JP3096779B2 - ローラミル - Google Patents

ローラミル

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JP3096779B2
JP3096779B2 JP03197425A JP19742591A JP3096779B2 JP 3096779 B2 JP3096779 B2 JP 3096779B2 JP 03197425 A JP03197425 A JP 03197425A JP 19742591 A JP19742591 A JP 19742591A JP 3096779 B2 JP3096779 B2 JP 3096779B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転するテーブルと粉
砕ローラにより、石炭等の固体燃料、石灰石、セメント
クリンカあるいは各種化学製品の固体原料を微粉砕する
ローラミルに係わり、特に、振動・騒音の発生を防止す
るストツパ装置あるいは粉砕ローラの構造に特徴のある
ローラミルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭焚ボイラでは、低公害燃焼(低NO
x、灰中未燃分低減)や広域負荷運用が行われ、それに
伴い微粉砕機(ミル)も性能向上が要求されている。石
炭、セメント原料あるいは新素材原料などの塊状物を細
かく粉砕するミルの一つのタイプとして、回転するテー
ブルと複数個のローラで粉砕を行う竪型のローラミルが
広く用いられるようになり、最近では代表機種の一つと
しての地位を固めつつある。
【0003】この種のミルは、円筒型としたハウジング
の下部にあつて、電動機で駆動され減速機を介して低速
で回転する略円板型の粉砕テーブルと、そのテーブルの
外周部の上面において円周方向へ等分する位置へ油圧あ
るいはスプリング等で圧加されて回転する複数個の粉砕
ローラを備えている。テーブルの中心へシユートより供
給された被粉砕原料は、テーブル上において遠心力によ
りうず巻状の軌跡を描いてテーブルの外周へ移動し、テ
ーブルの粉砕レース面と粉砕ローラの間にかみ込まれて
粉砕される。
【0004】ミルハウジングの下部には、ダクトを通し
て熱風が導かれており、この熱風がテーブルとハウジン
グの間にあるエアスロートから吹き上がつている。粉砕
後の粉粒体は、エアスロートから吹き上がる熱風によつ
てハウジング内を上昇しながら乾燥される。ハウジング
の上方へ輸送された粉粒体は、粗いものから重力により
落下し(1次分級)粉砕部で再粉砕される。
【0005】この1次分級部を貫通したやや細かな粉粒
体は、ハウジングの上部に設けたサイクロンセパレータ
あるいはロータリセパレータ(回転分級機)で再度分級
される。所定の粉径より小さな微粉は気流により搬送さ
れ、ボイラでは微粉炭バーナあるいは微粉貯蔵ビンへと
送られる。分級機を貫通しなかつた所定粒径以上の粗粒
は、テーブル上へ落下し、ミル内へ供給されたばかりの
原料(塊炭)とともに再度粉砕される。このようにし
て、ミル内では粉砕が繰り返され、製品微粉が生成され
ていく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ローラミルを低負荷で
運用しようとする場合、負荷の切り下げにおいて問題と
なるのはミルの振動である。この振動現象は複雑であ
り、詳細なメカニズムまで明らかにされている訳ではな
いが、炭層とローラのすべりに起因する一種の摩擦振動
(不連続非線形振動の代表として知られるステイツク・
スリツプ運動)であると考えられる。振動のタイプとし
ては振動源をはつきりと特定できないことから、また振
動の変位波形がスパイク状にとがることから、自励振動
の一種と考えることができる。
【0007】通常の石炭では、図16、図31に示すよ
うに、低負荷運用時(ミル内におけるホールドアツプの
少ない条件)にこの振動が激しくなるが、石炭種によつ
てはかなりの高負荷運用時にも発生することがある。こ
のような振動を起こしやすい石炭の粉砕性は良好なもの
から、かなり悪いものまで様々である。従つて、石炭の
粉砕性のみで振動を起こしやすいか否かを予め予測する
ことは一般に難しい。
【0008】図19は、石炭を投入する前の初期設定時
における粉砕ローラの支持構造を断面図として示したも
のである。
【0009】このタイプのローラミルでは、個々の粉砕
ローラ1401がローラアーム1403に片持ち支持ば
りのように保持され、ストツパ固定具1408によつて
位置決め(ミル内へ突き出す距離)されたストツパ装置
1406が、ローラアーム1403の下方への動きを拘
束することによつて、粉砕ローラ1401の粉砕面と、
粉砕リング1411の上面側表面に相当する粉砕レース
1412の間には設定ギヤツプδが設けられている。こ
のギヤツプδは、石炭の無い空回転時において、粉砕ロ
ーラ1401と粉砕レース1412がメタルタツチする
のを防ぐためのものである。
【0010】このタイプの加圧支持構造を粉砕ローラに
適用したローラミルには、メタルタツチ回転によつてロ
ーラアーム1403をはじめとする粉砕ローラの加圧・
保持機具が損傷しやすいという問題がある。
