JP2000354778A - ローラミルの粉砕部構造 - Google Patents

ローラミルの粉砕部構造

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JP2000354778A
JP2000354778A JP11171232A JP17123299A JP2000354778A JP 2000354778 A JP2000354778 A JP 2000354778A JP 11171232 A JP11171232 A JP 11171232A JP 17123299 A JP17123299 A JP 17123299A JP 2000354778 A JP2000354778 A JP 2000354778A
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crushing
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grinding
race
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JP11171232A
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Kazunori Sato
一教 佐藤
Hiroaki Kanemoto
浩明 金本
Yutaka Takeno
豊 竹野
Nobuyasu Meguri
信康 廻
Eiji Murakami
英治 村上
Hideo Mitsui
秀雄 三井
Kotaro Sakoda
光太郎 佐古田
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉砕粒度を細かくできる粉砕能力と振動抑制
を行う安定運用性を同時に向上させる粉砕部の構造に関
する。 【解決手段】 微粉砕すべき固体燃料又は固体原料を受
け取る回転テーブル3の外周側に設けられた粉砕レース
5と、粉砕レース上で回転テーブルと連動して回転する
タイヤ型の粉砕ローラ4と、によって固体燃料又は固体
原料を微粉砕するローラミルの粉砕部構造において、粉
砕ローラの粉砕面の曲率半径Rrolと粉砕レースの粉
砕面の曲率半径Rracの比を、 0.76≦Rrol
/Rrac≦0.90 とし、粉砕ローラの直径Dと粉
砕ローラの幅Wの比を、 1.40≦D/W≦2.85
とするローラミルの粉砕部構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転するテーブル
と前記テーブル外周側の粉砕レース上でテーブルに連動
して回転する粉砕ローラとにより石炭や固体原料を微粉
砕するローラミルに係わり、粉砕機能と安定運用性を同
時に向上させるローラの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭焚ボイラでは、低公害燃焼(低No
x、低灰中未燃分)や広域負荷運用が行われ、それにと
もない微粉炭機(ミル)も高い粉砕性能や信頼性が要求
されている。
【0003】石炭、セメント原料あるいは新素材原料な
どの塊状物を細かく粉砕するミルのひとつのタイプとし
て、最近では、回転するテーブルと複数個のタイヤ型ロ
ーラで粉砕を行う堅型のローラミルが広く用いられてお
り、特に日本国内では、代表機種としての地位を固めて
いる。
【0004】ここでは、図10に示すように、ローラミ
ルの一般的な構成を述べる。このタイプのミルは、円筒
型をしたハウジング8の下部にあってモータで駆動され
減速機を介して低速で回転する略円台状の回転テーブル
3と、その回転テーブル3の外周部の上面において円周
方向へ等分する位置へ油圧あるいはスプリング等で荷重
を付加されて回転する複数個の粉砕ローラ4を備えてい
る。
【0005】原料供給管(センターシュート)2から、
回転テーブル3の中央へ供給された原料は、回転テーブ
ル3上において遠心力によりうず巻状の軌跡を描いて回
転テーブル3の外周へ移動し、回転テーブル3の粉砕レ
ースと粉砕ローラ4の間にかみ込まれて粉砕される。
