JPH09103697A - ローラミル - Google Patents

ローラミル

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JPH09103697A
JPH09103697A JP26306995A JP26306995A JPH09103697A JP H09103697 A JPH09103697 A JP H09103697A JP 26306995 A JP26306995 A JP 26306995A JP 26306995 A JP26306995 A JP 26306995A JP H09103697 A JPH09103697 A JP H09103697A
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JP
Japan
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roller
crushing
damper
roller mill
mill
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JP26306995A
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English (en)
Inventor
Kazunori Satou
一教 佐藤
Nobuyasu Meguri
信康 廻
Hiroaki Kanemoto
浩明 金本
Yoshinori Otani
義則 大谷
Hiroshi Takezaki
博 武崎
Hideo Mitsui
秀雄 三井
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローラミルの自励振動を有効に防止する。 【解決手段】 電動機で駆動されて回転する円形の回転
テーブル2と、その回転テーブル2の外周に刻設された
溝部に押圧された状態で回転する複数個の粉砕ローラ3
との連動作用により、粉砕原料を微粉砕するローラミル
において、前記粉砕ローラ3の上下動作あるいは振り子
動作の抑制的拘束手段として、非ニュートン流動特性を
有する作動流体を使用したダンパ15を設けたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ローラミルにおけ
る振動抑止技術に係わり、ローラの転動を安定化させる
ためのローラ支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭焚きボイラでは、低公害燃焼(低N
Ox、低灰中未燃分)や広域負荷運用が実施され、それ
に伴い微粉炭機(ミル)も高い性能が要求されている。
【0003】石炭、セメント原料あるいは新素材原料な
どの塊状物を細かく粉砕するミルの一つのタイプとし
て、最近では回転するテーブルと複数個のローラで粉砕
を行う竪型のローラミルが広く用いられている。
【0004】ローラミルの一般的な構成を図1に示す。
【0005】この種のミルは、円筒型をしたハウジング
1の下部に配置され、モータで駆動され、減速機を介し
て低速回転する略円台状の回転テーブル2と、その回転
テーブル2の外周部の上面において円周方向の等間隔の
位置で油圧あるいはスプリング等で圧加されて回転する
複数個の粉砕ローラ3を備えている。
【0006】原料供給管(センターシュート)4より、
回転テーブル2の中央へ供給された粉砕原料5は、回転
テーブル2上において遠心力により渦巻状の軌跡を描い
て回転テーブル2の外周へ移動し、回転テーブル2の粉
砕レース6面と粉砕ローラ3の間にかみ込まれて粉砕さ
れる。
【0007】ハウジング1の下部には、ダクトを通して
熱風(1次空気)7が導かれ、この熱風(1次空気)7
が回転テーブル2とハウジング1の間にあるエアスロー
ト8から吹き上がっている。
【0008】粉砕された後の粉粒体は、エアスロート8
から吹き上がる熱風(1次空気)7によってハウジング
1内を上昇しながら乾燥される。
【0009】ハウジング1の上方へ輸送された粉粒体
は、粗いものから重力により落下し(1次分級)、粉砕
部で粉砕ローラにより再粉砕される。この1次分級部を
貫通してさらに上方へ輸送されたやや細かな粉粒体は、
