JP2730963B2 - 竪型ローラミル - Google Patents

竪型ローラミル

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、石炭を初めとしてセメント原料やその他の
固形原料を微粉体に粉砕する竪型ローラミルに係り、特
に粉砕用ローラの支持方法に特徴を有する竪型ローラミ
ルに関する。
〔従来の技術〕
石炭焚きボイラにおいても低公害燃焼(低NOx、未燃
分低減)や急速負荷変動運用(給炭量変化)が実施さ
れ、それに伴い微粉砕機(ミル)も高性能化が要求され
るようになった。
石炭、セメント原料あるいは新素材原料などの塊状物
を細かく粉砕する粉砕機の1つのタイプとして、粉砕テ
ーブルと複数のローラとを備えた竪型ローラミルが用い
られ、最近では代表機種の1つとしての地位を固めつつ
ある。
このタイプの粉砕機は、第1図を参考に説明すれば円
筒型ミルケーシング(ミルハウジング)17内の下部にお
いて減速機を有するモータで駆動され、水平面上で低速
回転する円板状の粉砕テーブル3と、その上面外周部を
円周方向へ等分する位置へ油圧、あるいはスプリング等
で圧接されて回転する複数個の粉砕ローラ7とを備えて
いる。粉砕テーブルの中心部へ原料供給管2より供給さ
れる被粉砕物は、粉砕テーブルの回転と遠心力によって
テーブル上を渦巻き状の軌跡を描いて外周部へ移動し、
テーブルの粉砕レース26の溝面と粉砕ローラの間にかみ
込まれて粉砕される。ミルハウジング17の基底部には、
ダクト内を送られてきた熱風29が導かれており、この熱
風が粉砕テーブルの外周部とミルハウジングの内周部と
の間のエア・スロート28から吹き上がっている。粉砕後
の粉粒体はエア・スロートから吹き上がる熱風によって
ミルハウジング内を上昇しながら乾燥される。ミルハウ
ジング上部へ輸送された粉粒体は、ミルハウジング上部
に設けたサイクロンセパレータあるいは回転分級機30で
分級され、所定の粒径以下の微粉は熱風によって搬送さ
れ、例えばボイラでは微粉炭バーナあるいは微粉貯蔵ビ
ンへと送られる。分級機を貫通することのないある一定
粒径以上の粗粉は、粉砕テーブル上に落下し、ミル内へ
供給されたばかりの新しい原料とともに再度粉砕され
る。このようにして、粉砕ローラによって粉砕が繰返さ
れる。
このような竪型ローラミルにおける粉砕機構は、テー
ブル上の粉砕レース面とローラとの間の圧縮によるもの
と剪断によるものが考えられる。このような粉砕条件を
最適にするために、ローラの各種支持構造が提案されて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来式のローラ支持・加圧方法は、第8図に示すよう
に、粉砕ローラ61およびそれを支えるローラシャフト63
を粉砕ローラ61の外側、つまりミルハウジング78側より
ローラブラケット62により支える構造であるため、粉砕
ローラ61の外側に大きなスペースを必要とする問題があ
った。このスペースは、粉砕ローラ61の支持構造のみの
ために必要とするものであり、粉砕レース76の径Dracと
は何のかかわりあいを持たない(粉砕レース76の径Drac
は、粉砕容量に比例する値となる)。したがって、上記
スペースはミルの粉砕能力向上には何ら寄与することは
ない。粉砕ローラ61の外周囲のスペースが増大すること
は、それだけ粉砕に寄与しないむだな石炭の滞留時間が
増加することになり、ミル内の圧力損失が増大する。ま
た、石炭の搬送に必要な空気量が増加することになり、
送風機の動力費が高くつくようになる。さらに、空気量
の増加によってバーナ出口の微粉炭噴出ノズルにおける
C/A(1次空気に対する微粉炭の質量流量比)が減少す
るため、微粉炭の低公害・高効率燃焼に対し不利とな
る。DSS運用(Daily Start Stopの略(毎日起動、停
