JPH04260454A - ローラミルのローラブラケツト装置 - Google Patents

ローラミルのローラブラケツト装置

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JPH04260454A
JPH04260454A JP3900191A JP3900191A JPH04260454A JP H04260454 A JPH04260454 A JP H04260454A JP 3900191 A JP3900191 A JP 3900191A JP 3900191 A JP3900191 A JP 3900191A JP H04260454 A JPH04260454 A JP H04260454A
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Japan
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roller
bracket
spring
mill
crushing
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JP3900191A
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English (en)
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Kazunori Satou
一教 佐藤
Nobuyasu Meguri
信康 廻
Kazunori Shoji
正路 一紀
Hiroaki Kanemoto
浩明 金本
Yoshinori Taoka
善憲 田岡
Tadashi Hasegawa
忠 長谷川
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転するテーブルと粉
砕ローラにより石炭等の固体燃料,石灰石,セメントク
リンカあるいは各種化学製品の固体原料を微粉砕するロ
ーラミルの振動抑止技術に係わり、特に粉砕ローラを上
方から首振り式に支持する構造のローラミルにおけるロ
ーラブラケツト装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭焚きボイラでは、低公害燃焼(NO
xと灰中未燃分の低減)や広域負荷運用技術が推進され
ており、これに伴い微粉炭機(ミル)も高い粉砕性能が
求められるようになつた。石炭,セメント原料あるいは
新素材原料などの塊状物を細かく粉砕するミルの一タイ
プとして、回転するテーブルと複数個のローラで粉砕す
る竪型のローラミルが広く用いられるようになり、最近
では代表機種の一つとしての地位を固めつつある。
【0003】このタイプのミルは、円筒型をしたハウジ
ングの下部にあつて電動機で駆動され減速機を介して低
速で回転する略円板状の粉砕テーブルと、そのテーブル
の外周部の上面において円周方向へ等分する位置へ油圧
あるいはスプリング等で圧加されて回転する複数個の粉
砕ローラを備えている。これらの粉砕ローラは、粉砕ロ
ーラと回転テーブルの間で圧縮される原料との間に生じ
る摩擦力によつて回転する。テーブルの中心へシユート
より供給された被粉砕原料は、テーブル上において遠心
力によりうず巻状の軌跡を描いてテーブルの外周へ移動
し、テーブルの粉砕レース面と粉砕ローラの間にかみ込
まれて粉砕される。ミルハウジングの下部には、ダクト
を通して熱風が導かれており、この熱風がテーブルとハ
ウジングの間にあるエアスロートから吹き上がつている
。粉砕されて生成した粉粒体は、エアスロートから吹き
上がる熱風によつてハウジング内を上昇しながら乾燥さ
れる。
【0004】ハウジングの上方へ輸送された粉粒体は、
粗いものから重力によつて落下し(1次分級)粉砕部で
再粉砕される。この1次分級部を貫通したやや細かな粉
粒体は、ハウジングの上部に設けたサイクロンセパレー
タあるいはロータリセパレータ(回転分級機)で再度分
