JP2901655B2 - 微粉炭生成用竪形ローラミル - Google Patents

微粉炭生成用竪形ローラミル

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は石炭粉砕用竪形ローラミルに係り、特にかみ
込み不良な性質を有する石炭に対しても良好に粉砕し得
る微粉炭生成用竪形ローラミルに関する。
〔従来の技術〕
石炭焚ボイラにおいても低公害燃焼(低NOX、低未燃
分燃焼)が実施され、それに伴いボイラ用石炭の微粉砕
機(ミル)も高性能化が要求されるようになった。
石炭、セメント原料または新素材原料などの塊状物を
細かく粉砕する粉砕機の1タイプとして、回転粉砕テー
ブルと複数のローラを備えた竪型ローラミルが用いら
れ、最近では代表機種の一つとしての地位を固めつつあ
る。
この種の竪形粉砕機は、第15図に示すように円筒型ミ
ルハウジング21内の下部にあって減速機を有するモータ
で駆動され、水平面上で低速回転する円板状の粉砕テー
ブル3と、その上面外周部を円周方向へ等分する位置へ
油圧あるいは加圧用スプリング15等で圧下されて回転す
る複数個の粉砕ローラ8を備えている。粉砕テーブル3
の中心部へ原料供給管(シュート)2により供給される
被粉砕原料1は、粉砕テーブル3の回転と遠心力によっ
て粉砕テーブル3上をうず巻状の軌跡を描いて外周部へ
移動し、粉砕テーブル3の粉砕レース7面と粉砕ローラ
8の間にかみ込まれて粉砕される。ミルハウジング21の
基底部には、ダクト内を送られてきた熱風18が導かれて
おり、この熱風18が粉砕テーブル3の外周部とミルハウ
ジング21の内周部との間にあるエアスロート20から吹き
上っている。粉砕後の粉粒体はエアスロート20から吹き
上る熱風18によってミルハウジング21内を上昇しながら
乾燥される。ミルハウジング21上部へ搬送された粉粒体
は、粗いものから重力により落下し(1次分級)、そこ
を貫通したやや細かな粉粒体はミルハウジング21上部に
設けたサイクロンセパレータあるいは回転分級機などの
分級機22で再度分級される。所定の粒径以下の微粉は、
熱風18によって輸送され、ボイラでは図示していない微
粉炭バーナあるいは微粉貯蔵ビンへと送られる。分級機
を貫通することのない所定粒径以上の粗粉は、粉砕テー
ブル3上へ落下し、ミル内へ供給されたばかりの原料と
ともに再度粉砕される。このようにして、粉砕ローラ8
によって粉砕が繰り返される。最近では、燃焼改善の目
的から高いC/A(ここにC、Aはそれぞれ微粉炭と空気
の質量流量)値で微粉炭ノズルへ搬送するために、空気
量を低減させようとする傾向がある。これによっていき
おい1次分級の占める割合が増しつつあるのが実情であ
る。このような竪型ローラミルにおける粉砕機構は、粉
砕テーブル3上の粉砕レース7面と粉砕ローラ8との間
の圧縮とせん断によるものと考えられる。
ところで、数多い石炭の中には、ローラミルで粉砕す
る場合、粉砕ローラがその圧縮粉層上ですべりやすい種
類がある。第12図は圧縮紛層上で粉砕ローラがすべりや
すい種類の石炭を粉砕する場合を模式的に示した図であ
る。図において、粉砕ローラ1201は、粒子をうまくかみ
こまず、粉砕ローラ1201の圧縮力が圧縮粉層1205上へ十
分に加わらないために、粉砕動力も消費されないかわり
に粒度もはなはだしく低いという結果となる。この種の
石炭は、一般に薄皮(Flake)状に分裂し易く、炭化度
が進んだ石炭種(低揮発分瀝青炭、半無煙炭、無煙炭)
や、あるいは逆に揮発分を多く含む石炭種(亜瀝青炭、
褐炭)においてみられるものである。これまでの発明者
等の観察によれば、薄片状へ破壊する現象は、数十mmの
塊状粒から50μm以下の微粒まで共通しているようであ
る。粉砕面が円弧状の従来式粉砕ローラ1201では、圧縮
粉層1205上において粉砕ローラ1201がすべりやすくなる
