JP3067812B2 - ローラミル装置 - Google Patents

ローラミル装置

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JP3067812B2
JP3067812B2 JP3004046A JP404691A JP3067812B2 JP 3067812 B2 JP3067812 B2 JP 3067812B2 JP 3004046 A JP3004046 A JP 3004046A JP 404691 A JP404691 A JP 404691A JP 3067812 B2 JP3067812 B2 JP 3067812B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はローラミル装置に係り、
特に低負荷時における振動を抑制し、低負荷域での運用
を可能とし、耐久性を増したローラミル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭焚きボイラでは、低公害燃焼(低N
Ox、低灰中未燃分)や広域負荷運用が行われ、それに
伴い微粉砕機(ミル)も性能向上が要求されている。
【0003】石炭、セメント原料あるいは新素材原料な
どの塊状物を細かく粉砕するミルの1つのタイプとし
て、回転するテーブルと複数個のローラで粉砕を行う竪
型のローラミルが広く用いられるようになり、最近では
代表機種の1つとしての地位を固めつつある。その概要
を本発明の一実施例を示す全体構成図である図1を借り
て説明する。
【0004】この種のミルは、円筒型としたハウジング
18の下部にあって電動機で駆動され減速機を介して低
速で回転する略円板状の回転テーブル3と、そのテーブ
ルの外周部の上面において円周方向へ等分する位置へ油
圧あるいはスプリング16等で圧加されて回転する複数
個の粉砕ローラ11を備えている。テーブルの中心へ原
料供給管(シュート)2より供給された被粉砕原料は、
テーブル上において遠心力により渦巻状の軌跡を描いて
テーブルの外周へ移動し、テーブルの粉砕レース5の上
面と粉砕ローラの間にかみ込まれて粉砕される。ミルハ
ウジングの下部には、ダクトを通して熱風8が導かれて
おり、この熱風がテーブルとハウジングの間にあるエア
スロート6bから吹き上がっている。粉砕後の粉粒体
は、エアスロートから吹き上がる熱風によってハウジン
グ内を上昇しながら乾燥される。ハウジングの上方へ輸
送された粉粒体は、粗いものから重力により落下し(1
次分級)粉砕部で再粉砕される。この1次分級部を貫通
したやや細かな粉粒体は、ハウジングの上部に設けたサ
イクロンセパレータあるいはロータリセパレータ(回転
分級機)19で再度分級される。所定の粒径より小さな
微粉は気流により排出ダクト21を経て搬送され、ボイ
ラでは微粉炭バーナあるいは微粉貯蔵ビンへと送られ
る。分級機を貫通しなかった所定粒径以上の粗粉は、テ
ーブル上へ重力により落下し、ミル内へ供給されたばか
りの原料(塊炭)とともに再度粉砕される。このように
して、ミル内では粉砕が繰返され、製品微粉が生成され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ローラミルを広域負荷
で運用しようとする場合、負荷切り下げにおいて問題と
なるのはミルの振動である。この振動現象は複雑であ
り、詳細な発生メカニズムまで明らかにされているわけ
ではないが、粉層とローラの滑りに起因する一種の摩擦
振動(ステック−スリップ運動)であるといわれてい
る。振動の種類としては、励振源をはっきりと特定でき
ないことから、自励振動の一種と考えることができる。
通常の石炭では、図13に示すように低負荷の運用時
(ミル内における石炭ホールドアップの少ない条件)に
この振動が激しくなるが、石炭種によってはかなり高負
荷時にも発生することがある。このような振動を起こし
易い石炭の粉砕性は、良好なものからかなり悪いものま
でさまざまである。したがって、石炭の粉砕性をもとに
