JPH11276919A - ローラミル - Google Patents

ローラミル

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JPH11276919A
JPH11276919A JP8631598A JP8631598A JPH11276919A JP H11276919 A JPH11276919 A JP H11276919A JP 8631598 A JP8631598 A JP 8631598A JP 8631598 A JP8631598 A JP 8631598A JP H11276919 A JPH11276919 A JP H11276919A
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crushing
roller
pulverizing
transverse direction
crushing roller
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JP8631598A
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English (en)
Inventor
Kazunori Sato
一教 佐藤
Hiroaki Kanemoto
浩明 金本
Eiji Murakami
英治 村上
Nobuyasu Meguri
信康 廻
Hideo Mitsui
秀雄 三井
Kotaro Sakoda
光太郎 佐古田
Yukinori Ono
幸紀 大野
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローラミルの粉砕部を経年変化によっても安
定化し、自励振動を起きにくくすること。 【解決手段】 回転テーブル3の粉砕レース5と粉砕ロ
ーラ18の連動により原料1を粉砕するローラミルにお
いて、粉砕ローラ18の横断方向の粉砕面における両外
側部を硬化肉盛り部19により成形し、粉砕ローラ18
の粉砕面における中心部を母材で成形して母材粉砕面2
7Aとする。このように、粉砕ローラ18の粉砕面にお
ける横断方向について材料の硬度(耐摩耗性)を異なら
せると、経年とともに粉砕ローラ18の粉砕面は中央部
が窪むように摩耗変形し、粉砕ローラ18の転動が定常
に保たれるため、自励振動は起きにくくなる。しかも、
粉砕ローラ18の中央部の窪みはミルの使用期間が長く
なるほど進行するため、長期間の使用になるほどかえっ
て自励振動を発生しにくくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ型の粉砕ロ
ーラとテーブルの連動回転によって外部から供給される
粒状や塊状の石炭等の燃料または原料(以下、原料と称
する)を粉砕するローラミルに係り、特に、経年的に安
定して自励振動を抑制して粉砕するのに好適な粉砕ロー
ラの粉砕面の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭焚ボイラでは、低公害燃焼(低NO
x,低灰中未燃分)や広域負荷運用が行われ、それに伴
い微粉炭機(ミル)にも高い粉砕性能や信頼性が要求さ
れている。石炭、セメント原料あるいは新素材原料など
の塊状物を細かく粉砕するミルのひとつのタイプとし
て、最近では、回転するテーブルと複数個のタイヤ型ロ
ーラで粉砕を行う竪型のローラミルが広く用いられてお
り、特に日本国内では代表機種としての地位を固めてい
る。
【0003】図10は従来より知られている一般的なロ
ーラミルの概略構成を示す断面図であり、この種のロー
ラミルは、円筒型をしたハウジング8と、ハウジング8
の下部に配置された略円台状の回転テーブル3と、回転
テーブル3の円周方向へ等分する位置に配置された複数
個の粉砕ローラ4とを備えている。回転テーブル3は、
モータで駆動されて減速機(いずれも図示省略)を介し
て低速回転するようになっており、その上面外周部に粉
砕レース5が形成されている。各粉砕ローラ4は、油圧
あるいはスプリング等により粉砕レース5に向けて荷重
を付加されている。
