JPH07275729A - ローラミル、及びその回転基部構造 - Google Patents

ローラミル、及びその回転基部構造

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JPH07275729A
JPH07275729A JP6933194A JP6933194A JPH07275729A JP H07275729 A JPH07275729 A JP H07275729A JP 6933194 A JP6933194 A JP 6933194A JP 6933194 A JP6933194 A JP 6933194A JP H07275729 A JPH07275729 A JP H07275729A
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JP
Japan
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rotary
roller
crushing
rotary table
roller mill
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JP6933194A
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English (en)
Inventor
Kazunori Satou
一教 佐藤
Nobuyasu Meguri
信康 廻
Kazunori Shoji
一紀 正路
Hiroaki Kanemoto
浩明 金本
Hiroshi Yuasa
博司 湯浅
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ローラミル及びその回転基部構造において、
回転テーブルを下方から支持する回転基部の弾性振動特
性に着目し、その構造を改善することにより自励振動を
抑制し、静粛性をより一層向上させる。 【構成】 回転テーブル103の外周側上面に粉砕レース1
13を刻設した粉砕リング112を装着し、溝型の粉砕レー
ス113上の粉砕原料を粉砕ローラ105が上方から強く圧縮
して粉砕する。回転テーブル103の下方部は回転基部(ヨ
ーク)119と呼ばれ、回転テーブル103がその外周側の部
分を円周方向へせり出して一体構造になっている。この
回転テーブル103は粉砕ローラ105の動きによってはたわ
み、ハードスプリングとして弾性振動する。本発明で
は、回転テーブル103のこのようなたわみを防ぎ、ばね
剛性を高めるために、回転テーブル103とヨーク119を結
ぶ如く、補強部材(リブ)104をヨーク119の円周方向に対
して複数枚設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はローラミル及びその回転
基部構造に係り、特に、石炭等を微粉砕するときに、回
転する粉砕テーブルと粉砕ローラとの連動により生ずる
振動を防止するのに好適なローラミル及びその回転基部
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭焚きボイラにおいても環境に害を与
えない燃焼(低NOx、低灰中未燃分)や急速負荷変動
運用(給炭量変化)が実施され、それに伴い微粉炭機
(ミル)も高性能化が要求されている。石炭、セメント
原料あるいは新素材原料などの塊状物を細かく粉砕する
粉砕機の一つのタイプとして、粉砕テーブルと複数の粉
砕ローラとを備えた堅型のローラミルが用いられ、最近
では代表機種のひとつとしての地位を固めつつある。
【0003】この種の粉砕機は、円筒型ハウジング内の
下部にあって、減速機を有するモータで駆動され、水平
面上で低速回転する略円板状の回転テーブルと、その上
面外周部を円周方向へ等分する位置へ、油圧あるいはス
プリング等で加圧されて回転する複数個の粉砕ローラと
を備えている。回転テーブルの中心部へ供給管より供給
される被粉砕物は、テーブルの回転に伴う遠心力によっ
てテーブル上をうず巻状の軌跡を描いて外周部へ移動
し、テーブルの粉砕レース面と粉砕ローラとの間にかみ
込まれて粉砕される。
【0004】ミルハウジングの基底部には、ダクト内を
送られてきた熱風が導かれており、この熱風が粉砕テー
ブルの外周部とミルハウジング内周部との間のエア・ス
ロートから吹き上っている。粉砕後の粉粒体は、エアス
ロートから吹き上る熱風によってミルハウジング内を上
昇しながら乾燥される。ミルハウジング上部へ輸送され
た粉粒体は、ミルハウジング上部に設けたサイクロンセ
パレータあるいは回転分級機で分級され、所定の粒径以
