JPH0386255A - 微粉炭生成用竪形ローラミル - Google Patents

微粉炭生成用竪形ローラミル

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JPH0386255A
JPH0386255A JP22194789A JP22194789A JPH0386255A JP H0386255 A JPH0386255 A JP H0386255A JP 22194789 A JP22194789 A JP 22194789A JP 22194789 A JP22194789 A JP 22194789A JP H0386255 A JPH0386255 A JP H0386255A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野] 本発明は石炭粉砕用竪形ローラミルに係り、特にかみ込
み不良な性質を有する石炭に対しても良好に粉砕し得る
微粉炭生成用竪形ローラミルに関する。
〔従来の技術〕
石炭焚ボイラにおいても低公害燃焼(低NOx、低未燃
分燃焼)が実施され、それに伴いボイラ用石炭の微粉砕
機(ミル)も高性能化が要求されるようになった。
石炭、セメント原料または新素材原料などの塊状物を細
かく粉砕する粉砕機の1タイプとして、回転粉砕テーブ
ルと複数のローラを備えた竪型ローラごルが用いられ、
最近では代表機種の一つとしての地位を固めつつある。
この種の竪形粉砕機は、°第15図に示すように円筒型
ミルハウジング21内の下部にあって減速機を有するモ
ータで駆動され、水平面上で低速回転する円板状の粉砕
テーブル3と、その上面外周部を円周方向へ等分する位
置へ油圧あるいは加圧用スプリング15等で圧下されて
回転する複数個の粉砕ローラ8を備えている。粉砕テー
ブル3の中心部へ原料供給管(シュート)2により供給
される被粉砕原料lは、粉砕テーブル3の回転と遠心力
によって粉砕テーブル3上をうず巻状の軌跡を描いて外
周部へ移動し、粉砕テーブル3の粉砕レース7面と粉砕
ローラ8の間にかみ込まれて粉砕される。ミルハウジン
グ21の基底部には、ダクト内を送られてきた熱風18
が導かれており、この熱風18が粉砕テーブル3の外周
部とξルハウジング21の内周部との間にあるエアスロ
ート20から吹き上っている。粉砕後の粉粒体はエアス
ロート20から吹き上る熱風1日によってミルハウジン
グ21内を上昇しながら乾燥される。ミルハウジング2
1上部へ搬送された粉粒体は、粗いものから重力により
落下しく1次分級)、そこを貫通したやや細かな粉粒体
はミルハウジング21上部に設けたサイクロンセパレー
タあるいは回転分級機などの分級機22で再度分級され
る。所定の粒径以下の微粉は、熱風1日によって輸送さ
れ、ボイラでは図示していない微粉炭バーナあるいは微
粉貯蔵ビンへと送られる0分級機を貫通することのない
所定粒径以上の粗粉は、粉砕テーブル3上へ落下し、ミ
ル内へ供給されたばかりの原料とともに再度粉砕される
。このようにして、粉砕ローラ8によって粉砕が繰り返
される。最近では、燃焼改善の目的から高いC/A (
ここにC1Aはそれぞれ微粉炭と空気の1を量流量)値
で微粉炭ノズルへ搬送するために、空気量を低減させよ
うとする傾向がある。これによっていきおい1次分級の
占める割合が増しつつあるのが実情である。
このような竪型ローラミルにおける粉砕機構は、粉砕テ
ーブル3上の粉砕レース7面と粉砕ローラ8との間の圧
