JPH06320029A - ローラミル - Google Patents

ローラミル

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Publication number
JPH06320029A
JPH06320029A JP11470593A JP11470593A JPH06320029A JP H06320029 A JPH06320029 A JP H06320029A JP 11470593 A JP11470593 A JP 11470593A JP 11470593 A JP11470593 A JP 11470593A JP H06320029 A JPH06320029 A JP H06320029A
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JP
Japan
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roller
crushing
weight
mill
bracket
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Pending
Application number
JP11470593A
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English (en)
Inventor
Kazunori Satou
一教 佐藤
Nobuyasu Meguri
信康 廻
Kazunori Shoji
一紀 正路
Hiroaki Kanemoto
浩明 金本
Hiroshi Yuasa
博司 湯浅
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉砕ローラが同期して首を振ったり、上下動
するのを防止し、自励振動を起こすことなく、広域負荷
または多炭種での運用を可能にするローラミルを提供す
る。 【構成】 垂直軸回りに回転する回転テーブル3の上面
外周部に設けた断面溝型の環状粉砕面15上に所定間隔
をもって配置した粉砕ローラ4と、この粉砕ローラを回
転可能に支持するローラブラケット7と、ローラブラケ
ットを介して粉砕ローラを回転テーブルに押圧する加圧
装置10とを備えたローラミルにおいて、各粉砕ローラ
の側壁面の形状を変化させて、その重量を粉砕ローラご
とに変化させるか、ローラブラケットの形状を変化させ
てローラブラケットごとの重量を変化させる。 【効果】 各粉砕ローラが同期して激しく振動すること
を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はローラミルに係り、特に
低負荷時に卓越的振動が発生するのを防止するため、粉
砕ローラ、ローラブラケットの構成を改良したローラミ
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】石炭焚ボイラでは、低公害燃焼(低NO
x、灰中未燃分低減)や広域負荷操業が実施され、それ
にともない微粉砕機(ミル)も性能向上が要求されてい
る。石炭、セメント原料、新素材原料などの塊状物を細
かく粉砕するミルのひとつのタイプとして、回転するテ
ーブルと複数個のローラで粉砕を行なう竪型のローラミ
ルが広く用いられるようになり、最近では代表機種とし
てのひとつとしての地位を固めつつある。
【0003】この種のミルは、円筒型をしたハウジング
(ミルハウジング)の下部にあってモータで駆動され減
速機を介して低速回転する略円板状の回転テーブルと、
そのテーブルの外周部の上面において円周方向へ等分す
る位置へ油圧またはスプリング等で圧加されて回転する
複数個の粉砕ローラを備えている。回転テーブルの中心
へ原料供給管(センターシュート)より供給された粉砕
原料は、回転テーブル上において遠心力によりうず巻状
の軌跡を描いて該テーブルの外周へ移動し、回転テーブ
ルの粉砕レース面と粉砕ローラの間にかみ込まれて粉砕
される。ミルハウジングの下部には、ダクトを通して熱
風が導かれており、この熱風が回転テーブルとハウジン
グの間にあるスロートベーンを備えたエアスロートから
吹き上がっている。粉砕後の粉粒体は、エアスロートか
ら吹き上がる熱風によってハウジング内を上昇しながら
乾燥される。ハウジングの上方へ輸送された粉粒体は、
粗いものから重力により落下し(1次分級)粉砕部で再
粉砕される。この1次分級部を貫通したやや細やかな粉