【0006】ハウジング8の下部には、ダクトを通して
燃焼用空気の一部ともなる熱風(一次空気)6が導かれ
ており、この熱風(一次空気)6が回転テーブル3とハ
ウジング8の間にあるエアスロートのスロートベーン7
の間を通して吹き上っている。粉砕後の粉粒体は、エア
スロートから吹き上る熱風(一次空気)6によって、ハ
ウジング8内を上昇しながら乾燥される。
【0007】ハウジング8の上方へ輸送された粉粒体
は、粗いものから重力により落下し(一次分級)、粉砕
部で再粉砕される。この一次分級部を貫通したやや細か
な粉粒体は、ハウジング8の上部に設けた固定式分級機
(サイクロンセパレータ)あるいは回転式分級機(ロー
タリーセパレータ)9で再度分級される。所定の粒径よ
り小さな微粉は、気流により搬送され、ボイラでは微粉
炭燃焼用バーナへと送られる。
【0008】分級機を貫通しなかった所定粒径より大き
な粗粉は、回転テーブル3の上へ重力により落下し、ミ
ル内へ供給されたばかりの原料とともに再度粉砕され
る。このようにして、ミル内では粉砕が繰り返され、製
品微粉が作り出されていく。
【0009】ローラミルを低負荷で運用する場合や、負
荷減少あるいはミルの停止操作の際に問題となるのはミ
ルの振動である。この振動現象は、炭層とローラのすべ
りに起因する一種の摩擦振動であり、振動のタイプとし
ては自励振動である。ふつうの石炭では、低負荷運用時
(ミル内において石炭ホールドアップの少ない条件)に
この振動が激しくなることが多いが、石炭種によっては
かなりの高負荷時にも発生することがある。
【0010】この振動と微粉生成は、一般に強く係わり
合っている。すなわち、粒度を微細にしようとすると、
ミルの粉砕部の粉層の粒度も細かくなりローラの転動が
不安定になって、振動が発生し易くなる。一方、粒度を
制限して粉砕部の粉層を粗くすると振動は発生せず、ロ
ーラの転動は安定になる。要するに、粉砕能力の向上と
振動抑制を同時に達成できないのが、従来技術のレベル
である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図11に、従来から広
く使われている粉砕ローラの構成を示す。粉砕面の形状
が、粉砕ローラの断面としてみてこの例のように略円弧
の場合には、粉砕ローラの直径をD、粉砕ローラの幅を
Wとすると、D/W=3 の形状が使用されている。
【0012】しかしながら、この形状に関しては、次の
ように課題がある。
【0013】粉砕ローラの直径が大きいため、重量も
大きくなり、自励振動が激しくなる。粉砕ローラの重量
をMo、シャフト等の剛性をいわゆるバネ定数kとして
与えて、単純な一自由度系として評価する場合、固有振
動数fnは、 fn ∝√(k/Mo) となるため、Moの大きな従来型の粉砕ローラではfn
が低くなり、結果的に自励振動が激しくなる。
【0014】粉砕ローラが大きいと、粉砕レース上に
おける投影面積Seも大きくなる。トータル粉砕荷重を
Mとすると、見かけの面圧力σeは、 σe=M/Se で与えられるので、粉砕ローラを大きくすると、粉砕能
力に直接かかわってくる面圧力σeを大きくとることが
できなくなる。σeを増加する場合には、外部から油圧
力等で加える力(M−Mo)を増大させなければならな
い。
【0015】粉砕ローラの直径が大きいと、ミルの背
が高くなり、製造コストとして負担になる。
【0016】粉砕ローラが大きいと、これも製造コス
トとしての負担となる。
【0017】粉砕ローラが大きかったり、重たい場合
には、粉砕ローラ交換時の着・脱作業が大変であり、メ
ンテナンス上の問題となる。
【0018】本発明の目的は、上記した課題を解決する
新規な構成の粉砕ローラを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は次のような構成を採用する。
【0020】微粉砕すべき固体燃料又は固体原料を受け
取る回転テーブルの外周側に設けられた粉砕レースと、
前記粉砕レース上で前記回転テーブルと連動して回転す
るタイヤ型の粉砕ローラと、によって固体燃料又は固体
原料を微粉砕するローラミルの粉砕部構造において、前