縮とせん断によるものと考えられる。
ところで、数多い石炭の中には、ローラミルで粉砕する
場合、粉砕ローラがその圧縮粉層上ですべりやすい種類
がある。第12図は圧縮粉層上で粉砕ローラがすべりや
すい種類の石炭を粉砕する場合を模式的に示した図であ
る。図において、粉砕ローラ120・1は、粒子をうま
くかみこまず、粉砕ローラ1201の圧縮力が圧縮粉層
1205上へ十分に加わらないために、粉砕動力も消費
されないかわりに粒度もはなはだしく低いという結果と
なる。この種の石炭は、一般に薄皮(F l ake)
状に分裂し易く、炭化度が進んだ石炭種(低揮発分瀝青
炭、半無煙炭、無煙炭)や、あるいは逆に揮発分を多く
含む石炭種(亜瀝青炭、褐炭)においてみられるもので
ある、これまでの発明者等の観察によれば、薄片状へ破
壊する現象は、数十間の塊状粒から50am以下の微粒
まで共通しているようである。粉砕面が円弧状の従来式
粉砕ローラ1201では、圧縮粉層1205上において
粉砕ローラ1201がすべりやすくなる傾向が特に大き
い。
一方、石炭の性質にかかわらず、粉砕レース1203面
上において圧縮粉111205が薄くなれば、圧縮粉層
1205上において粉砕ローラ1201がすべりやすく
なる。このような不規則なすべり現象が、粉砕ローラ1
201と圧縮粉層1205間のスティック−スリップ運
動となりミルの振動を誘発する。
さらにもうひとつの問題は、新設したミルあるいは新品
の粉砕ローラと交換した場合において、運転開始直後の
粒度が低めに出やすいことである。
ある使用期間を経ると、粉砕ローラや粉砕レース面上に
小さなくぼみ(デインプル)やしわ状の凸凹が生じて、
粒層となじむようになり、次第に粉砕能力が向上してく
る。
上記した種々の問題点を解決し、粉砕ローラと圧縮粉層
間の接触力をより強め、粉砕能力を高めようとする意図
で、粉砕ローラや粉砕レースを工夫したアイディアがあ
る。第13図に示す先行技術(実開昭63−11194
0号公報)は、粉砕ローラ1302の周面および回転テ
ーブル1301上面のうち少なくとも一方に凹部130
3.1304あるいは凸部を形成したものである。また
第14図に示す先行技術(実開昭63−111939号
公報)は、粉砕ローラ1401の周面に、らせん溝14
02など、周面の円周方向とローラ軸1403の軸線方
向との間の方向を指向した溝または凹条を設けたもので
ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら第13図に示した先行技術では、回転テー
ブルと粉砕ローラの間に被粉砕物が入り粉砕ローラは回
転テーブルから離れた状態で運転されると思われ、歯型
状の溝の噛み合いはなくなるので、原料がなくなった全
回転の時は大きなトラブルが発生するおそれがある。ま
た、第14図の先行技術では、ローラ外周面に設けた溝
が粉砕面の回転方向に近い傾斜角度で刻まれているので
、すべり易い原料に対してはローラと回転テーブル間に
原料をかき込む作業は不十分と考えられる。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点をなくし、ロー
ラ部での原料のかみ込みが促進されて粉砕性能が向上す
る微粉炭生成用竪形ローラミルを推進することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記した問題点は、つぎのような手段によって解決する
ことができる。粉砕ローラの粉砕面を、ローラの回転方