【0004】原料供給管(センターシュート)2から回
転テーブル3の中央へ供給された原料は、回転テーブル
3上において遠心力によりうず巻状の軌跡を描いて回転
テーブル3の外周へ移動し、回転テーブル3の粉砕レー
ス5と粉砕ローラ4との間にかみ込まれて粉砕される。
ハウジング8の下部には図示していないがダクトが連通
されており、該ダクトを通して燃焼用空気の一部となる
熱風(一次空気)6が導かれ、この熱風(一次空気)6
が回転テーブル3とハウジング8の間にあるエアスロー
トのスロートベーン7の間を通して吹き上る。粉砕後の
粉粒体は、エアスロートから吹き上る熱風(一次空気)
6によって、ハウジング8内を上昇しながら乾燥され
る。ハウジング8の上方へ輸送された粉粒体は粗いもの
から重力により落下し(一次分級)、回転テーブル3の
上へ落下した粉粒体は粉砕部で再粉砕される。また、一
次分級部を貫通したやや細かな粉粒体は、ハウジング8
の上部に設けた固定式分級機(サイクロンセパレータ)
あるいは回転式分級機(ロータリーセパレータ)9で再
度分級される。分級機を貫通した所定の粒径より小さな
微粉は気流100により搬送され、例えばボイラでは微
粉炭燃焼用バーナへと送られる。分級機を貫通しなかっ
た所定粒径より大きな粗粉は回転テーブル3の上へ重力
により落下し、ミル内へ供給されたばかりの原料ととも
に再度粉砕される。このようにしてミル内では粉砕が繰
り返され、製品微粉が作り出されていく。
【0005】このようなローラミルにおいて、超微粒化
を達成するためには、粉砕が経時的に安定して行われる
必要がある。つまり、粉砕部における粉層の粒度が細か
くなっても、粉砕ローラを安定的に保持すると共に、定
常的にも安定した回転状態にしなければならない。粉砕
ローラの転動が不安定になると、粉層と粉砕ローラ間の
すべりに起因して自励振動が発生する。このようなロー
ラ転動の不安定化に伴う自励振動は、粉砕面の摩耗変形
が進むほど発生し易くなり、粉砕面の摩耗変形が進むと
粉砕動力(あるいはモータ電流)が過大になるという問
題も生じる。したがって、従来より、粉砕面に摩耗変形
が生じた粉砕ローラや粉砕レースに定期的に硬化肉盛り
材を溶着することにより、粉砕面を再生するという方法
が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したローラミルに
おいて、通常、粉砕ローラ4の粉砕面は母材である鋳物
により成形されており、このような粉砕ローラ4は長期
間使用すると、図11に示すように、粉砕ローラ4の粉
砕面が摩耗変形する。同図から明らかなように、粉砕ロ
ーラ4における摩耗変形部17は、粉砕ローラ4の横断
方向に対して対称でなく、ややハウジング側(回転外
側)にずれた部分に偏る。粉砕ローラ4の粉砕面がこの
ように摩耗変形すると、粉砕ローラ4が回転テーブルの
粉砕レース上の粉層上で滑り易くなるため、超微粉粉砕
時に粉砕ローラ4の転動位置が安定せず、自励振動が発
生し易くなるという問題が生じる。この場合、分級機の
回転数や粉砕ローラ4への押圧荷重を低下させれば、粉
砕部の状態が安定化して自励振動は起きにくくなるが、
製品である微粉炭の粒度が粗くなり、燃焼特性が犠牲に
なるという別の問題が発生する。したがって、経年変化
によっても粉砕面が安定で、燃焼特性を変化させない技
術が必要になる。
【0007】このような粉砕面の摩耗変形に対して、図
12に示すように、粉砕ローラ4の母材である鋳物に鋳
物よりも硬度の高い溶接材料で硬化肉盛りを施工し、粉
砕ローラ4の粉砕面の全面を硬化肉盛り溶着粉砕面16
とした技術も知られている。この従来技術によれば、粉
砕ローラ4の粉砕面の表面が高硬度となるため、耐摩耗
性が向上して長期間の使用に耐えられるようになる(例
えば、摩耗の進行が1/2になる)。しかしながら、結
局は、硬化肉盛り溶着粉砕面16も長期間の使用後には
図11に示すように摩耗変形するので、粉砕の状態が急
に不安定になる問題はつきまとう。
【0008】本発明の目的は、このような従来技術の課
題を解決し、経年変化によっても粉砕状態を安定に保つ
ことのできるローラミルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、粉砕ローラの
