JP3112566B2 - ローラミル - Google Patents

ローラミル

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JP3112566B2
JP3112566B2 JP04145860A JP14586092A JP3112566B2 JP 3112566 B2 JP3112566 B2 JP 3112566B2 JP 04145860 A JP04145860 A JP 04145860A JP 14586092 A JP14586092 A JP 14586092A JP 3112566 B2 JP3112566 B2 JP 3112566B2
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善憲 田岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転するテーブルと粉
砕ローラの連動により、石炭等の固体燃料、石灰石、セ
メントクリンカ、あるいは各種化学製品の原料を微粉砕
するローラミルに係わり、特に粉砕ローラを首振り式に
支持する構造のローラミルにおいて、振動を防止するこ
とを目的としたローラとリングセグメントの構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】石炭焚きボイラにおいても、低公害燃焼
(低NOx、高効率燃焼)や広域負荷運用(給炭量の変
化幅拡大)が実施され、それに伴い、微粉砕機(以下ミ
ルと略称する)も高性能化が要求されるようになつた。
【0003】石炭、セメント原料、あるいは新素材原料
などの塊状物を細かく粉砕するミルの一つのタイプとし
て、回転する粉砕テーブルと複数のローラとを備えた竪
型ローラミルが用いられ、最近では代表機種の一つとし
ての地位を固めつつある。
【0004】この種のミルは、円筒型ハウジング内の下
部にあつて減速機を有するモータで駆動され、水平面上
で低速回転する略円板状の粉砕テーブルと、その上面外
周部を円周方向へ等分する位置へ油圧あるいはスプリン
グ等で圧加されて回転する複数個の粉砕ローラを備えて
いる。
【0005】粉砕テーブルの中心部へ供給管(シユー
ト)より供給される被粉砕物は、粉砕テーブルの回転と
遠心力とによつてテーブル上をうず巻状の軌跡を描いて
外周部へ移動し、粉砕テーブルの粉砕レース面と粉砕ロ
ーラ間にかみ込まれて粉砕される。
【0006】ミルハウジングの基底部には、ダクト内を
送られてきた熱風が導かれており、この熱風が粉砕テー
ブルの外周部とミルハウジングの内周部との間のエアス
ロートから吹き上がつている。粉砕されて生成した粉粒
体は、エアスロートから吹き上がる熱風によつてミルハ
ウジング内を上昇しながら乾燥される。
【0007】ミルハウジングの上部へ輸送された粉粒体
は、粗いものから重力により落下し(1次分級)、そこ
を貫通したやや細かな粉粒体は、ミルハウジングの上部
に設けたサイクロンセパレータあるいは回転分級機で再
度分級され、所定の粒径以下の微粉は熱風によつて搬送
され、ボイラでは微粉炭バーナあるいは微粉貯蔵ビンへ
と送給される。
【0008】分級機を貫通することの無い所定粒径以上
の粗粉は、粉砕テーブル上に落下し、ミル内へ供給され
たばかりの原料とともに再度粉砕される。このようにし
て、粉砕ローラによつて粉砕が繰り返される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ローラミルを低負荷で
運用しようとする場合、負荷の切り下げにおいて問題と
なるのはミルの振動である。この振動現象は複雑であ
り、詳細なメカニズムまで明らかにされている訳ではな
いが、炭層とローラのすべりに起因する一種の摩擦振動
(不連続、非線形振動の代表として知られるステイツク
−スリツプ運動)であると考えられる。
【0010】振動のタイプとしては励振源をはつきりと
特定できないことから、また振動波形がスパイク状にな
ることから、自励振動の一種と言える。通常の石炭で
