JP3115446B2 - 竪型ローラミル - Google Patents

竪型ローラミル

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JP3115446B2
JP3115446B2 JP05070319A JP7031993A JP3115446B2 JP 3115446 B2 JP3115446 B2 JP 3115446B2 JP 05070319 A JP05070319 A JP 05070319A JP 7031993 A JP7031993 A JP 7031993A JP 3115446 B2 JP3115446 B2 JP 3115446B2
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一教 佐藤
信康 廻
一紀 正路
浩明 金本
博司 湯浅
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は竪型ローラミルに係り、
特に強い自励振動の発生を抑制した竪型ローラミルに関
する。
【0002】
【従来の技術】石炭焚ボイラでは、環境に害を与えない
燃焼(低NOx、低灰中未燃分)や広域負荷操業が実施
され、それにともない微粉炭機(ミル)も高い性能が要
求されている。石炭、セメント原料、新素材原料などの
塊状物を細かく粉砕するミルのひとつのタイプとして、
回転するテーブルと複数個のローラで粉砕する竪型のロ
ーラミルが広く用いられるようになり、最近では代表機
種のひとつとしての地位を固めつつある。
【0003】この種のミルは、円筒型をしたハウジング
の下部にあってモータで駆動され減速機を介して低速回
転する略円板状の回転テーブルと、そのテーブルの外周
部上面において円周方向へ等分する位置へ油圧シリンダ
(またはスプリング等)で圧下されて回転する複数個の
粉砕ローラを備えている。テーブルの中心へシュートよ
り供給された被粉砕原料は、テーブル上において遠心力
によりうず巻状の軌跡を描いてテーブルの外周へ移動
し、テーブルの粉砕レース面と粉砕ローラの間にかみ込
まれて粉砕される。ハウジングの下部には、ダクトを通
して熱風が導かれており、この熱風がテーブルとハウジ
ングの間にあるエアスロートベーン部から吹き上がって
いる。粉砕後の粉粒体は、エアスロートベーン部から吹
き上がる熱風によってハウジングを上昇する過程で乾燥
される。ハウジングの上方へ輸送された粉粒体は、粗い
ものから重力により落下し(1次分級)、粉砕部で再粉
砕される。この1次分級部を貫通したやや細やかな粉粒
体は、ハウジングの上部に設けたサイクロンセパレータ
またはロータリセパレータ(回転分級機)で、再度分級
される(2次分級)。所定の粒径より小さな微粉は気流
により搬送され、ボイラでは微粉炭バーナまたは微粉貯
蔵ビンへと送られる。分級機を貫通しなかった所定粒径
以上の粗粉は、テーブル上へ重力により落下し、ミル内
へ供給されたばかりの原料とともに再粉砕される。この
ようにして、ミル内では粉砕が繰り返され、製品微粉が
生成されていく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ローラミルを低負荷で
運用しようとする場合、負荷の切り下げにおいて問題と
なるのはミルの振動である。この振動現象は複雑であ
り、詳細なメカニズムまで明らかにされているわけでは
ないが、炭層とローラのすべりに起因する一種の摩擦振
動であると考えられる。振動のタイプとしては、励振源
をはっきりと特定できないことから、また振動波形がス
パイク状になることから自励振動の一種といえる。通常
の石炭では、図16に示すように、低負荷運用時(ミル
内における石炭ホールドアップの少ない条件)におい
て、この振動が激しくなる。
【0005】図19は、従来式粉砕ローラの動きを断面
図として示したものである。このタイプのローラミルで
は、ローラブラケット1402を介して、ローラピボッ
ト1409を支軸として、粉砕ローラ1401が首振り
可能なように支持される。この首振り機能は大変に重要
であり、粉砕ローラ1401が鉄片等粉砕されにくい異
物をかみ込んだ場合、粉砕ローラ1401は首を振るこ