傾向が特に大きい。
一方、石炭の性質にかかわらず、粉砕レース1203面上
において圧縮粉層1205が薄くなれば、圧縮粉層1205上に
おいて粉砕ローラ1201がすべりやすくなる。このような
不規則なすべり現象が、粉砕ローラ1201と圧縮粉層1205
間のスティック−スリップ運動となりミルの振動を誘発
する。
さらにもうひとつの問題は、新設したミルあるいは新
品の粉砕ローラと交換した場合において、運転開始直後
の粒度が低めに出やすいことである。ある使用期間を経
ると、粉砕ローラや粉砕レース面上に小さなくぼみ(デ
ィンプル)やしわ状の凸凹が生じて、粒層となじむよう
になり、次第に粉砕能力が向上してくる。
上記した種々の問題点を解決し、粉砕ローラと圧縮粉
層間の接触力をより強め、粉砕能力を高めようとする意
図で、粉砕ローラや粉砕レースを工夫したアイディアが
ある。第13図に示す先行技術(実開昭63-111940号公
報)は、粉砕ローラ1302の周面および回転テーブル1301
上面のうち少なくとも一方に凹部1303、1304あるいは凸
部を形成したものである。また第14図に示す先行技術
(実開昭63-111939号公報)は、粉砕ローラ1401の周面
に、らせん溝1402など、周面の円周方向とローラ軸1403
の軸線方向との間の方向を指向した溝または凹条を設け
たものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら第13図に示した先行技術では、回転テー
ブルと粉砕ローラの間に被粉砕物が入り粉砕ローラは回
転テーブルから離れた状態で運転されると思われ、歯型
状の溝の噛み合いはなくなるので、原料がなくなった空
回転の時は大きなトラブルが発生するおそれがある。ま
た、第14図の先行技術では、ローラ外周面に設けた溝が
粉砕面の回転方向に近い傾斜角度で刻まれているので、
すべり易い原料に対してはローラと回転テーブル間に原
料をかき込む作業は不十分と考えられる。本発明の目的
は、上記従来技術の問題点をなくし、ローラ部での原料
のかみ込みが促進されて粉砕性能が向上する微粉炭生成
用竪形ローラミルを推進することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記した問題点は、つぎのような手段によって解決す
ることができる。粉砕ローラの粉砕面を、ローラの回転
方向すなわちローラの円周方向に断面形状が直線となる
複数枚のセグメントとして構成し、言い換えれば粉砕ロ
ーラの回転軸に垂直な面としてみる断面が多角形となる
形状とし、各セグメント間を浅い溝状の隙間とする。
すなわち、本発明は、直立して設けられた円筒状のハ
ウジングと、ハウジング内下部で垂直軸を中心として水
平面内を回転する回転テーブルと、該テーブル上面の外
周囲に設けられた粉砕リングと、同リング上面に刻設さ
れた粉砕レースと、粉砕レース上を加圧状態で転動する
複数個の粉砕ローラと、回転テーブル上に粉砕されるべ
き石炭を供給する原料供給装置とを有する微粉炭生成用
竪形ローラミルにおいて、上記粉砕ローラの回転軸に直
角な断面での転動外周面を、断面が直線状の辺を有する
複数枚のセグメントからなる三角以上の多角形とし、か
つ前記各セグメントの両端に断面が円弧の切り欠きを刻
設し、セグメント同士の接続部に断面半円弧型の溝体を
形成したことを特徴とする微粉炭生成用竪形ローラミル
を特徴とする。
このような粉砕ローラを採用すれば、かみ込み時にす
べりやすい性質のある石炭や粉砕原料でも、すべること
なく良好に粉砕されるようになる。また粉砕ローラ下の
粉層が薄くなっても、粉層上において粉砕ローラが不規
則にすべることがなくなり、粉砕ローラと粉層の力学的
相互作用によって生じる自励的なスティック−スリップ
現象によるミルの振動を抑止できるようになる。
〔作用〕