級される。所定の粒径より小さな微粉は気流により搬送
され、ボイラでは微粉炭バーナあるいは微粉貯蔵ビンへ
と送られる。分級機を貫通しなかつた所定粒径以上の粗
粒は、重力によりテーブル上へ落下し、1次分級により
戻された粗粒やミル内へ供給されたばかりの原炭(塊炭
)とともに再度粉砕される。このようにしてミル内では
粉砕が繰り返され、製品微粉が生成されていく。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ローラミルを低負荷で
運用しようとする場合、負荷の切り下げにおいて問題と
なるのはミルの振動である。この振動現象は複雑であり
、詳細なメカニズムまで明らかにされている訳ではない
が、炭層とローラのすべりに起因する一種の摩擦振動(
不連続非線形振動の代表として知られるステイツク−ス
リツプ運動)であるといわれている。振動のタイプとし
ては振動源をはつきりと特定できないことから、また振
動波形がスパイク状になることから、自励振動の一種と
も考えることができる。
【0006】通常の石炭では、図14に示すように、低
負荷運用時(ミル内における石炭ホールドアツプの少な
い条件)にこの振動が激しくなるが、石炭種によつては
かなりの高負荷時にも発生することがある。このような
振動を起こしやすい石炭の粉砕性は、良好なものからか
なり悪いものまでさまざまである。したがつて、石炭の
粉砕性のみで、振動を起こしやすいか否かをああらかじ
め予測することは一般に難しい。
【0007】図17は、従来式粉砕ローラの支持構造を
断面図として示したものである。このタイプのローラミ
ルでは、ローラブラケツト1402を介して、ローラピ
ボツト1408を支軸として、粉砕ローラ1401が首
振り可能なように支持される。この首振り機能は大変に
重要であり、粉砕ローラ1401が鉄片等粉砕されにく
い異物をかみ込んだ場合、粉砕ローラ1401は首を振
ることによつて衝突を回避することができる。また、粉
砕ローラ1401や粉砕レース1413が摩耗したとき
には、適切な押圧位置(粉砕ローラ1401と粉砕レー
ス1413との位置関係)を自動調心的に見付け出す作
用も、この首振り機能にはある。一般に高負荷粉砕時に
は、粉砕ローラ1401は殆ど首を振ることがない。上
記したように、ミルの起動時あるいは負荷上昇時などに
おいて粉砕ローラ1401が原料を活発にかみ込む場合
には、粉砕ローラ1401は首を振るものの、この首振
り動作において3個の粉砕ローラの動きは同期しない。 このときミルは振動しかけるが、粉砕ローラ1401が
同期しないために卓越周波数は特定できず、周波数分布
がブロードな、いわゆる強制振動的なものであり、ミル
の運用を妨げることはない。
【0008】一方、ローラが激しく自励振動する場合に
は、図15に示すように、粉砕ローラ1401は3個と
もほぼ同時に外側へ横ずれし(α)、次いで図16のよ
うに上下に振動する。3個の粉砕ローラは、同期して(
同位相で)一緒に上下振動する。このような振動現象は
、発明者らが、パイロツトスケールのローラミル内に変
位計あるいは加速度計を設置し振動時に測定した結果に
基づいている。以上から、ミルの振動を、粉砕部のハー
ドウエアの工夫によつて抑止しようとするには、3個の
粉砕ローラが同期して動くことすなわち同位相運動を阻
止することが肝要であることが分かる。
【0009】なお、図15、図16、図17において、
1403はローラシヤフト、1404はローラ回転軸、
1405はシールプレート、1406はローラ断面軸、
1407はピボツトボツクス、1409はプレツシヤフ
レーム、1410はスプリング、1411はスプリング
フレーム、1412は粉砕リング、1414は回転テー
ブル、1415は回転軸、1416は被粉砕原料、14
17は圧縮紛層、1418は鉛直軸である。本発明は上
述の如き背景に基づいてなされたものであり、粉砕ロー
ラが同期して首を振つたり、あるいは上下振動する運動
を防止し、振動を起こすことなく広域負荷あるいは多炭
種での運用を可能にするローラミルのローラブラケツト