止))の石炭焚きボイラでは、応答性のよいミルが要求
される。従来型では、起動時あるいは負荷変動時におい
て、粉砕部の容量が大きいために、ミル出炭の応答が遅
れがちになる。その他に、粉砕テーブル73の外周をやや
大きめに設定することになるため、ミルの製作コストが
上昇するという問題もある。
粉砕ローラの支持構造に関する先行技術としては、第
9図に示すように、ローラ172の軸受173をミルハウジン
グ174の外側に設けるという考案(実開昭63−51649)が
ある。この例は、粉砕部の構造がコンパクトになるが、
ミルハウジング174の外側へ設けるローラ支持部の構造
がやや大がかりになるため、ミル全体としては大型化し
てしまう。このローラ支持構造の特徴は、潤滑油等をミ
ル内へ供給する必要がなくなるため、製造微粉へのコン
タミネーション(不純物混入)を防げることにある。
第10図(軸方向断面図)と第11図(上方からの視図)
に示す先行技術(特開昭55−106650)では、クラッシン
グローラ105〜107の軸の支持部をミルの中心軸側(ロー
ラの内側)に設けるローラブラケット(押圧部材108〜1
10)を採用し、それらのローラブラケット108〜110を連
接具(中心柱14)で接続している。この方法によれば、
粉砕ローラ105の外側のスペースが縮小し、むだな粒子
滞留を防ぐことが可能になる。しかし、ローラ105の設
置に伴う作業には、連接具は転倒防止の役割を果たすで
あろうものの、押圧リング111を上方からレース上に乗
せる場合にローラ105を静地させるための補助部材が必
要になるなど、第8図の従来例と同様に構造が簡単とは
いい難い。
本発明の目的は、上述のような問題点を解決するため
の竪型ミルにおける粉砕ローラの新しい支持構造を提案
することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記した目的は、直立するミルハウジングと、その内
部の水平面内で回転する粉砕テーブルと、該テーブル上
面に設けられその外周に沿って断面が円弧状の溝面を有
する粉砕レースと、この粉砕レースの溝面に接して設け
られた円弧状の断面を有する複数個の粉砕ローラと、粉
砕ローラに所定圧力を加える加圧装置と、上記粉砕ロー
ラをテーブル上に等間隔に配置するように支持するとと
もに加圧装置からの加圧力をローラに伝えるローラ支持
フレームとを有する竪型ローラミルにおいて、ローラ支
持フレームはローラの回転軸をミル中心軸側から支持す
る複数個のブラケットと、それらをつなぐスカート状堰
体とで一体的に構成され、この一体構成体上部に加圧装
置からの加圧力をローラピボットを介して受ける水平面
受圧部を設けたことを特徴とする竪型ミルにより達成さ
れる。
〔作用〕
本発明になるローラ支持フレームの構造を採用するこ
とにより、粉砕テーブル周囲のスペース縮小が可能にな
り、粉砕部のコンパクトな竪型ローラミルが実現する。
これによって、粉砕部における粒子の滞留量、すなわち
ホールドアップが減少し、起動時あるいは負荷変動時に
おいて、出炭の応答性が向上する。また粉砕部における
ホールドアップの減少によって、圧力損失が低減するた
め、ミルへの送風量が削減される。
さらに、各ローラ同志が一体構造のローラ支持フレー
ムに支持されているために、ローラが異物をかみ込んだ
り、ローラの加圧機構に異変が生じた場合でも、ローラ
が転倒するといった問題は生じない。さらに、ミルを停
止させ加圧力を除去した状態での点検作業時において
も、ローラはレース上において静立するためローラが倒
れる危険性は全くなくなり、補助手段が不要となる。
本発明の場合、粉砕能力に(粉砕部のスケールアップ
則のパラメータとして)かかわる粉砕レース径Dracが同
一であるために、ミルの粉砕容量は、従来例に較べて何