粒体は、ハウジングの上部に設けたサイクロンセパレー
タまたはロータリセパレータ(回転分級機)で再度分級
される(2次分級)。所定の粒径より小さな微粉は気流
により搬送され、ボイラでは微粉炭バーナまたは微粉炭
貯蔵ビンへと送られる。分級機を貫通しなかった所定粒
径以上の粗粉は、回転テーブル上へ重力により落下し、
ミル内へ供給されたばかりの原料とともに再度粉砕され
る。このようにして、ミル内では粉砕が繰り返され、製
品微粉が生成されていく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ローラミルを広域負荷
範囲で運用しようとする場合、負荷の切り下げにおいて
問題となるのはミルの振動である。この振動現象は複雑
であり、詳細なメカニズムまで明らかにされているわけ
ではないが、炭層とローラのすべりに起因する一種の摩
擦振動であると考えられる。振動のタイプとしては、励
振源をはっきりと特定できないことから、また振動波形
がスパイク状になることから自励振動の一種といえる。
一般的な石炭では、図11に示すように、低負荷運用時
(ミル内における石炭ホールドアップの少ない条件)に
おいて、この振動が激しくなる。
【0005】図14は、従来式粉砕ローラの動きを断面
図として示したものである。このタイプのローラミルで
は、ローラブラケット1002を介して、ローラピボッ
ト1005を支軸として、粉砕ローラ1001が首振り
(振り子動作)が可能なように支持される。この首振り
機能は大変に重要であり、粉砕ローラ1001が鉄片等
粉砕されにくい異物をかみ込んだ場合、粉砕ローラ10
01は首を振ることによって衝撃を回避することができ
る。また、粉砕ローラ1001や粉砕レース1015が
摩耗したときには、押圧位置、すなわち粉砕ローラ10
01と粉砕レース1015との位置関係を適切に変化さ
せていく機能がこの首振り機能にはある。
【0006】一般に高負荷粉砕時には、粉砕ローラ10
01はほとんど首を振ることがない。上記したように、
ミルの軌道時または負荷上昇時などにおいて粉砕ローラ
1001が原料を活発にかみ込む場合には、粉砕ローラ
1001は首を振るものの、この首振り動作において3
個の粉砕ローラ1001の動きは同期しない。このとき
ミルは振動しかけるが、粉砕ローラ1001が同期しな
いために卓越周波数は特定できず、周波数分布がブロー
ドないわゆる強制振動的なものである。したがって、こ
の振動は、ローラミルの運用を妨げることはない。
【0007】一方、粉砕ローラ1001が激しく自励振
動する場合には、図12に示すように、粉砕ローラ80
1は、圧縮粉層809の崩壊により3個ともほぼ同時に
外側へ横ずれし(β)、ついで図13のように上下方向
に振動する(γ)。この上下振動(γ)は、粉砕ローラ
801の回転周速度と回転テーブル806の回転周速度
との速度差に起因して発生する。つまり、A′−Bのよ
うな位置ずれが速度差となってあらわれるわけである。
この場合、3個の粉砕ローラ801は、同期して(同位
相で)一緒に上下方向に振動する。
【0008】以上から、ローラミルの振動を、粉砕部の
ハードウェアの工夫によって抑止しようとするには、3
個の粉砕ローラ801が同期して動くこと、すなわち自
己同期化現象と呼ばれる同位相運動を阻止することが肝
要であることがわかる。本発明の目的は、以上のような
考え方に基づき、粉砕ローラが同期して首を振ったり、
または上下振動する運動を防止し、自励振動を起こすこ
となく広域負荷または多炭種での運用を可能にする、粉
砕部の構造、特に粉砕ローラとローラブラケットの構造
を改良したローラミルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願の第1の発明は、水平面内を垂直軸まわりに回転し
上面に断面溝型の環状粉砕面を有する回転テーブルと、
回転テーブルの上記粉砕面上に所定間隔をへだてて配置
された複数個の粉砕ローラと、粉砕ローラをローラシャ
フトを介して回転可能に支持するローラブラケットと、
ローラブラケットを介して粉砕ローラを回転テーブルに
押圧する加圧装置とを備えたローラミルにおいて、粉砕
ローラの側壁面の形状を変化させることにより、その重
量(自重)を粉砕ローラごとに変化させたことを特徴と
するローラミルに関する。
【0010】第2の発明は、上記第1の発明において、
粉砕ローラの重量の変化割合を、粉砕ローラの標準重量
に対して3%以上、20%未満としたことを特徴とする
ローラミルに関する。第3の発明は、垂直軸まわりに回
転し上面に断面溝型の環状粉砕面を有する回転テーブル