横断方向の粉砕面における両外側部位を比較的硬質の材
料で成形し、粉砕ローラの断面中心軸を挟み最大押圧で
ある中央部を両側よりも相対的に軟質の材料で成形する
こととする。このように、粉砕ローラの横断方向の粉砕
面について材料の硬度、すなわち耐摩耗性を異ならせる
と、粉砕ローラは経年とともに粉砕面の中央部が窪むよ
うに摩耗変形が進行するため、粉砕ローラのかみ込み部
に生じる微粉層の一部が、この窪みを通じて粉砕ローラ
の下方をすり抜けることになる。したがって、微粉層は
粉砕ローラの横断方向を横切ってハウジング側(回転外
側)へ行きにくくなり、粉砕ローラの回転外側への滑り
が抑制されるため、自励振動が起きにくくなる。
【0010】本発明によれば、自励振動が起きにくくな
るように粉砕ローラが摩耗変形するため、長期間の使用
になるほどかえって自励振動は発生しにくくなる。無対
策の場合、粉砕ローラの摩耗の進行とともに自励振動が
生じ易くなるので、本発明における特性は従来技術と正
反対になり、このように粉砕部の状態が安定化すれば、
超微粉砕時のように粉砕部の粉層を微細にする運転も可
能になる。
【0011】粉砕ローラの粉砕面の中央部に生じる窪み
の横断方向の幅には適正な範囲が存在し、窪みの幅が小
さければ、自励振動抑制の効果が生じにくい。一方、窪
みの幅が大き過ぎると、粉砕ローラの回転中心軸側と回
転外側における多重押圧状態となり、粉砕動力が過大と
なる。このような理由から、両外側部に比べて軟質材料
で成形した粉砕ローラの中央部の幅は、粉砕ローラの横
断方向の粉砕面の幅の1/5以上で1/3以下程度とす
ることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のローラミルでは、円筒状
ハウジングの内部に配置された複数個のタイヤ型の粉砕
ローラと、該粉砕ローラに対向する側に粉砕レースを有
するテーブルと、前記粉砕ローラを前記粉砕レースに向
けて押圧付勢する付勢手段とを備え、外部より粒状や塊
状の原料または燃料からなる供給物が供給されて前記テ
ーブルを回転することにより前記粉砕レースと前記粉砕
ローラとの間で前記供給物を粉砕するローラミルにおい
て、前記粉砕ローラの横断方向の粉砕面における両外側
部位を中央部に比べて硬質の材料で成形した。
【0013】上記構成における具体的手段の一例とし
て、前記粉砕ローラの横断方向の粉砕面における両外側
部位に比較的高硬質の溶接材料による硬化肉盛りを施工
し、該粉砕ローラの横断方向の粉砕面における中央部を
母材により成形した。
【0014】また、他の例として、前記粉砕ローラの横
断方向の粉砕面における両外側部位に比較的高硬質の溶
接材料による硬化肉盛りを施工し、該粉砕ローラの横断
方向の粉砕面における中央部に前記高硬質溶接材料より
も硬度が低い硬質の溶接材料による硬化肉盛りを施工し
た。
【0015】また、他の例として、前記粉砕ローラの横
断方向の粉砕面における両外側部位に比較的硬高度材か
らなるリング状部材を機械的手段により接合し、該粉砕
ローラの横断方向の粉砕面における中央部を母材により
成形した。
【0016】
【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図1は実施例に係るローラミルの断面図であり、図10
に対応する部分には同一符号を付してある。
【0017】本実施例に係るローラミルが前述した従来
例と相違する点は粉砕ローラの粉砕面の構成にあり、そ
れ以外の構成は図10に示した従来のローラミルと基本
的に同じである。すなわち、本発明の対象となるローラ
ミルでは、粉砕部に粉砕されるものが供給されていない
空回転時において、粉砕ローラ18と回転テーブル3に
固着された粉砕リング25の粉砕レース5とが直接当た
る(メンタルコンタクト)状態になり、粉砕ローラ18
はその背後に延びるシャフトがローラブラケット21に
回転自在に支持されている。ローラブラケット21には
ローラピボット22を介して上部の加圧フレーム23か
ら粉砕荷重24が伝わり、最終的には粉砕荷重24が粉
砕ローラ18に付与される。後述するように、粉砕ロー
ラ18の粉砕面の中央部は母材であり、摩耗変形が生じ
