ流入し、分離されずに空気とともに系外へ排出される
(二次分級)。粗粉は自重で落下して再粉砕される。
【0015】このように竪型ローラミル内へ供給された
石炭は、所定の粒度になるまで何回かミル内を循環し、
更に熱空気Bによる乾燥作用を受けた後、製品として系
外へ取り出される。
【0016】ミル内を循環する石炭の量すなわち粉砕テ
ーブル4、粉砕リング14及び粉砕ローラ5等より構成
される粉砕部を通過する石炭量は、製品の粒度等により
異なるが、通常、製品量の10倍以下であり、そのうち
約半分が一次分級で戻される。また、ミルの出口空気温
度はミルの負荷率に依存せず、常に一定に保持されてい
る。
【0017】石炭焚ボイラでは、通常、6台前後の竪型
ローラミルが配備されており、ボイラの低負荷運用時に
はミルも低負荷で運用される。ミルの低負荷時には粉砕
部を通過する石炭量は、製品量の2倍以下になることも
ある。このような場合、粉砕リング14と粉砕ローラ5
との間に形成される炭層の厚みは、高負荷運転時に比べ
て極端に薄くなると同時に、炭層を形成する粉砕粒子の
粒径も細かくなる。一般に炭層が薄くなり、粒径が細か
くなると、粉砕ローラ5が炭層上で滑りやすくなる。
【0018】このローラ5の滑りにより過大振動が発生
する場合がある。ローラ5の滑りは、粉砕粒子の摩擦係
数に起因しているため、使用される炭種に依存する。し
たがって、炭種によりミル負荷50%で過大振動を発生
する場合もあり、またミル負荷10%でも安定に運転で
きる場合もある。
【0019】低負荷における過大振動を抑制する方法と
して粉砕荷重(外部荷重)を小さくする方法(特開昭5
7−87855号)、ミルの回転数を下げる方法(特開
昭62−19253号)などが提案されている。しかし
ながら、これらの方法は、問題解決を万全にするために
は荷重や回転数の変化幅を大きくとる必要があり、装置
コストの大幅な上昇を招く欠点がある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】石炭焚ボイラを電力需
給調整用の中間負荷運用火力として使用する場合、使用
する炭種により低負荷時にミルに過大振動が発生する場
合がある。このミルの振動がボイラの最低負荷を油焚火
力並に大きくきり下げることに対する障害となってい
た。このため、わが国の燃料事情から多種多様な石炭を
石炭焚ボイラで使用する要求を満たすことができない欠
点があった。
【0021】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消し、過大振動が有効に抑制できる堅型ミルを提
供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
第1の本発明は、 供給した石炭を粉砕、乾燥、分級した
後に一次空気とともに微粉炭を送炭管によりボイラへ供
給する石炭焚ボイラ用粉砕ミルにおいて、 ミル低負荷運
転時におけるミルの過大振動を検出する振動計と、 ミル
に供給する前記一次空気のミル入口温度を変化させるこ
とによりミル出口空気温度を調節する例えば後述の熱空
気ダンパ、冷空気ダンパ、ダンパコントロールドライブ
などからなるミル入口空気温度調節手段と、 ミル出口空
気温度を測定するミル出口温度計と、 ボイラ側からの負
荷要求信号と、振動計によるミルの振動レベル情報と、
ミル出口温度計によるミル出口空気温度信号とをそれぞ
れ入力して、ミル低負荷運転時に前記振動計により過大
振動を検出した際、ミル出口空気温度がミル高負荷運転
時のミル出口空気温度(例えば65〜80℃)より低く
かつミル内あるいは送炭管内での水の露点より高い温度
(例えば60℃以上)になるように、前記ミル入口空気
温度調節手段によりミル入口温度を下げる例えば制御系
統からなる制御手段と を備えたことを特徴とするもので
ある。 上記目的を達成するため第2の本発明は、 供給し
た石炭を粉砕、乾燥、分級した後に一次空気とともに微
粉炭を送炭管によりボイラへ供給する石炭焚ボイラ用粉
砕ミルにおいて、 ミル低負荷運転時におけるミルの過大
振動を検出する振動計と、 ミルに供給する前記一次空気
のミル入口温度を変化させることによりミル出口空気温
度を調節する例えば後述の熱空気ダンパ、冷空気ダン
パ、ダンパコントロールドライブなどからなるミル入口
空気温度調節手段と、 ミル出口空気温度を測定するミル
出口温度計と、 前記石炭に給水する例えば後述の給水管
や調節弁などの給水設備と、 ボイラ側からの負荷要求信
号と、振動計によるミルの振動レベル情報と、ミル出口
温度計によるミル出口空気温度信号とをそれぞれ入力し
て、ミル低負荷運転 時に前記振動計により過大振動を検