記粉砕ローラの粉砕面の曲率半径Rrolと前記粉砕レ
ースの粉砕面の曲率半径Rracの比を、 0.76≦Rrol/Rrac≦0.90 とし、前記粉砕ローラの直径Dと粉砕ローラの幅Wの比
を、 1.40≦D/W≦2.85 とするローラミルの粉砕部構造。
【0021】また、前記ローラミルの粉砕部構造におい
て、前記粉砕ローラは、シャフトと複数のくさび型部材
により機械的に係合固定されて一体的に回転するように
し、前記シャフトの軸受部は前記粉砕ローラを支持する
ブラケットに内装され、前記ブラケット内の軸受部に潤
滑剤を供給するとともに前記ブラケット内の軸受部をシ
ール部材により封止するローラミルの微粉砕用ローラ。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係るローラミ
ルの粉砕部構造について、図1〜図8を用いて以下説明
する。ここで、1は原料、3は回転テーブル、4は粉砕
ローラ、5は粉砕レース、6は熱風(一次空気)、7は
スロートベーン、9は回転分級機、10はシャフト、1
4は粉砕リング、17はベアリング、18はローラブラ
ケット、19は加圧フレーム、20はローラピボット、
Rrolは粉砕ローラの粉砕面の曲率半径、Rracは
粉砕レースの粉砕面の曲率半径、Dは粉砕ローラの直
径、Wは粉砕ローラの幅、をそれぞれ表す。
【0023】結論的に云えば、本発明の実施形態では、
粉砕要素の形状すなわち粉砕ローラと粉砕レースの断面
図上の曲率半径比と、粉砕ローラの直径/幅の比、とを
規定し、粉砕能力を高く維持しながら振動を軽減し、超
微粉砕時においてもローラミルを安定に運用できるよう
にするものである。
【0024】まず、断面図上における粉砕ローラと粉砕
レースの曲率半径の比を、 0.76≦Rrol/Rrac≦0.90……(1) の中から選定するか、あるいはより望ましくは、 0.79≦Rrol/Rrac≦0.89……(2) の範囲から決定するミルであって(ここに、Rrolと
Rracは、それぞれ粉砕ローラと粉砕レースの曲率半
径)、粉砕ローラの直径Dと幅Wの寸法比を、 1.40≦D/W≦2.85……(3) の中から選定するか、あるいはより望ましくは、 1.55≦D/W≦2.80……(4) の範囲から決定するものである。この決定の根拠は後述
する。
【0025】図1は、本発明を具体化した粉砕ローラを
搭載するローラミルの構成を、縦方向の断面図として描
いたものである。粉砕ローラ4と粉砕レース5の粉砕面
の曲率半径の比Rrol/Rrac、並びに粉砕ローラ
4の直径Dと幅Wの比D/W、に係わる形状をいずれも
(1)式と(3)式、又は(2)式と(4)式で示す適
正条件の範囲内から決定している。粉砕ローラ4のシャ
フト10は、背後から、ローラブラケット18により支
えられている。このローラブラケット18の頂部にはロ
ーラピボット20が装着されており、粉砕ローラ4がス
ムーズに振り子運動できるようになっている。
【0026】また、ローラピボット20は、粉砕荷重の
伝達点であり、上方から加圧フレーム19を介して、粉
砕荷重が、ローラピボット20→ローラブラケット18
→シャフト10→粉砕ローラ4へと伝わる。この図では
省略しているが、粉砕原料は、粉砕ローラ4と粉砕レー
ス5の間にはさみ込まれて圧縮されて粉砕される。粉砕
レース5は、回転テーブル3の外周側にはめ込んだ粉砕
リングの凸面で丸みを有する凹形の部分であり、この上
で粉砕ローラ4が転動する。ハウジング8の上方には、
回転分級機9が内装されている。
【0027】図2は、粉砕ローラ4と粉砕レース5の断
面図上における粉砕面形状の組み合わせについて描いた
ものである。粉砕レース5の曲率半径Rracに対する
粉砕ローラ4の粉砕面の曲率半径Rrolの比は、Rr
ol/Rrac=0.86であり、この条件は、先に述
べた(2)式の範囲を満足する。
【0028】このような粉砕面形状の組み合わせにおい
て、図3の(1)に示すように、粉砕ローラ4の直径D
と幅Wの比はD/W=2.7と与えられる。この条件
も、先に述べた(4)式の範囲を満足する。
【0029】図3の(2)に示す粉砕ローラ4は、図3