て摩耗変形母材部20となっているが、粉砕ローラ18
の粉砕面における幅方向の両外側部は硬化材肉盛り部1
9となっているので摩耗変形が生じていない。
【0018】図2は前記粉砕ローラ18の粉砕面の構成
(使用前)を示す説明図であり、同図に示すように、粉
砕ローラ18の粉砕面における断面中心軸26の部分は
母材粉砕面27Aであり、この母材粉砕面27Aは粉砕
ローラ18の母材そのものの鋳物である。一方、粉砕ロ
ーラ18の横断方向の粉砕面における両外側部は硬化肉
盛り部19であり、これら硬化肉盛り部19は母材を少
し削り取った部分を肉盛りするようにしている。なお、
この実施例において、断面中心軸26を挟んで母材粉砕
面27Aと硬化材肉盛り部19は、回転テーブルの中心
軸aないしハウジング側bに対して対称である。
【0019】図3は図2の粉砕ローラ18の粉砕面が経
年摩耗変形を起した状態を模式的に示すものであり、硬
化材肉盛り部19は肉盛りビードを省略し簡略化して描
いてある。同図に示すように、粉砕ローラ18の経年摩
耗の進行に伴い、鋳物からなる中央部の母材粉砕面27
Aでの摩耗変形が速く進み、当該部分が凹形に窪んだ状
態の摩耗粉砕面27Bとなる。また、粉砕ローラ18の
ハウジング側bの硬化肉盛り部19も摩耗するが、硬化
肉盛り部19の硬度すなわち耐摩耗性は鋳物からなる母
材に比べて高いため、粉砕ローラの粉砕面を全て母材で
成形した従来例(図11参照)に比べると硬化肉盛り部
19の摩耗変形量は遥かに少ない。
【0020】図4に示すように、粉砕ローラ18の中央
部が窪むように摩耗変形すると、この状態において、原
料粉層32は粉砕ローラ18のかみ込み部に流入するが
(矢印c)、この原料粉層32は、粉砕ローラ18の外
側まで貫通せず、粉砕ローラ18の中央で凹形に窪んだ
母材の摩耗粉砕面27Bの下をすり抜けるように流入す
る(矢印d)。したがって、原料粉層32は粉砕ローラ
18の外側まで流れにくくなり、粉砕ローラ18は原料
粉層32のかみ込み時に滑りを起こさず、結果的に粉砕
ローラ18の転動が定常に保たれ、粉砕ローラ18は安
定に維持される。なお、図4における破線33は、粉砕
ローラ18に摩耗粉砕面27Bが無い場合の原料粉層3
2を示す仮想線である。
【0021】このような挙動に基づいて粉砕状態を安定
させる効果は、ミルの使用時間の経過が長く、母材の摩
耗粉砕面27Bの摩耗変形が進むほど強くなる。したが
って、ミルの使用期間が長くなるほどミルを安定に運用
できるようになる。先にも述べたが、従来技術では、経
年摩耗変形の進行とともに自励振動が発生し易くなるの
で、分級機の回転数を低下させるように操作条件を変更
する必要がある。これに対して、本発明の上記実施例に
よると、使用期間が長くなるほど自励振動が発生しにく
くなるので、摩耗部材の交換時期を延ばすこと(部品の
寿命延長)が可能になり、ミル自体を含むプラント内機
器の信頼性や耐久性を向上できる。また、経年摩耗時に
おいても分級機の回転数を低下させる必要が無く、逆に
分級機の回転数を高めることが可能となり、超微粉を作
り出すような運用も可能になる。
【0022】図5は、自励振動の発生限界に相当する分
級機回転数Nsvを使用時に対する変化としてまとめ
て、本実施例と従来技術とを比較したものである。縦軸
におけるNsvは、粉砕部が使用初期状態にある自励振
動の発生限界の分級機回転数Nsv0で割ることにより
無次元化して表わしている。図11に示すような粉砕ロ
ーラの粉砕面全体を母材で成形したローラの場合、ミル
の使用時間が長くなるとNsvの低下割合は非常に大き
くなり、また、図12に示すような粉砕ローラの粉砕面
全体に硬化肉盛りを施した硬化肉盛りローラの場合に
は、Nsvの低下割合は小さいものの、図中に破線で示
すようにやはりNsvは低下する。このような従来技術
に対して、本実施例のように粉砕面の中央部を母材粉砕
面27Aとし両側部を硬化肉盛り部19とした粉砕ロー
ラ18(図3)の場合には、ミルの使用時間が長くなる
ほど逆にNsvが上昇する傾向が見られる。
【0023】また、本実施例においては、粉砕ローラ1
8の粉砕面の中央部が窪むように摩耗変形するので、粉
砕ローラ18が粉層を多重点で押圧するようになる。す