出した際、ミル出口空気温度がミル高負荷運転時のミル
出口空気温度(例えば65〜80℃)より低くかつミル
内あるいは送炭管内での水の露点より高い温度(例えば
60℃以上)になるように、前記ミル入口空気温度調節
手段によりミル入口温度を下げ、さらにミル出口空気温
度を下げても過大振動が防止できないときに前記給水設
備により石炭に給水する信号を出力する例えば制御系統
からなる制御手段と を備えたことを特徴とするものであ
る。
【0023】
【作用】低負荷時(例えば30〜50%)にミルの出口
空気温度を下げることによりミル内での石炭の乾燥が抑
えられ、粉砕部を通過する粉砕粒子に若干の湿り気を与
え、粉砕リングと粉砕ローラとの間に形成される炭層す
なわち粉砕粒子の摩擦係数を大きくし、粉砕ローラが炭
層上で滑るのを防ぐことができる。石炭バンカ内あるい
は給炭管内に設けた給水設備より給水することによって
も粉砕粒子に若干の湿り気を与えることができ、同様に
粉砕ローラが炭層上で滑るのを防ぐことができる。
【0024】以上により石炭焚ボイラを電力需給調整用
の中間負荷運用火力として使用する場合にボイラの最低
負荷を油焚火力並に大きくきり下げることができ、か
つ、多種多様な石炭を石炭焚ボイラで使用する要求を満
たすことができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明にかかわる実施例を図面を用い
て説明する。
【0026】図1は、本発明を実施する石炭焚火力プラ
ントの竪型ローラミルシステムの概略系統図を示す。な
お、従来のものと同一のものは同一の符号を付す。
【0027】石炭焚ボイラ用の竪型ローラミルシステム
は、竪型ローラミル1への石炭供給系統100と、石炭
を粉砕、分級した後、空気とともに微粉炭を送炭管19
より図示していないバーナを介してボイラへ供給する竪
型ローラミル1と、竪型ローラミル1への空気供給系統
200と、竪型ローラミルへ供給される石炭量、空気量
及び空気温度を駆動制御してバーナへの微粉炭供給量及
び空気温度を調節する制御系統300とから主に構成さ
れている。
【0028】石炭供給系統100は、石炭バンカ2と、
石炭バンカ2からの石炭を竪型ローラミル1へ供給する
給炭機3とから構成されている。石炭バンカ2内には給
水設備31が設けられている。
【0029】竪型ローラミル1は、下部に粉砕テーブル
4と粉砕ローラ5とからなる粉砕部を、上部に粗粉を分
離するための分級機22を備え、さらにギヤボックス1
2の上面には振動計32が取り付けられている。石炭バ
ンカ2からの石炭は、給炭機3から竪型ローラミル1の
中央に位置する給炭管7を経て、回転テーブル4の上へ
供給され、石炭量は、給炭機3のベルトコンベア8の回
転数をモータ9によって調節することにより制御され
る。
【0030】一方、空気供給系統200は、冷空気ダク
ト81aと、熱空気ダクト82aと、一次空気ダクト8
3aと、冷空気ダンパ81と、熱空気ダンパ82と、一
次空気ダンパ83と、空気流量計84より構成されてい
る。
【0031】一次空気は竪型ローラミル1の下部にある
円環状のスロートリング11を経て竪型ローラミル1内
へ導入され、空気量は一次空気ダンパ83の開度を調節
することにより制御される。ミル出口の空気温度は、冷
空気ダンパ81と熱空気ダンパ82の開度を調節し、ミ
ル入口空気温度を変化させることによって制御させる。
【0032】また、制御系統300は、給炭機3により
供給される石炭量、空気量、ミルの振動レベル及びミル
出口空気温度ならびにボイラ側からの負荷要求信号など
を取り込む(図1参照)。
【0033】ここで、更に詳しく竪型ローラミルシステ
ムについて説明する。給炭機3は、ベルトコンベア8の
速度を検出する回転検出機33と、ベルトコンベア8上
の石炭重量を測定するロードセル34とを備えており、
石炭バンカ2からの石炭を竪型ローラミル1に供給でき
るようになっている。竪型ローラミル1は、その内部に
通常3個の粉砕ローラ5を備えており、これら粉砕ロー
ラ5は図示していない固定軸に可回転的に指示されてい
る。ギヤは駆動モータ13の回転力を減速して回転テー
ブル4に伝達する。
【0034】また、ギヤボックス12の上面には振動計
32が取り付けられ、ミル出口には温度計36が取り付
けられており、振動計の値及び温度計の値は信号として
制御系統300へ送られる。
【0035】竪型ローラミル1の底部には、一次空気ダ
クト83aが接続され、更にこの上流では空気予熱器6
0出口から連なる熱空気ダクト82aと空気予熱器60
入口から連なる冷空気ダクト81aとが合流している。
一次空気ダクト83a内には一次空気ダンパ83と空気
