JPH09239284A - ローラミル - Google Patents

ローラミル

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Publication number
JPH09239284A
JPH09239284A JP5321496A JP5321496A JPH09239284A JP H09239284 A JPH09239284 A JP H09239284A JP 5321496 A JP5321496 A JP 5321496A JP 5321496 A JP5321496 A JP 5321496A JP H09239284 A JPH09239284 A JP H09239284A
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JP
Japan
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roller
crushing
pivot
mill
rotary table
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Pending
Application number
JP5321496A
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English (en)
Inventor
Kazunori Satou
一教 佐藤
Hiroaki Kanemoto
浩明 金本
Nobuyasu Meguri
信康 廻
Kazunori Shoji
一紀 正路
Hideo Mitsui
秀雄 三井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間の使用に係わらず、自励振動の発生を
極力抑制でき、またモータ電力の増大を抑えることがで
きる粉砕ローラの振り子支持点部構造を持つローラミル
を提供する。 【構成】 ピボット3を軸芯として振り子動作が可能な
ように支持された粉砕ローラ1と、略円盤状の回転テー
ブル8との連動作用により、固体燃料あるいは固体原料
を微粉砕するローラミルにおいて、ピボット3を、粉砕
ローラ1の微粉排出側へ移動可能に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭等の固体燃料
や固体状の工業原料を微粉砕するローラミルに係わり、
特に振動発生を抑制できる粉砕ローラの支持構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電用や一般産業用の微粉炭焚きボ
イラでは、低公害燃焼(低NOx、低灰中未燃分)や広
域負荷操業が実施され、それに伴い微粉炭機(ローラミ
ル)も高い性能が要求されている。
【0003】石炭、セメント原料あるいは新素材原料な
どの塊状物を細かく粉砕するローラミルの一つのタイプ
として、最近では回転するテーブルと複数個のタイヤ形
ローラの連動作用で微粉砕を行う竪型のローラミルが広
く用いられており、特に、日本国内では代表機種として
の地位を固めつつある。
【0004】ここでは、図11に示すように、ローラミ
ルの一般的な構成を述べる。
【0005】この種のミルは、竪型の円筒形状をしたハ
ウジング(ケーシング)16の下部にあって電動機で駆
動され、減速機を介して低速回転する略円板型の回転テ
ーブル8と、その回転テーブル8の外周部の上面におい
て円周方向へ等分する位置へ油圧あるいはスプリング等
で圧加されて回転する複数個のタイヤ形をした粉砕ロー
ラ1を備えている。
【0006】回転テーブル8の中心へ原料供給管(セン
ターシュート)19から供給された粉砕原料18は、回
転するテーブル8上において遠心力により渦巻き状の軌
跡を描いて回転テーブル8の外周へ移動し、回転テーブ
ル8の粉砕レース面と粉砕ローラ1の間にかみ込まれ