(1)の例よりもさらに粉砕ローラ4の直径Dを小さく
し、粉砕ローラ4の幅Wを大きくして見かけ上は「ずん
ぐり型」であり、D/W=2.55である。この条件
は、(4)式に示す範囲内にある。また、この粉砕ロー
ラ4の粉砕面の曲率半径Rrolと粉砕レース(この図
では省略)の曲率半径Rracの比は、Rrol/Rr
ac=0.86であり、これも先に述べた(2)式で示
す範囲内にある。
【0030】この実施形態の粉砕ローラ4は、複数のキ
ー22によってシャフト10に固定されており、粉砕ロ
ーラ4の内部にはベアリング17を内装していない。ベ
アリング17は、ローラブラケット18の内部に内装さ
れており、ローラブラケットにはシールプレート21’
及び21”が設けられており、ダストが軸受部に混入し
ないようになっている。また、粉砕ローラ4の前面部
(回転テーブルの回転中心側)にもシールプレート2
1”’が設けられていて、粉砕ローラ4の内部へもダス
トが混入しないような対策が施されている。
【0031】図3の(2)のように、ベアリング17を
ローラブラケット18へ移したのは、粉砕ローラ4の直
径Dが小さくなり、ベアリング17をシャフト10には
め込むスペースが無くなるためである。シャフト10を
細くすれば、ベアリング17も小さくなるので、このよ
うな小径化した粉砕ローラ4であってもベアリングを粉
砕ローラ4に内装することが可能であるが、シャフト1
0の剛性は重要であり、むやみに細くすることはできな
い。これは、シャフト10の剛性が十分でない場合に
は、粉砕ローラ4の自励振動が激しくなるからである。
【0032】次に、粉砕ローラと粉砕レースの曲率半径
の比Rrol/Rracに関する機能乃至作用について
説明する。
【0033】図4において、横軸は、粉砕ローラと粉砕
レースの曲率半径の比Rrol/Rracを示してお
り、様々な粉砕面形状の粉砕ローラあるいは粉砕レース
を試作して、それらを組み合わせた条件を示している。
縦軸は、振動発生時のピーク加速度Gを示すものであっ
て、最小ピーク加速度Gmで割ることにより無次元化し
て表わした。測定点の繁雑さを避けるために、測定点の
ある領域をハッチングして表わした。両粉砕面の曲率半
径の比Rrol/Rracが0.7以下になると、急速
に振動加速度が増大することがわかる。
【0034】粉砕レースの粉層上において、粉砕ローラ
の動きが安定に保たれる適正な領域は、この結果からも
明らかであり、先に示したように、Rrol/Rrac
>0.76である。一方、Rrol/Rracが1に近
づくほど粉砕ローラは転動しにくくなるので、Rrol
/Rracにも上限が存在し、この条件はRrol/R
rac≦0.90で与えられる。
【0035】図5は、微粉粒度qに対する粉砕ローラと
粉砕レースの曲率半径の比Rrol/Rracの関係を
表したものである。縦軸における微粉粒度qは、微粉粒
度の最高値qMで割ることにより無次元化している。お
おまかにみて、Rrol/Rrac=0.76〜0.9
0の領域において粒度が最も細かくなることが分かる。
【0036】この適正領域は、先に述べたように(1)
式あるいは(2)式で規定される条件である。
【0037】以上のことから、粉砕能力あるいは粉砕ロ
ーラの転動安定性(振動抑止)の両観点から、粉砕ロー
ラと粉砕レースの曲率半径の比Rrol/Rracは、
(1)式あるいは(2)で示される条件を満足する。
【0038】次に、粉砕ローラの直径とその幅の比に関
する機能乃至作用について説明する。図6は、ローラの
直径と幅の比D/Wに対する振動のピーク加速度Gの変
化をまとめたものである。この結果も、多くの粉砕ロー
ラを試作して行った実験の結果から得られたものであ
る。縦軸における振動のピーク加速度Gは、D/W=
3.0(従来技術)における振動のピーク加速度G*
割ることにより無次元化して表している。
【0039】従来技術D/W=3.0より、D/Wを小
さくしていくと、振動加速度のピークが減少していくこ
とが分かる。従来品の半分であるD/W=1.5になる
と、振動のピーク加速度は半分まで減少する。D/Wを