流量計84と、一次空気ダンパ83を駆動するダンパコ
ントロールドライブ41とを備え、熱空気ダクト内には
熱空気ダンパ82と、熱空気ダンパ82を駆動するダン
パコントロールドライブ42とを備え、冷空気ダクト8
1a内には冷空気ダンパ81と、冷空気ダンパ81を駆
動するダンパコントロールドライブ43とを備えた空気
供給手段が設けられている。
【0036】制御系統300からの信号によりダンパコ
ントロールドライブ42及び43により冷空気ダンパ8
1と熱空気ダンパ82との開度を調節することによりミ
ル入口の一次空気温度を変化させ、ミル出口の空気温度
を制御する。
【0037】石炭バンカ2には給水管51及び調節弁5
2とから構成される給水設備31が設けられ、制御系統
300からの信号により調節弁52が開いたり、閉じた
りしてミル内へ供給される石炭の水分を調節する。
【0038】ところで、従来の石炭焚火力プラントは、
中間負荷運用の要求から50%以下の低負荷で運転する
ことが当たり前になってきた。しかしながら、多種多様
な石炭を使用するわが国の石炭焚火力プラントにおい
て、炭種によりミルの低負荷における過大振動発生が安
定運転の大きな障害となり、中間負荷運用の要求に応え
られない。
【0039】ミルの低負荷における過大振動発生は、粉
砕リング上に形成される炭層上を粉砕ローラが滑ること
が原因であり、炭層が薄くかつ粉砕部の粒径が細かいと
きに多くみられる現象であり、石炭粒子の摩擦係数に関
連している。従って炭種によってはミル負荷10%でも
振動を発生せずに安定に運転できることもある。一般に
ミルの出口空気温度は65〜80℃のある一定の温度に
制御されている。いま、過大振動発生時にミル出口空気
温度をわずか数℃下げるだけで粉砕部の石炭粒子表面に
付着している水分量を増加させ、石炭粒子の摩擦係数を
大きくすることによって粉砕ローラ5の滑りを防ぐこと
ができる。また、一般に60℃以下、特に55℃以下に
なるとミル内あるいは送炭管内で水の露点になり、水分
が凝縮し微粉炭が壁面あるいは管内面に付着する問題を
発生するので、通常60℃以上の温度に保持することが
望ましい。
【0040】また、冷空気ダンパ81と熱空気ダンパ8
2を調節してミル出口空気温度を下げても振動を防止で
きない場合は、制御系統300からの過大振動発生の信
号により石炭バンカ1内に設けられた給水設備31の調
節弁52を開いて給水管51より給水し、ミル内へ供給
される石炭の水分を調節することにより粉砕部の石炭粒
子表面に付着している水分量を増加させ、石炭粒子の摩
擦係数を大きくすることによって粉砕ローラ5の滑りを
防ぐ。この場合もミル出口空気温度を通常60℃以上の
温度に保持することが望ましい。
【0041】なお、通常、ボイラの高効率低NOX 運転
の面からミルの高負荷では粉砕部の石炭粒子表面上の水
分を増加させるのは、ミルで製造される微粉炭の粒度を
粗くすることになるので好ましくはないが、本発明のよ
うに低負荷においては、ミルの粉砕能力は十分にあるの
で、微粉炭の粒度は粗くなることはない。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【発明の効果】前述のように炭種ならびに石炭の水分付
着量などによりミル負荷が10%でも過大振動がなくミ
ルが安定に運転できる場合があり、またその反対の場合
もあり、炭種ならびに石炭の水分付着量などにより過大
振動の発生状況が大きく変わる。 そのため第1の本発明
は、過大振動の発生を直接振動計で検出し、その過大振
動検出に基づいて、ミル出口空気温度がミル高負荷運転
時のミル出口空気温度より低くなるようにミル入口空気
温度調節手段によりミル入口温度を下げている。この温
度調節により過大振動が防止でき、多種多様な石炭に対
してミルの低負荷での安定運転が可能となる。 なおその
際、ミル出口空気温度を下げすぎると一次空気中の水分
が凝縮して、ミルの壁面や送炭管の管面に微粉炭が付着
して微粉炭の送給がスムーズでなくなるという新たな問
題が生じるが、本発明では前記制御手段により、一次空
気の温度がミル内あるいは送炭管内での水の露点より高
い温度に維持できるように制御しているから、過大振動
の防止により一次空気の温度を下げても、ミルの壁面や
送炭管の管面に微粉炭が付着するという弊害が回避で
き、微粉炭の送給がスムーズでる。 第2の本発明は、前
述のようにしてミル出口空気温度を下げても過大振動が
防止できないときにだけ給水設備により石炭に給水する
構成になっている。ミルに過大振動が発生して直ちに石
炭に給水すると、一部の石炭の水分付着量が極端に増え
るだけで、結局、石炭の燃焼性に悪影響を及ぼし、振動