振動を起こし易いか否かをあらかじめ予測することは難
しい。
【0006】図16は、従来式粉砕ローラの支持構造を
主として、断面図として示すものである。このような粉
砕ローラ1401とその支持機構を採用するローラミル
では、粉砕ローラ1401がローラブラケット1402
を介して、ローラピボット1403を支軸として、粉砕
ローラ1401が首振り可能なように支持されるもので
ある。この首振り機能は大変に重要であり、ミルの起動
時に一気に原料がミル内へ供給されたり、粉砕ローラ1
401が異物と衝突した場合、粉砕ローラ1401は首
を振ることによって衝撃を回避することができる。ま
た、粉砕ローラ1401や粉砕レース1409が摩耗し
たとき、粉砕ローラ1401がその摩耗変形に追従する
ように首を振ってずれるため、常に粉砕に対して好適な
粉砕ローラ1401と粉砕レース1409の位置関係が
保たれることになる。
【0007】一般に高負荷粉砕時には、粉砕ローラ14
01はほとんど首を振ることがない。上記したように、
ミルの起動時あるいは負荷上昇時などにおいて粉砕ロー
ラ1401が原料を活発にかみ込む場合には、粉砕ロー
ラ1401が首を振るものの、この首振り動作において
3個の粉砕ローラ1401は同期しない。このときミル
は振動するが、粉砕ローラ1401が同期しないため
に、卓越周波数がはっきりせず周波数分布がブロードな
いわゆる強制振動的なものであり、ミルの運用を妨げる
ことはない。
【0008】一方、ローラミルが激しく自励振動する場
合には、図14に示すように、粉砕ローラ1401は3
個ともほぼ同時に外側へ横ずれし(β)、次いで図15
のように上下に振動する(γ)。3個の粉砕ローラ14
01は、同期して(同位相で)一緒に上下振動する。こ
のような振動現象は、発明者らがミル内に変位計あるい
は加速度計を設置し、振動時に測定した結果に基づいて
いる。
【0009】以上から、ミルの振動を、粉砕部のハード
ウェアの工夫によって抑止しようとするには、3個の粉
砕ローラが同期して動く(同位相運動)ことを阻止する
ことが肝要であることがわかる。
【0010】本発明の目的は、以上のような考え方に基
づき、粉砕ローラが同期して首を振ったり、あるいは上
下振動したりするのを防止し、振動を起こすことなく広
域負荷あるいは多炭種での運用を可能にするローラピボ
ット装置とそれを搭載したローラミルを提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した本発明の目的
は、ハウジング内下方の水平面内を回転する回転テーブ
ルと、回転テーブル上面外周に設けた凹状溝リングより
なる粉砕レースと、粉砕レース上に配置した複数個の粉
砕ローラと、粉砕ローラを回転軸により回転可能にそれ
ぞれ支持するローラブラケットと、粉砕ローラをローラ
ブラケットを介して粉砕レース面に対し振り子状運動可
能にそれぞれ支持するローラピボットと、ローラピボッ
トを介してローラブラケットと粉砕ローラを下方に加圧
するプレッシャフレームとを有するローラミル装置にお
いて、ローラピボットと粉砕ローラの中心点との距離が
少なくとも1つ以上の粉砕ローラにおいて他の粉砕ロー
ラにおける距離と異ならせていることを特徴とするロー
ラミル装置、およびハウジング内下方の水平面内を回転
する回転テーブルと、回転テーブル上面外周に設けた凹
状溝リングよりなる粉砕レースと、粉砕レース上に配置
した複数個の粉砕ローラと、粉砕ローラを回転軸により
回転可能にそれぞれ支持するローラブラケットと、粉砕
ローラをローラブラケットを介して粉砕レース面に対し
振り子状運動可能にそれぞれ支持するローラピボット
と、ローラピボットおよびローラブラケットを介して粉
砕ローラを粉砕レース上に圧下するプレッシャフレーム
と、プレッシャフレームとローラブラケットの間に設け
られローラピボットを支持するローラピボット支持装置
とを備えたローラミル装置において、上記ローラピボッ
トの上下方向の支持位置を、少なくとも1つ以上の粉砕
ローラにおいて他の粉砕ローラと異ならせるごとくロー