ら犠牲になることはない。ローラブラケットのローラシ
ャフト支持部が、回転テーブルの中心軸側にあるため、
各ローラ間のスペースが小さくなり、粉砕部に保有可能
な石炭量はやや減少する。したがって、過剰なまでに高
負荷でミルを運用するような特殊な場合には、ローラ間
から石炭があふれるといった現象が生じる可能性があ
る。このようなケースでは、ローラの転動抵抗が高まる
ため、やや粉砕動力が増加すると予測される。
高負荷条件下では、粉砕部の被粉砕粒子量が増大し、
本発明になるローラ支持フレームから各ローラ間へ粒子
があふれ出す可能性がある。そのため、このローラ支持
フレームのローラ間部にはスカート状の堰体によって、
ローラの粉砕部へ送給される被粉砕原料量が制御され
る。この場合、ローラ支持フレーム内の空間部の石炭ホ
ールドアップは増大する。
〔実施例〕
第1図に、本発明を具体化した竪型ローラミルの構造
を、ミル中心軸を含む縦方向断面図として示す。第2図
には、粉砕部の構造を上方からの視図として示す。
被粉砕原料1は、ミル上部の中心軸上に下向きに設け
られた原料供給管(センターシュート)2からミル内へ
供給され、ミル下部にあって、テーブル回転軸5の周り
を水平面上で低速に回転する粉砕テーブル3上に落下す
る。粉砕テーブル3上の被粉砕原料1は、遠心力によっ
て粉砕テーブル3の外周へと送給され、粉砕レース26に
入る。その上を粉砕ローラ7が圧下状態で転動して粉砕
する。粉砕レース26は、粉砕テーブル3の外周に沿っ
て、環状に装着された粉砕リング6の上部に、断面が略
円弧状になるごとく刻設されたものである。この粉砕レ
ース26と粉砕ローラ7の間において、被粉砕原料1が圧
縮粉砕されるが、本ミルの特徴は、この粉砕ローラ7の
支持構造とそれに伴うミルハウジング17の構成にある。
粉砕ローラ7は固定されたローラシャフト(図では、
軸受ないしオイルシール部は省略してある)8の周りを
回転する。ローラシャフト8は、ミルの中心軸側にシャ
フト支持部を有するローラ支持フレーム10に支持されて
いる。
本発明になるこのローラ支持フレーム10は、各粉砕ロ
ーラ7に対応するローラシャフト8の支持部(ブラケッ
ト:アーム型になっている)と、ローラ支持フレーム10
の加圧支点となるローラピボット12を乗せる溝面を設け
た上部の平面枠10cと、アーム型の各ローラシャフト支
持部に設けたスカート状の堰体10bが一体構造となって
いる。
第2A図は、この一体構造支持フレームの斜視図であ
る。ローラ支持フレーム10の上方部分である平面枠体10
cの中央は略三角形にくり抜かれており、ここから被粉
砕原料1や分級部から循環する粒子群が粉砕テーブル3
上への供給される。アーム型のローラ支持部の間には、
スカート状で下向きの逆堰体10bがあり、第3図および
第3A図に示すように、高負荷において粉粒体30が各粉砕
ローラ7の間へあふれ出ることのないようになってい
る。被粉砕原料である粒子群30が粉砕ローラ7の間から
オーバーフローすると、粉砕ローラ7の転動抵抗が増大
し、結果的に粉砕効率が減少する。アーム型の各ローラ
支持部と各堰体10bの下方には、、粉砕テーブル3との
間にスペースがあり、被粉砕原料である粉粒体がスムー
ズに粉砕ローラ7と粉砕レース26からなる粉砕部へと送
給されるようになっている。
第2図に示すように、ローラ支持フレーム10の上方部
分である平面枠体10cにおいて、粉砕ローラ7の上方部
分には、ローラシャフト8を挟んで対象な位置にローラ
ピボット12が2個設置されている。このローラピボット
12は、上方からの加圧に対するローラ支持フレーム10の
支点となる。一体構造のローラ支持フレーム10に対して
多数のローラピボット12を支点とする構成は、いわば超
過拘束ぎみになるが、ほとんどの条件において、ローラ