向すなわちローラの円周方向に断面形状が直線となる複
数枚のセグメントとして構成し、言い換えれば粉砕ロー
ラの回転軸に垂直な面としてみる断面が多角形となる形
状とし、各セグメント間を浅い溝状の隙間とする。
すなわち、本発明は、直立して設けられた円筒状のハウ
ジングと、ハウジング内下部で垂直軸を中心として水平
面内を回転する回転テーブルと、該テーブル上面の外周
囲に設けられた粉砕リングと、同リング上面に刻設され
た粉砕レースと、粉砕レース上を加圧状態で転動する複
数個の粉砕ローラと、回転テーブル上に粉砕されるべき
石炭を供給する原料供給装置とを有する微粉炭生成用竪
形ローラミルにおいて、上記粉砕ローラの回転軸に直角
な断面での転動外周面を直線状の辺よりなる多角形とし
、かつ各辺の間に溝状の隙間を設けて構成したことを特
徴とする微粉炭生成用竪形ローラミルを特徴とする。
このような粉砕ローラを採用すれば、かみ込み時にすべ
りやすい性質のある石炭や粉砕原料でも、すべることな
く良好に粉砕されるようになる。また粉砕ローラ下の粉
層が薄くなっても、粉層上において粉砕ローラが不規則
にすべることがなくなり、粉砕ローラと粉層の力学的相
互作用によって生じる自動的なスティック−スリップ現
象によるミルの振動を抑止できるようになる。
〔作用〕
上記したような構造の粉砕ローラを用いれば、粉砕ロー
ラの粉砕面の断面平坦部の継目(溝体)による粒子のか
み込みと、被粉砕粒子からなる粒子層上へ周期的に強い
衝突圧を加えるという2つの作用により、従来型の無対
策曲面粉砕ローラではすべりやすい原料をも良好にかみ
込んで良好に圧縮粉砕する。特にすべりやすいわけでは
ない通常の原料に対しても、粉砕能力がアップするため
に、微粉の粒度が向上する。
また、この作用は、粉砕レース上に被粉砕原料の少ない
場合に生じやすい粉砕ローラと粉層間の摩擦振動(ステ
ィック−スリップ現象に起因する一種の自動振動)の抑
制にも、薄い粉層上で安定に粉砕ローラを転動させると
いうことからも大変効果的である。
本発明になるミルの粉砕ローラの断面平坦部は、長期間
の粉砕運転によって損耗するが、断面が略円弧状になっ
てしまうことはない、これは、かみ込みによって平坦部
の端部がやや丸みをおびるのに対し、粉層に対して強い
面圧力を与える平坦部は凸形に丸みをおびることはなく
、摩耗によってわずかにくぼむように変形しようとする
からである。
ただし、粉砕原料がなく粉砕ローラと粉砕レースがメタ
ルタッチするようなローラ保持法の場合、空回転時の振
動・騒音は、従来式のような断面略円弧形のローラに比
べるとやや高めになる。
〔実施例〕
本発明の特徴は、粉砕するための粉砕ローラの構造にあ
るが、ここではξル全体の構成を概説する中で、粉砕ロ
ーラについて詳しく説明する。
第1図は、回転テーブル回転軸(中心軸)5を通る垂直
断面としてミルの構成を示したものである。第2図と第
3図は、それぞれ粉砕ローラ8の断面および表面の形状
を拡大したものを示す。
被粉砕原料1は、ξル上方部の中心軸上に設けた原料供
給管(センターシュート)2からミル内に供給され、ミ
ルの下方部において低速で回転する回転テーブル3上へ
落下する0回転テーブル3上の被粉砕原料1には遠心力
が働き、回転テーブル3に環状にはめ込まれた粉砕リン
グ6の上面に刻設された粉砕レース7の上へと送給され
る。粉砕レース7の断面は略円弧状であり、その粉砕面
も略円弧状のなめらかな曲面として構成されている。被
粉砕原料1は、この粉砕レース7の上において、I!!