変化させる場合、粉砕ローラの直径Dを小さくするだけ
ではなく、粉砕ローラの幅Wを大きくした粉砕ローラも
含まれている。
【0040】この結果から、振動抑制の観点からは、粉
砕ローラのD/Wは、先に述べた(3)式あるいは
(4)式を満足する条件であれば、振動を軽減できる効
果の生じることが明らかである。特にD/W>2.85
の条件では、振動加速度が急増する傾向を示しており、
振動を抑制して粉砕ローラの転動を安定にしたいという
立場からは、粉砕ローラの形状として好ましくないこと
が明瞭である。
【0041】図7の(1)は、見かけ面圧力σeに対す
る粒度qの変化をまとめたものである。ここで見かけ面
圧力σeとは、図7の(2)で示すように、粉砕ローラ
4から粉砕レース5上へおろしてできる投影面積Seに
よって、トータル粉砕荷重M(粉砕ローラ4の自重も含
む)を割った値である。
【0042】σe=M/Se ……(5) で定義される。
【0043】図7の(1)における横軸σe/σe
*は、基準とする見かけ面圧力σe*でσeを割ることに
より無次元化している。一方、縦軸における粒度qも、
σe=σe*としたときの微粉粒度q*で割ることにより
相対値として表した。見かけ面圧力σeを変える際に
は、以下に示す2通りの方針、即ち、 幅Wを一定にして、直径Dを変化させる、 直径Dを一定にして、幅Wを変化させる、 ことにより、粉砕ローラを種々試作し、投影面積Seを
変えた。
【0044】ここで、全実験において、トータル粉砕荷
重Mは一定である。図7の(1)の結果から明らかなよ
うに、粉砕ローラの小径化によって、基準条件よりもσ
e/σe*を増加させる場合には、微粉粒度は同等かや
や上昇傾向であり、粉砕能力の低下は殆んどみられな
い。一方、幅を狭くして見かけ面圧を上昇させた粉砕ロ
ーラでは、σe/σe*の増加とともに粒度が減少す
る。
【0045】これは、幅の狭い粉砕ローラの場合、粉砕
原料のかみ込みが不十分で、かみ込まれないまま粉砕ロ
ーラのまわりを流下する粉層粒子が多いため、と考えら
れる。この結果から明らかに、見かけ面圧を大きくする
場合、幅を狭くするよりも直径を小さくした方が、微粉
生成の観点からは有利であることが分かる。
【0046】以上のことから、粉砕ローラの小径化が有
利であることが判明したが、小径化にも限度があり、適
正な条件が存在する。例えば、図8は、幅Wを変えずに
直径のみ(D)を変化させる3個の粉砕ローラ4”を搭
載したローラミルの粉砕部を、上方からの視図として描
いたものである。粉砕ローラ4”のように直径が小さい
と、隣り合う粉砕ローラ4”同士が離れて距離が長くな
るために、粉砕ローラ4”同士の隙間から、原料粉層の
粒子がすり抜けてしまう(α)。
【0047】この他に、過度に粉砕ローラの直径を小さ
くすると、摩耗の進展が速く、使用寿命が長くなるとい
う問題もある。そのため、粉砕ローラにおける小径化の
適正な下限界を、先に記述したように(3)式あるいは
(4)式により与えている。
【0048】以上説明したように、本発明の実施形態
は、ローラミルの粉砕部の構造に特徴を有するものであ
り、その構造は、前記(1)式と(3)式、又は(2)
式と(4)式を満足するものである。
【0049】そして、前記(1)式及び(3)式は、そ
れぞれ(2)式と(4)式の範囲よりも広く、形状の条
件としては緩やかになっている。これらの範囲の違い
は、経年摩耗変形時における粉砕・振動特性変化の許容
程度に係わる。経年摩耗変形が進むと、同一の微粉粒度
で比較した場合でも、粉砕動力は増加し、また、振動が
発生し易くなる。
【0050】(2)式と(4)式で与える範囲は、この
ような経年摩耗変形の進行によっても、性能の変化をわ
ずかに抑えることのできる最適な条件に相当している。
一方、(1)式と(3)式の範囲は、Rrol/Rra
cの下限を広くしているため、図4からも振動が生じ易
く、またD/Wも小さいことで摩耗の進行が速いことが
分かる。したがって、(2)式と(4)式の範囲に比べ
ると、経年摩耗時には、自励振動がわずかに生じ易くな
り、また粉砕動力も幾分上昇気味となることを許容する
条件といえる。
