JP2828190B2 - 竪型粉砕機 - Google Patents

竪型粉砕機

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JP2828190B2
JP2828190B2 JP17029893A JP17029893A JP2828190B2 JP 2828190 B2 JP2828190 B2 JP 2828190B2 JP 17029893 A JP17029893 A JP 17029893A JP 17029893 A JP17029893 A JP 17029893A JP 2828190 B2 JP2828190 B2 JP 2828190B2
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roller
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crushing
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small
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禎彦 前田
充 池田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は回転テーブルと粉砕ロー
ラとの協働により、セメント原料、石灰石、スラグ、ク
リンカやセラミック、化学品等の原料を粉砕する竪型粉
砕機に係り、特に微粉砕領域の粉砕に際して発生する異
常振動を抑制し、かつ、粉砕能力の向上を企図した竪型
粉砕機に関する。
【0002】
【従来の技術】石灰石やスラグ、セメント原料などの原
料を細かく粉砕し粉体とする粉砕機の一種として、図3
に示すように、回転テーブルと粉砕ローラとを備えた竪
型粉砕機1が広く用いられている。この種の粉砕機は、
円筒状ケーシング15の下部においてモータ2Aにより
減速機2で駆動されて低速回転する円盤状の回転テーブ
ル3Aと、その上面外周部を円周方向へ等分する箇所に
油圧など圧接されて従動回転する複数個の粉砕ローラ4
とを備えている。
【0003】粉砕ローラ4はケーシング15に軸6によ
って揺動自在に軸支されたアーム5とアーム7を介して
油圧シリンダ9のピストンロッド10に連結されてお
り、油圧シリンダ9を作動させることにより、粉砕ロー
ラ4を回転テーブル3A上に押圧して原料への粉砕圧力
を与えている。3Bは回転テーブル3Aの外周縁に設け
られ原料層厚を調整するダムリング、14は回転テーブ
ル3A周囲のガス吹上用環状空間通路、14Aはガス供
給路、13は羽根13Aにより粉砕された原料を分級す
る回転セパレータ、16はガスと共に製品を取出す排出
口、17は原料投入シュートである。
【0004】このような竪型粉砕機において、回転テー
ブルの中央部へ原料投入シュート17で供給された原料
は、回転テーブル3Aの回転によりテーブル半径方向の
遠心力を受けて回転テーブル3A上を滑るときに回転テ
ーブル3Aにより回転方向の力を受け、回転テーブル3
Aとの間で滑って回転テーブル3Aの回転数よりいくら
か遅い回転を行なう。以上2つの力、すなわち、半径方
向と回転方向の力とが合成され、原料は回転テーブル3
A上を渦巻状の軌跡を描いて回転テーブル3Aの外周部
へ移動する。この外周部には、ローラが圧接されて回転
しているので、渦巻線を描いた原料は粉砕ローラ4と回
転テーブル3Aとの間へローラ軸方向とある角度をなす
方向から進入して噛込まれて粉砕される。
【0005】一方、ケーシング15の基部には熱風ダク
ト20によって空気、あるいは熱風などのガスが導かれ
ており、このガスが回転テーブル3Aの外周面とケーシ
ングの内周面との間の環状空間部14から吹き上がるこ
とにより、粉砕された微粉体はガスに同伴されてケーシ
ング15内を上昇し、上部に位置するセパレータ13の
羽根13Aにより分級作用を受け、所定粒度の製品はガ
スと共に排出口16から排出され次の工程へ送られる。
【0006】上記のような従来の竪型粉砕機は、特にセ
メント原料や石炭を粉砕する場合のように中粉砕を意図
するものにおいては、粉砕能力を出来るだけ大きくする
目的で粉砕ローラの寸法諸元(ローラ平均直径およびロ
ーラ幅)を設計しており、回転テーブル上に配置可能な
最大寸法を目標として決定され、ローラ平均直径dはテ
ーブルDに対して2ローラにおいてはd=(0.70〜