上記したような構造の粉砕ローラを用いれば、粉砕ロ
ーラの粉砕面の断面平坦部の継目(溝体)による粒子の
かみ込みと、被粉砕粒子からなる粒子層上へ周期的に強
い衝突圧を加えるという2つの作用により、従来型の無
対策曲面粉砕ローラではすべりやすい原料をも良好にか
み込んで良好に圧縮粉砕する。特にすべりやすいわけで
はない通常の原料に対しても、粉砕能力がアップするた
めに、微粉の粒度が向上する。
また、この作用は、粉砕レース上に被粉砕原料の少な
い場合に生じやすい粉砕ローラと粉層間の摩擦振動(ス
ティック−スリップ現象に起因する一種の自励振動)の
抑制にも、薄い粉層上で安定に粉砕ローラを転動させる
ということからも大変効果的である。
本発明になるミルの粉砕ローラの断面平坦部は、長期
間の粉砕運転によって損耗するが、断面が略円弧状にな
ってしまうことはない。これは、かみ込みによって平坦
部の端部がやや丸みをおびるのに対し、粉層に対して強
い面圧力を与える平坦部は凸形に丸みをおびることはな
く、摩耗によってわずかにくぼむように変形しようとす
るからである。
ただし、粉砕原料がなく粉砕ローラと粉砕レースがメ
タルタッチするようなローラ保持法の場合、空回転時の
振動・騒音は、従来式のような断面略円弧形のローラに
比べるとやや高めになる。
〔実施例〕
本発明の特徴は、粉砕するための粉砕ローラの構造に
あるが、ここではミル全体の構成を概説する中で、粉砕
ローラについて詳しく説明する。
第1図は、回転テーブル回転軸(中心軸)5を通る垂
直断面としてミルの構成を示したものである。第2図と
第3図は、それぞれ粉砕ローラ8の断面および表面の形
状を拡大したものを示す。
被粉砕原料1は、ミル上方部の中心軸上に設けた原料
供給管(センターシュート)2からミル内に供給され、
ミルの下方部において低速で回転する回転テーブル3上
へ落下する。回転テーブル3上の被粉砕原料1には遠心
力が働き、回転テーブル3に環状にはめ込まれた粉砕リ
ング6の上面に刻設された粉砕レース7の上へと供給さ
れる。粉砕レース7の断面は略円弧状であり、その粉砕
面も略円弧状のなめらかな曲面として構成されている。
被粉砕原料1は、この粉砕レース7の上において、摩擦
力により回転テーブル3と協調運動する粉砕ローラ8の
圧縮力ないしせん断力により粉砕される。粉砕ローラ8
が、回転テーブル3の円周方向等間隔(120°)に3個
設けられている。粉砕ローラ8は、ローラ回転軸10を中
心として、ローラシャフト11のまわりを回転する。ロー
ラシャフト11は、ローラブラケット9に軸受ないしオイ
ルシール(いずれも図中では省略)を介して支持されて
いる。ローラブラケット9の上部には、粉砕ローラ8の
首振り運動の回転支軸となるローラピボット13が介され
て3個の粉砕ローラ8の動きを拘束させる作用のある下
部加圧フレーム14が搭載されている。粉砕ローラ8の加
圧力は、下部加圧フレーム14上の加圧用スプリング15
を、加圧用スプリング15の上にのせた上部加圧フレーム
16をテンションロッド17で引っ張り、収縮させることに
よって与える。
第1図および第2図に示すように、本実施例になるミ
ルの粉砕ローラ8は、粉砕ローラ8の回転方向すなわち
粉砕ローラ8の円周方向に断面形状が直線となる複数枚
のセグメント8aの組み合せとして構成されている。つま
り、粉砕ローラ8の回転軸に垂直な断面を多数角形(本
実施例では36角形)となる形状とする。また、各粉砕面
セグメント8aの両端には断面が1/4円弧の切り欠き(溝
体8b)を刻設し、第3図に略示したごとくセグメント8a
同士の接続部は半円弧型の溝体8bで構成されるようにす
る。このような粉砕ローラ8を用いれば、粉砕ローラの
セグメント8aへのかみ込み時にスリップしやすい性質の
ある石炭などの粉砕原料(薄片(Flake)状に分裂しや