【0051】前記(1)式もしくは(2)式を満足する
粉砕面の形状は、これ以外の形状に比べて、微粉粒度が
最も高くなる最適形状である。(3)式あるいは(4)
式の条件によれば、従来型粉砕ローラよりも小径(相対
的に幅が広がるので見かけは「ずんぐり型」になる)に
なるので、見かけの面圧力(トータル粉砕荷重M/粉砕
ローラ4の粉砕レース5上への投影面積Se)が高ま
り、粉砕ローラは小型になるにもかかわらず、粉砕能力
が高く維持されるようになる。
【0052】また(3)式あるいは(4)式の条件程度
の小径化であれば、粉砕ローラと粉砕ローラの間からハ
ウジング側への扮層粒子のすり抜け量も従来技術と同様
に少なく、ミル差圧の上昇といったミル性能の低下は生
じない。
【0053】さらに、粉砕ローラが軽量になるので、振
動時の加速度レベルは低下し、自励振動が生じたとして
も軽微であり、超微粉生成時でもローラミルを安定に運
用できるようになる。粉砕ローラの軽量化に伴う振動の
軽減は、下記2つのメカニズムに依る。
【0054】粉砕ローラを「質量」、そして粉砕ロー
ラを支えるシャフト系を「バネ」として考える一自由系
をあてはめてみても、粉砕ローラの自重が小さくなるた
め、固有振動数が高い領域へとシフトする、そのため、
振動のレベルは低下する。
【0055】軽量の粉砕ローラは、扮層の崩壊による
軌道のずれが生じたとしても、回転慣性が小さいため
に、回転テーブルの回転に容易に追従する。したがっ
て、粉砕ローラと回転テーブル間の速度差に起因するす
べり振動は発生しない。
【0056】(1)式及び(3)式は、それぞれ(2)
式と(4)式の条件を緩和した範囲となっているが、こ
れは前述したように、経年摩耗変形時における振動発生
及び粉砕動力増加の許容程度の差を示すものである。
(2)式と(4)式の条件の組み合わせは、かなり経年
摩耗が進んだ条件でも、振動・粉砕特性が新品時とほぼ
同等に維持される最適条件を示している。なお、粉砕部
が新品時に近い状態であれば、いずれの条件範囲であっ
ても、振動・粉砕特性の差は謹少である。
【0057】次に、本発明に係る粉砕部構造は、図1の
実施形態に示したローラを振り子動作が可能なように支
持するタイプのローラミルのみならず、他のタイプのロ
ーラミルへも適用して具体化することができる。図9
は、本発明の実施形態に係る粉砕ローラ4を、アームシ
ャフト11の先端に片持ちばり式に支えるタイプであ
る。アームシャフト11は、ハウジングに固定されたジ
ャーナル15を通す軸によって支えられている。このア
ームシャフト11の上端部にはレバー16があり、油圧
シリンダ12から粉砕荷重としての押圧力13が加わる
ようになっている。
【0058】この粉砕ローラ4の直径Dと幅Wの比は、
D/W=2.6の条件である。また、断面図上の粉砕ロ
ーラと粉砕レースの曲率半径の比は、Rrol/Rra
c=0.86になっている。粉砕能力の向上や、振動軽
減という効果は、このタイプのローラミルにおいても、
先に述べた図1のローラミルと同様に生じる。
【0059】
【発明の効果】本発明を具体化することによって得られ
る効果は、次のようにまとめられる。
【0060】(1)粉砕ローラと粉砕レースの曲率半径
の比、及び粉砕ローラの直径と幅の比を、本発明に従っ
て同時に満足すれば、粉砕能力が向上し微粉粒度を細か
くすることができる。
【0061】(2)粉砕ローラが軽量化するので自励振
動が起きにくくなり、自励振動が生じたとしても軽微で
ある。したがって振動対策が不要になり、運用条件の変
更等によって粉砕能力が犠牲になることはない。
【0062】(3)粉砕ローラが小型になり軽量化する
ので、粉砕ローラの交換作業が容易で短時間で済むよう
になる。要するにメンテナンス性が向上する。
【0063】(4)ミル差圧や粉砕動力の増大といった
ミルの性能低下は生じない。
【0064】(5)粉砕ローラの支持構造が異なる様々
なタイプのローラミルへも本発明の粉砕ローラを適用可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る粉砕ローラを搭載した