なわち、これによって粉砕ローラ18の転動抵抗が増大
するようになる。図6は、粉砕動力Pを使用時間tに対
する変化としてまとめたものであり、縦軸の粉砕動力P
は使用初期の粉砕動力P0で割ることにより無次元化し
て表わしている。本実施例による粉砕ローラ18の場合
の粉砕動力は、図11に示すローラの粉砕動力と図12
に示す硬化肉盛りローラ(このローラも軽度ではあるが
摩耗変形を起こしている)の粉砕動力の中間程度であ
り、いずれの粉砕ローラにおいても、ミルの使用時間の
増加とともに粉砕動力が増大する傾向が認められる。
【0024】粉砕ローラの摩耗変形が進むとミル停止過
程においても自励振動が発生し易くなり、この振動が発
生するとその加速度も大きくなる。図7はミル停止過程
における振動の加速度αについて本実施例と従来例とを
比較したものであり、縦軸における振動加速度αは図1
1に示すローラの場合におけるミル停止過程の振動加速
度α*で割ることにより無次元化した。図7から明らか
なように、図11に示すローラ(無対策の粉砕ローラ)
を用いたローラミルの場合は、停止過程における振動加
速度が最大のα/α*=1となり、図12に示す硬化肉
盛りローラ(軽度の摩耗変形を起こしているローラ)を
用いたローラミルの場合、振動レベルは幾分軽減するも
のの、摩耗変形の影響が出てα/α*=0.69とな
る。これに対して、本実施例における粉砕ローラ18を
搭載したローラミル(図1参照)の場合には、振動加速
度をα/α*=0.37へと大幅に低減する効果(実質
的に自励振動の発性は無く、強制振動のみ)が認められ
る。以上のように、本発明を実施することによる振動抑
制効果は、ミル停止過程までに及ぶことを確認すること
ができた。
【0025】図8に示す他の実施例では、粉砕ローラ1
8の横断方向の粉砕面における両外側に硬化粉砕面部材
29を装着し、粉砕ローラ18の粉砕面の中央部は母材
粉砕面27Aとなっている。この硬化粉砕面部材29
は、粉砕ローラ18の円周方向に沿う如くリング状にな
っており、断面中心軸26を挟んで左右対称に両側から
はめ込み、固定用金具30等の機械的手段を用いて粉砕
ローラ18の本体に固定される。粉砕ローラ18の母材
からなる母材粉砕面27Aは硬化粉砕面部材29よりも
硬度は低く、前述した実施例における図3の場合と同様
に、母材粉砕面27Aの部位だけが早く摩耗変形し、経
時変化により凹形に窪むようになっている。本実施例で
は、前述した実施例のように肉盛り材の溶接施工は行わ
ないが、これによって生じる効果は同じである。
【0026】図9に示す他の実施例では、粉砕ローラ1
8の粉砕面の全てに肉盛り溶接を行い、粉砕面における
横断方向の両外側を高硬度材肉盛り部19により成形
し、粉砕面の中央部の断面中心軸26のまわりは相対的
に硬化材肉盛り部19よりも硬度(耐摩耗性)の低い硬
化材肉盛り部31により成形している。粉砕ローラ中央
部の硬化材肉盛り部31は摩耗変形が早く、ミルの長期
間使用後には、前述した各実施例図と同様に粉砕ローラ
18の中央部に凹形の変形が生じる。このような凹形の
変形は、変形が進むほど粉砕ローラ18のかみ込み部に
堆積する微粉層が凹形部の下をすり抜けるようになるの
で、粉砕ローラ18の転動が安定化し、自励振動が起き
にくくなる。したがって、本実施例においても、経年変
化とともに振動抑制効果が大きくなり、粉砕ローラ18
の転動状態が安定化することになり、このような特性は
前述した各実施例図と同じである。
【0027】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0028】粉砕ローラの横断方向の粉砕面における両
外側部位を硬質の材料で成形し、粉砕ローラの粉砕面の
中央部を両側よりも相対的に軟質の材料で成形すると、
粉砕ローラは経年とともに粉砕面の中央部が窪むように
摩耗変形が進行するため、粉砕ローラのかみ込み部に生
じる微粉層の一部がこの窪みを通じて粉砕ローラの下方
をすり抜け、粉砕ローラの外側への滑りが抑制されて自
励振動を起きにくくすることができる。しかも、自励振
動が起きにくくなるように粉砕ローラが摩耗変形するた
め、長期間の使用になるほどかえって自励振動は発生し