擦力により回転テーブル3と協調運動する粉砕ローラ8
の圧縮力ないしせん断力により粉砕される。粉砕ローラ
8が、回転テーブル3の円周方向等間隔(120°)に
3個設けられている。
粉砕ローラ8は、ローラ回転軸10を中心として、ロー
ラシャフト11のまわりを回転する。ローラシャフト1
1は、ローラプラケット9に軸受ないしオイルシール(
いずれも図中では省略)を介して支持されている。ロー
ラプラケット9の上部には、粉砕ローラ8の首振り運動
の回転支軸となるローラピボット13が介されて3個の
粉砕ローラ8の動きを拘束させる作用のある下部加圧フ
レーム14が搭載されている。粉砕ローラ8の加圧力は
、下部加圧フレーム14上の加圧用スプリング15を、
加圧用スプリング15の上にのせた上部加圧フレーム1
6をテンションロッド17で引っ張り、収縮させること
によって与える。
第1図および第2図に示すように、本実施例になるミル
の粉砕ローラ8は、粉砕ローラ8の回転方向すなわち粉
砕ローラ8の円周方向に断面形状が直線となる複数枚の
セグメント8aの組み合せとして構成されている。つま
り、粉砕ローラ8の回転軸に垂直な断面を多数角形(本
実施例では36角形)となる形状とする。また、各粉砕
面セグメント8aの両端には断面が1/4円弧の切り欠
き(溝体8b)を刻設し、第3図に略示したごとくセグ
メント8a同士の接続部は半円弧型の溝体8bで構成さ
れるようにする。このような粉砕ローラ8を用いれ゛ば
、粉砕ローラのセグメント8aへのかみ込み時にスリッ
プしやすい性質のある石炭などの粉砕原料(71片(F
lake)状に分裂しやすい性質のものもこれに相当す
る)でも、スリップすることなく良好に粉砕されるよう
になる。
また、低負荷操業時においてミル内の保有原料量が少な
くなって、粉砕ローラ8下の粉層が薄くなっても、薄い
粉層上における粉砕ローラ8の不安定な動きが抑制され
、ミルの自動振動をできるだけ低いレベルに抑制するこ
とが可能になる。ただし、粉砕原料が全くない状態、つ
まり粉砕レース7と粉砕ローラ8がメタルタッチする状
態でミルを回転させると、形状の異なる面同士が接触す
ることになるため、かみ合せ不斉による振動が励起され
る可能性がある。したがって、ミルの空回転はできるだ
け短時間に限定するのが望ましい。
粉砕されて生成した粉粒体は、回転テーブル3の外側つ
まりミルハウジング21の内側に設けたエアスロート2
0から吹き込まれる熱風18によってミル上方へと気流
輸送される。これら粉粒体のうち、かなり粗いものは重
力によって落下しく1次分級)、粉砕部で再粉砕される
。1次分級部を貫通した粉粒体は、原料供給管(センタ
ーシュート)2のまわりを回転する回転分級機(回転軸
となる回転分級機円筒22、その下方に設けた回転分級
機ロータ23およびその回転分級機ロータ23に円周方
向等間隔で装着する板状の分級羽根24で構成される)
による遠心分級(2次分級)によって粗粒と微粉とにふ
るい分けられる。
粗粒は、ミルハウジング21の内壁側へはしき長ばされ
粉砕部へ重力で落下し再粉砕される。一方微粉は、回転
分級羽根24の間を貫通し、製品微粉排出ダクト26か
ら製品微粉として回収される。
石炭焚ボイラ用ミルの場合は、製造された微粉は図示し
ていないバーナへと気流搬送される。
第4図は他の実施例を示すもので、断面が略台形状とな
る粉砕ローラ401へ本発明を適用したものである。こ
のローラミルでは、ストッパ406を用いて粉砕ローラ
401の粉砕面(セグメント)401aと粉砕リング4
13の粉砕面414の間に隙間を設ける構造を、メタル
タッチを防止するために採用している。粉層が薄くなる
と、無対策の場合には粉層の上で粉砕ローラ401がす
べりやすくなる。しかし、本発明になる粉砕ローラ40
1を利用すれば、粉層のかみ込みがかなり促進され、粉
層の薄くなる低負荷運用時における粉砕特性が大幅に改
善される。
ここでは、石炭の粉砕実験結果をもとに、本発明になる
ミルの粉砕ローラによる粉砕特性改善効果について述べ
る。
粉砕性が大幅に異なる数多くの石炭種を用いて、トルク