は、図13に示すように、低負荷運用時(ミル内におけ
る石炭ホールドアツプの少ない条件)にこの振動が激し
くなるが、石炭種によつてはかなりの高負荷時にも発生
することがある。
【0011】図16は、従来式粉砕ローラの支持構造を
断面図として示したものである。このタイプのローラミ
ルでは、ローラブラケツト1605を介して、ローラピ
ボツト1607を支軸として、粉砕ローラ1601が首
振り可能なように支持される。この首振り機能は大変に
重要であり、粉砕ローラ1601が鉄片等、粉砕されに
くい異物をかみ込んだ場合、粉砕ローラ1601は首を
振ることによつて衝撃を回避することができる。また、
粉砕ローラ1601や粉砕レース1617が磨耗した時
には、磨耗による形状変化に応じて押圧位置(粉砕ロー
ラ1601と粉砕レース1617の位置関係)を適切に
変化させる機能が、この首振り構造にはある。
【0012】一般に高負荷粉砕時には、粉砕ローラ16
01は殆ど首を振ることが無い。上記したように、ミル
の起動時あるいは負荷上昇時などにおいて、粉砕ローラ
1601が原料を活発にかみ込む場合には、粉砕ローラ
1601は首を振るものの、この首振り動作において3
個の粉砕ローラの動きは同期しない。
【0013】この時、ミルは振動しかけるが、粉砕ロー
ラ1601が同期しないために卓越周波数は特定でき
ず、周波数分布がブロードな、いわゆる強制振動的なも
のであり、ミルの運用を妨げることはない。
【0014】なお、図16において、1602はローラ
回転軸、1603は断面中心軸、1604は鉛直軸、1
605はローラブラケツト、1606,1608はピボ
ツトボツクス、1609は加圧用スプリング、1610
はスプリングフレーム、1611はローラシヤフト、1
612はハウジング、1613はシールリング、161
4はスロートベン、1615は回転テーブル、1616
は粉砕リング、1618は圧縮粉層、1619は原料、
1620はテーブル回転軸、1621はシールプレート
である。
【0015】一方、ローラが激しく自励振動する場合に
は、図14に示すように、粉砕ローラ1401は3個と
も略同時に外側に横ずれし(β)、次いで図15のよう
に上下振動する(γ)。3個の粉砕ローラは同期して
(同位相で)一緒に上下振動する。
【0016】図14に示すように、或る一つの粉砕ロー
ラ1401が横ずれ状の首振り運動(β)を起こし、上
下振動(γ)が生じると、この動きは加圧フレームある
いは回転テーブル1405や、その上の圧縮粉層140
8を伝わつて、他の粉砕ローラ1401へと伝播する。
これが粉砕ローラ1401の同位相振動の原因である。
【0017】以上から、ミルの振動を、粉砕部のハード
ウエアの工夫によつて抑止しようとするには、3個の粉
砕ローラが同期して動くこと、すなわち同位相運動を阻
止することが肝要であることが分かる。
【0018】なお、図14、図15において、1402
は断面中心軸、1403は鉛直軸、1404は回転中心
軸、1406は粉砕リング、1407は粉砕レース、1
409はテーブル回転軸、1410は粉砕原料である。
【0019】本発明の目的は、以上のような考え方に基
づき、粉砕ローラが同期して首を振つたりあるいは上下
振動する運動を防止し、振動を起こすことなく広域負荷
あるいは多炭種での運用を可能にするローラミルの構造
を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記した自励振動発生に
関する問題点を解決するために、本発明では、ローラミ
ルの粉砕部に対して次のような構造物を採用する。
【0021】まず、回転テーブルにおけるリングセグメ
ントの外周部に、セグメントごとに不規則に高さを異な
らせた突起体(凸部)を設ける。さらに、各粉砕ローラ
の外側、すなわちハウジング側(あるいはエアスロート
側)の円周において、ローラごとにその個数や配置を異
ならせたくぼみ部(凹部)を配設する。
【0022】以上のような構造上の工夫により、各ロー
ラの首振り動作の振幅(首振り量)や周期が一致しない
ようになり、結果的にローラは互いにその動作を相殺