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した問題を解決する
ためには、同一ミル内の複数の粉砕ローラの同位相運動
を抑止できれば、自励振動の防止が可能になるという考
え方に基づき、本発明では、加圧フレームとローラブラ
ケツトを、粉砕ローラの後方つまりミルハウジング側に
おいてスプリング(ここではブラケツトスプリングと呼
ぶ)により連接する。正常粉砕時には作動せず、ローラ
が急激な横ずれ状の首振りを起こしかけたときだけ収縮
し、粉砕ローラに首振り運動へ対抗する反力が加わるよ
うに、このブラケツトスプリングを設定する。このブラ
ケツトスプリングは、そのバネ定数が、粉砕ローラごと
あるいは同一のローラでもローラの回転軸を挟んで設け
た対によつても異なるように構成されている。
【0011】このようにすれば、粉砕ローラが首振り状
の運動を起こしかけた際、各粉砕ローラの横ずれ変位量
が異なつてくる。粉砕ローラごとに、首振りの振幅ある
いは周期が異なることで、粉砕ローラごとの同位相運動
すなわち自励振動を防止することが可能になる。正常運
用時には、ブラケツトスプリングが作用しないように、
つまり加圧フレームとローラブラケツトが、どの粉砕ロ
ーラでもほぼ平行で同一隙間となるようにブラケツトス
プリングを構成しなければならない。つまりブラケツト
スプリングは、無荷重時の長さを同一にしなければなら
ない。このような限定された条件でバネ定数を変えるに
は、スプリングコイルの線径,巻き径,材質等を変える
必要がある。
【0012】なお、各粉砕ローラのバネ定数は、決して
同一にならないように注意しなければならない。同一バ
ネ定数の場合、ブラケツトスプリングが新たな自励振動
系となつて、ミル全体の振動が却つて激しくなつてしま
う可能性がある。
【0013】
【作用】前述したように、ブラケツトスプリングのバネ
定数を異ならせることによつて、粉砕ローラに生じる突
発的な横ずれ(この現象は、炭層内部の摩擦力低下に起
因する。炭層内の摩擦特性は、炭種によつてかなりの違
いがある)時において、スプリングに加わる荷重が同一
であつても横ずれする距離つまり首振り運動の振幅もし
くは周期が粉砕ローラごとに異なつてくる。このように
して、各粉砕ローラの首振り動作における位相がずれる
ため、たとえ振動が生じたとしても、卓越周波数が特定
できない、いわゆる強制振動的なものとなる。この振動
は、比較的エネルギーレベルが低くミルの運用上の支障
はない。何れにせよ、粉砕ローラにおける首振り動作の
各位相をキヤンセルすることによつて、激しい自励振動
へ発達するのを未然に防止することが可能になる。この
ようにして、ミルの最低負荷切り下げが可能になり、幅
広い負荷範囲における安定運用が達成される。
【0014】
【実施例】本発明の特徴は、ローラブラケツト装置を中
心とするローラミルの粉砕部構造に関するものであり、
これらをはじめに説明する。図1に示すように、本発明
で対象とするローラミルでは、粉砕ローラ4のローラシ
ヤフトはローラブラケツト8によつて支持されている。 図2あるいは図3に示すように、このローラブラケツト
208は、特定の傾斜角度で折れ曲がつており、ローラ
ブラケツト208の上方部には、ローラピボツト207
がピボツトボツクス206を介して装着されている。こ
のローラピボツト207が、粉砕ローラの振り子運動の
支点であると同時に、収縮された(テンシヨンロツドに
よつて調整)加圧用スプリング15(図1)によつて加
えられる粉砕荷重の伝達点になつている。
【0015】本発明の実施例になるローラミルでは、図
2に示すように、ローラブラケツト208のハウジング
19(図1)側に、ブラケツトスプリング201を設け
ている。このブラケツトスプリング201はコイル状で
あり、ローラブラケツト208に装着したスプリング用
ベースメント202に直立させたスプリングガイドロツ
ド205に通して設置されている。ブラケツトスプリン
グ201の上方には、リング204が乗せるように設け