ラピボット支持装置を構成したことを特徴とするローラ
ミル装置により達成される。
【0012】
【作用】本発明で対象とするように粉砕ローラの上方に
ローラピボットを設けるローラミルは、振動を開始する
とき薄い圧縮粉層上で横ずれぎみに首を振るが、上記し
た手段によって各粉砕ローラの首振り半径が異なれば、
各粉砕ローラが連動してすなわち同位相で上下振動する
ことがなくなる。したがって、ミルの運転続行が不可能
になるような激しい自励振動を防止できることになる。
たとえ、振動があったとしても振幅や加速度が著しく低
く、周波数分布もブロードな弱い強制振動に近いものへ
と、振動を改質することが可能になる。これによって、
ミルの広域負荷運用と多炭種対応が可能になる。
【0013】
【実施例】図1は、本発明になる粉砕ローラミル全体の
概略構成を示す断面図である。図2は、粉砕ローラの上
方からの視図である。このローラミルは、粉砕ローラ1
1が、そのシャフト10とローラブラケット9を介し
て、ローラピボット31(あるいは32)を支点として
振り子(首振り)運動が可能なように上方から一体構造
のプレッシャフレーム15によって押圧され、わずかな
傾斜角度(約15°)をもって粉砕リング4上に設置さ
れている。本発明のポイントは、このような粉砕ローラ
の支持点、つまりローラピボットの構造に関するもので
あるので、初めにこれを説明する。
【0014】本発明を具体化した粉砕ローラおよびその
支持装置は、図3〜図5に示すように(ここから部品の
番号等は、図3のものを用いて説明する)、ローラピボ
ット307と粉砕ローラ301の中心点319間の距離
0 が、図4の粉砕ローラ401におけるL1 、および
図5の粉砕ローラ501におけるL2 とは異なってい
る。すなわち、次の関係式が成り立つ。
【0015】
【数1】L0 ≠L1 ≠L2 ……(1) ここで粉砕ローラ301の中心点319とは、ローラピ
ボット307から回転テーブル314へ延ばした鉛直軸
311と、粉砕ローラ301の回転軸310および粉砕
ローラ301の断面中心軸312の交点である。本実施
例では、ローラピボット307を、上下両方向からピボ
ットボックス308ではさみ込むようにして装着してい
る。これら上下のピボットボックス308の上下方向の
高さを調整するスペーサ303の形状および上下寸法を
変化させて組合わせることによりローラピボット307
と粉砕ローラ301の中心点間の距離Lを、粉砕ローラ
301ごとに異ならせている。図3に示す粉砕ローラ3
01では、スペーサ303の上下がほぼ同じ大きさであ
り、L0 は3個の粉砕ローラの中では中間に当たる。図
4の粉砕ローラ401では、下側の背が高く上方は偏平
状のスペーサ403が用いられている。そのため、L1
は他のいずれの粉砕ローラにおけるそれよりも長い。図
5の粉砕ローラ501におけるスペーサ503は、図4
とは反対に、上側の背が高く下側が偏平である。すなわ
ち、図4におけるスペーサピースを逆にして用いること
になる。ローラピボット507と粉砕ローラ501の中
心点間の距離L2 は、3つの粉砕ローラの中で最も短
い。L0 、L1 およびL2 は、ここで標準とする長さL
0 に対する偏差が以下の関係になるごとく調整すること
が望ましい。
【0016】
【数2】 0.03<(L1 −L2 )/L0 <0.15 …(2−1)
【0017】
【数3】 0.03<(L0 −L2 )/L0 <0.15 …(2−2) 偏差が0.03より小さすぎると、粉砕ローラごとの周
期が似すぎて、位相をずらそうとする効果が望めなくな
ってしまう。一方、偏差が大きすぎると、各粉砕ローラ
の首振り量が著しく異なってしまうために、いわば不釣
り合いな強制振動が激しくなり、騒音が大きくなる危険
がある。本実施例では、ローラピボットの位置の調整を
スペーサを用いて行うために、各粉砕ローラを上方から
押圧設定するプレッシャフレームが回転テーブルと平行
である。したがって、各粉砕ローラには静的には均等の
荷重が加わることになる。粉砕ローラごとに、首振りの
状態が異なるために、動荷重の変動は微妙に異なってく