と、回転テーブルの上記粉砕面上に所定間隔をへだてて
配置された複数個の粉砕ローラと、粉砕ローラをローラ
シャフトを介して回転自在に支持するローラブラケット
とローラブラケットを介して粉砕ローラを回転テーブル
に押圧する加圧装置とを備え、粉砕ローラと回転テーブ
ルの間で原料を粉砕するローラミルにおいて、ローラブ
ラケットの形状を変化させることにより、ローラブラケ
ットの重量を粉砕ローラごとに変化させたことを特徴と
するローラミルに関する。
【0011】第4の発明は、上記第3の発明において、
ローラブラケットの重量の変化割合を、ローラブラケッ
トの標準重量に対して3%以上、20%未満としたこと
を特徴とするローラミルに関する。
【0012】
【作用】上記した問題点を解決するために、本発明にお
いては、粉砕ローラまたはローラシャフトを介して粉砕
ローラと一体となって動くローラブラケットの重量すな
わち自重を、粉砕ローラごとに変化させる手段を採用す
る。粉砕ローラの粉砕面ではない部分すなわち側面部に
突起体または凹部を形成して重量(自重)を変化させ
る。同様の突起体または凹部は、必要に応じてローラブ
ラケットに設ける。突起体、または凹部に相当する重量
割合は、標準形状部分の重量に対して少なくとも3%以
上、また最大でも20%未満になるようにする。この重
量偏差があまりに大きすぎると、不規則振動(自励振動
ではない)が粉砕部に発生するあそれがあるからであ
る。一方、重量の偏差が小さすぎる場合には、自励振動
を抑制する効果が生じにくくなる。
【0013】このように、粉砕ローラや各ローラブラケ
ットまたは両者の組み合わせにおいて、その形状や自重
を変化させることで、各粉砕ローラの回転慣性が異な
り、図12で示したような横ずれ状の動作が異なってく
る。ちなみに粉砕ローラの回転慣性は、自重に比例す
る。このように、粉砕ローラごとに回転慣性を変化させ
ることで、同一ミル内における粉砕ローラの自己同期化
(同位相)動作はキャンセルされ、結果的に自励振動が
抑止されることになる。また、粉砕ローラの側壁形状を
粉砕ローラごとに変化させることで重量(自重)を異な
らせる場合には、回転不釣合が粉砕ローラ同士に発生
し、この効果によっても自己同期化動作が防止される。
【0014】ある粉砕ローラにおいて、ローラブラケッ
トまでも含めた回転慣性および横ぶれ、上下振動慣性
が、他の粉砕ローラのそれよりも大きな場合、図12の
ように横ずれ気味に首を振ったときには、回転テーブル
の回転速度との速度差に追従しにくくなる。すなわち、
他の粉砕ローラに比べて、スティック・スリップ等の摩
擦振動を起こし易くなる。逆に、回転慣性が他の粉砕ロ
ーラのそれよりも小さな粉砕ローラでは、横ずれ気味の
すべり(図12)によって発生する速度変化に対して、
比較的良好に追従する。つまり、すべりが生じても、す
みやかに正常位置へ復帰し、正常軌道で回転するように
なるわけである。
【0015】このように、粉砕ローラごとに回転慣性を
変化させることで、炭層の崩壊にともなう横ずれ状の突
発的なすべりが生じてもその後の動作は、(a)生じた
速度差に追従できず、スティック・スリップ運動へ変化
するか、または(b)速度差に追従して正常回転軌道へ
復帰するというように、粉砕ローラごとに異なる。粉砕
ローラには、正常位置へ戻ろうとする(すべりにより位
置ずれした外側から内側へ)回復力が作用するため、
(a)と(b)が同時に生じた場合、(a)の動きは
(b)へと誘引され易くなる。このようにして、各粉砕
ローラの動作は同期せず、相互にキャンセルし合うよう
になる。以上のような作用により、ローラミルに設けた
全てのローラ、例えば3個の粉砕ローラが同位相動作と
して外側へすべりさらに上下に振動するといった自己同
期化型の自励振動は抑制されることになる。ただし、
(a)と(b)の動作が同時に生じる場合には、瞬時に
ではあるが微弱な衝撃振動が発生する可能性がある。こ
のような自己同期化防止のメカニズムは、粉砕ローラご
との回転慣性の変化のみならず、前述したように、粉砕
ローラ側壁形状の変化による場合において回転の不釣合
によっても生じる。
【0016】
【実施例】図1は、本発明になる粉砕部構造を具体化し
たローラミルの構造を、中心軸を通る断面図として描い
たものである。このローラミルの粉砕部は、大まかに、
主要素である粉砕ローラ4と回転テーブル3により構成
されている。本発明の特徴は、粉砕ローラ4と粉砕ロー
ラ4を支えるローラブラケット7の形状および重量変更
に関するものであるので、まずはじめにこれについて説