て、粉砕ローラ1により圧縮粉砕される。
【0007】ミルハウジング16の下部には、ダクトを
通して200〜300℃の熱風(1次空気)15が導か
れており、この熱風(1次空気)15が、回転テーブル
8とハウジング16の間にあるエアスロート14を通
り、ローラミル内の粉砕部へ吹き上げられている。
【0008】粉砕された後の粉粒体は、エアスロート1
4から吹き上げる熱風(1次空気)15によってハウジ
ング16内を上昇する過程で乾燥される。ハウジング1
6の上方へ輸送された粉粒体のうち粗いものは重力によ
り落下し(1次分級)、粉砕部で粉砕ローラ1により再
粉砕される。
【0009】この1次分級部を貫通してさらに上方へ輸
送されたやや細かな粉粒体は、ハウジング16の上部に
設けたサイクロンセパレータ(固定式分級機)あるいは
ロータリーセパレータ(回転式分級機)17で再び遠心
分級される(2次分級)。
【0010】所定の粒径より小さな微粉は気流により搬
送され、ボイラでは微粉炭バーナへ、あるいは鉄鋼プロ
セスの高炉吹き込み用では微粉貯蔵ビンへと送られる。
【0011】分級機を通過しなかった所定粒径以上の粗
粉は、結果的に回転テーブル8上へ重力により落下し、
ミル内へ供給されたばかりの原料18あるいは1次分級
された粗粒とともに再び粉砕される。以上のような動作
により、ミル内では粉砕が繰り返され、所定の粒度を満
足する微粉が生成されていく。
【0012】粉砕ローラ1のシャフト7は、ローラブラ
ケット2により支えられている。ローラブラケット2の
上部には、粉砕ローラ1の振り子動作の支軸となるロー
ラピボット3が設けられている。このローラピボット3
を介して粉砕荷重6が、上方の加圧フレーム5から加わ
るようになっている。
【0013】ローラピボット3は、上部及び下部のピボ
ットブロック4a及び4bに挟み込まれて装着されてい
る。上部ピボットブロック4aは加圧フレーム5に、ま
た下部ピボットブロック4bはローラブラケット2にそ
れぞれ装着されている。
【0014】なお、9は粉砕リング、11は粉層、12
はテーブル回転軸、13はローラ回転軸、20は送炭管
を示す。
【0015】ローラミルを低負荷で運用する場合や停止
運用をする場合、問題となるのはミルの振動である。こ
の振動現象は、炭層とローラのすべりに起因する一種の
摩擦振動であり、振動のタイプとしては自励振動の一種
である。
【0016】普通の石炭では、図14に示すように、低
負荷運用時(ミル内における石炭ホールドアップの少な
い条件)にこの振動が激しくなることが多いが、石炭種
によってはかなりの高負荷時にも発生することがある。
【0017】図12及び図13を例にとり、従来式ロー
ラミルにおける粉砕ローラ1の支持構造を説明する。
【0018】このタイプのローラミルでは、ローラブラ
ケット2を介して、ローラピボット3を支軸として、粉
砕ローラ1が振り子運動可能なように支持される。
【0019】図13に示すように、正三角形をした一体
型の加圧フレーム5において、各ローラブラケット2に
対して、ローラ回転軸13を挟んで左右対称にローラピ
ボット3が設けられている。この振り子運動の機能は大
変に重要であり、粉砕ローラ1が鉄片など粉砕されにく
い異物をかみ込んだ場合、粉砕ローラ1は振り子運動を
することによって衝撃を回避することができる。
【0020】また粉砕ローラ1や粉砕レース10が摩耗
変形したときには、適切な押圧位置(粉砕ローラ1と粉
砕レース10との位置関係)を自動調心的に見つけ出す
作用も、この振り子運動の機能にはある。
【0021】一般に、高負荷粉砕時には、粉砕ローラ1
はほとんど振り子運動をすることがない。上記したよう
に、ミルの起動時あるいは負荷上昇時などにおいて粉砕
ローラ1が原料を活発にかみ込む場合には、粉砕ローラ
1はゆっくりした速度で振り子動作をするものの、この
振り子動作は自励振動の発生には直結しない。
【0022】一方、粉砕ローラ1が激しく自励振動する
場合には、図15に示すように、粉砕ローラ1が外側へ