【0011】一般に高負荷粉砕時には、粉砕ローラ14
01が多量の原料をかみ込み、粉砕ローラ1401の下
に厚い圧縮粉層1413が生じるため、粉砕ローラ14
01はローラアーム回転軸1407を回転軸として持ち
上げる。この状態においては、粉砕ローラ1401は首
を振ることもなく安定に回転し原料を粉砕する。給炭が
始まる起動時あるいは負荷上昇時などにおいて、粉砕ロ
ーラ1401が原料を活発にかみ込む場合には、粉砕ロ
ーラ1401はローラアーム回転軸1407を支軸とし
て首を振るものの、この首振り動作において3個の粉砕
ローラの動きは同期しない(同位相運動とならない)。
【0012】このときミルは振動しかけるが、粉砕ロー
ラ1401が同期しないために、卓越周波数が特定でき
ず、その振動は周波数分布がブロードないわゆる強制振
動的なものとなり、ミルの運用は妨げられない。
【0013】一方、振動を起こしやすい石炭を低負荷条
件で粉砕する場合、図17に示すように、粉砕ローラが
かみ込む粉層の厚さと、初期設定ギヤツプδ(図19)
がほぼ同程度になり、粉砕ローラ1401の回転が著し
く不安定になる。すなわち、粉砕ローラ1401と粉層
が強く接触するときには粉砕ローラ1401に摩擦力が
働くものの、粉層が薄くなれば粉砕ローラには抵抗が作
用せず慣性によつてのみ回転する、いわゆる摩擦振動
(ステイツク・スリツプ運動)状態となる。
【0014】一つの粉砕ローラ1401がこのような上
下方向の振り子状の動き(α)を起こしかけると、粉砕
ローラアーム1403→ストツパ装置1406への衝突
振動(β)→ミルハウジング1405→他の二つの粉砕
ローラ1401へと動きが伝播し、3個の粉砕ローラ1
401が同位相運動を開始し、粉砕ローラ1401の動
きは激しい自励振動へと成長する。
【0015】以上から、粉砕部のハードウエアの工夫に
よつて抑止しようとするには、3個の粉砕ローラが同期
して動くこと、すなわち同位相運動を阻止することが肝
要であることが分かる。
【0016】図38は、従来式粉砕ローラの支持構造を
断面図として示したものである。このタイプのローラミ
ルでは、ローラブラケツト1502を介して、ローラピ
ボツト1503を支軸として、粉砕ローラ1501が首
振り可能なように支持される。
【0017】この首振り機能は大変に重要であり、粉砕
ローラ1501が鉄片等粉砕されにくい異物をかみ込ん
だ場合、粉砕ローラ1501は首を振ることによつて衝
撃を回避することができる。また粉砕ローラ1501や
粉砕レース1513が摩耗したときには、適切な押圧位
置(粉砕ローラ1501と粉砕レース1513との位置
関係)を見付け出す自己調整作用も、この首振り機能に
はある。
【0018】一般に高負荷粉砕時には、粉砕ローラ15
01はほとんど首を振ることが無い。上記したように、
ミルの起動時あるいは負荷上昇時などにおいて粉砕ロー
ラ1501が原料を活発にかみ込む場合には、粉砕ロー
ラ1501は首を振るものの、この首振り動作において
3個の粉砕ローラの動きは同期しない。このときミルは
振動しかけるが、粉砕ローラ1501が同期しないため
に卓越周波数は特定できず、周波数分布がブロードない
わゆる強制振動的なものであり、ミルの運用を妨げるこ
とはない。
【0019】一方、ローラが激しく自励振動する場合に
は、図32に示すように、粉砕ローラ1001は3個と
もほぼ同時に外側へ横ずれし(β)、次いで図33のよ
うに上下に振動する。3個の粉砕ローラは、同期して
(同位相で)一緒に上下振動する。このような振動現象
は、発明者らが、パイロツトスケールのローラミル内に
変位計あるいは加速度計を設置し振動時に測定した結果
に基づいている。
【0020】以上から、ミルの振動を、粉砕部のハード
ウエアの工夫によつて抑止しようとするには、3個の粉
砕ローラが同期して動くことすなわち同位相運動を阻止
することが肝要であることが分かる。
【0021】ローラミルの振動が、紛層上における粉砕
ローラのすべりに起因することは既に知られている。図
34に構造を示す先行技術では、粉砕ローラ2201の
中央に粉砕溝2206を設け、ローラ形状の工夫によつ
てローラ下の圧縮紛層を分断して振動を防止しようとし
たものである。ただしこの技術にも、同一ミル内の各粉
砕ローラ2201にいずれも同じ形状の粉砕溝2206
を刻設したのでは、前述したように、各粉砕ローラが同
期して同位相で振動する可能性が残つている。
【0022】一方、振動対策とは別に、被粉砕原料のか
み込み促進などに関して、粉砕ローラや回転テーブルの
形状に対する工夫が施されている。幾つかの例を図3
5、図36、図37に示す。図35の例では、突起23
01aを設けた段付きのライナ2302が採用されてい
る。
【0023】図36に示す技術は、粉砕ローラに段差を
設け、それぞれ独立した粉砕面としてのローラ2402
及び2403を構成するようにしたものである。
【0024】図37の例も図36と略同様であるが、粉
砕面の傾きを異ならせ、それぞれ独立した粉砕面として
のローラ2402及び2403とした点に特徴がある。
【0025】本発明の目的は、以上のような考え方に基
づき、粉砕ローラが同期して首を振つたり、あるいは上
下振動する運動を防止し、振動を起こすことなく広域負