とによって衝撃を回避することができる。また、粉砕ロ
ーラ1401や粉砕レース1417が摩耗したときに
は、押圧位置すなわち粉砕ローラ1401と粉砕レース
1417との位置関係を適切に変化させていく機能が、
この首振り構造にはある。
【0006】一般に高負荷粉砕時には、粉砕ローラ14
01はほとんど首を振ることがない。上記したように、
ミルの起動時または負荷上昇時などにおいて粉砕ローラ
1401が原料を活発にかみ込む場合には、粉砕ローラ
1401は首を振るものの、この首振り動作においてミ
ル内の例えば3個の粉砕ローラの動きは同期しない。こ
のときミルは振動しかけるが、粉砕ローラ1401が同
期しないために卓越周波数は特定できず、周波数分布が
ブロードないわゆる強制振動的なものであり、ミルの運
用をさまたげることはない。
【0007】一方、粉砕ローラが激しく自励振動する場
合には、図17に示すように、粉砕ローラ1201は3
個ともほぼ同時に外側に横ずれし(β)、ついで図18
のように上下に振動する。3個の粉砕ローラは、同期し
て(同位相で)いっしょに上下振動する。以上から、ミ
ルの振動を粉砕部のハードウェアの工夫によって抑止し
ようとするには、3個の粉砕ローラが同期して動くこ
と、すなわち自己同期化現象と呼ばれる同位相運動を阻
止することが肝要であることがわかる。
【0008】図20は、このような考え方に基づいた先
行技術(実開昭59−142047号)を示したもので
ある。このローラミルは、テーブル1501の外周にエ
クステンションリング1504と称する堰体を設け、ロ
ーラ1502下の粉(炭)層を確保し、安定な粉砕を実
現しようとしたものである。この種の方法は、この例に
限らず広く用いられているが、テーブル外周一様に堰体
を設けた場合、粉砕ローラの自己同期化現象を防ぐこと
は難しいと考えられる。
【0009】本発明の目的は、以上のような考え方に基
づき、粉砕ローラが同期して首を振ったり、上下振動す
る運動を防止し、自励振動を起こすことなく広域負荷ま
たは多炭種での運用を可能にする粉砕部の構造、特に被
粉砕物層である炭層の状態をコントロールできる回転テ
ーブルの構造を有する竪型ローラミルを提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願の第1の発明は、ハウジング内に回転自在に支持さ
れ上面外周部に溝型の粉砕面を有する回転テーブルと、
回転テーブルの粉砕面上に円周方向に沿って所定間隔に
て回転テーブルに圧接状態で配置された複数個の粉砕ロ
ーラとを備えたローラミルにおいて、回転テーブルの外
周部に、円周方向に分割され、かつ分割周期を円周方向
に対して不規則とした堰体(ダムリング)を設けたこと
を特徴とする竪型ローラミルに関する。
【0011】第2の発明は、ハウジング内に回転自在に
支持され上面に外周に沿った溝型の粉砕面を有する回転
テーブルと、回転テーブルの粉砕面上に円周方向に沿っ
て所定間隔にて回転テーブルに圧接状態で配置された複
数個の粉砕ローラとを備えたローラミルにおいて、回転
テーブルの外周部に沿って堰体(ダムリング)を、その
高さを回転テーブルの円周方向に対し変化させて設けた
ことを特徴とする竪型ローラミルに関する。
【0012】
【作用】回転テーブルの外縁における堰体(ダムリン
グ)の有無、または堰体の高低により、粉砕ローラ下に
おける圧縮粉層(炭層)の状態、すなわち厚さ、粒度お
よび流動方向等が影響を受ける。堰体を設ける場合に
は、これがない場合と比較して、粉砕ローラの下または
粉砕ローラの後方(ハウジング側)における粉(炭)層
は厚くなる。同様に、堰体(ダムリング)が高い場合に
は、これの低い条件に比べて粉(炭)層が厚くなる。こ
のようになれば、粉砕ローラ下の粉(炭)層は安定で崩
壊しにくく、粉砕ローラは横すべりぎみの首振り動作を
起こしにくくなる。逆に、堰体(ダムリング)がない
か、または低い堰体(ダムリング)の場合には、粉砕ロ
ーラ下の粉(炭)層は相対的に不安定になる。回転テー
ブルの円周(回転)方向に対し、このような堰体(ダム
リング)を不規則に配列すれば、粉(炭)層の状態も堰
体(ダムリング)の配置に対応する不規則な変化を示
す。あるひとつの粉砕ローラ下の粉(炭)層が崩壊し、