ずれるように傾く(α)。このとき、回転テーブル8の
回転方向の動きに関して、粉砕ローラ1と粉砕レース1
0の接触点が、正常な位置からは、回転テーブル8の回
転方向に対して逆らうように、上流側へずれるような問
題が生じる。
【0023】このような状態になると、粉砕ローラ1は
3個とも略同時に、あるいは1つの粉砕ローラ1の横す
べり〔図15の(α)〕が切っ掛けとなり、順次他の2
つの粉砕ローラ1が追従するように大きな加速度で外側
へ横ずれし、次いで図16のように上下振動する
(β)。
【0024】以上から、ローラミルの振動を、粉砕部の
機構改善によって抑止しようとするには、粉砕ローラ1
の外側へのすべり動作を出来るだけ防ぐことが肝要であ
ることが分かる。
【0025】一方、使用年数が経過し、粉砕ローラ1及
び粉砕レース10の粉砕面が摩耗変形してくると、新品
時に比べて粉砕ローラ1の横すべり動作が生じやすくな
り、これが結果的に自励振動を起きやすくする。
【0026】従って、経年摩耗の進んだローラミルほど
振動を軽減するために、回転分級器17の回転数や荷重
を低減する操作を行っており、粉砕性能が犠牲になって
いる。さらに、経年摩耗が進めば、回転テーブル8を駆
動するモータの動力が増大し、粉砕効率が低下するとい
う問題もある。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】長期間の使用に伴い、
ローラミルの粉砕ローラ及び粉砕レースは経時的に摩耗
変形(減肉)するが、この変形が大きなほど自励振動が
生じやすくなる。
【0028】従って、ミルの運用に関して、 (1)粉砕荷重の低減 (2)分級機回転数の低減 (3)原料石炭への注水といった操作条件の変更をしな
ければならない。
【0029】これらは、いずれもローラミルの粉砕能力
について、つまり微粉粒度の向上について制限を加える
ことになる。粒度の低下によって、排ガス中の窒素酸化
物(NOx)や灰中未燃分が増大するという問題が生じ
る。
【0030】この他、経年摩耗変形の増大に伴い、粉砕
動力(ミルモータの電力)も上昇する。これに関して
も、上記(1)や(2)の運用制限をしなければならな
い。
【0031】経年摩耗変形に対する抜本的な対策は、新
品の粉砕ローラや新品の粉砕レース(回転テーブルのリ
ングセグメント)への交換であるが、コストが増大する
し、交換のための大掛かりな作業が生じるという問題が
ある。
【0032】本発明は、長期間の使用に係わらず、自励
振動の発生を極力抑制でき、またモータ電力の増大を抑
えることができる粉砕ローラの振り子支持点部構造を持
つローラミルを提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明においては、次のような手段を採用す
る。
【0034】使用年数を経ると、粉砕ローラや粉砕レー
スの摩耗変形が大きくなるが、自励振動の発生領域(運
転条件上)が大きくなり、またこの自励振動の振幅レベ
ルが高くなり、さらにミルモータの動力も上昇する。こ
れを防ぐために、ピボットの位置を、かみ込み側とは反
対側つまり微粉生成側に移動させる。
【0035】このようにすることで、実質的に粉砕ロー
ラは、「トーイン」(粉砕ローラのかみ込み側先端が内
側に向くこと)状態に支持されることになる。
【0036】粉砕ローラがトーインになると、図15に
示したような横すべりは起きにくくなる。一方、粉砕ロ
ーラのかみ込み側のスペースが小さくなること、及び接
触点が粉砕レースの内側になる、つまり回転テーブルの
有効直径が小さくなることにより粉砕動力の上昇を防ぐ
ことができる。
【0037】このようなローラピボットの位置の移動は
次のようにする。ローラピボットを、複数枚重ねた円盤
状のスペーサで挟むようにピボットブロック内に装着す
る。ローラピボットの位置は、この円盤状のスペーサの
枚数をローラピボットの前・後で変化させることにより
移動させる。なお、ピボットブロックは、ローラブラケ