荷あるいは多炭種での運用を可能にするローラミルを提
供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記した問
題を解決するために、同一ミル内の各ストツパの動作位
置を各々変化させて調整することにより、粉砕ローラと
粉砕レース面間のギヤツプを粉砕ローラごとに異ならせ
る。
【0027】このようにすれば、ミルの低負荷運用時
に、あるいは振動を起こしやすい原料を粉砕する際に、
粉砕ローラが上下運動あるいはねじれ振動を起こしかけ
ても、同一ミル内の各粉砕ローラにおける振動の振幅や
周波数が異なるため、粉砕ローラの同位相運動(粉砕ロ
ーラが同期して動くことであり、激しい自励振動へ成長
する際の主要因である)を防止できるようになる。
【0028】また、本発明では、上記した問題を解決す
るために次の手段を取る。同一ミル内の少なくとも一つ
以上の粉砕ローラの粉砕面の一部もしくは複数の個所を
平面状に刻設するか、あるいは平面状に肉盛り成形す
る。そして、同一ミル内の粉砕ローラごとに、この平面
状刻設面(もしくは肉盛り面)の個数を異ならせるか、
あるいは粉砕ローラの回転(円周)方向における刻設面
(もしくは肉盛り面)位置を変化させる。
【0029】このようにすれば、ミルの低負荷運用時に
おいて、あるいは振動を起こしやすい原料を粉砕するに
際して、粉砕ローラが横すべりし上下方向に振動した
り、回転テーブルの回転方向に対してねじれ振動を起こ
しかけても、同一ミル内における各粉砕ローラの横ずれ
頻度や周期が異なるため、粉砕ローラの相対運動(粉砕
ローラが同期して動くことであり、激しい自励振動へ成
長する際の主要因である)を防止できるようになる。
【0030】本発明は、図38に示したような粉砕ロー
ラ1501をローラピボツト1503を支軸としてペン
ジユラム式に支持・加圧するローラミルにも、各粉砕ロ
ーラを独立にアームによつて片持ちばり式に支持・加圧
するローラミルにも適用することができる。
【0031】
【作用】各粉砕ローラの上下方向への振り子状の運動あ
るいはテーブルの回転方向に対する横揺れ状のねじれ振
動が生じても、その振幅は周波数が粉砕ローラごとに異
なれば、各粉砕ローラの動きは相互に干渉しあう結果キ
ヤンセルされる。たとえ一つの粉砕ローラの振動が自励
的に増幅しかけても、速やかに他の粉砕ローラの動きに
よつて抑制されてしまう。
【0032】主な原因の一つは、粉砕ローラの下におけ
る紛層が、同位相振動時とは異なり、周期的に波打ち
(粉砕ローラの振動によつて、紛層には回転テーブルの
円周方向に対して厚い部分と薄い部分が周期的にできや
すい)ことが無くなるためである。
【0033】同一ミル内における粉砕ローラと粉砕レー
ス間のギヤツプδの偏差は20%程度でも十分である。
ミルのサイズによつて異なるこの初期設定ギヤツプδは
5〜20mmである。もし標準ギヤツプがδ=10mm
であれば、他の粉砕ローラではδ=8mmもしくはδ=
12mmとすれば、自励振動に対する十分な抑止効果が
生まれる。粉砕ローラと粉砕レース間のギヤツプδが大
きすぎると、粉砕ローラごとの原料のかみ込みに不釣り
合いが生じて、正常に粉砕するはずの条件でも、不釣り
合い回転由来のいわゆる強制振動が微弱ではあるが発生
することがある。
【0034】各粉砕ローラが横すべりし(ちなみに本発
明によれば、同時に横すべりする動作も防止できる)、
上下方向の振動あるいはテーブルの回転方向に対する横
揺れ状のねじれ振動が起きかけても、それらの頻度や周
期が粉砕ローラごとに異なれば、各粉砕ローラの動きは
相互干渉作用の結果としてキヤンセルされる。たとえ一
つの粉砕ローラの振動が自励的に増幅しかけても、他の
粉砕ローラの動きによつて即座に抑制されてしまう。
【0035】主な原因の一つは、粉砕ローラの下におけ
る紛層が、同位相振動時とは異なり、周期的に波立つ
(粉砕ローラの振動によつて、粉砕レース上の紛層に
は、上下方向振動の結果、回転テーブルの円周方向に対
して、あるいは横ずれする首振り運動の結果、粉砕レー
スの幅方向に対して、厚い部分と薄い部分が交互に出来
やすい)ことが無くなるためである。
【0036】
【実施例】第1の発明の特徴は、粉砕ローラと粉砕レー
ス間のギヤツプを設定するストツパ装置を中心とするロ
ーラミルの粉砕部構造に関するものであるため、始めに
これを説明する。
【0037】図2、図4及び図6に、ミル内に搭載する
粉砕ローラ及びその周辺機器類の構成を示す。いずれも
ミル内に原料の無い初期設定時の状態を示したものであ
る。第1の発明で改良の対象とする粉砕ローラは、各々
独立にローラアームによりミルハウジング側から支持さ
れ粉砕荷重が加わるようになつている。
【0038】まず、図2を例として説明する。粉砕ロー
ラ201は、ローラアーム205に取り付けられてい
る。ローラアーム205には、首振りの支軸の役割を果
たすローラアーム回転軸208があり、この点を中心
に、粉砕ローラ201は上下に振り子状の運動(振動時
にはこれが激しくなる)ができるようになつている。つ
まり、粉砕ローラ201が多くの原料をかみ込んだ際に
は、粉砕ローラ201の下部に厚い紛層ができて、粉砕
ローラ201は上方へリフトする。ローラアーム205