るが、これが、自励振動へ増幅しようとする粉砕ローラ
の動きを巧妙に打ち消し合っていくことになる。
【0018】順序が逆になったが、ここでローラミルの
全体構成を概説する。被粉砕原料1は、ミル上方の中心
にある原料供給管(センターシュート)2から供給さ
れ、ミルの下方で回転する回転テーブル3上へ落下す
る。回転テーブル3上の石炭には遠心力が作用し、回転
テーブル3の外周側へ送給され、回転テーブル3に装着
された環型の粉砕リング4の上面の略円型の溝、すなわ
ち粉砕レース5上において、粉砕時の摩擦によって回転
テーブル3とともに回転する粉砕ローラ11によって圧
縮粉砕される。粉砕されて生成した粉粒体は、回転テー
ブル3の外側とハウジング18の間にあるエアスロート
6(このエアスロートは、スロートベーン6aとシール
プレート6cおよび隙間であるエアスロート6bより構
成されている)より吹き込まれる熱風8によって乾燥さ
れながらミル上方へと運ばれる。これら粉粒体のうち、
粗いものは重力により落下し(1次分級)再粉砕され
る。この1次分級部を通過した粉粒体は、回転分級機1
9により強制的に遠心分級(2次分級)される。比較的
粗い粒子群は、遠心力で外側へ飛ばされ落下し再粉砕さ
れる。細かな粒子が回転分級機19の羽根の間を通り抜
けて、製品微粉排出ダクト21を通じてミルの系外へ搬
送され製品微粉として回収される。石炭の場合は、微粉
炭はそのまま微粉炭バーナへ空気輸送されるか(この空
気が燃焼用1次空気となる)、もしくはビンシステムの
場合は貯蔵ビンへと回収される。
【0019】前述したように、ローラミルの振動は、ロ
ーラで圧縮する粉層の厚さと深く関連している。ローラ
ミルを低負荷で運用しようとすると、振動を起こし易い
石炭の場合、図14で示したように、粉砕ローラは粉層
の上で横ずれするようにローラピボットを支軸として首
を振る。さらに激しい振動へ増幅する場合には、粉砕ロ
ーラにおけるこの振り子状の動きが、同じローラミル内
の各ローラにおいて同位相になる。しかし、本発明のよ
うに、ローラピボットと粉砕ローラの中心点との距離
を、粉砕ローラごとに異ならせれば、各粉砕ローラの首
振り(振り子)運動のそれぞれの位相をずらすことがで
きる。例えば、ある1つの粉砕ローラが、図14のよう
に横ずれを始めても、他の粉砕ローラ1401はこれに
同調しない。したがって、横ずれした粉砕ローラももと
の安定位置へと回復し、図15のような激しい上下振動
へと発達することがなくなる。本発明は、ローラピボッ
トとピボットボックスの位置を設定するためのスペーサ
を新たに挿入し、それらスペーサの高さ方向の形状を異
ならせることによって、すなわちハードウェアの工夫に
よって、激しい振動を抑止していこうとするものであ
る。本発明を具体化する場合、製造コストは、無対策の
従来技術の場合に較べて、位置調整用のスペーサを製作
する分だけ増加する。しかるに、複数のアキュムレータ
とそれに伴う油圧配管系で複雑な加圧機構を作り、多数
のインタロックを組み込んだ複雑な制御系統によって振
動を回避しようとするいわゆるソフト的な手法(具体的
には負荷に応じて加圧力を変える)に較べると、コスト
は格段に安くなる。
【0020】図6は、粉砕ローラ601の動きを模式的
に示したものである。粉砕ローラ601の動きは、やや
大げさに描いてある。ローラピボット602と粉砕ロー
ラ601の中心点605との距離、すなわち首振りの略
半径(厳密には半径に等しくない)Ln を変えることに
より、粉砕ローラごとに横ずれ方向の最大変位εn や上
下方向の最大変位ηn を変えることができる。Ln が大
きければ、εn やηn も当然大きくなる。
【0021】粉砕ローラごとに首振り状態が異なってい
ると、長期間に及ぶ操業の後には、粉砕ローラや粉砕レ
ースの摩耗状態が粉砕ローラごとに異なってくる。図
7、図8および図9は、粉砕ローラと粉砕レースにおけ
る摩耗状態をスケッチしたものである。図7は、図3に
示すように、振り子運動の略半径であるローラピボット
の中心点との距離Lを、標準条件に設定したときの摩耗