ットに対し固定し、移動はさせない。
【0038】
【発明の実施の形態】まず、本発明の概要について説明
する。
【0039】本発明においては、使用年数の増加すなわ
ち摩耗変形の増加とともに、ローラピボットの位置を粉
砕ローラのかみ込み先端側とは逆方向の後方へ少しずつ
ずらしていく。この方法による作用は次の通りである。
【0040】(イ)粉砕ローラのかみ込み側先端が内側
(回転テーブルの中心側)を向くことになり、実質的に
粉砕ローラのかみ込み先端を内側へ傾ける「トーイン」
と同じことになる。
【0041】(ロ)粉砕ローラと粉砕レースの接触点
(空回転のときにはメタルタッチポイント)が粉砕レー
スの内側(回転テーブルの中心側)にくる。
【0042】まず、(イ)によれば、粉砕ローラが外側
へずれようとする力が生じ難くなる。図15のような粉
砕ローラの横すべりは生じない。これによって、自励振
動の発生が抑制される。
【0043】次に、上記(ロ)によって、粉砕ローラと
粉砕レースのスペースが狭くなり、微粉をかみ込み難く
なる。これによって、粉砕ローラはすべり難くなり、結
果的に自励振動は生じ難くなる。
【0044】さらに、同様に(ロ)によって、見掛けの
有効粉砕径が小さくなる。また粉砕ローラによる余分な
微粉のかみ込み(いわゆる「過粉砕」)がなくなり、回
転テーブルを駆動するモータの動力消費を抑えることが
できる。
【0045】本発明の特徴は、このピボット部の構造に
あるので、その内容について説明する。
【0046】図1は、ピボット部の上方からの視図であ
る。また、図2はピボット部の側方向からの視図であ
る。
【0047】ローラピボット3を、半円盤状の複数枚の
ピボットスペーサ21により左右から挟み付けるよう
に、上部ないし下部ピボットブロック4a及び4b内に
装着した。上部ピボットブロック4a内のピボットスペ
ーサ21には落下ずれの防止のために、止めピン4a′
を設けている。
【0048】この具体例では、ローラピボット3を、ピ
ボットスペーサ21により左右から均等な位置にくるよ
うに設置した。ピボットスペーサ21は、半円盤状であ
り、ローラピボット3の位置固定のみに機能する。
【0049】図3は、長い使用期間後に、ともに摩耗変
形した粉砕ローラ1と粉砕レース10の断面形状を示し
ている。
【0050】粉砕面がこのように変形すると、自励振動
が生じやすくなるし、粉砕動力も上昇して粉砕効率が低
下する。なお、1eは摩耗した粉砕面、1iは初期粉砕
面、10eは摩耗したレース面、10iは初期レース面
を示す。
【0051】本発明では、この状態のときに、図4のよ
うな構成にローラピボット3を移動する。すなわちロー
ラピボット3の設定位置を、粉砕ローラ1のかみ込み側
とは反対方向に変更する。なお、加圧フレーム5の上部
ピボットブロック4aでは、下部ピボットブロック4b
とは逆方向にピボットスペーサ21を寄せるようにして
枚数を設定する。
【0052】この具体例におけるローラピボット3の位
置変更は、ピボットスペーサ21の枚数をローラピボッ
ト3の前後で異ならせる。なお、加圧フレーム5の上部
ピボットブロック4aでは、下部ピボットブロック4b
とは逆方向にピボットスペーサ21を集めるようにして
枚数を設定する。
【0053】ローラブラケット2の下部ピボットブロッ
ク4b内では、ローラピボット3の前方に5枚、そして
ローラピボット3の後方に1枚のピボットスペーサ21
を装着する。ローラピボット3がこのような位置になる
と、粉砕ローラ1は、いわゆる「トーイン」(「イン」
は内側の意味)状態になる。
【0054】粉砕ローラ1のかみ込み側先端が、角度θ
t だけ内側(回転テーブル8の中心方向)を向く。この
角度θt (これをトー角と呼ぶ)は、3.0度を超えな
いようにする。トー角θt >3.0度になると、粉砕ロ
ーラ1が粉砕レース10の内側に乗り上げたり、落下し
たりを不安定に繰り返し、異常な振動が発生する。
【0055】また、0<θt <2.2度であれば、モー