すい性質のものもこれに相当する)でも、スリップする
ことなく良好に粉砕されるようになる。また、低負荷操
業時においてミル内の保有原料量が少なくなって、粉砕
ローラ8下の粉層が薄くなっても、薄い粉層上における
粉砕ローラ8の不安定な動きが抑制され、ミルの自励振
動をできるだけ低いレベルに抑制することが可能にな
る。ただし、粉砕原料が全くない状態、つまり粉砕レー
ス7と粉砕ローラ8がメタルタッチする状態でミルを回
転させると、形状の異なる面同士が接触することになる
ため、かみ合せ不斉による振動が励起される可能性があ
る。したがって、ミルの空回転はできるだけ短時間に限
定するのが望ましい。
粉砕されて生成した粉粒体は、回転テーブル3の外側
つまりミルハウジング21の内側に設けたエアスロート20
から吹き込まれる熱風18によってミル上方へと気流輸送
される。これら粉粒体のうち、かなり粗いものは重力に
よって落下し(1次分級)、粉砕部で再粉砕される。1
次分級部を貫通した粉粒体は、原料供給管(センターシ
ュート)2のまわりを回転する回転分級機(回転軸とな
る回転分級機円筒22、その下方に設けた回転分級機ロー
タ23およびその回転分級機ロータ23に円周方向等間隔で
装着する板状の分級羽根24で構成される)による遠心分
級(2次分級)によって粗粒と微粉とにふるい分けられ
る。粗粒は、ミルハウジング21の内壁側へはじき飛ばさ
れ粉砕部へ重力で落下し再粉砕される。一方微粉は、回
転分級羽根24の間を貫通し、製品微粉排出ダクト26から
製品微粉として回収される。石炭焚ボイラ用ミルの場合
は、製造された微粉は図示していないバーナへと気流搬
送される。
第4図は他の実施例を示すもので、断面が略台形状と
なる粉砕ローラ401へ本発明を適用したものである。こ
のローラミルでは、ストッパ406を用いて粉砕ローラ401
の粉砕面(セグメント)401aと粉砕リング413の粉砕面4
14の間に隙間を設ける構造を、メタルタッチを防止する
ために採用している。粉層が薄くなると、無対策の場合
には粉層の上で粉砕ローラ401がすべりやすくなる。し
かし、本発明になる粉砕ローラ401を利用すれば、粉層
のかみ込みがかなり促進され、粉層の薄くなる低負荷運
用時における粉砕特性が大幅に改善される。
ここでは、石炭の粉砕実験結果をもとに、本発明にな
るミルの粉砕ローラによる粉砕特性改善効果について述
べる。
粉砕性が大幅に異なる数多くの石炭種を用いて、トル
ク計を設置したバッチ式ローラミルで粉砕実験を行っ
た。無対策ローラおよび本発明になるミルのローラとも
にミニチュアを用いた。第5図は、ローラミルにおける
粉砕性指数(Roller Grindability Index)RGI/RGI(基
準炭)に対する有効摩擦係数μe/μe(基準炭)の関係
を示したもので、各石炭の粉砕特性をまとめたものであ
る。プロットが多くかなり繁雑になるため、プロット群
はハッチングして表現した。横軸は、各石炭においてロ
ーラミルの粉砕時に得られる粉砕性指数RGIを、標準的
な粉砕性を示す基準炭のRGIで割り正規化してある。ま
た縦軸の有効摩擦係数μeも、基準炭のμeで割って表
した。ここで有効摩擦係数μeは、次式 より求める。ここにT:粉砕トルク、ΔT:空トルク、M:
荷重、Drac:レース径である。RGIが低く粉砕性の劣る石
炭は一般にμeの値が小さい。RGIの増加とともにμe
は急増し、ほぼ一定値に達したあと粉砕性がかなり良好
な石炭になるとゆるやかに減少する傾向となる。無対策
の平滑な粉砕曲面を有する粉砕ローラを用いると、例外
的に、μeのかなり低い石炭(A炭)がある。このよう
にμeの低い特性は、コールランクにあまり関係なく、
薄片(Flake)状の粒子に分裂しやすい石炭においてみ
られる。本発明になるミルの粉砕ローラを利用すれば、
図中のA炭およびB炭のように、矢印(→)で示すごと