ピボット12は、ローラ支持フレーム10と下部加圧フレー
ム13に設けた両溝間に固定されていて緩むことはない。
何らかの原因で、粉砕ローラ7の1つが異常な動作をし
た場合、その衝撃はスプリング14の弾性変形が吸収す
る。ローラピボット12の上方には、加圧用のスプリング
14を介設した下部加圧フレーム13と加圧フレーム15が設
けられている。粉砕ローラ7の初期設定荷重は、テンシ
ョンロッド16を所定の条件まで下方に引張り、加圧フレ
ーム15下のスプリグ14を圧縮することにより設定され
る。本実施例では、各ローラシャフト8の支持部がミル
中心軸側に集められているため、第8図の従来例に較べ
て、粉砕ローラ7の外周側のスペースが縮小されてい
る。粉砕テーブル3の外径Dtabは2つの例とも同じであ
るが、本発明の実施例では、ミルハウジング17が上方側
へその径を第6図の従来例よりも縮小する構成となって
いる。すなわち、粉砕部周りのミルハウジング17がやや
勾配の大きな円錐台形となる。粉砕部上側におけるミル
ハウジング17の径Duに関して、本発明実施例のDuは第6
図に示した従来例のそれの82%まで大幅にせばめられて
いる。したがって、本実施例になるローラミルの粉砕部
の容積(ただし、粉砕ローラ7やローラブラケット10d
の容積も含める。これらの容積を差し引いて評価した場
合、粉砕部のスペースの縮小率はさらに増大する)は、
おおまかに見積もって従来例の83%まで縮小されている
ことになる。このような構造設定により、ローラミルの
粉砕部の容積が小さくなることから、ミルの応答性が向
上し、また粉砕部における石炭ホールドアップの減少に
よってミルの圧力損失が低減する。また本発明実施例で
は、一体構造のローラ支持フレーム10によって各粉砕ロ
ーラ7を支持しているために、ローラの設置時や保守点
検時において、不慮の事故でローラが転倒するといった
問題は生じない。また、運転中に粉砕ローラ7が異物を
かみ込んでも、ローラが倒れる危険は全くなくなる。な
お、異物のかみ込みによる衝撃は、スプリング14により
緩和される。特に中小型(粉砕容量2ton/hr以下のクラ
ス)のローラミルにおいて、本発明になるローラ支持法
を採用すれば、ローラの設置作業が大変簡便になる。ロ
ーラは、粉砕レース26上に自然に静立するため、ローラ
を立てるための補助機具は必要としない。
粉砕ローラ7によって粉砕されて生成した粉粒体は、
粉砕テーブル3の外周側で、ミルハウジング17の内壁に
固定されたエア・スロート28より吹込まれる熱風29によ
ってミル上方部へ搬送される。搬送された粉粒体のう
ち、かなり粗いものは重力により落下し(1次分級)、
粉砕部において再粉砕される。一方、この重力分級域を
貫通した粉粒体のうち比較的粗いものは、回転分級機の
遠心作用によって、分級機の外側へはじき飛ばされ(2
次分級)重力によって落下し、粉砕部で再粉砕される。
回転分級機は、原料供給管(センターシュート)2の周
りの回転分級機円筒20とその下部に取付けた分級機ロー
タ21と、それに円周方向等間隔に複数枚配設される細長
い板状の回転分級羽根22により構成される。回転分級部
を貫通した微粉は、製品微粉25として、製品微粉排出ダ
クト24からミルの系外へ移送される。
ミルハウジング17の径の縮小による容積減少分を、近
似的に等価な円筒として置き換えれば、本発明になるミ
ルのハウジング17の円筒径は、従来例の に減少する。粉砕部の高さは同一であるので、結果的に
ミルハウジング17の水平断面積の縮小分が、粉砕部容積
の縮小分となるため、容積は従来例の(0.91)〜0.83
倍まで減少する。
本発明になるローラの支持構造を採用したことによる
ミルの特性を、実験結果をもとに述べる。
第4図は、給炭負荷率に対する微粉粒度(200メッシ
ュパス、wt%)の関係結果をまとめ、本発明ミルと従来