状態を示したものである。図8は、Lを大きくして振り
子運動の周期を長くしたものであり、幅が広く浅い摩耗
痕になる。図9は、Lを短くし、比較的短い周期で振り
子状の運動をしたときの摩耗痕である。本発明になるロ
ーラピボットの設置構造が、摩耗量を増加させることは
特にない。図12に示すように、本発明の場合は、従来
式(無対策の)ローラミルに較べて、相対摩耗量として
わずか2%ばかり高くなるにすぎない。本発明になるロ
ーラピボット設置構造における粉砕ローラの摩耗値は、
3個の粉砕ローラと粉砕リングの表面(粉砕レース)に
おける摩耗量の合計をもとに算出した。長期にわたる使
用の後には、粉砕ローラを相互に交換すれば、各粉砕ロ
ーラの摩耗形状が近づいてくる。例えば、図8と図9の
粉砕ローラを交換すればよい。これらの摩耗は、両者の
中間的なものへと次第に変化していくであろう。
【0022】図10は、ミル内の石炭ホールドアップと
振動の振幅の関係で試験結果をまとめ、本発明の実施例
(図1〜5)と従来技術(図16)を比較したものであ
る。縦軸の振幅δ0cは、従来式ミルにおける空回転(ミ
ル内が空で粉砕ローラと粉砕レースがメタルタッチする
条件)時の振幅δ0c * で割られて無次元化されている。
横軸のミル内石炭ホールドアップWは、定格負荷時のミ
ル内石炭ホールドアップW* で割られて無次元化されて
いる。無対策の従来式ローラミルにおいて激しい振動を
起こした低負荷の条件でも、本発明によって大幅に振幅
を低減できたことがわかる。3個の粉砕ローラの同位相
運動を防止することが、ローラミルの振動抑止に有効で
あることが、これで実証されたわけである。なお、高負
荷時には、粉砕ローラがほとんど首を振らない。したが
って、振幅にも差がない。また、ミル内に石炭がないメ
タルタッチのときには、本発明の具体化例の方が、従来
式よりもやや振幅が大きい。これは、各粉砕ローラの振
り子運動の位相が異なるため、いわゆる不釣り合いによ
る強制振動が幾分激しくなったためと考えられる。
【0023】粉砕ローラにおける首振りの略半径を変え
ても、粉砕性能(製品微粉の粒度)に悪影響は及ばさな
い。図11は給炭量に対する微粉粒度の変化を示したも
のである。縦軸の粒度qは定格負荷時における製品微粉
炭の粒度q* で割られて、また横軸の給炭量Cは定格負
荷時の給炭量C*で割られて、ともに無次元表示されて
いる。振動が問題となる低負荷の条件でも、本発明にな
るローラピボット装置を搭載したローラミルでは、従来
技術になるローラミルとほぼ同等の粒度が得られている
ことがわかる。粉砕ローラが振り子状の動きをほとんど
しない高負荷時では、当然のことではあるが製品微粉粒
度はほぼ同等である。
【0024】本発明になるローラピボット装置を利用し
た粉砕ローラを搭載するローラミルは、ここまで例とし
て取り上げ実施例を示した微粉炭焚きボイラ用のミル
や、あるいは石油コークス等固体燃料焚きボイラ用のミ
ルに限らず、セメント仕上げ用ミルや鉄鋼スラグ粉砕用
ミルもしくは高炉吹き込み微粉炭用のミルへもほぼ直接
適用することができる。特にセメントの分野では、最近
になり、特に厳しい品質管理と省エネルギー操業を推進
中のため、本発明になるローラミルはとりわけ有効と考
えられる。
【0025】
【発明の効果】本発明になるローラミルによれば、ロー
ラの滑りに起因するミルの振動を抑制できる。これによ
りミル装置の耐久性が向上し、ミル装置を備えたプラン
トの信頼性が高まる。
【0026】また、これにより低負荷での運用が可能と
なり、ミルの最低負荷をさらに切り下げることができ、
ミルを備えたボイラなどのプラントの運用範囲が拡大す
る。
【0027】さらに従来のローラミルでは振動を起こし
易かった石炭も、振動を起こすことなく粉砕することが
でき、火力発電プラントへの石炭種類の拡大が可能とな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すローラミルの全体構成
図。
【図2】図1のローラミルの粉砕ローラ部の上方からの
視図。