計を設置したバッチ式ローラ逅ルで粉砕実験を行った。
無対策ローラおよび本発明になるミルのローラともにξ
ニチュアを用いた。第5図は、ローラミルにおける粉砕
性指数(RollerGrindability  I
ndex)RGI/RGI(基準炭)に対する有効摩擦
係数μe/μe(基準炭)の関係を示したもので、各石
炭の粉砕特性をまとめたものである。プロットが多くか
なり繁雑になるため、プロット群はハツチングして表現
した。横軸は、各石炭においてローラミルの粉砕時に得
られる粉砕性指数RGIを、標準的な粉砕性を示す基準
炭のRGIで割り正規化しである。また縦軸の有効摩擦
係数μeも、基準炭のμeで割って表した。ここで有効
摩擦係数μeは、次式 より求める。ここにT:粉砕トルク、ΔT:空ト小トル
ク:荷重、Drac:レース径である。RGlが低く粉
砕性の劣る石炭は一般にμeの値が小さい、RGIの増
加とともにμeは急増し、はぼ一定値に達したあと粉砕
性がかなり良好な石炭になるとゆるやかに減少する傾向
となる。無対策の平滑な粉砕曲面を有する粉砕ローラを
用いると、例外的に、μeのかなり低い石炭(A炭)が
ある。
このようにμeの低い特性は、コールランクにあまり関
係なく、薄片(Flake)状の粒子に分裂しやすい石
炭においてみられる0本発明になるミルの粉砕ローラを
利用すれば、図中のA炭およびB炭のように、矢印(→
)で示すごとく有効摩擦係数μeと粉砕性指数RGIを
ともに増大させることができた。μeの増大は粉砕ロー
ラのかみ込み促進を、またRGIの増加は粉砕能力向上
によってより多くの微粉を生成したことを示している。
薄片状粒子へ破壊しやすく、粉砕ローラがそのような粉
層上ですべり易い石炭種を用いて、ホールドアツプ(仕
込み量)を変化させる実験をバッチ式ミルで行った(バ
ッチ式ミルであるからミルに入れる前に計量した)。第
6図は、ミル内石炭ホールドアツプに対する有効摩擦係
数の変化を示したものである。ホールドアツプないし有
効摩擦係数とも、無対策ローラを用いたときの標準粉砕
条件(石炭仕込み量:50g、荷重M:29)cgf、
ミルシャフト回転数:15r、p、mで、4分間粉砕)
の値で正規化した。一般に、ミル内の石炭ホールドアツ
プが増加すればμeが増大(ホールドアツプが少ないと
きは急速に、ある一定量を超してからはゆるやかに)す
る、同一のホールドアツプで比較すれば、本発明になる
ミルの粉砕ローラの方がμeが大きくなる。このような
粉砕ローラのかみ込み促進による特性改善効果は、実験
を行ったホールドアツプの全範囲にわたり、すなわちミ
ル内が低負荷から高負荷に達するまで得られている。
つぎに実機の石炭粉砕ミルのように石炭を連続して供給
し、製造された微粉連続して取出す連続式ミルに本発明
になるミルの粉砕ローラを適用して粉砕実験を行った。
第7図は、無次元給炭量に対する無次元微粉粒度の変化
で実験結果をまとめ、ローラ構造の違いを比較したもの
である。標準粉砕条件値で、給炭量と微粉粒度を無次元
化した。
給炭量が増加すると粒度が減少するが、給炭量を揃えて
粒度を比較すると本発明になるミルのローラを使用した
ときの方が粒度が高い。特に、低負荷域において、かみ
込み促進の効果が目立ち、粒度がかなり向上しているこ
とがわかる。
第8図には、無次元給炭量に対する無次元圧力損失の変
化を示す。給炭量の増加とともに圧力損失が増えるが、
本発明になるミルの粉砕ローラ使用時の方が圧力損失が
かなり低い。これは、粉砕の促進によって、ミル内の粒
子循環量が低減し、結果的に圧力損失が低減したためと
考えられる6粉砕ローラが粉層を構成する粒子を効率よ
くかみ込みことは、粉層上において粉砕ローラのスリッ
プが防止されることになり、粉砕ローラの振動抑制に対
しても効果的である。第9図は、ミル内石炭ホールドア
ツプに対する粉砕トルク7変動分の変化をまとめたもの
である。グラフの両軸とも、標準粉砕条件下の従来式ロ
ーラ使用時の条件と測定値で無次元化されている。一般
に、メタルタッチする条件(Hu−0)を除いて、Hu
 qO,2の低負荷帯において、薄い粉層上においてロ