粉砕ローラが横ずれするように首を振る動きをしかけて
も、他の粉砕ローラ下の粉(炭)層が堰体(ダムリン
グ)の作用により安定であれば、首を振る動きに同調す
ることはない。以上のような粉砕ローラの動作における
いわゆる相互キャンセル作用により、ミル内の粉砕ロー
ラの自己同期化運動は抑制される。このようにして、本
発明を具体化すれば、激しい自励振動を防止することが
できる。
【0013】本発明においては、上記した問題を解決す
るために、粉砕ローラが同位相で動くことを防止するた
めの手段を採用する。回転テーブルの外周端部におい
て、その円周(回転)方向に対して不規則に分割された
堰体(ダムリング)を設置する。この堰体(ダムリン
グ)の高さHd は、粉砕ローラ下の炭層の状態を変化さ
せ、かみ込み等粉砕ローラの動作に影響を与えるため
に、
【0014】
【数1】 の範囲から選択する。ここにDR は粉砕ローラの直径で
ある。回転テーブル上における堰体(ダムリング)の円
周(回転)方向配列に関する「不規則な分割」とは、次
のような構造である。 堰体(ダムリング)を設ける領域と設けない領域を、
回転テーブルの円周(回転)方向に対し不規則に設け
る。 堰体(ダムリング)の高さを、上記(1)式の範囲
で、複数パターンの高さに変化させ、しかもその変化パ
ターンを回転テーブルの円周(回転)方向に対して不規
則にする。
【0015】回転テーブルに対する以上のような構造の
工夫により粉砕ローラ下における粉(炭)層、または粉
砕ローラの後部すなわち粉砕ローラと堰体(ダムリン
グ)の間にある粉(炭)層の状態が堰体(ダムリング)
の配列部位によって不規則に変化するため、粉砕ローラ
の自己同期化動作がキャンセルされるようになる。この
ようにして、ミル内の全ての粉砕ローラが同位相で動く
という激しい自励振動が抑制されるようになる。
【0016】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。図1は、本発明になる粉砕部構造を具体化したロ
ーラミルの構造を、中心軸を通る断面図として描いたも
のである。このローラミルの粉砕部は、大まかに、主要
素である粉砕ローラ4と回転テーブル3により構成され
ている。本発明の特徴は、回転テーブル3の外周に装着
設置されている堰体(ダムリング)を、回転テーブル3
の円周(回転)方向に対して異ならせて配置構成するこ
とにあるので、まずはじめにこれについて説明する。
【0017】図2は、本発明を具体化したローラミルに
おける粉砕部の構造の断面図である。粉砕面が略円孤状
のタイヤ形粉砕ローラ121が、ローラピボット127
を支軸として、ローラブラケット125を介してローラ
シャフト129に保持されて回転する。回転テーブル1
33には、粉砕リング134がはめ込まれている。粉砕
リング134の上面には、粉砕面が略円孤状の粉砕レー
ス135が刻設されており、粉砕ローラ121と粉砕レ
ース135の間に原料がかみ込まれる。粉砕ローラ12
1と粉砕レース135の間には、圧縮粉層が形成されて
おり、この圧縮粉層内で微粉が生成される。また、この
圧縮粉層が摩擦力の伝達媒体となり、粉砕ローラ121
が回転テーブル133に連動して回転する。ただし、加
圧フレーム128がハウジング130に対して水平方向
の動きを固定されているので、ローラピボットを介して
加圧フレームに結合されているローラブラケット12
5、粉砕ローラ121もハウジングに対して水平方向の
動きを固定され、加圧フレームと共に上下方向のみに動
きうるようになっている。
【0018】このような状態で回転テーブルに圧接され
た粉砕ローラは、回転テーブルの回転に従って粉層を介
して回転する。回転テーブル133の外縁には、高さH
d の堰体(ダムリング)139が設けられている。この
堰体(ダムリング)139は、高さHd が、前述した
(数1)の範囲に設定される。ここにDR としては、粉
砕ローラ121の直径が用いられる。図3に示すよう
に、本実施例になるローラミルの粉砕部では、堰体(ダ
ムリング)202が、回転テーブル201の外縁におい
て円周(回転)方向に対して分割されて(堰体202の
ない箇所を設けて分断する)おり、その分割部も円周方
向に対して不規則に配列されている。この実施例におい