(キヤンセル)し合うようになる。
【0023】
【作用】回転テーブルのリングセグメント上の粉層が崩
壊し、粉砕ローラが首を振り掛ける場合をまず想定す
る。粉砕ローラが首を振り掛けた条件が、ローラの外円
周のくぼみ(凹部)と外縁に突起体(凸部)の無いリン
グセグメントの組み合わせに相当する場合は、首振りに
対する障害が無いため、ローラの首振り量は比較的大き
なものとなる。
【0024】これに対し、ローラの外周にくぼみ(凹
部)が無く、外縁に突起体(凸部)の有るリングセグメ
ントが出会う場合には、リングセグメント上の突起体
(凸部)が抵抗となり、ローラの首振りは抑制される。
【0025】この他、ローラの外周にくぼみの無い個所
と外縁に突起体の無いリングセグメントが組み合わさる
ケースでは、ローラの首振り量が中間的なものとなる。
ローラごとにローラの外周円のくぼみ(凹部)の個数や
配置を変化させてあり、また回転テーブル上のリングセ
グメントにおける突起体(凸部)の有無も、回転テーブ
ルの円周上において不規則に配設してあるため、回転テ
ーブルの回転に伴う粉砕ローラの動作はランダムなもの
となる。
【0026】従つて、ローラが同位相で(同期して)、
しかも同じ振幅で(同じ首振り量で)首を振ることが無
くなり、結果的にローラミルの自励振動は抑制されるこ
とになる。
【0027】
【実施例】本発明の特徴は、粉砕ローラとリングセグメ
ントの構造にあるため、始めにこれを説明し、ミル全体
の構成は後述する。
【0028】図2に、本発明の具体化例になる粉砕ロー
ラの断面構造を示す。ミルハウジング側における粉砕面
202と側面206の境界部にくぼみ(凹部)を複数個
刻設する。このくぼみ203は粉砕性能低下を招くこと
なく、一方では振動抑止効果を生み出すために、くぼみ
203の曲率半径rをローラ粉砕面の曲率半径Rの1/
4程度とし(r=0.25R)、またくぼみ203の深
さhはローラ幅Hの凡そ1/10(h=0.1H)とす
る。
【0029】なお、図において、201は粉砕ローラ、
204は断面中心軸、205は回転中心軸である。
【0030】図3、図4、図5は、それぞれローラミル
内における3個の粉砕ローラに対応しており、ミルハウ
ジング側から粉砕ローラの側面を見る図として、粉砕ロ
ーラに刻設したくぼみの配列を示したものである。いず
れの粉砕ローラでも、3個のくぼみを設けている。
【0031】図3の粉砕ローラ301においては、2つ
のくぼみ303aと303bを近づけ、残りのくぼみ3
03cを離れた位置に刻設した。305は回転中心軸で
ある。
【0032】図4に示す粉砕ローラ401では、図3の
例よりもさらに2つのくぼみ403aと403bを近づ
けた。402は粉砕面、403cはくぼみ、405は回
転中心軸である。
【0033】図5の粉砕ローラ501では、3つのくぼ
み503a,503bおよび503cを、粉砕ローラ5
01の円周方向に対し略等間隔に配列刻設した。このよ
うに不規則配列としたのは、前述したように、3つの粉
砕ローラの同位相(同期する)の首振り動作を防ぐため
である。502は粉砕面、505は回転中心軸である。
【0034】図6には、粉砕リングセグメントの断面構
造を示す。本発明を具体化したローラミルでは、形状の
異なる3種類の粉砕リングセグメントを採用する。
【0035】図6に示すように、粉砕リングセグメント
601は外側、すなわちミルハウジング側に突起体60
1a,601b,601cが延設されるような形状とな
つている。この突起体は、粉砕ローラ602の粉砕面と
接触し、凹形でかつ略円弧形の粉砕レース605と滑ら
かに接続するように、丸みを持つ凸形となつている。こ
の凸部の高さは3種類、すなわち小さな突起体601
a、標準的な突起体601bおよび大きな突起体601
cである。この3種類の断面形状の粉砕リングセグメン
ト601を、回転テーブルの円周方向に不規則に配列す
る。603はローラの断面中心軸、604はローラ回転
軸である。
【0036】図7と図8に、2つの例になる不規則配列
を示す。図7において、701は回転テーブル、702