ーラが不規則に動きやすいためか、粉砕トルクの変動が
最大となる0本発明になる粉砕ローラを使用したミルの
方が、トルク変動分のピークが低い、この特性は、ミル
の負荷切り下げ限界をさらに拡大する運用の可能性を示
唆したものといえる。
本発明になるミルと無対策時のローラを用いる従来ミル
で製造した微粉炭をほぼ同一条件で燃焼させて燃焼特性
を比較した。第10図は、いずれも無次元化した灰中未
燃分と排ガス中のNOx?!4度の関係をマツピングし
たものである。同一の灰中未燃分で比較すれば、本発明
になるミルで製造した微粉炭の方が排ガス中のNOx濃
度が低い。
これは、本実施例になるミルで製造した粒度の高い微粉
炭を用いる方が、バーナ近傍で着火・保炎性が著しく良
好になり、火炎中心に高温で安定な低空気比燃焼域が形
成され、NOx壱N2へ還元する中間生成物(揮発成分
の燃焼時に生成する)が多く放出されるようになったた
めである。一方、第11図は無次元化した石炭粒子の燃
え切り時間と粒度との関係を示した図である。本発明の
ローラミルを用いることによる着火・保炎性の向上は、
バーナゾーンの主燃焼域の拡大とそれに伴う炉内におけ
る燃え切り時間の短縮をもたらし、結果的に燃焼効率の
増加につながる。
以上のように本発明のミルを利用することは、ミルとし
ての多くの性能が向上するばかりでなく、ボイラにおけ
る燃焼の高効率化と低公害化に寄与するなど、連鎖的に
火力プラント全体の性能や運用性を大幅に向上させるも
のと期待される。
本発明になるミルは、ここまで例として取り上げ実施例
を示した微粉炭焚きボイラ用や、あるいは他の固体燃料
焚きボイラ用などかみ込み促進による粉砕能力アップの
要求の強いくルに限らず、セメント仕上げ用ミル、鉄鋼
スラグあるいは非鉄精錬スラグ用箋ル、もしくは高炉吹
き込み用微粉炭ミルへもほぼ直接適用することができる
特にセメントの分野では、最近になり、特に厳しい品質
管理と省エネルギ操業を推進中のため、本発明になるロ
ーラを採用するミルはとりわけ有効と考えられる。
〔発明の効果〕
本発明を実施することにより、ローラ部の原料のかみ込
みが促進されるので、ローラがすべり易い原料の石炭に
対しても高い粉砕能力を示し、製品としての微粉炭の粒
度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例になる竪形ローラミル主要部の
垂直断面図、第2図〜第4図は本発明になるミル用ロー
ラ説明図、第5図〜第11図は本発明のミルを使った実
験結果説明図、第12図は従来のミルのローラ部説明図
、第13図〜第14図は従来技術になるミルのローラ部
説明図、第15図は従来技術になるローラミルの縦断面
図である。 1・・・被粉砕原料、2・・・原料供給管(センターシ
ュート)、3・・・回転テーブル、6・・・粉砕リング
、7・・・粉砕レース、8・・・粉砕ローラ、8a・・
・粉砕面(セグメント)、8b・・・溝体、9・・・ロ
ーラブラケット、10・・・ローラ回転軸、13・・・
ローラピボット、14・・・下部加圧フレーム、15・
・・加圧用スプリング、16・・・上部加圧フレーム、
17・・・テンションロッド・

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)直立して設けられた円筒状のハウジングと、ハウ
    ジング内下部で垂直軸を中心として水平面内を回転する
    回転テーブルと、該テーブル上面の外周囲に設けられた
    粉砕リングと、同リング上面に刻設された粉砕レースと
    、粉砕レース上を加圧状態で転動する複数個の粉砕ロー
    ラと、回転テーブル上に粉砕されるべき石炭を供給する
    原料供給装置とを有する微粉炭生成用竪形ローラミルに
    おいて、上記粉砕ローラの回転軸に直角な断面での転動
    外周面を直線状の辺よりなる多角形とし、かつ各辺の間
    に溝状の隙間を設けて構成したことを特徴とする微粉炭
    生成用竪形ローラミル。
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