て、回転テーブルの円周(回転)方向に対して、堰体
(ダムリング)202を設けた部分の長さと設けない部
分の距離は同等である。図4および図5には、それぞれ
別の堰体(ダムリング)の配設例を示す。
【0019】以上の実施例は、回転テーブルの円周(回
転)方向に対して、同一高さの堰体(ダムリング)の有
無により、不規則配列を決定したものであるが、堰体
(ダムリング)の「有・無」と堰体(ダムリング)の
「高・低」として置き換えることも可能である。例え
ば、堰体(ダムリング)の「高・低」を2段階とする場
合には、高い堰体(ダムリング)の高さHd は、(1)
式の範囲から選択し、
【0020】
【数2】 とする。一方、低い方の堰体(ダムリング)の高さHd
も、(1)式の範囲より
【0021】
【数3】 とする。高い堰体(ダムリング)511を設けた粉砕部
の断面構造を、ローラの支持構造が図1の例とは異なる
場合を例にとり、図6に示す。図7は、低い堰体(ダム
リング)512を設けた粉砕部の構造を示すものであ
る。図8は、高い堰体(ダムリング)511と低い堰体
(ダムリング)512を、回転テーブル503の回転
(円周)方向に不規則に配置した例である。
【0022】順序が逆になったが、本発明になる粉砕部
構造を採用したローラミルの全体構成(図1)について
説明する。粉砕原料1は、ミル上部の中心軸上にある原
料供給管(センターシュート)2から供給され、ミルの
下部で回転する回転テーブル3上に落下する。回転テー
ブル3の外周にある粉砕リング14上に供給されて、こ
の粉砕リング14の上面に刻設されて断面が略円孤型を
した粉砕レース15の上で、粉砕ローラ4により圧縮粉
砕される。前述したように、この実施例のローラミルで
は、回転テーブル3の外周に設置した堰体(ダムリン
グ)13が、回転テーブル3の円周(回転)方向に対
し、その設置位置またはその高さのうち少なくとも一方
が不規則になるよう配設されている。粉砕されて生成し
た粉体は、エアスロートベーン19の間を貫通してミル
内へ吹き込まれる熱風18により乾燥されながらミルの
上方へ輸送される。粗い粒子は重力により回転テーブル
3上に落下し(1次分級)、粉砕部で再粉砕される。こ
の1次分級部を貫通した粒子群は、回転分級機22によ
り遠心分級される(2次分級)。比較的粗い粒子は、回
転分級機22の羽根の間を貫通し、製品微粉として製品
微粉排出ダクト23から排出される。石炭の場合は、微
粉炭バーナへ直接送られるか(熱風18が燃焼用1次空
気となる)もしくは微粉貯蔵ビンへ回収される。
【0023】図9は、堰体(ダムリング)605を設け
たことによる粉砕部の粉層の状態を模式的に描いたもの
である。堰体(ダムリング)605により、粉層は粉砕
レース604上に押しとどめられるため、粉砕ローラ6
01は、堰体(ダムリング)605のない場合に比べ
て、図中で(I)→(II)として示したようにリフトす
る。また、粉砕ローラ601の後方、すなわち粉砕ロー
ラ601の外側面と堰体(ダムリング)605の間にも
粉層がたまるようになる。これは、粉砕ローラ601に
より生成された微粉が、粉砕ローラの後方へ押しやら
れ、外部へ流出しかけても、すなわち図中で(b)とし
て示したように堰体(ダムリング)605を乗り越えよ
うとしても、堰体(ダムリング)605が障壁となり、
結局堰体(ダムリング)605の内側に滞留する(c)
からである。図11と図12は、堰体(ダムリング)の
高さによる粉層の流れパターンの違いを、粉砕部上方か
らの視図として模式的に描いたものである。図11に示
すように、粉砕ローラ621の後方に高い堰体(ダムリ
ング)623がきた場合には、粉層の流れ624は、堰
体(ダムリング)623と粉砕ローラ621の間をすり
ぬけるようになる(むろん、高い堰体(ダムリング)6
23を乗り越える流れも存在する)。したがって、粉砕
原料の滞留時間は長くなる。これに対し、図12のよう
に、粉砕ローラ631の後方に低い堰体(ダムリング)
635がきた場合には、粉層は粉砕レース632の外側
へすぐに排出される。要するに、このような条件では、
粉砕原料の滞留時間は短いことになる。図11および図
12に示したような堰体(ダムリング)の高・低による
粉層流れの差異は、当然のことながら、堰体(ダムリン