ローラミルの全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る粉砕ローラ及び粉砕レースの
粉砕面の形状を示す図である。
【図3】本実施形態に係る粉砕ローラ全体の形状・寸法
を示す図である。
【図4】粉砕ローラと粉砕レースの曲率半径の比に対す
る振動の態様をについての実験結果を示す図である。
【図5】粉砕ローラと粉砕レースの曲率半径の比に対す
る微粉粒度の態様をについての実験結果を示す図であ
る。
【図6】粉砕ローラの直径と幅の比に対する振動の態様
をについての実験結果を示す図である。
【図7】粉砕ローラの直径と幅の比に対する微粉粒度の
態様をについての実験結果を示す図である。
【図8】本実施形態に係る粉砕ローラの形状・寸法決定
の考え方を示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図10】一般的なローラミル全体の概略構成図であ
る。
【図11】従来技術に係る粉砕ローラの形状・寸法を示
す図である。
【符号の説明】
1 原料 3 回転テーブル 4 粉砕ローラ 5 粉砕レース 6 熱風(一次空気) 7 スロートベーン 9 回転分級機 10 シャフト 14 粉砕リング 17 ベアリング 18 ローラブラケット 19 加圧フレーム 20 ローラピボット Rrol 粉砕ローラの粉砕面の曲率半径 Rrac 粉砕レースの粉砕面の曲率半径 D 粉砕ローラの直径 W 粉砕ローラの幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹野 豊 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 廻 信康 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 村上 英治 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 三井 秀雄 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 佐古田 光太郎 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 Fターム(参考) 4D063 EE04 EE13 EE24 GA08 GA10 GC19 GC22 GC27 GC32 GD24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粉砕すべき固体燃料又は固体原料を受
    け取る回転テーブルの外周側に設けられた粉砕レース
    と、前記粉砕レース上で前記回転テーブルと連動して回
    転するタイヤ型の粉砕ローラと、によって固体燃料又は
    固体原料を微粉砕するローラミルの粉砕部構造におい
    て、 前記粉砕ローラの粉砕面の曲率半径Rrolと前記粉砕
    レースの粉砕面の曲率半径Rracの比を、 0.76≦Rrol/Rrac≦0.90 とし、 前記粉砕ローラの直径Dと粉砕ローラの幅Wの比を、 1.40≦D/W≦2.85 とすることを特徴とするローラミルの粉砕部構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のローラミルの粉砕部構
    造において、 前記粉砕ローラは、シャフトと複数のくさび型部材によ
    り機械的に係合固定されて一体的に回転するようにし、 前記シャフトの軸受部は前記粉砕ローラを支持するブラ
    ケットに内装され、 前記ブラケット内の軸受部に潤滑剤を供給するとともに
    前記ブラケット内の軸受部をシール部材により封止する
    ことを特徴とするローラミルの微粉砕用ローラ。
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JP2021523828A (ja) * 2018-05-15 2021-09-09 プリホーダ,ヘルムート 研削装置の生産性を向上させるための方法

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