はテーブルの回転軸、図8において、801は回転テー
ブル、802はテーブルの回転軸、803aは小さな突
起体、803bは標準的な突起体、803cは大きな突
起体である。
【0037】このような不規則配列を採用するのは、粉
砕ローラに刻設するくぼみと同様に、3つの粉砕ローラ
の同位相首振り動作を防ぐためである。粉砕リングセグ
メントの外側(ミルハウジング側)には突起体になる段
差が生じる。従つて、粉砕リングセグメントにおける回
転テーブルの回転方向の両端の突起では、その高さを小
さな突起の高さに一致するよう緩やかに減少させる形状
とする。
【0038】このようにすることで、高さの異なる突起
が隣合う場合でも、境界の形状が緩やかに接続すること
になるため、粉砕ローラに衝撃が生じたりするようなこ
とが無くなる。
【0039】ここで、本発明になる粉砕ローラとリング
セグメントを搭載したローラミルの全体構成を図1に基
づいて説明する。原料1はミル上部の中心軸上にある原
料供給管(センターシユート)2から供給され、ミルの
下部で回転する回転テーブル3上に落下する。回転テー
ブル3上の被粉砕原料には遠心力が働き、回転テーブル
3上の外周にある粉砕リングセグメント14上へ供給さ
れて、この粉砕リングセグメント14の上面に刻設され
た断面が、略円弧状の粉砕レース15の上で粉砕ローラ
4により圧縮粉砕される。
【0040】粉砕されて生成した粉体は、スロートベー
ン25の間を貫通して、ミル内へ吹き込まれる熱風17
により乾燥されながら、ミルの上方へと輸送される。粗
い粒子は重力により回転テーブル3上へ落下し(1次分
級)、粉砕部で再粉砕される。この1次分級部を貫通し
た粒子群は、回転分級機19により遠心分級される(2
次分級)。比較的粗い粒子は、遠心力でミルハウジング
18の内壁へと飛ばされ、重力により落下し再粉砕され
る。細かな粒子は、回転分級機19の羽根の間を貫通
し、製品微粉として製品微粉排出ダクト21から排出さ
れる。石炭の場合は、微粉炭バーナへ直接送られるか
(熱風17が燃焼用1次空気となる)、もしくは貯蔵ビ
ンへと回収される。
【0041】なお、図において、5はローラシヤフト、
6はローラ回転軸、7はローラブラケツト、8はピボツ
トボツクス、9はローラピボツト、10は加圧用スプリ
ング、11はスプリングフレーム、12はくぼみ、13
はテーブル回転軸、16は突起体、20はダムリング、
22は鉛直軸、23は断面中心軸、24はシールプレー
トである。
【0042】次にその作用を説明する。
【0043】まず、粉砕ローラの首振り動作を模式的に
示す(図では、実際の挙動よりもやや誇張気味に描いて
いる)。
【0044】図9に、粉砕ローラ外側円周上のくぼみと
外側の小さな突起が出会つた場合の首振り挙動を示す。
【0045】粉砕ローラ901の外側(ミルハウジング
側)円周上に刻設したくぼみ906が最下部に丁度位置
し、一方、粉砕リング904においても小さな突起90
5が、この粉砕ローラ901の最下端の位置まで回転し
た瞬間に相当している。圧縮粉層908が崩壊し、粉砕
ローラ901が首を振り掛けると(9a)、粉砕リング
は突起が小さく、また粉砕ローラ901にはくぼみ90
6があるため、首振りに対する抵抗が小さく、首振りに
よつて粉砕ローラ901が横ずれする長さlは、相対的
に大きなものとなる。902は断面中心軸、903は回
転テーブル、907は粉砕レース、909はテーブル回
転軸である。
【0046】図10は、粉砕ローラ1001において、
ミルハウジング側面外周にくぼみのない個所が最下端に
位置し、大きな突起1005を有する粉砕リング100
4がそこに回転して位置した場合を示したものである。
この場合、粉砕ローラ1001が横ずれ状に首を振り掛
けても(10a)、大きな突起1005が抵抗となり、
首振り量は小さく、首振りに伴つて横ずれする長さlは
比較的小さなものとなる。
【0047】このように、粉砕ローラ1001と粉砕リ
ング1004の回転位置の組み合わせにより、粉砕ロー
ラ1001の首振り状態が異なることになる。粉砕ロー