下の微粉は熱風によって搬送され、ボイラでは微粉炭バ
ーナあるいは微粉貯蔵ビンへと送られる。分級機を貫通
することのない所定粒径以上の粗粉は、テーブル上に落
下し、ミル内へ供給されたばかりの原料とともに再粉砕
される。このようにして、ローラミルの粉砕部では、粉
砕ローラによって粉砕が繰り返される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ローラミルを広域負荷
で運用しようとする場合、負荷の切り下げにおいて問題
となるのはミルの異常振動である。この振動は、粉砕ロ
ーラの下部にある原料粉層の崩壊と粉砕ローラのすべり
に起因する一種の摩擦振動(自励振動の一タイプ)であ
る。原料が石炭の場合、多くの石炭種では、自励振動の
発生領域を示す図12に示すように、低負荷運用時(ミ
ル内における石炭ホールドアップが少なく、粉層の粒度
が細かくなる条件)において、この振動が激しくなる。
【0006】図13は、ミルの粉砕ローラの支持方式の
参考例を断面図として示したものである。このタイプで
は、粉砕原料14は、水平回転する回転テーブル9上の
粉砕レース11と、回転自在な粉砕ローラ5との間で、
圧縮粉砕され圧縮粉層8となる。粉砕ローラ5は、鉛直
軸17に対して断面中心軸16を傾け、ローラ回転軸7
であるローラシャフト6によりローラブラケット4に軸
支され、ローラブラケット4はピボットブロック3のロ
ーラピボット18を介して加圧フレーム2から荷重1を
加えられるようになっている。一方、回転テーブル9
は、テーブル回転軸15を中心に回転する回転基部(ヨ
ークと称することもある。以下同じ。)13のヨークテ
ーブル部12に形成され、上面の粉砕リング10に粉砕
レース11が設けられている。そして、ローラブラケッ
ト4を介して、ローラピボット3を支軸とし、粉砕ロー
ラ5が振り子運動が可能なように支持されている。異常
振動は、圧縮粉層8の崩壊による粉砕ローラ5の振り子
動作がきっかけとなって生じる。
【0007】図14に示すように、まず粉砕ローラ5は
正常位置(I)と横ずれ状態(II)との間で、横ずれ状
の振り子動作(B)を起こす。尚、(A)は下降動作を
示す。次いで、粉砕ローラ5は、図15に示すように、
激しく上下方向に振動(C)する。図16には、図13
の例とは異なる粉砕ローラの支持構造を示す。ローラ3
1は、ジャーナル32を支軸として、ローラシャフト3
3に支えられている。図13の例では荷重が上方から加
えられるのに対し、この例ではアームレバー34に連接
する加圧装置35から粉砕荷重が付与される。しかしな
がら、この図16の例においても、粉層36が崩壊する
場合には、ローラ31がすべり、図示したようにローラ
31はジャーナル32を軸として上下方向に激しく振動
(D)する。
【0008】いずれの場合も、粉砕ローラの下部におけ
る粉層の崩壊が引き金となって自励振動が発生するが、
粉砕ローラの動作すなわち上下方向振動に連成して、回
転テーブル9も弾性変形して振動し、結果的に自励振動
が著しく増幅される。図17のように、回転テーブルを
下部から支えるリングシートあるいは回転基部の上面部
51が、上方へ変形する領域52と下方へ変形する領域
53に、基準分割軸54によって分割されると考えられ
る。(+)の記号が上方へのたわみを、また(−)の記
号が下方へのたわみを表している。回転テーブルは回転
するので、基準分割軸54も回転して移動し、例えば図
18、図19、図20(a)又は(b)、の3通りの位
置が必ずめぐってくることになる。
【0009】これら3つのパターンを重ね合わせると、
図21の変形モードとなる。円板6等分割の領域におい
て、(+)+(+)+(−)(小さな + は加算を表わ
す)の3種類のパターンを加えて重ね合わせる場合、す
なわち上方へのたわみ2回と下方へのたわみ1回が重な
った場合、(+)すなわち上方へ変形するパターンが生
じると仮定する。他の分割領域においてもこのように重
ね合わせて考えてみると、図21のように円板つまり実
際には回転テーブルが6等分割されて、上・下方向への
たわみが交互に生じるようになる。
【0010】粉砕ローラ5が3個ある場合、確率的に、
3個の粉砕ローラがともに同じ方向への変形領域に入る
場合が発生する。すなわち、3個の粉砕ローラ5が全て
回転テーブルが上方へたわむ領域に入れば、3個の粉砕
ローラは、回転テーブルのハードスプリングとしての影
響を直接受けて、同位相で上方へとび跳ねるように振動
する。このように同位相で粉砕ローラが振動する場合に
は、振動はかなり激しい。以上の仮説からも、回転テー
ブルを下方から支持する回転基部の弾性変形が、自励振