の上部にはレバー215があり、加圧装置206により
粉砕荷重が加えられる。
【0039】一方、ローラアーム205の下部には、粉
砕ローラ201と粉砕レースが接触(メタルタツチ)し
ないように、ストツパ受け座214が設けられており、
このストツパ受け座214を前方へ押し出すようにロー
ラアーム205と粉砕ローラ201を支えるような構成
でストツパ209がミルハウジング207に装着されて
いる。ストツパ固定具210を操作することによつて、
ストツパ209を前方へ押し出せば粉砕ローラ201と
粉砕レース212とのギヤツプを大きく設定できる。
【0040】逆にストツパ209を後方へずらして固定
すれば、粉砕ローラ201と粉砕レース212のギヤツ
プは狭まることになる。ミル内に被粉砕原料が少なくな
ると、粉砕ローラ201は下降気味になり、粉砕レース
212上の紛層を圧縮するより前に、ストツパにより上
方から圧加する動きが拘束されるようになる。
【0041】第1の発明を具体化したローラミルでは、
同一ミル内の粉砕ローラごとにストツパの固定位置を変
化させ、各粉砕ローラの初期設定位置を異ならせる。つ
まり、各粉砕ローラの粉砕面と粉砕レース面間の初期設
定ギヤツプを異ならせている。
【0042】図2に示す粉砕ローラ201では、初期設
定ギヤツプδ1 を他の二つの粉砕ローラよりも小さくし
ている。
【0043】図4の粉砕ローラは、3つの粉砕ローラの
中でギヤツプδ2の大きさを中間としたものである。図
6の粉砕ローラにおけるギヤツプδ3 は、ミル内におい
て最も大きい。結果的に、 δ1 <δ2 <δ3 ……(1) の関係で、具体的には、 δ1=×1.15<δ2 <δ3 ×0.85 ……(2) の条件で、各粉砕ローラのギヤツプが設定されている。
(2)式に示す程度のギヤツプの組み合わせが、自励振
動の抑止と強制振動レベルの低減に効果があり、また微
粉粒度を犠牲にすることも無い。
【0044】図3、図5および図7には、ミルを高負荷
運動(粉砕ローラは正常に回転し、ミルは極めて静粛で
ある)したときの状態を示す。各粉砕ローラの原料かみ
込み量は多く、粉砕ローラ下の紛層は厚く、当然のこと
ながら、粉砕ローラとレース間のギヤツプは紛層の厚み
に等しくなる。
【0045】またストツパ209の先端とストツパ受け
座214は離れており、このような状態ではストツパ2
09は直接役立つていない。粉砕ローラごとに初期設定
ギヤツプを変化させているが、このような高負荷運用時
には、紛層の厚さはいずれの粉砕ローラでも等しい。す
なわち、 δn 1 =δn 2 =δn 3 ……(3) また、等しい粉砕荷重が各粉砕ローラに加わるようにな
る。
【0046】ここまでは、断面形状が略円弧形の粉砕ロ
ーラを対象としたものであるが、第1の発明になる方法
は、図8に示すように、断面が台形の粉砕ローラを搭載
するローラミルへもほぼ直接適用することができる。
【0047】順序が逆になつたが、ここで第1の発明に
なるローラブラケツト装置を搭載したローラミルの全体
構成(図1)について説明する。
【0048】ミル上部の中心軸上にある原料供給管(セ
ンターシユート)2から原料1が供給され、ミルの下部
で回転する回転テーブル3上に落下する。回転テーブル
3上の被粉砕原料には遠心力が働き、回転テーブル3の
外周にある粉砕リング14上へ送給されて、この粉砕リ
ング14の上面に刻設された断面が略円弧状の粉砕レー
ス15上で、粉砕ローラ4により圧縮粉砕される。
【0049】粉砕されて生成した粉粒体は、スロートベ
ーン12の間を貫通してミル内へ吹き込まれる熱風13
により乾燥されながらミル上方へと輸送される。かなり
粗い粒子は、重力により回転テーブル3上に落下し、粉
砕部で再粉砕される(1次分級)。この1次分級部を貫
通した粒子群は、回転分級機19により遠心分級される
(2次分級)。比較的粗い粒子は、遠心力でハウジング
8の内壁へ飛ばされ、重力により落下し再粉砕される。
細かな粒子は、回転分級機19の羽根の間を貫通し、製
品微粉として製品微粉排出ダクト21から排出される。
石炭の場合は、微粉炭バーナへ直接送られるか(熱風1
3が燃焼用1次空気となる)もしくは貯蔵ビンへ回収さ
れる。
【0050】図9と図10は、初期設定時において粉砕
ローラの粉砕面と粉砕レース面間のギヤツプを異ならせ
た条件下における仮想振動時の粉砕ローラの動きをやや
誇張気味に模式的に描いたものである。
【0051】図9はギヤツプを狭く設定した例であり、
粉砕ローラ601が最下点まで降下して紛層を圧縮した
状態(A)と粉砕ローラ601が最も高く飛びはねた状
態(B)との両振り振幅は大きい。このような例では、
振り子状の上下振動における振幅は大きく、周期は長
い、すなわち振動数は低い。
【0052】一方、図10はギヤツプを大きく設定した
例における振動時の粉砕ローラ701の動きを示したも
のである。粉砕ローラ701が最も下がつた状態(図9
の例に比べると紛層を圧縮する加圧力は小さい)(D)
と粉砕ローラ701が最も高く飛びはねた状態(E)と
の距離である振幅は小さく振動数は高くなる傾向があ
る。
【0053】このように、粉砕ローラごとに振動(を起
こしかけた時)の振幅や周波数が異なると、各粉砕ロー
ラの動きがキヤンセルされ、各々の粉砕ローラは、実質