0.85)D、3ローラにおいてはd=(0.55〜
0.70)D、4ローラにおいてはd=(0.40〜
0.55)dの範囲で選定されていた。すなわち、上記
のローラ平均直径dの数値範囲のうち、上限値のものは
テーブル配置上の幾何学的限界より設定されるものであ
り、下限値のものは客先要求の粉砕能力に比べて対象型
番の竪型粉砕機の標準能力が大きい場合にローラ平均直
径を減らして機器のコストダウンを図る限界を示すもの
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の竪型粉砕機によって中粉砕領域よりもさらに製品
粒径の細かい微粉砕領域の粉砕を行なったときには、粉
砕ローラへの原料の噛込み効率が低下し、ミル異常振動
が発生するため安定運転が継続できないばかりでなく、
粉砕能力も低下していた。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
し、微粉砕領域でも異常振動の少ない粉砕能力の高い竪
型粉砕機を提供するために、本発明においては、回転テ
ーブルの外周部上面に複数個の回転自在な粉砕ローラを
配置し、回転テーブル中心部上方に垂下した原料投入シ
ュートを介して供給した原料を粉砕ローラに所定の粉砕
圧力を与えて回転テーブル上面と粉砕ローラ周面との間
で粉砕する竪型粉砕機において、該粉砕ローラは、平均
直径の異なる大径ローラと小径ローラとが交互に配設さ
れ、該小径ローラの平均直径は、該大径ローラの平均直
径の0.5倍から0.8倍の大きさであり、かつ、平均
直径の小さい小径ローラの回転テーブルへの押圧力を平
均直径の大きい大径ローラの回転テーブルへの押圧力よ
り大きくなる粉砕ローラの押圧手段を備えた構成とし
た。
【0009】
【作用】本発明の竪型粉砕機においては、平均直径の異
なる小径ローラと大径ローラとを交互に配置し、小径ロ
ーラを大径ローラよりも大なる押圧力で回転テーブルへ
押圧するように構成したので、原料は大径ローラで1次
粉砕され、押圧力の大きい小径ローラで微粉砕される。
したがって、粉砕ローラの大径部と小径部とのすべり速
度差の大きな大径ローラは押圧力が小さいためその分異
常振動の発生が小さく、また、押圧力の大きいために異
常振動の発生しやすい小径ローラは大径部と小径部との
すべり速度差が大径ローラに比べて小さいので、その分
異常振動の発生が抑止される。
【0010】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例について
詳細に説明する。図1は本発明の竪型粉砕機の要部平面
図、図2は本発明の竪型粉砕機の要部側面図である。従
来例の標準ローラを装備した竪型粉砕機1は、セメント
原料や石灰石等をたとえば88μR10〜15%程度に
粉砕する、いわゆる中粉砕領域に使用するのに最適で粉
砕能力を出来るだけ大きくすることを企図している。
【0011】すなわち、従来機の標準ローラのローラ平
均直径dの数値範囲は、上限値が回転テーブル3A上へ
の配置可能な幾何学的最大値を基準に決定され(これ以
上ローラ平均直径を大きくすると隣接する粉砕ローラ同
志が接触して配置できない)、下限値は指定型番の粉砕
機の粉砕能力が客先要求能力より大きく余裕がある場合
に客先要求能力を満たす範囲で粉砕ローラ平均直径を減
少させて機器のコストダウンを図り得る限界を示し、粉
砕ローラ平均直径の減少によって粉砕ローラ、ローラ軸
受、スイングアーム、アーム軸受等関連機器のイニシア
ルコストの大幅な削減が可能となる。
【0012】一方、本発明の竪型粉砕機1は、中粉砕領
域よりも細かな製品粒径を得る平均粒径が10μm以下
の微粉砕領域を狙いとしたもので、たとえば、高炉スラ
グやクリンカを比表面積2500cm2/g以上の粉砕した
り、7000cm2/g以上の比表面積を得る炭カル製造を
する場合にあたり、上述した従来機の標準ローラを有す
る竪型粉砕機ではミル異常振動を頻発して連続安定運転
を継続しがたい状況に追い込まれたり、原料噛込効率が
低下して粉砕能力が低下するという課題を解決するため
のもので、たとえば図1に示すように、複数個の粉砕ロ
ーラを平均直径の異なる大径ローラ4Lと小径ローラ4
sに分け、これを交互に配列した。この場合大径ローラ
4Lの平均直径dLは従来の標準ローラの平均直径dと
同一直径とし、小径ローラ4sの平均直径dsは大径ロ
ーラ4Lの平均直径dLの0.5〜0.8の値とする。
また、運転中に回転テーブル3Aへ粉砕ローラ4(4
L、4s)を押圧する押圧力は大径ローラ4Lよりも小