明する。
【0017】図2は、ローラミル内に配設した粉砕ロー
ラ201におけるその側壁面の形状を、粉砕部上方から
の略視図として示したものである。粉砕ローラ201
(a)の内側(回転テーブルの中心軸側)の側壁面の一
部には、小ウェイト肉盛部202を設ける。これに対
し、粉砕ローラ201(b)の内側壁面の一部には、大
ウェイト肉盛部203を設ける。一方、粉砕ローラ20
1(c)の内側側壁面の一部は、えぐられるようにウェ
イト減少(肉削)部204を刻設する。これらの中で粉
砕ローラの重量が最も重いものは粉砕ローラ201
(b)であり、逆に最も重量の軽いものは粉砕ローラ2
01(c)である。ローラブラケット(この図では省
略)の重量が同一の場合、標準形状(肉盛部202、2
03や肉削部204のない場合)の粉砕ローラの重量に
対して、重量の変化割合は少なくとも3%以上また最大
でも20%未満の範囲内とする。重量変化が著しく少な
い場合は、回転慣性変化の効果が生じない。逆に重量変
化が大きすぎると、不規則振動が激しくなるおそれがあ
る。この実施例のように、粉砕ローラの側壁面の形状変
化は、長期間使用による経年摩耗の影響を受けず(粉砕
面ではないため)、自励振動の抑止機能は、ほぼ恒久的
に有効である。このように粉砕ローラの側壁面の形状変
化により重量(自重)を変更した場合は、前述したよう
に、各粉砕ローラの回転に伴なう「不釣合」的な挙動が
粉砕ローラごとに異なるため、相互キャンセル作用によ
り、自己同期化する首振りまたはスティック・スリップ
の動作が削減するという効果が生じる。
【0018】図3〜図5には、粉砕ローラごとにローラ
ブラケットの形状を異ならせ、重量(自重)と粉砕ロー
ラの回転慣性を変更した実施例を示す。図3に示すロー
ラブラケットでは、ローラブラケット311の後側(ミ
ルハウジング側)の下部に、略半球体状のウェイト肉盛
部312を設けている。図4のローラブラケットでは、
ローラブラケット321の後方上部において、ローラ回
転軸323に対して左右対象に、ウェイト減少(肉削)
部322を設けている。図5に構造を示すローラブラケ
ットは、ローラブラケット331の後方上部においてウ
ェイト肉盛部332を、ローラ回転軸333をはさんで
左右対称に設けたものである。以上のように、ローラブ
ラケットの形状と重量(自重)の変更を行なう場合にお
いても、上記した粉砕ローラの重量(自重)の変更を加
えた上で、標準体に対する重量(自重)の変化は3%以
上20%未満の範囲において選択する。この設定基準
は、図6〜図8に構造を示すローラブラケットの実施例
においても同一である。
【0019】図6〜図8も、形状および重量(自重)を
変化させた実施例になるローラブラケットの構造を示し
たものである。図6に示す例では、ローラブラケット4
11の後方(ミルハウジング側)の上部中央(ローラ回
転軸413の上方)に、ウェイト肉盛部412を設けて
いる。図7の実施例は、ローラブラケット421の外側
輪郭において、その側面部(ローラ回転軸423に対し
て左右方向の端面部)を、図6に示した例と比較して、
幅を拡大するとともに、ローラ回転軸423に対して右
下方向(ローラブラケットの後方から見て)にウェイト
肉盛部422を設けたものである。図8の実施例は、図
6における例と比較してローラブラケット431の下部
をより下方へ延設した輪郭の構造とし、さらにローラ回
転軸433の下部に、ウェイト肉盛部432を設けてい
る。これら3つの粉砕ローラにおいて、図6のローラブ
ラケットが最も軽く、図7と図8におけるローラブラケ
ットの重量はほぼ同等である。図6と図7に示すローラ
ブラケットの重心はともに比較的上部にあり、これに対
して図8のローラブラケット431の重心は、3つのロ
ーラブラケットの中で最も低い位置となる。
【0020】順序が逆になったが、本発明になる粉砕部
構造を採用したローラミルの全体構成(図1)について
説明する。原料1は、ミル上部の中心軸上にある原料供
給管(センターシュート)2から供給され、ミルの下部
で回転する回転テーブル3上に落下する。回転テーブル
3の上面外周にある粉砕リング14上に供給されて、こ
の粉砕リング14の上面に刻設されて断面が略円孤型を
した粉砕レース15の上で、粉砕ローラ4により圧縮粉
砕される。前述したように、この実施例のローラミルで
は、粉砕ローラ4に対して、ウェイト肉盛部5またはウ
ェイト減少(肉削)部6を設けており、重量(自重)と
回転慣性が粉砕ローラごとに異なるようになっている。
粉砕されて生成した粉体は、スロートベーン18の間を