動の増幅に強くかかわっていることが推察される。これ
まで、振動が問題にならない限り、このような回転基部
の弾性変形は顧みられることが無かった。なぜなら、強
度的に十分な構造で、しかも材料内に欠陥が無ければ破
損等が生じないからである。
【0011】本発明の目的は、以上に示したような回転
テーブルを下方から支持する回転基部の弾性振動特性に
着目し、その構造を改善することにより自励振動を抑制
し、静粛に運用できるローラミル及びその回転基部構造
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した問題点を解決す
るために、本発明においては、次のような手段を採用す
る。粉砕ローラの振動挙動に連成してたわみ変形する回
転テーブルを下方から支持する回転基部(これを「ヨー
ク」と称することもある)の円周方向に対して、複数個
ある粉砕ローラの同期的振動モードをキャンセルさせる
補強部材(補強リブリブ)を配設する。この補強部材の
ある箇所では、回転テーブルのたわみ変形は少なく、粉
砕ローラの振動もその影響を受ける。ただし、具体例と
して粉砕ローラが3個ある場合には、この補強部材を、
次の角度で回転基部の円周方向に等間隔に配設すること
を避けなければならない。すなわち、60°の倍数であ
る60°、120°あるいは180°の等間隔角度配
列、及び60°の約数である例えば30°の等間隔角度
配列は、前述したように粉砕ローラが自己同期化する激
しい自励振動を誘発するからである。粉砕ローラが2個
の場合は、90°の倍数である90°及び180°等間
隔角度以外の条件で、補強部材を回転基部に配設装着す
ればよい。一方、粉砕ローラを4個用いるローラミルに
おいても、90°の倍数あるいは90°の約数の角度以
外の角度で、補強部材を回転基部に設ける。なお、この
補強部材は、断面厚肉の形状であり、粉砕ローラ側につ
き出す回転基部の先端と回転基部のつけ根の部分とを結
ぶものであり、鋳物成形の段階で、回転基部と一体で製
造される。
【0013】
【作用】補強部材を設けた位置では、回転基部の変形が
小さく、回転テーブルはたわみにくくなる。振動を起こ
した粉砕ローラが落下(振動により上下方向に動く粉砕
ローラが粉砕レースの原料粉層上へ落下すること)して
も、補強部材を設けた位置では回転テーブルの下方への
たわみが小さく、逆に補強部材の無い位置ではたわみが
相対的に大きくなる。本発明においては、粉砕ローラの
位置と補強部材の位置が一致しないようにしてあるた
め、ハードスプリングとしての回転テーブルの弾性変形
を、各粉砕ローラは独立して受けるようになる。すなわ
ち、各粉砕ローラの跳躍振動と回転テーブルのたわみと
が一致しないわけである。振動の際中に、あるひとつの
粉砕ローラが補強部材の無い位置において回転テーブル
を大きく変形させても、他の粉砕ローラが補強部材のあ
る位置にあれば回転テーブルのたわみ変形は小さなもの
となる。したがって、粉砕ローラの上下方向振動と回転
テーブルのたわみ変形が同期する連成振動の発生が無く
なる。このようにして、同一ミル内の複数の粉砕ローラ
が同調する振動が消滅するため、回転テーブルのたわみ
に連成する粉砕ローラの同期化による激しい自励振動が
抑止されるので、ローラミルを静粛に運用することが可
能になる。
【0014】
【実施例】以下、本発明のいくつかの実施例を、図面を
参照して説明する。図1は、本発明になる回転基部構造
を具体化したローラミルの一実施例を、中心軸を通る断
面図として描いたものである。このローラミルの粉砕部
は、大まかに、主要素である粉砕ローラ105と回転テ
ーブル103を連接する回転駆動部とから構成されてい
る。本実施例の特徴は、回転テーブル103を下方から
支持し回転駆動する回転基部の構造に関するものである
ので、まず初めにこれについて説明する。
【0015】図1に示すように、回転テーブル103の
外周側には、上面に粉砕レース113を刻設した円環型
(大型のローラミルでは、セグメントとして円環状に配
列する場合も多い)の粉砕リング112が装着されてい
る。溝型をした粉砕レース113上に流れ込む粉砕原料
を、粉砕ローラ105が上方から強く圧縮することによ
り粉砕が行われる。回転テーブル103の下方部は、回
転基部(又はヨーク)119と呼ばれる厚肉円筒体にな
っている。すなわち回転テーブル103は、その外周側
の部分が円周方向へせり出すようにして、回転基部11
9の上部に一体構造として構成されている。この回転テ
ーブル103は、前述したように、粉砕ローラ105の
動きによってはたわみ、ハードスプリングとして弾性振
動する。本発明における実施例では、回転テーブル10