的にランダムに強制振動的な振り子運動を起こすことに
なる。このようにして、粉砕ローラが同位相で上下振動
する激しい自励振動を防止することが可能になる。むし
ろ防止するというよりは、自励振動を起こしかけても直
ぐに消滅させるというのが、第1の発明になるストツパ
装置の当を得た効果ということになる。
【0054】このような振動抑止メカニズムは、ここで
説明した粉砕面が略円弧状の粉砕ローラを用いるローラ
ミルに限らず、図8に示すような断面形状が略台形とな
るローラを有するローラミルでも共通である。
【0055】次に、振動を起こしやすい低負荷運用域で
ミルを運用し、従来技術と第1の発明の具体例において
周波数分布を測定した結果について述べる。
【0056】図11は、粉砕ローラとレースのギヤツプ
を全て同一とした場合(従来技術)に発生する自励振動
時の周波数分布を示したものであり、はつきりとした卓
越周波数の存在することが分かる。
【0057】一方、図12は、第1の発明を具体化した
ローラミルの周波数分布である。周波数がブロードで、
加速度がピークとなる周波数を特定するのが難しいよう
な分布となる。図12の周波数分析結果からも、第1の
発明を実施したローラミルでは、粉砕ローラが振動を起
こしかけてもそれらの動きは、いわゆる強制振動的なも
のであることが分かる。
【0058】このような不釣り合い運動に基づく強制振
動は、図11に周波数分布を示したような激しい自励振
動に比べるとかなり微弱であり、ミルの運用には悪影響
を及ぼさない。
【0059】図13は、ミル内における石炭ホールドア
ツプに対する振動の振幅の変化をまとめ、第1の発明の
実施例と従来技術とを比較したものである。縦軸の振幅
δo c は、定格運用時における振幅δo c* で割られて
無次元化されている。一方、横軸のホールドアツプW
は、ミルが定格負荷で運用されたときのホールドアツプ
W* で割られて無次元化されている。
【0060】従来技術では、低負荷帯(W/W* <0.
25)で著しく振幅が大きいのに対し、第1の発明に基
づき粉砕ローラごとに粉砕面間のギヤツプを異ならせた
場合には、振幅の大幅な低減が可能であることが確認さ
れた。第1の発明になる粉砕部構造のローラミルでも、
W/W* <0.25で振幅が大きくなるが、これは図1
2に示したように不釣り合い回転由来の強制振動の1タ
イプであると考えられる。
【0061】図14は、給炭量に対する製品微粉粒度の
変化を示したものである。縦軸の粒度qは、定格負荷時
の給炭量C* のときの基準粒度q* で割られて、相対値
として表されている。横軸の給炭量Cも定格負荷時の給
炭量C* で割られて無次元表示されている。
【0062】一般に、粒度qは給炭量Qに反比例するか
のように減少する。第1の発明の実施例では、ほぼ全給
炭量の範囲で、従来式ローラミルの微粉粒度と略等しい
ことが判明した。定格負荷運用域でも、初期設定ギヤツ
プの狭い粉砕ローラの高い(相対的に)粉砕能力と、初
期設定ギヤツプの大きな粉砕ローラの低い(同じく相対
的に)粉砕能力とが相殺されたためと考えられる。つま
り、第1の発明で具体化した程度のギヤツプ調整方法で
は、粉砕性能に大きな違いが出ないことが分かる。
【0063】粉砕ローラごとに摩耗量を比較した。その
結果を図15に示す(常時高負荷運用する場合にはロー
ラごとの摩耗量に差は生じないが、低負荷運用する割合
の高いミルや負荷変化を頻繁に繰り返すミルではこの結
果のようになる)。
【0064】3個の粉砕ーラの中では、初期設定ギヤツ
プを最も小さくした粉砕ローラの摩耗量が最も多く、逆
にギヤツプを最大とした粉砕ローラでは摩耗量が最小
で、その差は13%である。ギヤツプ最小の粉砕ローラ
は、低負荷運用時において他のどの粉砕ローラよりも紛
層を強く圧縮するため、損耗が比較的激しかつたものと
予想される。
【0065】長期間にわたる使用の後、粉砕ローラごと
の摩耗量の違いが際立つてきて、振動抑止に対して却つ
て逆効果となりそうな場合には、同一ミル内で使用して
いた粉砕ローラどうしを交換すればよい。すなわち、ス
トツパの調整は変えずに初期設定ギヤツプ最大とした粉
砕ローラとギヤツプ最小とした粉砕ローラとを交換する
訳である。
【0066】なお、微粉粒度に関して第1の発明を具体
化してストツパにより粉砕ローラと粉砕レースのギヤツ
プを調整したローラミルは、全負荷範囲において従来技
術との差はほとんど無い。結果を図14に示す。
【0067】第1の発明の構造のストツパ装置を搭載す
るローラミルは、一例として説明した石炭焚ボイラ用の
ミルに限らず、 1)同じ固定燃料であるオイルコークス用のミル 2)脱硫用の石灰石を微粉砕するためのミル 3)鉄鋼スラグや非鉄精練スラグを微粉砕するミル 4)セメントクリンカを微粉砕するセメント仕上げ用の
ミル 5)各種化学製品の原料を微粉砕するミル へもほぼそのまま適用することができる。
【0068】第2の発明の特徴は、粉砕ローラの構造に
あるため、始めにこれを説明し、ミルの全体構成は後述
する。
【0069】第2の発明で改良の対称とする粉砕ローラ
は、図38に示すように断面が略円弧となる形状を基本
としているが、第2の発明では図23および図24に粉
砕面の構造を示した如く、粉砕ローラ1301の粉砕面