く有効摩擦係数μeと粉砕性指数RGIをともに増大させ
ることができた。μeの増大は粉砕ローラのかみ込み促
進を、またRGIの増加は粉砕能力向上によってより多く
の微粉を生成したことを示している。
薄片状粒子へ破壊しやすく、粉砕ローラがそのような
粉層上ですべり易い石炭種を用いて、ホールドアップ
(仕込み量)を変化させる実験をバッチ式ミルで行った
(バッチ式ミルであるからミルに入れる前に計量し
た)。第6図は、ミル内石炭ホールドアップに対する有
効摩擦係数の変化を示したものである。ホールドアップ
ないし有効摩擦係数とも、無対策ローラを用いたときの
標準粉砕条件(石炭仕込み量:50g、荷重M:29kg f、ミル
シャフト回転数:15r.p.mで、4分間粉砕)の値で正規化
した。一般に、ミル内の石炭ホールドアップが増加すれ
ばμeが増大(ホールドアップが少ないときは急速に、
ある一定量を超してからはゆるやかに)する。同一のホ
ールドアップで比較すれば、本発明になるミルの粉砕ロ
ーラの方がμeが大きくなる。このような粉砕ローラの
かみ込み促進による特性改善効果は、実験を行ったホー
ルドアップの全範囲にわたり、すなわちミル内が低負荷
から高負荷に達するまで得られている。
次に実機の石炭粉砕ミルのように石炭を連続して供給
し、製造された微粉連続して取出す連続式ミルに本発明
になるミルの粉砕ローラを適用して粉砕実験を行った。
第7図は、無次元給炭量に対する無次元微粉粒度の変化
で実験結果をまとめ、ローラ構造の違いを比較したもの
である。標準粉砕条件値で、給炭量と微粉粒度を無次元
化した。給炭量が増加すると粒度が減少するが、給炭量
を揃えて粒度を比較すると本発明になるミルのローラを
使用したときの方が粒度が高い。特に、低負荷域におい
て、かみ込み促進の効果が目立ち、粒度がかなり向上し
ていることがわかる。
第8図には、無次元給炭量に対する無次元圧力損失の
変化を示す。給炭量の増加とともに圧力損失が増える
が、本発明になるミルの粉砕ローラ使用時の方が圧力損
失がかなり低い。これは、粉砕の促進によって、ミル内
の粒子循環量が低減し、結果的に圧力損失が低減したた
めと考えられる。
粉砕ローラが粉層を構成する粒子を効率よくかみ込み
ことは、粉層上において粉砕ローラのスリップが防止さ
れることになり、粉砕ローラの振動抑制に対しても効果
的である。第9図は、ミル内石炭ホールドアップに対す
る粉砕トルク7変動分の変化をまとめたものである。グ
ラフの両軸とも、標準粉砕条件下の従来式ローラ使用時
の条件と測定値で無次元化されている。一般に、メタル
タッチする条件(Hu=O)を除いて、無次元ホールドア
ップHu=0.2の低負荷帯において、薄い粉層上において
ローラが不規則に動きやすいためか、粉砕トルクの変動
が最大となる。本発明になる粉砕ローラを使用したミル
の方が、トルク変動分のピークが低い。この特性は、ミ
ルの負荷切り下げ限界をさらに拡大する運用の可能性を
示唆したものといえる。
本発明になるミルと無対策時のローラを用いる従来ミ
ルで製造した微粉炭をほぼ同一条件で燃焼させて燃焼特
性を比較した。第10図は、いずれも無次元化した灰中未
燃分と排ガス中のNOx濃度の関係をマッピングしたもの
である。同一の灰中未燃分で比較すれば、本発明になる
ミルで製造した微粉炭の方が排ガス中のNOx濃度が低
い。これは、本実施例になるミルで製造した粒度の高い
微粉炭を用いる方が、バーナ近傍で着火・保炎性が著し
く良好になり、火炎中心に高温で安定な低空気比燃焼域
が形成され、NOxをN2へ還元する中間生成物(揮発成分
の燃焼時に生成する)が多く放出されるようになったた
めである。一方、第11図は無次元化した石炭粒子の燃え
切り時間と粒度との関係を示した図である。本発明のロ
ーラミルを用いることによる着火・保炎性の向上は、バ
ーナゾーンの主燃焼域の拡大とそれに伴う炉内における