貫通してミル内へ吹き込まれる熱風12により乾燥され
ながらミルの上方へ輸送される。粗い粒子は重力により
回転テーブル3上に落下し(1次分級)、粉砕部で再粉
砕される。この1次分級部を貫通した粒子群は、回転分
級機21により遠心分級される(2次分級)。比較的粒
径の小さい粒子は、回転分級機21の羽根の間を貫通
し、製品微粉として製品微粉排出ダクト23から排出さ
れる。石炭の場合は、微粉炭バーナへ直接送られるか
(熱風12が燃焼用1次空気となる)または微粉炭貯蔵
ビンへ回収される。
【0021】ローラブラケットも含めた粉砕ローラの重
量(自重)が粉砕ローラごとに異なれば、その回転慣性
も異なることになる。したがって自励振動発生のきっか
けとなる粉砕ローラの横すべり状の首振り動作が生じた
際の挙動も、粉砕ローラごとに変わってくることにな
る。すなわち、自重が小さく回転慣性の小さい粉砕ロー
ラは、粉砕ローラと回転テーブルの接触位置(粉層を介
して)において、速度変化に比較的良好に追従する。こ
れに対して、回転慣性の大きな場合は、首振り後の位置
において、回転テーブル上の接触位置のずれにともなう
速度変化にはなかなか追従しない。このように、ローラ
ミル内において、各粉砕ローラの挙動が異なれば、各粉
砕ローラが同期して動くいわゆる自己同期化動作が生じ
にくくなる。つまり、回転慣性の大きな粉砕ローラが外
側へ軌道がずれた位置においてスティック・スリップ動
作を起こそうとするのに対し、回転慣性の小さな粉砕ロ
ーラは、内側の正常回転軌道へ戻ろうとする。一方、粉
砕ローラの側壁面の形状変更をした場合は、粉砕ローラ
の回転に伴なう不釣合が、粉砕ローラごとに異なるた
め、自己同期化防止効果が生じる。このように、粉砕ロ
ーラが、その動作を互いにキャンセルし合う(相互キャ
ンセル動作)ようになれば、自己同期化現象に起因する
激しい自励振動の発生を防ぐことができるようになる。
【0022】つぎに、以上のような粉砕ローラにおける
動作の相互キャンセル作用によって得られた振動レベル
低減の結果について述べる。図9は、ミル内における石
炭ホールドアップに対する振動の振幅の変化をまとめ、
本発明の実施例と従来技術とを比較したものである。縦
軸の振幅δocは、粉砕ローラと粉砕レースがメタルタッ
チする空回転時の振幅δoc*で割られて無次元化されて
いる。一方、横軸のホールドアップWは、ミルが定格給
炭量で運用されたときのホールドアップW*で割られて
無次元化されている。この実験結果は、炭質の影響によ
り、比較的激しい振動を起こしやすい石炭を粉砕したと
きに得られたものである。従来技術(図14)では、低
負荷域(W/W*≒0.38)で著しく振幅が増大する
のに対し、本発明を具体化した粉砕部(粉砕ローラおよ
びリングセグメント)を搭載するローラミルでは、振幅
の大幅な低減が可能であることが実証された。本発明の
実施例になる場合でも、他のホールドアップの条件より
は、W/W*≒0.38の近傍において振幅がやや大き
くなるが、この振動は自己増幅的な独特の性質をもつ自
励振動ではなく、各粉砕ローラの回転慣性の変化に基づ
く不釣合振動によるもの(強制振動の一タイプ)であ
る。
【0023】図10は、給炭量QC に対する製品微粉粒
度qの変化を示したものである。縦軸の粒度qは、定格
給炭量QC *のときの従来式ミルにおける基準微粉粒度
q*で割られて表わされている。横軸のQC も、QC
で割られて無次元化されている。一般に粒度qは、給炭
量QC の増加とともに減少する。本発明になる実施例で
は、製品微粉粒度が、従来式ローラミルにおけるそれと
ほぼ同等であることが判明した。すなわち、本発明で具
体化した程度の粉砕部構造の改良では、粉砕性能に大き
な影響を与えない(少なくとも粉砕性能を低下させるこ
とはない)ことが実証されたわけである。
【0024】本発明を具体化した粉砕ローラを採用する
ローラミルは、実施例において説明した石炭焚ボイラ用
のミルに限らず、(i)同じ固体燃料であるオイルコー
クス用のミル、(ii) 脱硫用の石灰石を微粉砕するため
のミル、(iii)鉄鋼スラグ、非鉄精錬スラグを微粉砕す
るミル、(iv) セメントクリンカを微粉砕するセメント
仕上げ用ミル、(v)各種化学製品の原料を微粉砕する
ミル、(vi) FRP(繊維強化プラスチック)廃材等の
産業廃棄物の再利用のための微粉砕処理用ミルの振動回
避技術としてほぼ直接適用することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明を具体化した粉砕ローラを石炭焚