1302において、平面刻設部1303を設けている。
一つの平面刻設部1303の粉砕ローラ1301におけ
る円周方向長さは、ローラ回転軸305からの広がり角
度としておよそ30°である(図23)。
【0070】この平面刻設部1303は、粉砕ローラ1
301の幅方向に対して平面であり、粉砕ローラ130
1の円周(回転)方向には略円弧状の丸みを持たせてい
る。ただしこの円周方向の丸みの曲率半径は、通常の粉
砕面のそれよりも大きくなつている、つまり平面に近
い。
【0071】また、図24に示したように、平面刻設部
1303の粉砕ローラ1311における幅方向の長さ
は、粉砕ローラ1301の幅(あるいは厚み)w0 の約
4分の1(1/4w0 )である。この程度に平面刻設部
を成形すれば、被粉砕原料の紛層上において、粉砕ロー
ラは、平面刻設部以外の個所から平面刻設部へと紛層を
圧縮する位置が変化した際に、横すべり気味に首を振る
ことが可能になる。
【0072】平面刻設部が小さすぎると、横すべり気味
の首振り動作が生じにくくなる。一方、平面刻設部が大
きすぎると、粉砕ローラは外側(ミルハウジング側)へ
横すべりした後に正常位置へ回復できなくなることも起
こり得るし、不規則回転に伴う騒音も大きくなる。
【0073】図25と図26は、同一ミル内の3個の粉
砕ローラにおける平面刻設部の位置を示す2つの実施例
である。図25の実施例では、粉砕ローラごとに平面刻
設部1303の個数をそれぞれ(a)−1,(b)−
2,(c)−3個所と変化させた。(b)と(c)の粉
砕ローラでは、平面刻設部1303の位置を、粉砕ロー
ラの回転方向に対し90°ごとに設けている。
【0074】図26の実施例では、各粉砕ローラとも
に、平面刻設部1303を2箇所ずつ設けているが、二
つの平面刻設部1303の相対位置関係が粉砕ローラご
とに異なる。
【0075】(a)の粉砕ローラでは、平面刻設部13
03が90°(もしくは270°)で隣り合わせにあ
り、1回転のうちに横すべりが比較的短い間隔で続いた
後、正常回転が長く続く現象が現れる。一方、(c)粉
砕ローラでは、180°隔たつた個所に2つの平面刻設
部1303があり、粉砕ローラ1301の半回転ごとに
横すべり気味の動きを起こす。
【0076】なお、次項で、第2の発明の実施例と従来
技術の性能比較(図28、図29および図30)を行う
が、図26に構成を示す粉砕ローラを用いた場合を、第
2の発明の実施例として代表させた。
【0077】ここまで、粉砕ローラの粉砕曲面を削り取
り、平面部を成形した実施例について述べたが、ローラ
の粉砕面1602上に同様の平面部を隆起平面部160
3として肉盛り成形することも可能である。図27にそ
の構造を示す。
【0078】順序が逆になつたが、ここで第2の発明に
なる粉砕ローラを搭載したローラミルの全体構成(図2
0)について説明する。ミル上部の中心軸上にある原料
供給管(センターシユート)102から原料101が供
給され、ミルの下部で回転する回転テーブル103上に
落下する。回転テーブル103上の被粉砕原料には遠心
力が働き、回転テーブル103の外周にある粉砕リング
123上へ送給されて、この粉砕リング123の上面に
刻設された断面が略円弧状の粉砕レース124上で、粉
砕ローラ104により圧縮粉砕される。
【0079】粉砕されて生成した粉粒体は、スロートベ
ーン122の間を貫通してミル内へ吹き込まれる熱風1
21により乾燥されながらミル上方へと輸送される。か
なり粗い粒子は、重力により回転テーブル103上に落
下し、粉砕部で再粉砕される(1次分級)。この1次分
級部を貫通した粒子群は、回転分級機117により遠心
分級される(2次分級)。比較的粗い粒子は、遠心力で
ハウジング120の内壁へ飛ばされ、重力により落下し
再粉砕される。細かな粒子は、回転分級機117の羽根
の間を貫通し、製品微粉として製品微粉排出ダクト11
8から排出される。石炭の場合は、微粉炭バーナへ直接
送られるか(熱風121が燃焼用1次空気となる)もし
くは貯蔵ビンへ回収される。
【0080】図21と図22には、それぞれ曲面状粉砕
面による粉砕状態と平面刻設部1205によるそれを模
式的に示す。図21に示すような曲面状粉砕面の場合
は、圧縮紛層1203を介して粉砕ローラ側の仮想接触
中心点aと粉砕レース1206側の仮想接触中心点a′
が、ローラ断面中心軸1204上にある。
【0081】これに対し、粉砕ローラが回転し、平面刻
設部1205が紛層を圧縮する場合には、この平面部に
よるすべりによつて首振り動作(α)が生じて、正常粉
砕時(A)における仮想接触中心点a−a′から首振り
後(B)には仮想接触中心点がb−b′へと僅かに横ず
れする。
【0082】このように、第2の発明を具体化した粉砕
ローラでは、粉砕ローラに強制的に横ずれ状の首振り運
動を行わせる。しかも、粉砕ローラごとに、横ずれ状の
首振り運動を起こす平面刻設部の位置や個数を変化させ
ているため、各々の粉砕ローラは、実質的にランダムに
首振り運動を起こすことになる。
【0083】このようにして、粉砕ローラが同位相で首
を振り上下振動する激しい自励振動を防止することが可
能になる。むしろ防止するというよりは、自励振動を起
こしかけても瞬時に消滅させるというのが、第2の発明