タ動力Pは、トー角θt の上昇とともに増加する。従っ
て、θt を大きくするほど、モータ動力Pを減衰できる
ことになるが、θt >3.0度の場合は、逆にモータ動
力Pが上昇してしまう。ローラピボット3を粉砕ローラ
1がトーインとなるように移動する場合も、トー角θt
が大きくなり過ぎないように注意する必要がある。
【0056】以上のような方法によれば、粉砕ローラ自
身を傾ける必要はなく、粉砕ローラ1の前・後方向の僅
かな移動のみで、「トーイン」状態を容易に達成するこ
とが可能となる。
【0057】図7は、ローラミルの使用時間tに対する
振動時の振幅δocの変化を示すものであり、従来技術
(無対策)を本発明の具体例と比較したものである。
【0058】使用時間tは、基準使用時間t(*)で割
ることで無次元化してある。また振幅δocも、t=t
(*)における従来技術(無対策)になるローラミルの
振動時の振幅δoc(*)で割り、無次元化した。
【0059】無対策の従来例では、振動のレベルが増大
していくのに対し、本発明の場合には、数回のピボット
位置の変更を行うことで、すなわちローラの支持構造を
僅かなトーアウト状態から次第にトーイン状態へと変化
させることにより、振動レベルの増大を抑制(僅かに増
大するが)するようにしている。
【0060】ポボット位置の移動対策直後には、粉砕ロ
ーラ1のかみ込み方向の傾斜の効果が生じたためであ
る。このまま放っておくと、振幅δocが漸増するのは、
粉砕ローラ1及び粉砕レース10の粉砕面の摩耗変形が
進むからである。
【0061】図8は、使用時間tに対するモータ動力P
の変化をまとめたものであり、本発明と従来技術(無対
策)とを比較している。
【0062】縦軸のモータ動力Pは、t=t(*)にお
ける無対策時のモータ動力P(*)で割り、無次元化し
て表した。
【0063】従来技術では、使用時間が長くなり、摩耗
が進むにつれてモータ動力が次第に増加する傾向があ
る。これは、粉砕ローラ1と粉砕レース10が多重点で
接触するようになるからである。これに対し、本発明で
は、ピボット位置の変更の度にモータ動力が減少してお
り、長期間にわたりモータ動力の増加を最小限にくい止
められるようになっている。
【0064】これにより、本発明を実施すれば、使用年
数とともに摩耗が進んでも、モータ動力の増大を抑制で
きることが確認された。
【0065】図9は、経年時における振動特性につい
て、従来技術(無対策)と本発明の具体例を比較したも
のである。
【0066】本発明の具体例は、ピボットの位置変更を
行った時点のものである。横軸は、ミル内の石炭ホール
ドアップWであり、定格給炭負荷運用時におけるミル内
石炭ホールドアップで割り、無次元化して表している。
縦軸の振幅δocは、粉砕ローラ1と粉砕レース10がメ
タルタッチする空回転時の振幅δoc(*)で割ることで
無次元表記されている。
【0067】従来技術では、W/W(*)≦0.38に
おいて、振動の振幅が急増しており、激しい自励振動の
生じていることが分かる。
【0068】本発明を実施した場合には、振幅の最大値
は、δoc/δoc(*)≦1.7程度であり、特に大きな
問題となることはない。本発明の具体例におけるピーク
は、振幅が増幅する異常振動ではなく強制振動であり、
ミル自身も含む機器の信頼性を損なうことはない。
【0069】以上より、本発明を実施すれば、広い負荷
運用範囲において、静粛にミルを運用できることが明ら
かになった。
【0070】図10は、使用年数に対する微粉粒度の変
化を、本発明の具体例と従来技術(無対策)に対して比
較したものである。
【0071】縦軸の粒度qは、t=t(*)における粒
度q(*)に対する比として、すなわち相対値として表
している。
【0072】従来技術では、長い使用年数が経過しても
殆ど一定である。これに対し、本発明の具体例では初め
は粒度が細かいが、ピボットの移動とともに僅かではあ
るが低下する。しかし、問題になるほどではない。