ボイラの石炭微粉砕用ローラミルに搭載したことによる
効果をまとめると以下のようになる。 (1)ローラミルに設けた全ての粉砕ローラの同期(同
位相化)する自己同期化現象による自励振動の発生を防
止できる。これによって、ミル自体を含む各種周辺機器
の耐久性が向上する。結果的に、火力プラント全体の信
頼性が向上する。 (2)低負荷運用が可能となり、ミルの最低負荷をさら
に切り下げることができる。また、負荷変化の応答性を
向上させるようなミルの操作が可能になる。このように
して、ミルを使用するプラント、例えばボイラの運用範
囲が拡大する。低負荷運用域においてもボイラの石炭専
焼が可能になる(従来は油もしくはガス燃料使用)こと
から、助燃用燃料油の消費量を低減できる。したがっ
て、火力プラント全体をより経済的に運用できるように
なる。 (3)炭層の内部摩擦抵抗が小さく激しい振動を起こし
易い石炭、ローラやレースに付着し易い石炭、粉砕性が
著しく良好でミル内石炭ホールドアップが少なくなる石
炭、または単位重量当たりの発熱量が多くミルが低負荷
運用になりがちな石炭でも振動を回避する運用が可能に
なる。このようにして、火力プラントへ適用可能な石炭
の種類が大幅に拡大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例になるローラミルの主要部構造
図。
【図2】本発明の実施例になるローラミルのローラ部の
平面図。
【図3】、
【図4】、
【図5】本発明を適用したローラミルのローラブラケッ
ト部構造図。
【図6】、
【図7】、
【図8】本発明を適用したローラブラケット部構造図。
【図9】本発明になるローラミルの試験結果を示す図。
【図10】本発明になるローラミルの粉砕性能を示す
図。
【図11】従来技術になるローラミルの自励振動発生領
域を示す図。
【図12】ローラミルにおける粉砕ローラの横すべり動
作模式図。
【図13】ローラミルにおける粉砕ローラの上下方向振
動動作模式図。
【図14】従来技術になるローラミルの粉砕ローラ支持
構造図。
【符号の説明】
2…原料供給管、3…回転テーブル、4…粉砕ローラ、
5…ウェイト肉盛部、6…ウェイト減少部、7…ローラ
ブラケット、9…ローラピボット、10…加圧フレー
ム、11…荷重、14…粉砕リング、15…粉砕レー
ス、16…粉層、18…スロートベーン、20…ミルハ
ウジング、21…回転分級機。
フロントページの続き (72)発明者 金本 浩明 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 湯浅 博司 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平面内を垂直軸まわりに回転し上面に
    断面溝型の環状粉砕面を有する回転テーブルと、回転テ
    ーブルの上記粉砕面上に所定間隔をへだてて配置された
    複数個の粉砕ローラと、粉砕ローラをローラシャフトを
    介して回転可能に支持するローラブラケットと、ローラ
    ブラケットを介して粉砕ローラを回転テーブルに押圧す
    る加圧装置とを備えたローラミルにおいて、粉砕ローラ
    の側壁面の形状を変化させることにより、その重量(自
    重)を粉砕ローラごとに変化させたことを特徴とするロ
    ーラミル。
  2. 【請求項2】 請求項1において、粉砕ローラの重量の
    変化割合を、粉砕ローラの標準重量に対して3%以上、
    20%未満としたことを特徴とするローラミル。
  3. 【請求項3】 垂直軸まわりに回転し上面に断面溝型の
    環状粉砕面を有する回転テーブルと、回転テーブルの上
    記粉砕面上に所定間隔をへだてて配置された複数個の粉
    砕ローラと、粉砕ローラをローラシャフトを介して回転
    自在に支持するローラブラケットとローラブラケットを
    介して粉砕ローラを回転テーブルに押圧する加圧装置と
    を備え、粉砕ローラと回転テーブルの間で原料を粉砕す
    るローラミルにおいて、ローラブラケットの形状を変化
    させることにより、ローラブラケットの重量を粉砕ロー
    ラごとに変化させたことを特徴とするローラミル。
  4. 【請求項4】 請求項3において、ローラブラケットの
    重量の変化割合を、ローラブラケットの標準重量に対し
    て3%以上、20%未満としたことを特徴とするローラ
    ミル。
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