になる粉砕ローラの当を得た機能といえる。
【0084】以上に記した粉砕ローラの動作による効果
は、図20ないし図26に示すように、粉砕曲面を平面
状に刻設した粉砕ローラについて得られるが、同様の振
動抑止効果は、粉砕曲面上に平面状に肉盛りした図27
のような粉砕ローラでも同様に得られる。
【0085】図28は、ミル内における石炭ホールドア
ツプに対する振動の振幅の変化をまとめ、第2の発明の
実施例と従来技術とを比較したものである。縦軸の振幅
δo c は、メタルタツチ(石炭の全く無い空回転)時の
振幅δo c* で割られて無次元化されている。一方、横
軸のホールドアツプWは、ミルが定格給炭量で運用され
たときのホールドアツプW*で割られて無次元化されて
いる。
【0086】この実験結果は、振動を起こしやすい石炭
を粉砕したときに得られたものである。従来技術では、
低負荷帯(W/W* <0.25)で著しく振幅が大きい
のに対し、第2の発明になる粉砕ローラを用いた場合に
は、振動の大幅低減が可能であることが確認された。
【0087】第2の発明になる粉砕ローラを用いるロー
ラミルでも、W/W*<0.25で振幅がやや大きくな
るが、これは強制振動の1タイプであると考えられる。
第2の発明の実施例では、メタルタツチするときの振幅
が従来技術よりもやや大きい。これは、第2の発明にな
る粉砕ローラの平面刻設部の作用により発生するランダ
ム変動荷重に起因する、言わば強制振動的な不釣り合い
振動のためと考えられる。
【0088】図29は、振動を起こしにくい石炭を利用
した試験結果であり、図28と同様にして両軸を無次元
化して、ホールドアツプと振幅の関係をまとめている。
図28に示したような激しい振動を起こしやすい石炭の
例と比べて、従来技術でも振幅はかなり小さいものの、
それでもやはりδo c /δo c * <3.2の振動が生じ
ている。これに対して、第2の発明を具体化した粉砕ロ
ーラを採用すれば、かなり低いレベルにまで振幅δo c
を低減できることが分かる。
【0089】図30は、給炭量に対する製品微粉粒度の
変化を示したものである。縦軸の粒度qは、定格給炭量
c * のとき従来式ミルにおける基準微粉粒度q* で割
られて相対値として表されている。横軸もQc* で割ら
れて無次元化されている。一般に粒度qは、給炭量Qに
反比例するかのように減少する。
【0090】第2の発明になる実施例では、従来式ロー
ラミルと比較して、製品微粉の粒度がほとんど同等であ
ることが判明した。つまり、第2の発明で具体化した程
度の粉砕ローラの構造改良では、粉砕性能に大きな違い
が出ないことが分かる。
【0091】なお、微粉粒度に関して第2の発明になる
粉砕ローラを搭載するローラミルは、全負荷範囲におい
て従来技術との差はほとんど無い。結果を図30に示
す。
【0092】第2の発明になる粉砕ローラを搭載するロ
ーラミルは、一例として説明した石炭焚ボイラ用のミル
に限らず、 1)同じ固定燃料であるオイルコークス用のミル 2)脱硫用の石灰石を微粉砕するためのミル 3)鉄鋼スラグや非鉄精練スラグを微粉砕するミル 4)セメントクリンカを微粉砕するセメント仕上げ用の
ミル 5)各種化学製品の原料を微粉砕するミル へもほぼそのまま適用することができる。
【0093】
【発明の効果】第1の発明に係るローラミルによれば、
以下の効果を奏することができる。本発明に係るローラ
ミルのローラアーム支軸装置によれば、以下の効果を奏
することができる。 (1)ローラのすべりに起因するミルの振動を防止でき
る。これによつて、ミル自身を含む各種機器類の耐久性
が向上する。また、火力プラント全体の信頼性が高ま
る。 (2)低負荷運用が可能となり、ミルの最低負荷をさら
に切り下げることができる。これによつて、ボイラの運
用範囲が拡大する。低負荷運用域において石炭専焼が可
能になることから、助燃用燃料油の消費量を低減でき
る。従つて、火力プラント全体をより経済的に運用でき
るようになる。 (3)粒子が偏平に破壊しやすく、より激しい振動を起
こしやすい石炭、ローラやレースへ付着しやすい石炭、
あるいは単位重量当たりの発熱量が高くミルが低負荷運
用になりがちな石炭でも、振動を起こさない運用が可能
になる。このようにして、火力プラントへ適用可能な石
炭の範囲が大幅に拡大する。 (4)振動の抑止は、加圧力、テーブルや回転分級機の
回転速度を制御することによつても可能である。しかし
ながら、加圧機構もアキユムレータの分割配置等によつ
て高価になるし、モータも大型のものを低効率の条件で
使わざるを得なくなる。また制御系自体も複雑なものと
なる。これに対し本発明は、粉砕部のハードウエアのみ
の工夫で振動を抑制する装置であるので、トータルコス
ト低減の観点からは大変有利になる。
【0094】第2の発明に係るローラミルによれば、以
下の効果を奏することができる。 (1)ミルの自励振動を防止できる。 (2)上記(1)の効果によつて、ミル自体およびミル
の周辺にあるプラント関連機器の信頼性や耐久性が向上
する。また、プラント内従業員の体感上の不快感も無く
なり、作業能率も向上する。 (3)低負荷帯において振動を抑止できるため、ミルに
とどまらずボイラ全体の広域負荷運用が可能になる。 (4)振動を起こしやすいと危惧されてきた特定の炭種