3におけるこのようなたわみを防ぎ、ばね剛性を高める
ために、回転テーブル103と回転基部119を結ぶ如
くに、補強部材(リブ)104を設けている。この補強
部材104は、回転基部119の円周方向に対して複数
枚設ける。
【0016】ここで、本発明を具体化したローラミルの
一実施例の全体構成について説明を加えておく。図1に
おいて、石炭等の原料101は、ローラミルの上部の中
心軸上にある原料供給管(センターシュート)102か
ら供給され、ローラミルの下部で回転する回転テーブル
103上に落下する。前述したように、回転テーブル1
03の下方から支持する回転基部119の円周部には、
円周方向に対して非等間隔に補強部材4が配列設置され
ている。尚、回転基部119はベアリング122を介し
て回転自在に支持され、スプライン121を介してテー
ブル回転軸120から回転力を与えられる。テーブル回
転軸120はベース124上の減速機123に接続され
ている。回転基部119にはメンテナンススペース11
8が設けられている。
【0017】回転テーブル103上に落下した粉砕原料
114は、回転テーブル103の外周にある粉砕リング
112上に供給されて、この粉砕リング112の上面に
刻設されて断面が略円弧型をした粉砕レース113の上
で、粉砕ローラ105により圧縮粉砕される。粉砕ロー
ラ105はローラシャフト111を介してローラブラケ
ット106に支持され、ローラブラケット106はピボ
ットボックス107のセンターコーン108を介して加
圧フレーム109に回転自在に取り付けられ、加圧フレ
ーム109に粉砕荷重110が加えられるようになって
いる。粉砕レース113と粉砕ローラ105との間で粉
砕されて生成する圧縮粉層115の粉砕粉は、スロート
ベーン116の間を貫通してローラミルの上方へ輸送さ
れ、粗い粒子は重力により回転テーブル103上に落下
(1次分級)して再粉砕され、この1次分級部を通過し
た粒子群は、回転分級機125により遠心分級(2次分
級)される。比較的粗い粒子は、回転分級機125の羽
根の間を貫通し、製品微粉として製品微粉排出ダクト1
26から排出される。石炭の場合は、微粉炭バーナへ直
接送られるか(熱風117が燃焼用1次空気となる)も
しくは微粉炭貯蔵ビンへ回収される。
【0018】図2、図3及び図4には、本発明における
回転基部において、それぞれ回転テーブル201、30
1、401から回転基部202、302、402を上方
から視る如くに、補強部材203、303、403を配
設する3つのタイプの変形例を示している。図2と図3
は、回転基部202、302の円周方向に対して不規則
(非等間隔あるいは非周期的)に、補強部材203、3
03を5枚設けたものである。また、図4では、補強部
材403が、回転基部402の円周方向に対して72°
等間隔に設置されているが、この5枚という数は、粉砕
ローラの個数3の倍数ではなく、前述したように粉砕ロ
ーラの同位相振動を防ぐことができる。
【0019】図5及び図6は、粉砕用のローラ支持構造
が、図1に示した実施例におけるそれとは異なるローラ
ミルの粉砕部の概略構造を示す図で、図5は上方からの
視図、図6は断面図として描いたものである。ただしロ
ーラ501の数はやはり3個で、それぞれのローラシャ
フト502に一体的に連結されている。このローラミル
の下方回転部は、テーブル503がすりばちのように半
径方向外側にせり出しており、全体が皿のような形状に
なっている。このような構造に対しても、本発明を適用
することは可能であり、テーブル503と回転基部50
5には、補強部材504が設置されている。
【0020】図7及び図8には、それぞれ回転基部の円
周方向に対するこの補強部材のいくつかの配置例を示
す。これらの図はそれぞれ回転テーブル701、801
の上方から見た図で、図7の実施例は、6枚の補強部材
703を、回転基部702の円周方向に対して不規則
(非等間隔)に配置したものである。図8に示す実施例
では、4枚の補強部材803を、回転基部802の円周
方向に対して90°ピッチ等間隔に設けた。これら4枚
の補強部材803の設置は規則的であるが、粉砕ローラ
の個数3の倍数では無いため、粉砕ローラの自己同期化
動作を生み出す連成振動は発生しない。
【0021】次に、回転テーブルの回転基部に対する補
強部材を設けることによって、連成振動の発生を防ぎ、
振動レベルを低減できた結果について述べる。図9は、
比較的激しい振動を起こしやすい石炭を対象に、ローラ
ミル内における石炭ホールドアップに対する振動の振幅
の変化をまとめ、本発明の図1、図2に示す実施例と従
来技術とを比較したものである。縦軸の振幅δocは、