られている。またブラケツトスプリング201の外側、
すなわちハウジング19(図1)側には、ブラケツトス
プリング201が高濃度の石炭粒子群にさらされて摩耗
してしまわないようにスプリングカバー210が設けら
れている。このブラケツトスプリング201は、粉砕ロ
ーラが正常な位置にあるときには、加圧力が作用せずフ
リーに保たれている。粉砕ローラが何らか(給炭量の変
化、熱風量や温度の変動、あるいは各種電磁弁開閉等の
衝撃など)の切つ掛けで首を振り、ローラブラケツト2
08が振り子状に動いたときに、加圧フレーム209の
外側に設けたスプリング圧縮部材203がリング204
を押しつけるようにして、ブラケツトスプリング201
が収縮する。図3は、ローラブラケツト208が傾き、
ブラケツトスプリング201が収縮したときの状態を示
したものである。
【0016】なお、図1において、1は被粉砕原料、2
は原料供給管(センターシユート)、3は回転テーブル
、5はローラ回転軸、6はローラ鉛直軸、7はローラ断
面中心軸、9はシールプレート、10はブラケツトスプ
リング、11はスプリングカバー、12はピボツトボツ
クス、13はローラピボツト、14は加圧フレーム、1
6はスプリングフレーム、17は回転分級機、18は製
品微粉排出ダクト、20はスロートベーン、21はスロ
ツトシールプレート、22は熱風、23は粉砕リング、
24は粉砕レース、25は被粉砕原料、26は圧縮粉層
である。また、図2、図3において、206はピボツト
ボツクスである。
【0017】図4は、ミル粉砕部の上面図であり、ブラ
ケツトスプリングbs−1〜bs−3の配置を示したも
のである。各ブラケツトスプリングbs−1〜bs−3
は、何れもローラ回転軸に対して左右対称に2個ずつ設
けられている。この例では、同一のローラブラケツトB
−1〜B−3において、対に設けられたブラケツトスプ
リングのバネ定数は等しい。例えば、ローラブラケツト
B−1に設けた2つのブラケツトスプリングbs−1の
バネ定数は等しく設定されている。一方、このバネ定数
はローラブラケツトごとに異ならせてある。つまりブラ
ケツトスプリングbs−1〜bs−3のバネ定数は次の
ようにすべて異なる訳である。
【数1】k1 ≠k2 ≠k3 この実施例になるミルの粉砕部では、バネ定数の異なる
3種類のブラケツトスプリングが2本ずつ合計6本設置
されていることになる。なお、図4において、301は
加圧フレーム、302はローラ回転軸、303はテーブ
ル回転軸、304はスプリングカバーである。
【0018】図5に示す実施例では、6個のブラケツト
スプリングbs−1〜bs−6のバネ定数k1 〜k6
 を、次の数2のように全て異ならせている。
【数2】ki ≠ki+1 (ただしi=1〜5)この
実施例におけるバネ定数kの偏差は最大でも30%であ
る。つまり、
【数3】(kM A X −km i n )/kM 
A X <0.3なお、図5において、401は加圧フ
レーム、402はローラ回転軸、403はテーブル回転
軸、404はスプリングカバーである。
【0019】図6に示す実施例は、各ローラブラケツト
B−1〜B−3にバネ定数の異なるブラケツトスプリン
グをそれぞれbs−1〜bs−3を設けているが、各々
のローラブラケツトに対しミルハウジング側から見てロ
ーラ回転軸502の右側のブラケツト肩上にのみブラケ
ツトスプリングを設置した例である。なお、図6におい
て、501は加圧フレーム、503はテーブル回転軸、
504はスプリングカバーである。
【0020】図7の実施例は、図6の例と同様に、各ロ
ーラブラツトB−1〜B−3に対し一つのブラケツトス
プリングにそれぞれbs−1〜bs−3を装着するもの
の、図6の例とは異なり、設置位置の規則性をなくした
例である。ローラブラツトB−1では、ミルハウジング
側から見てローラ回転軸502の右肩の位置にブラケツ
トスプリングbs−1を設けているのに対し、ローラブ
ラケツトB−2では逆に左肩の位置にブラケツトスプリ
ングbs−2を備えている。図6あるいは図7の具体例