や固体原料も問題なく使用できるようになる。これによ
つて、ミルに対する粉砕原料の適用性が大幅に拡大す
る。 (5)本発明のような簡単なハードウエアのみで振動を
抑止できることは、ミルの運用経費の大幅消滅につなが
る。具体的には振動回避のための複雑な制御系統や制御
機器のメインテナンス費用が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に係るローラミルの構成図である。
【図2】そのストツパ装置の構成図である。
【図3】そのストツパ装置の構成図である。
【図4】そのストツパ装置の構成図である。
【図5】そのストツパ装置の構成図である。
【図6】そのストツパ装置の構成図である。
【図7】そのストツパ装置の構成図である。
【図8】形状が異なるローラへ応用したストツパ装置の
構成図である。
【図9】ストツパ装置のメカニズムを示す構成図であ
る。
【図10】ストツパ装置のメカニズムを示す構成図であ
る。
【図11】ストツパ装置のメカニズムの特性図である。
【図12】ストツパ装置のメカニズムの特性図である。
【図13】試験結果の特性図である。
【図14】試験結果の特性図である。
【図15】試験結果の特性図である。
【図16】従来技術の問題点を説明するための特性図で
ある。
【図17】従来技術の問題点を説明するためのストツパ
装置の構成図である。
【図18】従来技術の問題点を説明するためのストツパ
装置の構成図である。
【図19】従来技術の問題点を説明するためのストツパ
装置の構成図である。
【図20】第2の発明に係るローラミルの構成図であ
る。
【図21】粉砕ローラの動きを模式的に示す構成図であ
る。
【図22】粉砕ローラの動きを模式的に示す構成図であ
る。
【図23】粉砕ローラの粉砕面の構造を示す説明図であ
る。
【図24】粉砕ローラの粉砕面の構造を示す説明図であ
る。
【図25】同一ミル内の3個の粉砕ローラにおける平面
刻設部の位置を示す説明図である。
【図26】同一ミル内の3個の粉砕ローラにおける平面
刻設部の位置を示す説明図である。
【図27】粉砕曲面を削り取り平面部を成形した粉砕ロ
ーラの構成図である。
【図28】試験結果を示す特性図である。
【図29】試験結果を示す特性図である。
【図30】試験結果を示す特性図である。
【図31】従来技術の問題点を説明するための特性図で
ある。
【図32】従来技術の問題点を説明するための粉砕ロー
ラの動きを模式的に示す構成図である。
【図33】従来技術の問題点を説明するための粉砕ロー
ラの動きを模式的に示す構成図である。
【図34】従来例に係る粉砕ローラの構成図である。
【図35】従来例に係る粉砕ローラの構成図である。
【図36】従来例に係る粉砕ローラの構成図である。
【図37】従来例に係る粉砕ローラの構成図である。
【図38】従来例に係る粉砕ローラの構成図である。
【符号の説明】
1 原料 2 原料供給管 3(代表;以下同様) 回転テーブル 4 粉砕ローラ 5 ローラ回転軸 6 ローラアーム 7 加圧装置 8 ミルハウジング 9 ストツパ装置 10 ローラアーム回転軸 11 ストツパ固定具 12 スロートベーン 13 熱風 14 粉砕リング 15 粉砕レース 16 圧縮紛層 17 被粉砕原料 18 テーブル回転軸 19 回転分級機 20 ダムリング 21 製品微粉排出ダクト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金本 浩明 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 長谷川 忠 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 田岡 善憲 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日 立株式会社 呉工場内 (56)参考文献 特開 平4−371240(JP,A) 特開 昭58−61839(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 15/00 - 15/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面上で垂直軸のまわりに回転する回転
    テーブルと、ミルハウジング側からアームにより片持ち
    ばり的に支持され、粉砕レース上の被粉砕原料の粉層上
    に円周粉砕面を押圧されて回転する複数個の粉砕ローラ
    により被粉砕原料を圧縮粉砕するローラミルにおいて、 各粉砕ローラの粉砕面と粉砕レース面間の距離(ギヤツ
    プ)を異ならせるべく、粉砕ローラの粉砕面と粉砕レー
    ス面間のギヤツプを調整するストツパの動作位置を粉砕
    ローラごとに異ならせたことを特徴とするローラミル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、各粉砕ローラに
    おける当該ギヤツプの偏差を5%以上30%未満にした
    ことを特徴とするローラミル。
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