ハウジング1の上部に設けたサイクロンセパレータ(固
定式分級機)あるいはロータリセパレータ(回転式分級
機)9で再び遠心分級される(2次分級)。所定の粒径
より小さな微粉は、製品微粉10として気流により搬送
され、ボイラでは微粉炭バーナへ送られる。
【0010】分級機を通過しなかった所定粒径以上の粗
粉は、結果的に回転テーブル2上へ重力により落下し、
ミル内へ供給されたばかりの原料5とともに再び粉砕さ
れる。以上のような動作により、ミル内では粉砕が繰り
返され、所定の粒度を満足する製品微粉が生成されてい
く。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ローラミルを低負荷で
運用する場合や負荷減少あるいは停止操作をする場合、
問題となるのはミルの振動である。この振動現象は、炭
層とローラのすべりに起因する一種の摩擦振動であり、
振動のタイプとしては自励振動の一種である。普通の石
炭では、図11に示すように、低負荷運用時(ミル内に
おける石炭ホールドアップの少ない条件)にこの振動が
激しくなることが多いが、石炭種によってはかなりの高
負荷時にも発生することがある。
【0012】図1を例にとり、従来式ローラミルにおけ
る粉砕ローラの支持構造を説明する。このタイプのロー
ラミルでは、ローラブラケット11を介して、ローラピ
ボット12を支軸として、粉砕ローラ3が振り子運動可
能なように支持される。
【0013】この振り子運動の機能は大変に重要であ
り、粉砕ローラ3が鉄片等粉砕されにくい異物をかみ込
んだ場合、粉砕ローラ3は振り子運動をすることによっ
て衝撃を回避することができる。また粉砕ローラ3や粉
砕レース6が摩耗変形したときには、適切な押圧位置
(粉砕ローラ3と粉砕レース6との位置関係)を自動調
心的に見つけ出す作用もこの振り子運動の機能にある。
なお、図中の13は加圧フレームである。
【0014】一般に、高負荷粉砕時には、粉砕ローラ3
はほとんど振り子運動をすることがない。上記したよう
に、ミルの起動時あるいは負荷上昇時などにおいて粉砕
ローラ3が原料を活発にかみ込む場合には、粉砕ローラ
3はやっくりした速度で振り子運動をするものの、この
振り子動作は自励振動の発生には直結しない。
【0015】一方、粉砕ローラ3が激しく自励振動する
場合には、図12に示すように、粉砕ローラ3が外側へ
ずれるように傾く(α)。このとき、回転テーブル2の
回転方向の動きに関して、粉砕ローラ3と粉砕レース6
の接触点が、正常な位置からは回転テーブル2の回転方
向に対して逆らうように上流側へずれるような問題が生
じる。
【0016】このような状態になると、粉砕ローラ3は
3個ともほぼ同時に、あるいは1つの粉砕ローラの横す
べり(図12参照)が切っ掛けとなり、順次他の2つの
粉砕ローラ3が追従するように大きな加速度で外側へ横
ずれし、次いで図13のように上下振動する(β)。
【0017】以上のことから、ローラミルの振動を粉砕
部の機構改善によって抑止しようとする場合、粉砕ロー
ラ3の外側へのすべり動作、特に大きな速度や大きな加
速度の動作を出来るだけ防ぐことが肝要であることが分
かる。
【0018】上記したローラミルの自励振動は、 ミルで製造される製品微粉の粒度 負荷運用範囲 原料の選定 起動及び停止操作 に制限を加えることになる。また、ミル自身を含むプラ
ント内機器の信頼性や耐久性を低下させるおそれもある
し、プラント内従業員に対しても不要な不快感を与える
ことになり兼ねない。従って、ローラミルにおける自励
振動を抑制することが、ローラミルに与えられた大きな
課題である。
【0019】本発明の目的は、以上のような考え方に基
づき、粉砕ローラの横ずれ状の振り子動作(速度大、加
速度大)を防ぎ、自励振動を起こすことなく広域負荷あ
るいは多種原料での静粛な安定運用を可能にするローラ
ミルを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記した問題点を解決す
るために、本発明は、レオロジー的な特性を有する物質
を作動流体とするダンパ、すなわちレオロジーダンパ
を、加圧フレームと、粉砕ローラのシャフトを背後から
支えるローラブラットの間に介設する。
【0021】このレオロジー流体は、ダイラタント性の
強いものを利用する。つまり、剪断速度(ずり速度)の