のように、各ローラブラツトにおいて、左右何れかの肩
位置にブラケツトスプリングを設けると、何らかの切つ
掛けで粉砕ローラが首を振り掛けた場合、加圧フレーム
501が一瞬傾く。すなわち、ブラケツトスプリングb
s−1の作用する側が、ブラケツトスプリングのない位
置に比べて首振り量が少なくなり、結果的に粉砕ローラ
にはねじり方向の力が作用し、図8のように加圧フレー
ム501が傾斜する。このような動きも、粉砕ローラに
生じる同位相運動の防止には効果的である。ただし、ロ
ーラピボツト510がピボツトボツクス509から外れ
てしまうような極端な場合は除外する。ローラピボツト
510には、ピボツトボツクス509から外れるような
動きは極めて起きにくい。したがつて、加圧フレーム5
01の傾き角度(図中ではφで表している)は実質的に
かなり小さな値(1〜2°)となる。なお、図8におい
て、511は粉砕ローラ、512は粉砕レース、513
は鉛直軸である。
【0021】図9と図10は、ブラケツトスプリング6
03のバネ定数を変化させた場合における粉砕ローラの
動きを比較したものである。図9の例は、ブラケツトス
プリングのバネ定数kが大きい場合である。粉砕ローラ
601が、粉砕レース614上の圧縮粉層616ととも
に横ずれするようにすべり、外側へ首を振るように動く
と、ブラケツトスプリング603には荷重が急激に加わ
る。この場合、ブラケツトスプリング603は収縮する
が、バネ定数kが大きいために、スプリングの収縮量は
相対的に小さく、バネ定数kの小さなブラケツトスプリ
ングを装着した粉砕ローラに比べると、首振り量(=l
:横ずれした距離)や首振り角度θは相対的に小さい。
【0022】一方、図10のように、ブラケツトスプリ
ング603のバネ定数kが小さい場合には、同じように
急激な荷重変化を受けると、ブラケツトスプリング60
3はかなり収縮し、図9の例のようなバネ定数kの大き
な場合に比べると、首振り量は大きくなる。このように
ブラケツトスプリング603のバネ定数kを変化させる
ことによつて、同一ミル内の粉砕ローラの首振り量が異
なつてくる。たとえ、ある一つの粉砕ローラが横ずれす
るように首を振り、自励振動を起こし掛けても、他の粉
砕ローラは、首振りの振幅や首振りの周期が異なるため
に、首振り状の動きに追従することはなく、むしろ首振
り状の動作をキヤンセルするように作用する。結果的に
、本実施例のようにブラケツトスプリング603を粉砕
ローラ601ごとに異ならせることで、同一ミル内の全
てのローラが同期して動くことつまり同位相運動によつ
て自励振動へ増幅することも巧妙に防止できる訳である
【0023】ここでは図4の例の機能について述べたが
、同一ミル内の全てのブラケツトスプリングのバネ定数
kを異ならせる場合(図5)や、各粉砕ローラでブラケ
ツトスプリングを左右対に設けず1個のみとし、それら
のバネ定数kを粉砕ローラごとに変化させた場合(図6
と図7)においても、ブラツトスプリングによる基本的
な作用は同じである。なお、図9、図10において、6
02はローラブラケツト、604は加圧フレーム、60
5は加圧用スプリング、606はスプリングフレーム、
607はピボツトボツクス、608はローラピボツト、
609はローラ回転軸、610はローラ断面中心軸、6
11はローラ鉛直軸、612は回転テーブル、613は
粉砕リング、614は粉砕レース、615は被粉砕原料
、616は圧縮粉層である。
【0024】図11は、ミル内における石炭ホールドア
ツプに対する振動の振幅の変化をまとめ、本発明の実施
例と従来例とを比較したものである。縦軸の振幅δo 
c は、メタルタツチ(石炭の全くない空回転)時の振
幅δo c で割られて無次元化されている。一方、横
軸のホールドアツプWは、ミルが定格負荷で運用された
ときのホールドアツプWで割られて無次元化されている
。この実験は、振動を起こしやすい石炭を対象としたも
のである。従来技術では、低負荷帯(w/w≒0.25
)で著しく振幅が大きいのに対し、本発明になるローラ
ブラケツト装置を用いた場合には、大幅な振動の低減が