にくくなり、超微粉砕時のように粉砕部の粉層が細かく
なっても粉砕ローラを安定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るローラミルの断面図であ
【図2】図1のローラミルに搭載される粉砕ローラの粉
砕面の構成を示す説明図である。
【図3】図2の粉砕ローラの粉砕面が経年摩耗変形を起
した状態を模式的に示す説明図である。
【図4】図1のローラミルの使用時における粉層の挙動
を模式的に示す説明図である。
【図5】自励振動発生限界の分級機回転数とミルの使用
時間を示す説明図である。
【図6】粉砕動力とミルの使用時間を示す説明図であ
る。
【図7】ミル停止過程の振動加速度を示す説明図であ
る。
【図8】他の実施例に係る粉砕ローラの粉砕面の構成を
示す説明図である。
【図9】他の実施例に係る粉砕ローラの粉砕面の構成を
示す説明図である。
【図10】従来例に係るローラミルの概略構成を示す断
面図である。
【図11】従来例に係る粉砕ローラの粉砕面の構成を示
す説明図である。
【図12】他の従来例に係る粉砕ローラの粉砕面の構成
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 原料 3 回転テーブル 5 粉砕レース 8 ハウジング 18 粉砕ローラ 19 硬化材肉盛り部 20 摩耗変形母材部 26 断面中心軸 27A 母材粉砕面 27B 摩耗粉砕面 29 硬化粉砕面部材 30 固定用金具 31 硬化材肉盛り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廻 信康 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 三井 秀雄 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 佐古田 光太郎 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 大野 幸紀 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状ハウジングの内部に配置された複
    数個のタイヤ型の粉砕ローラと、該粉砕ローラに対向す
    る側に粉砕レースを有するテーブルと、前記粉砕ローラ
    を前記粉砕レースに向けて押圧付勢する付勢手段とを備
    え、外部より粒状や塊状の原料または燃料からなる供給
    物が供給されて前記テーブルを回転することにより前記
    粉砕レースと前記粉砕ローラとの間で前記供給物を粉砕
    するローラミルにおいて、前記粉砕ローラの横断方向の
    粉砕面における両外側部位を中央部に比べて硬質の材料
    で成形したことを特徴とするローラミル。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、前記粉砕ロー
    ラの横断方向の粉砕面における両外側部位に硬化肉盛り
    を施工し、該粉砕ローラの横断方向の粉砕面における中
    央部を母材により成形したことを特徴とするローラミ
    ル。
  3. 【請求項3】 請求項1の記載において、前記粉砕ロー
    ラの横断方向の粉砕面における両外側部位に比較的高硬
    質の溶接材料による硬化肉盛りを施工し、該粉砕ローラ
    の横断方向の粉砕面における中央部に前記高硬質溶接材
    料よりも硬度が低い硬質の溶接材料による硬化肉盛りを
    施工したことを特徴とするローラミル。
  4. 【請求項4】 請求項1の記載において、前記粉砕ロー
    ラの横断方向の粉砕面における両外側部位に比較的硬高
    度材からなるリング状部材を機械的手段により接合し、
    該粉砕ローラの横断方向の粉砕面における中央部を母材
    により成形したことを特徴とするローラミル。
JP8631598A 1998-03-31 1998-03-31 ローラミル Pending JPH11276919A (ja)

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