グ)の有・無として堰体(ダムリング)を分割する場合
にも生じる。以上のように、堰体(ダムリング)の構成
の変化が回転テーブルの回転により不規則に生じること
により、粉砕ローラの背後における粉層の流れもそれに
対応して不規則に複雑に変化することになる。
【0024】図10は、粉砕ローラ701の背後に、高
い堰体(ダムリング)708が廻ってきた場合の粉層の
状態と粉砕ローラ701の動きを模式的に描いたもので
ある。粉砕ローラ701の下部の圧縮粉層707は、厚
くて摩擦抵抗が大きく安定であり、崩壊しにくい。ま
た、粉砕ローラ701と堰体(ダムリング)708の間
には、粉層が蓄積しており、これも粉砕ローラ701の
横ずれ動作に対する抵抗となる。このように、背の高い
堰体(ダムリング)の場合は、粉砕ローラ701の回転
軌道は安定であり、首振り状の横ずれ動作(β)が生じ
たとしても、その横ずれする距離δpは小さい。一方、
図13のように、堰体がない場合(背の低い堰体を想定
しても同じことである)には、逆に圧縮粉層807が崩
壊しやすく、粉砕ローラ801は首振り状に横ずれ動作
が起きやすい状態となり、この動作が生じたとしても、
横ずれする距離δpは大きい。回転テーブルの回転によ
って、各粉砕ローラは、図10と図13に示す動作を、
不規則につまり非周期的に交互に繰り返すことになる。
以上のように、首を振りかける時の粉砕ローラの下にお
ける粉層の状態が、堰体(ダムリング)の配設位置やそ
の高さによって変化すると、ハウジング内の例えば3個
の粉砕ローラはなかなか自己同期化しなくなる。つま
り、あるひとつの粉砕ローラの動作に両隣りの粉砕ロー
ラが同位相で呼応することがなくなるわけである。この
ようにして、ミル内における各粉砕ローラの動きが相互
にキャンセルし合うようになれば、自己同期化現象に起
因する激しい自励振動の発生を防ぐことができるように
なる。
【0025】次に、以上のような粉砕ローラにおける動
作の相互作用によって得られた振動レベル低減の結果に
ついて述べる。図14は、ミル内における石炭ホールド
アップ量に対するローラ下の炭層の厚さの変化について
本発明実施例と従来技術とを比較して示したものであ
り、横軸のホールドアップ量は定格給炭負荷運用時にお
けるミル内石炭ホールドアップ量Hu*で割られていて
無次元化されている。また縦軸の炭層の厚さは石炭ホー
ルドアップ量を定格給炭負荷運用時のホールドアップ量
とした時の炭層の厚さδth*で割って無次元化されてい
る。図15は、ミル内における石炭ホールドアップに対
する振動の振幅の変化をまとめ、本発明の実施例と従来
技術とを比較したものである。縦軸の振幅δocは、粉砕
ローラと粉砕レースがメタルタッチする空回転時の振幅
δoc*で割られて無次元化されている。一方、横軸のホ
ールドアップWは、ミルが定格給炭量で運用されたとき
のホールドアップW*で割られて無次元化されている。
この実験結果は、炭質の影響により、比較的激しい振動
を起こしやすい石炭を粉砕したときに得られたものであ
る。従来技術(図19)では、低負荷域
【0026】
【数4】 で著しく振幅が増大するのに対し、本発明を具体化した
ダムリングを搭載するローラミルでは、振幅の大幅な低
減が可能であることが実証された。本発明の実施例の場
合でも、他のホールドアップの条件よりは、
【0027】
【数5】 の近傍において振幅がやや大きくなるが、この振動は、
自己増幅的な性質の自励振動ではなく、粉砕ローラが自
己同期化することのない強制振動の一タイプである。本
発明になる粉砕部構造を有する竪型ローラミルは、具体
化例として説明した石炭焚ボイラ用のミルに限らず、
(i)同じ固体燃料であるオイルコークス用のミル、
(ii) 脱硫用の石灰石を微粉砕するミル、(iii)鉄鋼ス
ラグ、非鉄精錬スラグを微粉砕するミル、(iv) セメン
トクリンカを微粉砕するセメント仕上げ用のミル、
(v)各種化学製品の原料を微粉砕するミル、(vi) F
RP(繊維強化プラスチック)等の産業廃棄物を微粉砕
するミル、へもほぼそのまま適用することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、ミル内に設けた粉砕ロ
ーラの振動の同期化(同位相化)による大きな自励振動