増大とともに剪断応力が急増するタイプのものである。
このレオロジーダンパは、粉砕ローラの速い振り子動作
に対して強い抵抗を示す。一方、粉砕ローラのゆっくり
とした振り子動作に対しては抵抗が小さい。
【0022】このような特性をダンパにおいて発揮する
ダイラタント流体としては、安定性や耐久性を考慮し
て、固体粒子を液体中に比較的高濃度で懸濁させた物質
を用いる。固体粒子の粒度は、細かくて、しかもより均
一な、すなわち粒径の広がり幅が小さければよい。
【0023】以上のレオロジー流体を封入するダンパの
構造は、通常のオイルダンパに類似するものであり、中
心のシリンダロッド先端のピストン部には、複数のグル
ーブ(溝)を刻設し、このグルーブ中をレオロジー流体
が流通するように充填する。グルーブの寸法は、懸濁固
体粒子径よりは充分大きく、長期間の使用後でもグルー
ブ内の固液分離や閉塞が生じないようになっている。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明におけるレオロジーダンパ
の作動流体はダイラタント性であるので、強いずり速度
が加わるほどさらに強い剪断応力が生じる。一方、ずり
速度が小さな場合は、剪断応力はかなり小さくなる。
【0025】従って、自励振動発生の切っ掛けとなるよ
うな高速度の粉砕ローラの振り子動作が生じかける場合
には、レオロジーダンパが機能し、粉砕ローラの振り子
動作に対しては強い抵抗が生じるようになる。
【0026】一方、ローラミル内に原料が供給された瞬
間等では、粉砕ローラはゆっくりと振り子動作を行う
が、このような場合にはレオロジーダンパは機能せず、
粉砕ローラのゆっくりした振り子動作に対して生じる抵
抗は小さい。因に粉砕ローラにおけるこのようなゆっく
りした振り子動作は大変に重要であり、偏摩耗を防いだ
りする作用があるので、ダンパを設けたとしても、抹消
してはいけない動きである。
【0027】以上のように、本発明によれば、自励振動
発生の切っ掛けとなる粉砕ローラの高速な振り子動作
を、レオロジーダンパで拘束することになるので、自励
振動は極めて生じにくくなる。
【0028】本発明におけるレオロジーダンパの使い方
は、通常のダンパのように発生した振動を減衰させるの
ではなく、振動発生の切っ掛けとなる粉砕ローラの動き
を抑止することになるので、振動そのものの発生を防ぐ
ことができる点に特徴がある。
【0029】図2は、レオロジーダンパを備えた本発明
の具体例に係る粉砕ローラの支持構造を示す側面図であ
る。
【0030】粉砕荷重を間接的に粉砕ローラ3へ伝える
部材である加圧フレーム13とローラブラケット11
は、基本的にはローラピボット12を支軸として連接さ
れているが、本具体例では、作動流体としてダイラタン
ト的な非ニュートン流体を封入したダンパ15を介設さ
せている。
【0031】ローラブラケット11には、ダンパロッド
17が固定され、後述するようにダンパロッド17がダ
ンパ15内の抵抗に逆らって動くようになっている。一
方、ダンパ15の外側部分は、ダンパステイ16により
加圧フレーム13に固定されている。このダンパ15を
設けた位置には、エアスロート8から流入する熱風(1
次空気)7の作用により、粉砕原料が吹き上がってく
る。従って、粒子の衝突による摩耗を防ぐために、ダン
パ15を囲むようにダストカバー18が設けられてい
る。
【0032】図3は、図2に示した粉砕ローラの支持部
の平面図である。
【0033】粉砕ローラ3の回転軸3aを中心にして、
対称な位置にダンパ15を2個設けている。
【0034】図4は、ダンパ15の内部構造を示す模式
図である。
【0035】ダンパ15の内部には、ゆるやかな曲率を
有する曲面ライナー19が刻設されている。このような
曲面のライナー19としたのは、ローラブラット11が
ローラピボット12を支軸として振り子運動をするため
である。
【0036】曲面ライナー19の内部には上記した作動
流体が封入してある。この曲面ライナー19に沿って溝
付きプランジャ20が運動する。溝付きプランジャ20
にはダンパロッド12が取り付けられ、ダンパロッド1
2の基部はローラブラケット11に固定されている。溝
付きプランジャ20は円筒形をしており、その周囲には
プランジャ20の軸方向に対して直線状になる縦溝を複
数本刻設しており、この縦溝内を作動流体が流通する。