粉砕ローラと粉砕レースがメタルタッチする空回転時の
振幅*δocで割られて無次元化されている。一方、横
軸のホールドアップWは、ローラミルが定格給炭量で運
用されたときのホールドアップ*Wで割られて無次元化
されている。無対策の従来技術では、炭質の影響により
比較的激しい振動を起こしやすい石炭を粉砕したとき
に、低負荷域(W/*W≒0.38)で著しく振幅が増
大するのに対し、本発明を具体化した回転テーブルの回
転基部を塔載したローラミルでは振幅の大幅な低減が可
能であることが、この試験結果から証明された。本発明
の実施例の場合でも、他のホールドアップの条件より
は、W/*W≒0.38の近傍において振幅がやや大き
くなるが、この振動は自己増幅的な性質の自励振動では
なく、粉砕ローラが自己同期化することのない強制振動
の一タイプである。
【0022】図10は、激しい振動には至らないもの
の、軽微ながら自励振動を起こしやすい石炭を用いた場
合の結果である。この場合において、本発明を実施する
ことで、振動レベルを低下すなわち振幅を減少させる効
果の生じたことが分かる。
【0023】図11は、給炭量Qcに対する製品微粉粒
度qの変化を示したものである。縦軸の粒度qは、定格
給炭量Qcのときの従来式ミルにおける基準微粉粒度*
qで割られて相対値として表わされている。横軸のQc
も、*Qcで割られて無次元化されている。一般に粒度
qは、給炭量Qcの増加とともに減少する。本実施例で
は、製品微粉粒度が、従来式ローラミルにおける粒度と
ほぼ同等であることが判明した。すなわち、本発明で適
用した回転基部の剛性向上対策は、粉砕性能に影響を与
えない(少なくとも粉砕性能を低下させることはない)
と考えられる。
【0024】上述したいくつかの実施例のほかにも、本
発明になる構造の回転基部を採用するローラミルは、具
体化の対象例として取り上げた石炭焚ボイラ用のローラ
ミルに限らず、 同じ固体燃料であるオイルコークス用のローラミル 脱硫用の石灰石を微粉砕するためのローラミル 鉄鋼スラグや非鉄精錬スラグを微粉砕するローラミ
ル セメントクリンカを微粉砕するセメント仕上げ用の
ローラミル 各種化学製品の原料を微粉砕するローラミル FRP(繊維強化プラスチック)廃材を微粉砕する
ローラミル などへも、ほぼそのまま適用することができる。
【0025】本発明を具体化した回転基部構造を、一例
として、石炭焚ボイラ用のローラミルへ応用したことに
よって生じる効果をまとめると以下のようになる。 (1)発生しかける自励振動を減衰させることができ
る。これによって、ローラミル自体を含む各種周辺機器
の耐久性が向上する。結果的に、火力プラント全体の信
頼性が高まる。
【0026】(2)上記(1)の効果により、低負荷運
用が可能となり、ローラミルの最低負荷をさらに切り下
げることができる。これによって、ボイラの運用範囲が
拡大する。また、低負荷運用域において石炭燃焼が可能
になることから、助燃用燃料油の消費量を低減できる。
したがって、火力プラント全体を、より経済的に運用で
きるようになる。
【0027】(3)上記(1)の効果により、炭層の内
部摩擦抵抗が小さく激しい振動を起こしやすい石炭、粉
砕ローラや粉砕レースに付着しやすい石炭、粉砕性が著
しく良好でローラミル内石炭ホールドアップが少なくな
る石炭、あるいは単位重量当りの発熱量が多くローラミ
ルが低負荷運用になりがちな石炭(例えば灰分の少ない
石炭)でも振動を回避する運用が可能になる。このよう
にして、火力プラントへ適用可能な石炭の種類が大幅に
拡大する。
【0028】(4)回転基部の構造を改良することによ
り自励振動を回避できるので、高価で複雑な油加圧機構
(アキュムレータ等)や制御系統が不要になり、運転操
作が簡便になる。
【0029】
【発明の効果】上述のとおり本発明によれば、回転テー
ブルを下方から支持する回転基部の構造を、弾性振動特
性に着目して改善することにより、自励振動が抑制さ
れ、静粛に運用できるローラミル及びその回転基部構造
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる回転基部を塔載したローラミルの
一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明になる回転基部構造の一実施例を示す図
である。
【図3】本発明になる回転基部構造の他の実施例を示す
図である。
【図4】本発明になる回転基部構造の他の実施例を示す
図である。
【図5】本発明になる回転基部構造を適用する粉砕ロー
ラ支持構造が異なる他の実施例の粉砕部の概略構造を示
す上面図である。