【図3】、
【図4】および
【図5】本発明におけるローラピボット部の構造図。
【図6】、
【図7】、
【図8】および
【図9】本発明のローラミルにおけるローラピボット装
置の機能説明図。
【図10】、
【図11】および
【図12】本発明ミルの試験結果図。
【図13】、
【図14】および
【図15】従来技術のミルの問題点説明図。
【図16】従来のローラミルにおけるピボット装置の構
造図。
【符号の説明】
1…被粉砕原料、2…原料供給管、3…回転テーブル、
4…粉砕リング、5…粉砕レース、7…圧縮粉層、8…
熱風、9…ローラブラケット、10…シャフト、11…
粉砕ローラ、13…ピボットボックス、14…スペー
サ、15…プレッシャフレーム、16…スプリング、1
7…スプリングフレーム、18…ハウジング、30…粉
砕ローラ中心点、31、32…ローラピボット、34…
首振り半径。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金本 浩明 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 長谷川 忠 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 田岡 善憲 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社 呉工場内 (56)参考文献 特開 平2−99149(JP,A) 特開 平2−261554(JP,A) 実開 昭62−109743(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 15/00 - 15/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内下方の水平面内を回転する
    回転テーブルと、回転テーブル上面外周に設けた凹状溝
    リングよりなる粉砕レースと、粉砕レース上に配置した
    複数個の粉砕ローラと、粉砕ローラを回転軸により回転
    可能にそれぞれ支持するローラブラケットと、粉砕ロー
    ラをローラブラケットを介して粉砕レース面に対し振り
    子状運動可能にそれぞれ支持するローラピボットと、ロ
    ーラピボットを介してローラブラケットと粉砕ローラを
    下方に加圧するプレッシャフレームとを有するローラミ
    ル装置において、ローラピボットと粉砕ローラの中心点
    との距離が少なくとも1つ以上の粉砕ローラにおいて他
    の粉砕ローラにおける距離と異ならせていることを特徴
    とするローラミル装置。
  2. 【請求項2】 請求項(1)において、各粉砕ローラに
    ついてのローラピボットと粉砕ローラの中心点間距離の
    偏差を、3%以上、15%以下としたことを特徴とする
    ローラミル装置。
  3. 【請求項3】 ハウジング内下方の水平面内を回転する
    回転テーブルと、回転テーブル上面外周に設けた凹状溝
    リングよりなる粉砕レースと、粉砕レース上に配置した
    複数個の粉砕ローラと、粉砕ローラを回転軸により回転
    可能にそれぞれ支持するローラブラケットと、粉砕ロー
    ラをローラブラケットを介して粉砕レース面に対し振り
    子状運動可能にそれぞれ支持するローラピボットと、ロ
    ーラピボットおよびローラブラケットを介して粉砕ロー
    ラを粉砕レース上に圧下するプレッシャフレームと、プ
    レッシャフレームとローラブラケットの間に設けられロ
    ーラピボットを支持するローラピボット支持装置とを備
    えたローラミル装置において、上記ローラピボットの上
    下方向の支持位置を、少なくとも1つ以上の粉砕ローラ
    において他の粉砕ローラと異ならせるごとくローラピボ
    ット支持装置を構成したことを特徴とするローラミル装
    置。
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