【0037】この溝付きプランジャ20は、曲面ライナ
ー19内の作動流体を押し退けるようにして可動する
が、溝付きプランジャ20の縦溝内を通る際の特別な抵
抗が、レオロジーダンパの機能となる。ダンパ本体15
とダンパロッド17の間にはフレキシブルシール21を
設け、可動性を満足するとともに作動流体がリークしな
いようにしている。
【0038】次に、作動流体について説明する。通常の
粘性流体の多くは、水と同様のニュートン流体であり、
ずり速度jと剪断応力τは比例関係にある。図5に示す
ずり速度jと剪断応力τとの関係特性では、ニュートン
流体は(b)のようになる。一般のオイルダンパでは、
作動流体として(b)のようなニュートン流体のオイル
が用いられている。(c)のような特性を示す非ニュー
トン流体は擬塑性流体と呼ばれ、この流体は、大きなず
り速度jの条件下でも剪断応力τは増大しない。この流
体をダンパの作動流体として利用すると、高速の動きに
おいて抵抗が生じないことになり、ダンパとしての機能
は全く成立しなくなる。本発明において採用するのは
(a)のような特性を有するダイラタント流体である。
ずり速度jが大きなほど抵抗は加速的に増大する。すな
わちダンパに加わる動きが高速であるほど作動流体の抵
抗は増大し、ダンパとしての機能が強まることを意味す
る。このようなダイラタント流体は、微小粒子を懸濁さ
せたスラリ状流体に多く見られるが、強いダイラタント
状態を実現するためには、粒度分布の設定が重要であ
る。
【0039】図6は、粒子群の粒度分布例を示す図で、
(b)のように幅広い粒度分布の場合、すなわち微小粒
子も多いが粗粒も含まれる場合には、強いダイラタント
性は生じない。これに対して、(a)のように、急峻な
粒度分布の場合、つまり粒子径がより均一に近いほどダ
イラタント性が強くなる。(a)の粒度分布を有するス
ラリ流体であれば、ずり速度の増加に対し流動抵抗は加
速度的に強力になる。本発明におけるレオロジーダンパ
の作動流体としては、ここの(a)に示すような粒度分
布のスラリ流体を利用する。
【0040】見掛け上、図2と同様のダンパを設ける先
行技術は存在する。例えば、特開平4−71650号公
報において、「抵抗を有する減衰装置」をオイルダンパ
とするのがそれである。通常のオイルダンパは、動きを
拘束するための作用時にはオイルの流動抵抗を利用し、
逆に回復する際にはスプリングが動作するような比較的
複雑な構造になっている。本発明の特徴は、このような
複雑な構成を用いず、単純な構造のダンパにおいて、非
ニュートン流体であるダイラタント性流体を用いて、こ
のダイラタントの性質のみを利用して拘束作用とスムー
ズな回復という動作を行わせることにある。従って、オ
イル等のニュートン流体を用いる従来技術のダンパとは
基本的に異なる。
【0041】ここでは、本発明に係るレオロジーダンパ
を適用したことによる粉砕ローラの動きと、振動抑制効
果について説明する。
【0042】図7は、粉砕ローラ3が高速で外側へ振り
子動作を起こす状態を模式的に描いたものである。
【0043】前述したように、この動きが自励振動発生
の切っ掛けになっている。このような外側への速い振り
子動作22に対しては、本発明になるレオロジーダンパ
が機能し、強い抵抗力23が生じる。従って、結果的に
振り子動作は抑制され、自励振動の発生は防げることに
なる。
【0044】図8は、図7とは逆に、粉砕ローラ3のゆ
っくりした速度の振り子動作24を模式的に描いたもの
である。
【0045】このようなゆっくりした動きは、給炭開始
時や給炭量が変化するときに生じるが、偏摩耗を防ぐた
めにも重要な動作である。本発明に係るレオロジーダン
パでは、ずり速度が小さい条件に相当するため、レオロ
ジーダンパは強く機能しない。従って、このようなゆっ
くりした動作は、ダンパを設置していても充分に保存さ
れることになる。
【0046】図9は、ミル内における石炭ホールドアッ
プに対する振動の振幅の変化をまとめ、本発明の具体例
と従来技術とを比較したものである。
【0047】縦軸の振幅δocは、粉砕ローラと粉砕レー
スがメタルタッチする空回転時の振幅δoc(*)で割ら
れて無次元化されている。一方、横軸のホールドアップ
Wは、このミルが定格給炭量で運用されたときのホール
ドアップW(*)で割られて無次元化されている。