可能であることが確認された。本発明になる粉砕部構造
のローラミルでも、w/w≒0.25で振幅が大きくな
るが、これは強制振動の一タイプであると考えられる。 本発明の実施例では、メタルタツチするときの振幅が従
来例よりもやや大きい。これは、本発明の実施例におい
て設けたブラケツトスプリングの作用により発生したラ
ンダム変動荷重に起因する、言わば強制振動的な不釣合
振動のためと考えられる。
【0025】図12は、振動を起こしにくい石炭を利用
した試験結果であり、図11と同様にして両軸を無次元
化して、ホールドアツプと振幅の関係をまとめている。 図11に示したような振動を起こしやすい石炭の例と比
べて、従来技術でも振幅はかなり小さいものの、それで
もやはりδo c /δo c ≒2.8の振動が生じ
ている。 これに対して、本発明を具体化したローラブラケツト装
置を用いれば、かなり低いレベルにまで振幅δoc を
低減できることがわかる。
【0026】図13は、給炭量に対する製品微粉粒度の
変化を示したものである。縦軸のqは、定格給炭量Qの
ときの従来式ミルにおける基準粒度qで割られて無次元
化されている。横軸も定格給炭量Qで割られて無次元表
示されている。一般に、粒度qは給炭量Qの増加に反比
例して低下する。本発明になる実施例では、従来式ロー
ラミルと比較して、製品微粉の粒度が殆ど同等であるこ
とが判明した。つまり、本発明で具体化した程度のロー
ラブラケツト装置の構造改良では、粉砕性能に大きな違
いが現れないことが分かる。
【0027】本発明になるローラブラケツト装置を搭載
するローラミルは、ここまで例として取り上げ実施例を
示した微粉炭焚きボイラ用のミルや、石油コークス等固
体燃料焚きボイラ用のミルに限らず、セメント仕上げ用
ミルや銑鋼スラグ粉砕用ミルもしくは高炉吹き込み微粉
炭製品用のミルへも略直接適用することができる。最近
になり、セメントの分野では、特に厳密な品質管理と省
エネルギ操業を推進中であるので、本発明になるローラ
ブラケツト装置を備えるローラミルは、とりわけ有効と
考えられる。
【0028】
【発明の効果】本発明は、上述の如くローラブラケツト
装置を搭載したことにより以下の効果を奏する。 (1)ローラのすべりに起因するミルの振動を防止でき
る。これによつて、ミル自身を含む各種周辺機器類の耐
久性が向上する。また火力プラント全体の信頼性が高ま
る。 (2)低負荷運用が可能となり、ミルの最低負荷をさら
に切り下げることができる。これによつて、ボイラの運
用範囲が拡大する。低負荷運用域において石炭専焼が可
能になることから、助燃用の石油系燃料の消費量を低減
できる。したがつて、火力プラント全体をより経済的に
運用できるようになる。 (3)激しい振動を起こしがちな石炭,ローラやレース
へ付着しやすい石炭あるいは単位重量当たりの発熱量が
高くミルが低負荷運用になりがちな石炭でも、振動回避
の運用が可能になる。このようにして火力プラント全体
へ適用可能な石炭種の範囲が大幅に拡大する。 (4)振動の抑止は、加圧力,テーブルや回転分級機の
回転速度を制御することによつても可能である。しかし
ながら、加圧機構も複雑になるし、モータも大型の機種
を低効率の条件で使わざるを得なくなる。また制御系も
複雑になものとなる。これに対し本発明は、粉砕部のハ
ードウエアのみの工夫で振動を抑制する方法であるので
、トータルコスト低減の観点からは大変有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るローラミル全体の構成
図である。
【図2】そのローラブラケツトの構成図である。
【図3】そのローラブラケツトの構成図である。
【図4】そのミル粉砕部の第1の実施例の上面図である
【図5】そのミル粉砕部の第2の実施例の上面図である
【図6】そのミル粉砕部の第3の実施例の上面図である
【図7】そのミル粉砕部の第4の実施例の上面図である
【図8】加圧フレームの傾き角度を示す模式図である。
【図9】ブラケツト装置における挙動メカニズムを示す
模式図である。