防止には余り効果的でない。その点第2の本発明は、ミ
ル出口空気温度を下げてミル内石炭の水分付着量を全体
的にある程度高めることにより、石炭と水とのなじみを
良好な状態にして、それでも振動が防止できないときだ
けに給水するから、全体的に水が行き渡り、過大振動が
有効に防止できるとともに、給水を最少限に留めて石炭
の燃焼性を大きく阻害することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る石炭焚ボイラプラントの
竪型ローラミルシステムの概略構成図である。
【図2】石炭焚ボイラの概略系統図である。
【図3】従来の石炭焚ボイラプラントの竪型ローラミル
システムの概略構成図である。
【図4】竪型ローラミルの概略図である。
【符号の説明】
1 竪型ローラミル19 送炭管 31 給水設備 32 振動計 36 温度計41,42,43 ダンパコントロールドライブ 51 給水管 52 調節弁 70 ボイラ 81 冷空気ダンパ 82 熱空気ダンパ83 一次空気ダンパ 100 石炭供給系統 200 空気供給系統 300 制御系統
フロントページの続き (72)発明者 長谷川 忠 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日 立株式会社呉工場内 (72)発明者 立間 照章 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日 立株式会社呉工場内 (72)発明者 田岡 善憲 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日 立株式会社呉工場内 (72)発明者 金本 浩明 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日 立株式会社呉工場内 (56)参考文献 特開 平3−221155(JP,A) 特開 平4−244247(JP,A) 特開 平4−29761(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 15/00 - 15/16 B02C 25/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給した石炭を粉砕、乾燥、分級した後
    に一次空気とともに微粉炭を送炭管によりボイラへ供給
    する石炭焚ボイラ用粉砕ミルにおいて、 ミル低負荷運転時におけるミルの過大振動を検出する振
    動計と、 ミルに供給する前記一次空気のミル入口温度を変化させ
    ることによりミル出口空気温度を調節するミル入口空気
    温度調節手段と、 ミル出口空気温度を測定するミル出口温度計と、 ボイラ側からの負荷要求信号と、振動計によるミルの振
    動レベル情報と、ミル出口温度計によるミル出口空気温
    度信号とをそれぞれ入力して、ミル低負荷運転時に前記
    振動計により過大振動を検出した際、ミル出口空気温度
    がミル高負荷運転時のミル出口空気温度より低くかつミ
    ル内あるいは送炭管内での水の露点より高い温度になる
    ように、前記ミル入口空気温度調節手段によりミル入口
    温度を下げる制御手段と を備えたことを特徴とする石炭
    焚ボイラ用粉砕ミル。
  2. 【請求項2】 供給した石炭を粉砕、乾燥、分級した後
    に一次空気とともに微粉炭を送炭管によりボイラへ供給
    する石炭焚ボイラ用粉砕ミルにおいて、 ミル低負荷運転時におけるミルの過大振動を検出する振
    動計と、 ミルに供給する前記一次空気のミル入口温度を変化させ
    ることによりミル出口空気温度を調節するミル入口空気
    温度調節手段と、 ミル出口空気温度を測定するミル出口温度計と、 前記石炭に給水する給水設備と、 ボイラ側からの負荷要求信号と、振動計によるミルの振
    動レベル情報と、ミル出口温度計によるミル出口空気温
    度信号とをそれぞれ入力して、ミル低負荷運転時に前記
    振動計により過大振動を検出した際、ミル出口空気温度
    がミル高負荷運転時のミル出口空気温度より低くかつミ
    ル内あるいは送炭管内での水の露点より高い温度になる
    ように、前記ミル入口空気温度調節手段によりミル入口
    温度を下げ、さらにミル出口空気温度を下げても過大振
    動が防止できないときに前記給水設備により石炭に給水
    する信号を出力する制御手段と を備えたことを特徴とす
    る石炭焚ボイラ用粉砕ミル。
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