の発生を防止でき、これによって、ミル自体を含む装置
全体の耐久性が向上し、ミルを設けたプラント全体の信
頼性が向上する。また、従来技術のミルでは大きな振動
が発生した低負荷域についても運転が可能となり、ミル
を備えたプラント、例えば火力発電所の運用負荷範囲が
拡大できる。
【0029】また、粉砕層の内部摩擦抵抗が小さく激し
い振動を起こし易い石炭、粉砕ローラや粉砕レースに付
着しやすい石炭についても振動を抑制できるので、使用
原料の選択の幅がひろがる。さらに、ミルの構造面から
振動を防止できるので、複雑で高価な油圧式加圧機構や
制御系統が不要となりコスト低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例になるローラミルの全体構造
図。
【図2】本発明になるローラミルの粉砕部断面図。
【図3】、
【図4】、
【図5】本発明実施例になるローラミル粉砕部の上方視
図。
【図6】、
【図7】、
【図8】本発明実施例におけるローラミル粉砕部を示す
図。
【図9】本発明になるローラミルの粉砕ローラ周囲の粉
層の流れを示す図。
【図10】本発明実施例における粉砕ローラの横ずれ動
作を示す図。
【図11】、
【図12】図9と同様に本発明によるローラミルの粉砕
ローラ周囲の粉層の流れを示す図。
【図13】図10と同様に本発明実施例における粉砕ロ
ーラの横ずれ動作を示す図。
【図14】、
【図15】本発明の効果を示す図。
【図16】従来技術になるローラミルの特性図。
【図17】、
【図18】従来技術になるローラミルの粉砕ローラの動
きを示す図。
【図19】従来のローラミルの粉砕部構造図。
【図20】本発明に関連する先行技術を示す図。
【符号の説明】
2…原料供給管(センターシュート)、3…回転テーブ
ル、4…粉砕ローラ、5…ローラブラケット、6…ピボ
ットボックス、7…ローラピボット、8…加圧フレー
ム、13…堰体(ダムリング)、14…粉砕リング、1
5…粉砕レース、16…圧縮粉層、17…原料粉層、1
8熱風、19…エアスロートベーン、21…ハウジン
グ、22…回転分級機。
フロントページの続き (72)発明者 金本 浩明 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 湯浅 博司 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社 呉工場内 (56)参考文献 特開 昭60−12152(JP,A) 特開 平4−235754(JP,A) 特開 平4−243551(JP,A) 特開 平4−310244(JP,A) 特開 平5−15794(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 15/00 - 15/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に回転自在に支持され上面
    外周部に溝型の粉砕面を有する回転テーブルと、回転テ
    ーブルの粉砕面上に円周方向に沿って所定間隔にて回転
    テーブルに圧接状態で配置された複数個の粉砕ローラと
    を備えたローラミルにおいて、回転テーブルの外周部
    に、円周方向に分割され、かつ分割周期を円周方向に対
    して不規則とした堰体(ダムリング)を設けたことを特
    徴とする竪型ローラミル。
  2. 【請求項2】 ハウジング内に回転自在に支持され上面
    に外周に沿った溝型の粉砕面を有する回転テーブルと、
    回転テーブルの粉砕面上に円周方向に沿って所定間隔に
    て回転テーブルに圧接状態で配置された複数個の粉砕ロ
    ーラとを備えたローラミルにおいて、回転テーブルの外
    周部に沿って堰体(ダムリング)を、その高さを回転テ
    ーブルの円周方向に対し変化させて設けたことを特徴と
    する竪型ローラミル。
JP05070319A 1993-03-29 1993-03-29 竪型ローラミル Expired - Fee Related JP3115446B2 (ja)

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