径ローラ4sの方を大きくする。すなわち、大径ローラ
4Lの粉砕面圧Pが中粉砕領域時に使用される150kg
/cm2程度であるのに対して、小径ローラ4sでは微粉砕
領域に使用される200〜240kg/cm2程度の粉砕面圧
とする。上述の粉砕面圧は粉砕ローラ緊張力を粉砕ロー
ラ直下の原料が存在する占有面積で除した値で、占有面
積はローラ幅と粉砕ローラの中心角θ(経験値)に見合
う弦長との積で算出される。
【0013】標準ローラを有する従来機において微粉砕
領域(平均粒径10μm以下の製品を得る)の粉砕を実
施した場合には異常振動が頻発して運転に支障を来し、
その結果粉砕能力が低下するが、その原因には次の2点
が考えられる。ひとつは、図2に示すように、粉砕ロー
ラの中心軸線が回転テーブルの中心軸と交差せず回転テ
ーブル中心軸を越えた遠方へ延びており、粉砕ローラの
小径部(直径d1)と大径部(直径d2)とはともに転動し
えず粉砕ローラの幅方向で滑動が生じる点であり、大径
ローラ4Lほど小径部直径と大径部直径との差が大きく
回転テーブルとの間の滑動が大きい点である。逆に言う
とこの滑動に基づく回転テーブルと粉砕ローラとのすべ
り速度差が粉砕に寄与しているわけである。もうひとつ
は、粉砕ローラの回転テーブルへの押圧力が大きいほど
異常振動が発生しやすい点である。以上の考察から、本
発明では回転テーブル3Aとの滑動程度の大きい大径ロ
ーラ4Lでは中粉砕時の粉砕面圧に相当する押圧力のみ
に留め、滑動程度の小さい小径ローラ4sは微粉砕に必
要な大きな粉砕面圧を与える押圧力を付勢し、大径ロー
ラ4Lは主として1次粉砕(中粉砕)を分担させ、小径
ローラ4sに微粉砕を実施させることにより、異常振動
の発生を抑止しつつ所望の粉砕を実施しようと企図した
ものである。なお、小径ローラ4sの平均直径dsを大
径ローラ4Lの平均直径dLの0.5〜0.8倍とした
が、下限値はこれ以上小径ローラ4sを小さくすると粉
砕能力が低下する限界を示し、上限値は異常振動の発生
限界を示すものである。
【0014】以上説明したように、本発明の竪型粉砕機
においては異常振動の発生を極力防止する意図のもと
に、大径ローラに比較的低い押圧力を与えて1次粉砕を
分担させ、小径ローラに強い押圧力を与えて仕上粉砕と
なる微粉砕を実施させるようにした。この結果、異常振
動の発生が抑止され、連続安定運転を継続して安定した
粉砕能力を維持することができる。
【0015】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の竪型粉砕機
はミル異常振動が少なく、かつ、安定した高い粉砕能力
を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る竪型粉砕機の要部平面図
である。
【図2】本発明の実施例に係る竪型粉砕機の要部側面図
である。
【図3】従来の竪型粉砕機の全体縦断面図である。
【符号の説明】
1 竪型粉砕機 3A 回転テーブル 4 粉砕ローラ 4L 大径ローラ 4s 小径ローラ 5 アーム 6 軸 7 アーム 9 油圧シリンダ d 粉砕ローラ平均直径 d1 粉砕ローラ小径部の直径 d2 粉砕ローラ大径部の直径 dm 粉砕ローラ平均直径 dL 大径ローラ平均直径 ds 小径ローラ平均直径

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転テーブルの外周部上面に複数個の回
    転自在な粉砕ローラを配置し、回転テーブル中心部上方
    に垂下した原料投入シュートを介して供給した原料を粉
    砕ローラに所定の粉砕圧力を与えて回転テーブル上面と
    粉砕ローラ周面との間で粉砕する竪型粉砕機において、
    該粉砕ローラは、平均直径の異なる大径ローラと小径ロ
    ーラとが交互に配設され、該小径ローラの平均直径は、
    該大径ローラの平均直径の0.5倍から0.8倍の大き
    さであり、かつ、平均直径の小さい小径ローラの回転テ
    ーブルへの押圧力を平均直径の大きい大径ローラの回転
    テーブルへの押圧力より大きくなる粉砕ローラの押圧手
    段を備えた竪型粉砕機。
JP17029893A 1993-07-09 1993-07-09 竪型粉砕機 Expired - Lifetime JP2828190B2 (ja)

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