ミルとの特性を比較したものである。負荷の比較的高い
条件において、本発明の方が粉砕容量が多く、高い粉砕
能力を有することがわかる。これは従来式のミルでは、
粉砕部においてむだに(粉砕されずに)滞留するはずで
あった粒子が、分級部へ速やかに移送され、それが粉砕
部においてより確実に粉砕されるようになったためであ
る。なお、粉砕ローラ7の支持構造が変わった場合、ロ
ーラミル粉砕部の能力を支配するパラメータ、すなわち
荷重、粉砕レース26の径および回転テーブル3の回転速
度等の入力条件は同一であるが、実際に粉砕に関与する
有効摩擦係数が本実施例においてやや増大する。ちなみ
に、所定の粒度以上に微粉砕可能なミルの粉砕容量Q
は、次式で与えられる。
Q∞μeMwD …(1) ここにμe:有効摩擦係数 M :荷重 w :テーブルの回転速度 D :粉砕レース径 である。
本実施例では、Dを従来式と同一に設定しているた
め、粉砕能力を犠牲にすることがなかったわけである。
ただし、本実施例では、一次分級部のスペースが縮小す
るため、従来式よりはやや粗めの粉粒体が2次分級域ま
で輸送される。したがって、回転分級部にかかる負担
は、粉砕部の能力がやや増加しているものの(第4
図)、従来式よりもやや高くなるものと予測される。
第5図と第6図には起動特性を示す。これによって、
本実施例と従来例におけるそれぞれの応答特性を比較す
る。第5図は、ミルへ給炭が開始されてから以後の時間
経過に対するミルからの出炭比(給炭量に対する出炭量
の比)の変化を示したものである。横軸は、本発明例に
おける整定時間を100%として無次元化してある。実験
では、ミルから排出されるほとんどすべての製品微粉
を、バグフィルタとサイクロン補集器によって回収し
た。実験点にはばらつきがあるので、図中には、本実施
例の特性を実線で、また従来例のそれを破線で示してい
る。ミルからの出炭は、給炭開始からわずかな遅れを経
たあとに始まり、ほぼ1次遅れ系で近似可能な状態で出
炭量が増加する。また、本発明になるローラミルの方が
出炭量が速いことがわかる。これは、本発明になるロー
ラの支持法を採用したことによって粉砕部のスペース縮
小が可能になり、粉砕ゾーンの粒子滞留時間が短くなっ
てミルの応答性が向上したためである。第6図には、給
炭開始からの時間経過に伴うミル内の炭層差圧比(それ
ぞれのミルの静定時の炭層差圧に対する起動時の炭層差
圧の比、ここに炭層差圧は全体の圧力損失から空気のみ
の圧力損失を差し引いた値)の変化を示すが、傾向は第
5図の例と同様である。第6図において、横軸は本発明
例における整定時間を100%として無次元化してある。
すなわち、本発明の実施例であるローラミルの方が炭層
差圧が速く上昇し、静定に向かい高い応答性を示す。本
実施例のローラミルでは、粉砕部における石炭のホール
ドアップが少なく、すなわち粉砕されずに滞留する粒子
が減少し、結果的に静定時の炭層差圧も低くなる。した
がって、このように高い応答性を示したものと考えられ
る。
本実施例になるローラミルでは、前述したようにミル
の圧力損失が従来例より低くなるため、使用空気量を低
減できる。したがって、ミルの出炭条件つまりバーナの
微粉炭噴出ノズルにおけるC/A(1次空気に対する微粉
炭の質量流量比)を高くすることができる。この特性
は、火炎内自己脱硝型のバーナを利用する燃焼時におい
て、燃焼効率を犠牲にすることなく排ガス中のNOx濃度
を低減する場合に大変有利になる。バーナ近傍におい
て、石炭濃度が増加し、また石炭粒子の噴出速度が低下
するため着火・保炎性が向上する。この作用によって、
火炎内中心部に、高温で安定な低空気比燃焼域が形成さ
れ、高温熱分解により発生した還元性生成物(NO→N2
換のための)も同時に活発に生成される。このようにし