【図10】ブラケツト装置における挙動メカニズムを示
す模式図である。
【図11】本発明の効果を示す試験結果の特性図である
【図12】本発明の効果を示す試験結果の特性図である
【図13】本発明の効果を示す試験結果の特性図である
【図14】従来のローラミルにおける振動発生域を示す
特性図である。
【図15】同、ローラの動きを示す模式図である。
【図16】同、ローラの動きを示す模式図である。
【図17】従来のローラブラケツト装置の構成図である
【符号の説明】
1  被粉砕材料 2  原料供給管 3  回転テーブル 4  粉砕ローラ 5  ローラ回転軸 6  ローラ鉛直軸 7  ローラ断面中心軸 8  ローラブラケツト 9  シールプレート 10  ブラケツトスプリング 11  スプリングカバー 12  ピボツトボツクス 13  ローラピボツト 14  加圧フレーム 15  加圧用スプリング 16  スプリングフレーム 17  回転分級機 18  製品微粉排出ダクト 19  ハウジング 20  スロートベーン 21  スロートシールプレート 22  熱風 23  粉砕リング 24  粉砕レース 25  被粉砕原料 26  圧縮粉層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  水平面上で垂直軸のまわりに回転する
    回転テーブルと、回転テーブルの外周側上面の粉砕レー
    スに円周面を押圧されて回転する複数個の粉砕ローラに
    より被粉砕原料を圧縮粉砕するローラミルのローラブラ
    ケツト装置において、粉砕ローラのシヤフト支持部を有
    するローラブラケツトと、粉砕ローラの振り子運動の支
    軸となるローラピボツトを介してローラブラケツトを上
    方から加圧する加圧フレームの間に、ローラの振り子運
    動により収縮するスプリングを装着したことを特徴とす
    るローラミルのローラブラケツト装置。
  2. 【請求項2】  請求項1の記載において、バネ定数を
    異ならせた複数個のブラケツトスプリングを装着するこ
    とを特徴とするローラミルのローラブラケツト装置。
  3. 【請求項3】  請求項1の記載において、ブラケツト
    スプリングを、ローラブラケツトの外側のミルハウジン
    グ側に装着するとともに、ブラケツトスプリングに粉粒
    体衝突防止用のカバーを備えることを特徴とするローラ
    ミルのブラケツト装置。
  4. 【請求項4】  請求項1の記載において、ブラケツト
    スプリングを、ローラ回転軸を中心に対称に装着したこ
    とを特徴とするローラミルのローラブラケツト装置。
  5. 【請求項5】  請求項4の記載において、同じローラ
    ブラケツトにおけるブラケツトスプリングのバネ定数を
    異ならせたことを特徴とするローラミルのブラケツト装
    置。
  6. 【請求項6】  請求項1の記載において、ローラブラ
    ケツトのローラ回転軸に対し左右の少なくとも一方にの
    みブラケツトスプリングを装着することを特徴とするロ
    ーラミルのローラブラケツト装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006315018A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Nissan Motor Co Ltd 押圧装置および押圧方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006315018A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Nissan Motor Co Ltd 押圧装置および押圧方法
JP4735029B2 (ja) * 2005-05-11 2011-07-27 日産自動車株式会社 押圧装置

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