ラ1001におけるくぼみは、図3〜図5に示したよう
に、各粉砕ローラにおいて不揃いに配設してあり、一
方、回転テーブル1003における粉砕リング1004
の突起体の大きさも図7あるいは図8に示すように、円
周上で不規則に配列してあるため、粉砕ローラ1001
の動作(振幅に相当する横ずれ量やその周期)が不均一
となり、また首を振り掛けるタイミング自体もランダム
なものとなる。
【0048】このようにして、図14および図15に示
したような粉砕ローラが同期して(同位相で)首を振り
かつ上下に飛び跳ねる自励的な異常振動は、同位相動作
のキヤンセルという作用によつて結果的に抑制されるこ
とになる。粉砕ローラの首振り動作の不均等化は、回転
テーブル1003上における粉層厚みや圧縮度の周期的
変化(波うちのような状態)も乱すことになる。
【0049】このような粉層の状態が自励系を作るフイ
ードバツクループになるため、粉砕ローラ1001の首
振りを不規則にすることで粉層を乱すことは、自励系フ
イードバツクループの分断としても有効と考えられる。
なお、1002は断面中心軸、1006はくぼみのない
ローラの周端、1007は粉砕レース、1008は圧縮
粉層、1009はテーブル回転軸である。
【0050】図11は、ミル内における石炭ホールドア
ツプに対する振動の振幅の変化をまとめ、本発明の実施
例と従来技術とを比較したものである。縦軸の振幅δ
O C は、メタルタツチ(石炭の無い空回転)時の振幅δ
O C * で割られて無次元化されている。一方、横軸のホ
ールドアツプWは、ミルが定格給炭量で運用されたとき
のホールドアツプW* で割られて無次元化されている。
【0051】この実験結果は、激しい振動を起こしやす
い石炭を粉砕したときに得られたものである。従来技術
では、低負荷域(W/W* ≦0.38)で著しく振幅が
大きいのに対し、本発明になる粉砕ローラとリングセグ
メントを適用した場合には、振幅の大幅な低減が可能で
あることが実証された。
【0052】本発明になる粉砕ローラとリングセグメン
トを用いるローラミルでも、W/W* ≦0.38におい
て振幅がやや大きくなるが、これは強制振動の1タイプ
であると考えられる。本発明の実施例では、空回転(メ
タルタツチ)するときの振幅が従来技術におけるそれよ
りもやや大きい。これは、本発明になる粉砕ローラのく
ぼみやリングセグメント外周部の突起体が、メタルタツ
チ状態における粉砕ローラの首振り動作に起因するラン
ダム荷重変動、つまり強制振動的な不釣合動作のためと
考えられる。
【0053】図12は、給炭量QC に対する製品微粉粒
度qの変化を示したものである。縦軸の粒度qは、定格
給炭量QC * のときの従来式ミルにおける基準微粉粒度
*で割られて相対値として表されている。横軸もQC
で割られて無次元化されている。
【0054】一般に粒度qは、給炭量QC に反比例する
かのように減少する。本発明になる実施例では、従来式
のローラミルと比較して、製品微粉の粒度がほとんど同
等であることが判明した。つまり、本発明で具体化した
程度の粉砕ローラとリングセグメントの構造改良では、
ローラミルの粉砕性能に大きな違いの生じないことが分
かる。
【0055】本発明は、ここまで取り上げて説明した石
炭焚きボイラ用の微粉炭機に限らず、解決すべき同様の
問題点を抱えるミル、すなわちオイルコークス等、他の
固体燃料を使用するボイラ用のミルや、高炉の微粉炭吹
き込み用のミルへも略そのまま適用することが可能であ
る。
【0056】
【発明の効果】本発明では以下に列記の効果を奏する。
【0057】(1)ミルの振動を抑制できる。
【0058】(2)上記(1)の効果によつて、ミル自
身およびミルの周辺にあるプラント関連機器の信頼性や
耐久性が向上する。また、プラント内従業員の体感上の
不快感も無くなり、作業能率も向上する。
【0059】(3)低負荷域において振動を抑止できる
ため、ミルにとどまらずボイラ全体の低負荷運用が可能
になる。
【0060】(4)振動を起こしやすいと警戒されてき
た特定の石炭種や固体燃料も問題無く使用できるように