【図6】図5のA−A矢視図である。
【図7】本発明になる回転基部構造の他の実施例を示す
図である。
【図8】本発明になる回転基部構造の他の実施例を示す
図である。
【図9】本発明を具体化することによる振動抑制効果を
実証した試験結果を示す図である。
【図10】本発明を具体化することによる振動抑制効果
を実証した試験結果を示す図である。
【図11】本発明によっても製品微粉粒度に影響を及ぼ
さないことを確認した結果を示す図である。
【図12】自励振動の発生領域を示す図である。
【図13】粉砕ローラの支持方式の一例を示す図であ
る。
【図14】粉砕ローラの挙動を模式的に示す図である。
【図15】粉砕ローラの挙動を模式的に示す図である。
【図16】図13に示したものとは異なる支持方式の粉
砕ローラの動きを示す図である。
【図17】回転する粉砕テーブルの基部における変形モ
ードの一例を示す図である。
【図18】回転する粉砕テーブルの基部における変形モ
ードの他の例を示す図である。
【図19】回転する粉砕テーブルの基部における変形モ
ードの他の例を示す図である。
【図20】図(a)及び図(b)は回転する粉砕テーブ
ルの基部における変形モードの例を示す図である。
【図21】粉砕テーブル基部の弾性変形と粉砕ローラ振
動の連成挙動とを模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 荷重 2 加圧フレーム 3 ピボットブロック 4 ローラブラケット 5 粉砕ローラ 6 ローラシャフト 7 ローラ回転軸 8 圧縮粉層 9 回転テーブル 10 粉砕リング 11 粉砕レース 12 ヨークテーブル部 13 回転基部(又はヨーク) 14 粉砕原料 15 テーブル回転軸 16 断面中心軸 17 鉛直軸 18 ローラピボット 31 ローラ 32 ジャーナル 33 ローラシャフト 34 アームレバー 35 加圧装置 36 粉層 51 リングシートあるいは回転基部(又はヨーク)の
上面部 52 上方へ変形する領域 53 下方へ変形する領域 54 基準分割軸 101 原料 102 原料供給管(センターシュート) 103 回転テーブル 104 補強部材(リブ) 105 粉砕ローラ 106 ローラブラケット 107 ピボットボックス 108 センターコーン 109 加圧フレーム 110 粉砕荷重 111 ローラシャフト 112 粉砕リング 113 粉砕レース 114 粉砕原料 115 圧縮粉層 116 スロートベーン 117 熱風 118 メンテナンススペース 119 回転基部(又はヨーク) 120 テーブル回転軸 121 スプライン 122 ベアリング 123 減速機 124 ベース 125 回転分級機 126 排出ダクト 201、301、401 回転テーブル 202、302、402 回転基部(又はヨーク) 203、303、403 補強部材(リブ) 501 ローラ 502 ローラシャフト 503 テーブル 504 補強部材(リブ) 505 回転基部(又はヨーク) 701、801 回転テーブル 702、802 回転基部(又はヨーク) 703、803 補強部材(リブ)
フロントページの続き (72)発明者 金本 浩明 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 湯浅 博司 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向へ回転自在な回転基部と、前記
    回転基部に支持される回転テーブルと、前記回転テーブ
    ルの回転方向へ沿って上面に配置され、被粉砕物を円周
    面で押圧して回転する複数個の粉砕ローラとからなるロ
    ーラミルの回転基部構造において、前記回転テーブル及
    び前記回転基部の間に、補強部材を一定の間隔で設けた
    ことを特徴とするローラミルの回転基部構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のローラミルの回転基部構
    造において、前記補強部材は、前記粉砕ローラの挙動に
    より弾性変形する前記回転テーブルの先端部に対する剛
    性を、前記回転方向に対して不規則変化させるものであ
    ることを特徴とするローラミルの回転基部構造。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のローラミルの回転基部構
    造において、前記補強部材は、前記粉砕ローラの挙動に
    より弾性変形する前記回転テーブルの先端部に対し、前
    記回転テーブルの回転方向に対して不規則あるいは非等
    間隔に設けられていることを特徴とするローラミルの回