燃え切り時間の短縮をもたらし、結果的に燃焼効率の増
加につながる。
以上のように本発明のミルを利用することは、ミルと
しての多くの性能が向上するばかりでなく、ボイラにお
ける燃焼の高効率化と低公害化に寄与するなど、連鎖的
に火力プラント全体の性能や運用性を大幅に向上させる
ものと期待される。
本発明になるミルは、ここまで例として取り上げ実施
例を示した微粉炭焚きボイラ用や、あるいは他の固体燃
料焚きボイラ用などかみ込み促進による粉砕能力アップ
の要求の強いミルに限らず、セメント仕上げ用ミル、鉄
鋼スラグあるいは非鉄精錬スラグ用ミル、もしくは高炉
吹き込み用微粉炭ミルへもほぼ直接適用することができ
る。
特にセメントの分野では、最近になり、特に厳しい品
質管理と省エネルギ操業を推進中のため、本発明になる
ローラを採用するミルはとりわけ有効と考えられる。
〔発明の効果〕
本発明を実施することにより、ローラ部の原料のかみ
込みが促進されるので、ローラがすべり易い原料の石炭
に対しても高い粉砕能力を示し、製品としての微分炭の
粒度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例になる竪形ローラミル主要部の
垂直断面図、第2図〜第4図は本発明になるミル用ロー
ラ説明図、第5図〜第11図は本発明のミルを使った実験
結果説明図、第12図は従来のミルのローラ部説明図、第
13図〜第14図は従来技術になるミルのローラ部説明図、
第15図は従来技術になるローラミルの縦断面図である。 1……被粉砕原料、2……原料供給管(センターシュー
ト)、3……回転テーブル、6……粉砕リング、7……
粉砕レース、8……粉砕ローラ、8a……粉砕面(セグメ
ント)、8b……満体、9……ローラブラケット、10……
ローラ回転軸、13……ローラピボット、14……下部加圧
フレーム、15……加圧用スプリング、16……上部加圧フ
レーム、17……テンションロッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金本 浩明 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社呉工場内 (72)発明者 田岡 善憲 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社呉工場内 (72)発明者 長谷川 忠 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社呉工場内 (56)参考文献 特開 昭63−242357(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B02C 15/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直立して設けられた円筒状のハウジング
    と、ハウジング内下部で垂直軸を中心として水平面内を
    回転する回転テーブルと、該テーブル上面の外周囲に設
    けられた粉砕リングと、同リング上面に刻設された粉砕
    レースと、粉砕レース上を加圧状態で転動する複数個の
    粉砕ローラと、回転テーブル上に粉砕されるべき石炭を
    供給する原料供給装置とを有する微粉炭生成用竪型ロー
    ラミルにおいて、上記粉砕ローラの回転軸に直角な断面
    での転動外周面を、断面が直線状の辺を有する複数枚の
    セグメントを組み合わせた多角形とし、かつ前記各セグ
    メントの両端に断面が円弧の切り欠きを刻設し、セグメ
    ント同士の接続部に断面半円弧型の溝体を形成したこと
    を特徴とする微粉炭生成用竪型ローラミル。
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