なる。これによつて、ミルに対する粉砕原料の適用性が
大幅に向上する。
【0061】(5)粉砕ローラあるいはリングセグメン
トに関する簡単な(鋳型も作りやすい)ハードウエアに
関する改良のみで振動を防止できることは、ミルの運用
経費を大幅に削減できることになる。具体的には、振動
回避のための複雑な制御系統や制御機器のメインテナン
ス費用が不要となる。
【0062】以上のように本発明は、ミルにとどまらず
火力プラント全体の信頼性向上および運用範囲の拡大へ
寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るローラミルの構成図であ
る。
【図2】粉砕ローラの説明図である。
【図3】粉砕ローラの説明図である。
【図4】粉砕ローラの説明図である。
【図5】粉砕ローラの説明図である。
【図6】リングセグメントの説明図である。
【図7】リングセグメントの説明図である。
【図8】リングセグメントの説明図である。
【図9】ローラミルの粉砕部の動きを模式的に示す説明
図である。
【図10】ローラミルの粉砕部の動きを模式的に示す説
明図である。
【図11】本発明の効果を具体的に示す試験結果の特性
図である。
【図12】本発明の効果を具体的に示す試験結果の特性
図である。
【図13】従来例における問題点を説明するための特性
図である。
【図14】従来例における問題点を説明するための説明
図である。
【図15】従来例における問題点を説明するための説明
図である。
【図16】従来例に係るローラミルの粉砕部の構成図で
ある。
【符号の説明】
1 原料 2 原料供給管 3 回転テーブル 4 粉砕ローラ 12 くぼみ 14 粉砕リングセグメント 15 粉砕レース 18 ミルハウジング 19 回転分級機 25 スロートベーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金本 浩明 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 田岡 善憲 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 長谷川 忠 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日 立株式会社 呉工場内 (56)参考文献 特開 昭60−12152(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 15/00 - 15/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平面上で垂直軸まわりに回転し、円周
    側上部に複数枚のリングセグメントを装着する回転テー
    ブルと、この回転テーブルのセグメント上面に周辺面を
    押圧されて回転する複数の粉砕ローラを持つて、固体原
    料を圧縮微粉砕するローラミルにおいて、 粉砕ローラ粉砕面のミルハウジング側円周部に、複数の
    くぼみを刻設するとともに、粉砕ローラごとにくぼみの
    個数あるいは粉砕ローラ円周上の配列を異ならせたこと
    を特徴とするローラミル。
  2. 【請求項2】 水平面上で垂直軸まわりに回転し、円周
    側上部に複数枚のリングセグメントを装着する回転テー
    ブルと、この回転テーブルのセグメント上面に周辺面を
    押圧されて回転する複数の粉砕ローラを持つて、固体原
    料を圧縮微粉砕するローラミルにおいて、 リングセグメントの外周部に、リングセグメント上面に
    刻設された粉砕レースと緩やかに接続する形状の突起体
    を設けるとともに、この突起体の形状をリングセグメン
    トごとに異ならせて配列することを特徴とするローラミ
    ル。
  3. 【請求項3】 請求項1および2記載において、粉砕ロ
    ーラとリングセグメントを組み合わせて搭載することを
    特徴とするローラミル。
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