【0048】この実験結果は、比較的激しい振動を起こ
しやすい石炭(炭質の影響による)を粉砕したときに得
られたものである。従来技術では、低負荷域〔W/W
(*)≦0.38〕で著しく振幅が増大するのに対し、
本発明を具体化した形状の回転テーブルを搭載するロー
ラミルでは、振幅の大幅な低減が可能であることが実証
された。本発明の具体例の場合でも、他のホールドアッ
プの条件よりは、W/W(*)≦0.38の近傍におい
て振幅がやや大きくなるが、この振動は自己増幅的な自
励振動ではなく、強制振動である。
【0049】図10は、給炭量Qcに対する製品微粉流
度qの変化を示したものである。
【0050】縦軸の粒度qは、定格給炭量Qc(*)の
ときの従来式ミルにおける基準微粉粒度q(*)で割ら
れて無次元化されている。横軸の給炭量Qcも、定格給
炭量Qc(*)で割られて無次元化されている。
【0051】一般に、粒度qは、給炭量Qcの増加とと
もに減少する。本発明に係る具体例では、製品微粉流度
qが従来式ローラミルにおけるそれとほぼ同等であるこ
とが判明した。
【0052】本発明に係るレオロジーダンパを、ミル内
の3個の粉砕ローラに適用する例を図15に示す。同図
は、加圧フレーム上部からの粉砕部の視図である。各粉
砕ローラに対し、レオロジーダンパ15a〜15cを設
置しているが、各レオロジーダンパ15a〜15cにお
ける作動流体のレオロジー特性を異ならせてある。同一
のダイラタント性であっても、そのj(ずり速度)−τ
(剪断応力)特性の異なる3種類のダイラタント性作動
流体をレオロジーダンパ15a〜15cに適用する。
【0053】図16には、j−τ特性の異ならせた例を
示す。例えば、レオロジーダンパa(15a)には、同
図のaのレオロジー曲線を有する作動流体を用いる。流
体aは、同一ずり速度jで比較すると、剪断応力τの大
きさは中間的なものである。一方、レオロジーダンパc
(15c)には、同図のcのレオロジー曲線を有する作
動流体を利用する。この流体には、流動時には最も小さ
な剪断応力τが生じており、ずり速度jの増大に対して
もτの上昇は小さい。従って、粉砕ローラの大きな速度
の外側への振り子動作に対する抵抗は大きくはない。こ
れに対し、レオロジーダンパb(15b)では、最も強
いダイラタント性を示す作動流体を利用する。この流体
は、同一ずり速度でも大きな剪断応力が作用し、粉砕ロ
ーラの外側への振り子動作に対し強い抵抗を示す。しか
も、ずり速度jが大きなほど剪断応力τが急増するの
で、粉砕ローラの振り子動作の速度が大きなほど、抵抗
が大きくなることになる。
【0054】以上のように、各レオロジーダンパa〜c
における作動時の機能の程度を異ならせることにより、
3個の粉砕ローラが同一位相で動く自己同期化現象(こ
れが生じるとかなり強い自励振動が生じる)が抑制され
ることになる。例えば、レオロジーダンパcは、抵抗が
小さく、粉砕ローラは比較的容易に大きな速度で振り子
動作を起こすが、逆にレオロジーダンパbでは、強い抵
抗によって振り子動作を抑制する。従って、このように
して3個の振り子動作は同調しなくなる。ある1つの粉
砕ローラ(例えば粉砕ローラc)が振り子運動を仕掛け
ても、相互キャンセル作用によって自己同期化に至る自
励振動の増幅は抑制され、結局ローラミルの静粛な運用
が達成される。
【0055】
【発明の効果】本発明によるローラの転動安定化法をロ
ーラミルへ適用することによる効果をまとめると、次の
ようになる。
【0056】(1)ミルの自励振動を防止できる。本発
明は、低負荷運用時に発生する自励振動に対しても、さ
らにより激しい振動になりやすいミル停止時の振動の抑
制に対しても有効である。
【0057】(2)上記効果(1)に関連し、ミル自体
およびミル周辺にあるプラント機器の信頼性や耐久性が
向上する。また機器の予防保全用の費用を削減できる。
【0058】(3)上記効果(1)に関連し、プラント
内従業員の不快感がなくなり、作業能率が向上する。
【0059】(4)全負荷運用範囲においてミルの振動
を抑制できるため、プラント全体の広域負荷運用が可能
になる。
【0060】(5)特に負荷変化時等におけるミルの入
れ・切り(複数台あるミルのうちあるミルが停止し、他
のミルが起動すること)が容易になり、プラントの運用
性が大幅に向上する。
【0061】(6)自励振動を起こしやすい粉砕原料で