    転基部構造。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のローラミルの回転基部構
    造において、前記補強部材は、前記粉砕ローラの倍数以
    外あるいは約数以外の個数であることを特徴とするロー
    ラミルの回転基部構造。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のローラミルの回転基部構
    造において、前記粉砕ローラの振動挙動に連成してたわ
    み変形する前記回転テーブルを下方から支持する前記回
    転基部の円周方向に対して、複数個の前記粉砕ローラの
    同期的振動モードをキャンセルする前記補強部材の配設
    位置は、前記粉砕ローラの個数の倍数又は約数に基づく
    等間隔角度配列を除く角度で配設することを特徴とする
    ローラミルの回転基部構造。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のローラミルの回転基部構
    造において、前記補強部材は、前記回転基部の前記粉砕
    ローラ側先端部及び根本部を連接する断面厚肉の形状で
    あり、前記回転基部と一体形成されるものであることを
    特徴とするローラミルの回転基部構造。
  7. 【請求項7】 水平方向へ回転自在な回転基部と、前記
    回転基部に支持される回転テーブルと、前記回転テーブ
    ルの回転方向へ沿って上面に配置され、被粉砕物を円周
    面で押圧して回転する複数個の粉砕ローラとからなるロ
    ーラミルにおいて、 前記回転テーブル及び前記回転基部は、前記回転テーブ
    ルの外周部が円周方向へせり出して厚肉円筒形状の前記
    回転基部の上部に一体構成され、前記回転テーブルと前
    記回転基部とに連接して、前記回転テーブル及び前記回
    転基部の円周方向に対して非等間隔に複数個の補強リブ
    を配列設置する回転基部構造を有し、 前記回転テーブルは、上面の外周部に装着した円環状の
    粉砕リングの上面に断面が略円弧形の溝型の粉砕レース
    が刻設されているとともに、前記回転基部は、ベアリン
    グを介して回転自在に支持され、ベース上の減速機に連
    結するテーブル回転軸からスプラインを介して回転力を
    与えら、且つ、前記粉砕ローラはローラシャフトを介し
    てローラブラケットに支持され、前記ローラブラケット
    はピボットボックスのセンターコーンを介して加圧フレ
    ームに回転自在に取り付けられており、 前記回転テーブルの回転中心軸上方の原料供給管から供
    給される前記被粉砕物は、前記回転テーブル上に落下し
    て外周の前記粉砕リング上に供給され、前記粉砕レース
    上で前記加圧フレームから押圧力を与えられる前記粉砕
    ローラにより圧縮粉砕されて、前記粉砕レースの円周外
    側に設けられたスロートベーンの間を貫通して上方へ輸
    送され、粗い粒子は重力により落下させる1次分級部に
    より前記回転テーブル上に落下して再粉砕されるととも
    に、前記1次分級部を通過した粒子群は2次分級部とし
    ての回転分級機により遠心分級されて排出ダクトから排
    出されることを特徴とするローラミル。
JP6933194A 1994-04-07 1994-04-07 ローラミル、及びその回転基部構造 Pending JPH07275729A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2420992B (en) * 2004-04-19 2008-05-21 William Graham Bell Industrial apparatus
CN102716784A (zh) * 2012-06-11 2012-10-10 安徽安重水电设备有限公司 辊盘式中速磨煤机
CN110638652A (zh) * 2019-10-08 2020-01-03 西南医科大学附属医院 一种儿科护理安全喂药器
CN114324433A (zh) * 2021-12-28 2022-04-12 中国葛洲坝集团水泥有限公司 一种基于xrf分析硫酸渣重金属铬的快速检测方法
CN114324433B (zh) * 2021-12-28 2024-06-07 中国葛洲坝集团水泥有限公司 一种基于xrf分析硫酸渣重金属铬的快速检测方法

Cited By (6)

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