て、結果的には火炎内から発生する窒素酸化物の低減が
達成される。第7図には、排ガス中のNOx濃度と灰中未
燃分の関係で燃焼特性を整理した結果(横・縦軸いずれ
も従来例における目標値を100%として無次元化してあ
る)を示す。本発明になるローラミルを用いた燃焼時の
方が、従来式ローラミル使用時よりもNOx濃度を低減で
きたことがわかる。
本発明によるローラを採用し具体化したことによるミ
ルは、ここまで例として取上げた実施例を示した微粉炭
焚きあるいは石油コークス等固体燃料焚きボイラ用のミ
ルに限らず、高炉吹込み用の石炭微粉砕ミル、あるいは
特殊用途としてセラミックス原料微粉砕用や顔料製造用
等のミルへも適用することができる。
特にセメントの分野では、最近になって厳しい品質管
理と省エネルギー操業を推し進めており、本発明になる
ローラを採用する竪型ミルは特に有効と考えられる。
この他に、従来までにいわゆる‘タワーミル’が利用
されることの多かった鉄鉱石粉砕用ミルへも応用が可能
である。
〔発明の効果〕
本発明のミルは、コンパクトで、かつローラの取付
け、取外し作業も容易であり、また高負荷条件下の運転
において、回転テーブル上に被粉砕粒子が堆積しても、
ローラの転動抵抗にならないように、ローラと粉砕レー
ス間に供給されるので、粉砕効率が低下しない。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第2A図、第3図、第3A図、第3B図は、
本発明の実施例説明図、第4〜7図は、本発明の実施例
ミルと従来型ミルによる実験比較図、第8〜11図は、従
来型ミルの説明図である。 3……粉砕テーブル、6……粉砕リング、7……粉砕ロ
ーラ、8……ローラシャフト、10……ローラ支持フレー
ム、10b……スカート状堰体、10c……ローラ支持フレー
ムの水平面受圧部、10d……ローラブラケット、13……
下部加圧フレーム、14……スプリング、15……加圧フレ
ーム、17……ミルハウジング、26……粉砕レース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金本 浩明 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社呉工場内 (72)発明者 田岡 善憲 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社呉工場内 (72)発明者 長谷川 忠 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社呉工場内 (56)参考文献 特開 昭57−153739(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直立するミルハウジングと、その内部の水
    平面内で回転する粉砕テーブルと、該テーブル上面に設
    けられその外周に沿って断面が円弧状の溝面を有する粉
    砕レースと、この粉砕レースの溝面に接して設けられた
    円弧状の断面を有する複数個の粉砕ローラと、粉砕ロー
    ラに所定圧力を加える加圧装置と、上記粉砕ローラをテ
    ーブル上に等間隔に配置するように支持するとともに加
    圧装置からの加圧力をローラに伝えるローラ支持フレー
    ムとを有する竪型ローラミルにおいて、ローラ支持フレ
    ームはローラの回転軸をミル中心軸側から支持する複数
    個のブラケットと、それらをつなぐスカート状堰体とで
    一体的に構成され、この一体構成体上部に加圧装置から
    の加圧力をローラピボットを介して受ける水平面受圧部
    を設けたことを特徴とする竪型ローラミル。
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