も問題なくローラミルを使用できるようになる。これに
よって、ミルに対する粉砕原料の適用性が大幅に拡大す
る。
【0062】(7)極めてゆっくりしたローラの振り子
運動が保存されるので、ローラ当たり面の広い面積の部
分で原料を粉砕するようになる。このようにして、局所
的な摩耗は防止され、ローラやリングセグメントの寿命
を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ローラミルの全体の構成図である。
【図2】本発明の具体例に係るローラミルの粉砕部の構
成図である。
【図3】図2におけるA−A方向視図である。
【図4】レオロジーダンパの概略構成図である。
【図5】レオロジーダンパに使用する流動物質のレオロ
ジー特性図である。
【図6】レオロジーダンパに使用する流動物質の性状特
性図である。
【図7】本発明における粉砕ローラの動作を説明する図
である。
【図8】本発明における粉砕ローラの動作を説明する図
である。
【図9】振動特性図である。
【図10】粉砕性能を示す特性図である。
【図11】従来のローラミルの振動発生領域を示す特性
図である。
【図12】従来のローラミルの動作を説明する図であ
る。
【図13】従来のローラミルの動作を説明する図であ
る。
【図14】従来のローラミルの他の例を示す図である。
【図15】本発明の他の具体例を示す図である。
【図16】ずり速度と剪断応力との関係を示す特性図で
ある。
【符号の説明】
2 回転テーブル 2 粉砕ローラ 11 ローラブラケット 12 ローラピボット 13 加圧フレーム 15 ダンパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 義則 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 武崎 博 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 三井 秀雄 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機で駆動されて回転する円形の回転
    テーブルと、その回転テーブルの外周に刻設された溝部
    に押圧された状態で回転する複数個の粉砕ローラとの連
    動作用により、粉砕原料を微粉砕するローラミルにおい
    て、 前記粉砕ローラの上下動作あるいは振り子動作の抑制的
    拘束手段として、非ニュートン流動特性を有する作動流
    体を使用したダンパを設けたことを特徴とするローラミ
    ル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、粉砕ローラのシ
    ャフトを支持するとともに粉砕ローラに粉砕荷重を伝達
    するピボットを上下に装着するローラブラケットと、前
    記ピボットに対して上方から粉砕荷重を伝達する加圧フ
    レームとの間に、前記ダンパを介設したことを特徴とす
    るローラミル。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載において、前記作
    動流体が高いずり速度で剪断応力が加速度的に増大し、
    低いずり速度では剪断応力が急速に低下する特性を備え
    ていることを特徴とするローラミル。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかの記載にお
    いて、前記作動流体が、微小粒子を高濃度で懸濁させた
    スラリ状流体であることを特徴とするローラミル。
  5. 【請求項5】 請求項1記載において、前記各ローラを
    支持する各々のローラブラケットに対し、中心軸を挟む
    対象の位置に前記ダンパを装着することを特徴とするロ
    ーラミル。
  6. 【請求項6】 請求項1記載において、ずり速度−剪断
    応力の特性を異ならせた作動流体を各ダンパに用いたこ
    とを特徴とするローラミル。
JP26306995A 1995-10-11 1995-10-11 ローラミル Pending JPH09103697A (ja)

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