【0073】図7に示したように、本発明を具体化する
ことにより振動を抑制できれば、 (1)分級機回転数の増大 (2)荷重油圧の上昇により、粒度を向上させることで
対応することも可能である。
【0074】新品時において、はじめからトーイン角度
を大きく設定しておくのが従来式のトーイン法である。
しかしながら、この方法であれば、自励振動のレベルや
発生頻度、またモータ動力ははじめは低いものの単調に
増大し続ける。これに対し、本発明になる方法によれ
ば、少しずつトーイン角度を大きくしていくので、ミル
性能を長期間にわたりできるだけ一定に保つことが可能
になる。
【0075】粉砕部のエレメントが摩耗変形したローラ
ミルでは、摩耗して窪んだ部分に対する肉盛り補修がよ
く行われる。
【0076】図6は、摩耗変形した粉砕ローラ1及び粉
砕レース10に対し、それぞれに肉盛り1f及び10f
を実施し、粉砕面の形状を新品と同様にしたものであ
る。
【0077】このような場合には、ローラピボットの位
置を、図5のように後方(微粉生成側)にずらした状態
から、新品時のように再び前方(かみ込み側)へ戻すよ
うにする。ローラピボットの位置の変更は、やはり先に
述べた具体例と同様に、スペーサ21の枚数の設定位置
をピボットブロック4a,4b内で変化させる。
【0078】
【発明の効果】本発明になる粉砕ローラの振り子支持点
部構造をローラミルへ適用することによる効果をもとめ
ると、次のようになる。
【0079】(1)長期間の使用により粉砕ローラ及び
粉砕レースが摩耗変形しても、自励振動レベルの増大、
自励振動の発生する領域の拡大及び自励振動の発生頻度
の増大を抑制することができる。
【0080】(2)粉砕ローラ及び粉砕レースの経年摩
耗変形が生じても、回転テーブルを駆動するモータ動力
の増大を抑制することが可能になる。
【0081】(3)上記(1)に関連し、自励振動を抑
制するための運転条件変更すなわち分級機回転数や粉砕
荷重の低減といった操作が不要になる。つまり、粉砕性
能を犠牲にするローラミルの運用制限を撤廃できる。
【0082】(4)上記(1)に関連し、ミル自体及び
ミル周辺にあるプラント機器の信頼性や耐久性が向上す
る。これによって、機器の予防保全用の費用を削減でき
る。
【0083】(5)上記効果(1)に関連し、プラント
内従業員の不快感がなくなり、作業能率が向上する。
【0084】(6)全負荷運用範囲においてミルの振動
を抑制できるため、ボイラ全体の広域負荷運用が可能に
なる。
【0085】(7)特に負荷変化時におけるミルの入
り、切り(複数台あるミルのうち、あるミルが停止し、
他のミルが起動すること)が容易になり、ボイラの運用
性が大幅に向上する。
【0086】(8)自励振動を起こしやすい石炭種や固
体燃料でも、問題なくローラミルを使用できるようにな
る。これによって、ローラミルに対する粉砕原料の適用
範囲が大幅に拡大する。
【0087】(9)粉砕ローラの振り子運動は保存され
るので、ローラの当たり面の広い面積の部分で原料を粉
砕するようになる。このようにして、局所的な摩耗は防
止され、粉砕ローラやリングセグメントの寿命を延ばす
ことができる。
【0088】(10)粉砕ローラをねじるように傾ける
必要がなく、容易に「トーイン」状態に変更することが
できる。改造工事が簡略になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化したローラミルにおけるピボッ
ト部の上方からの視図である。
【図2】本発明を具体化したローラミルにおけるピボッ
ト部の側方からの視図である。
【図3】経年摩耗変形時における振り子支持点部の側方
からの視図である。
【図4】経年摩耗変形時における振り子支持点部の上方
からの視図である。
【図5】図4に示すピボットの移動を実施した場合にお
ける粉砕ローラの位置を示す模式図である。
【図6】経年摩耗変形部に肉盛りを施した様子を示す模
式図である。
【図7】振動レベルの経時変化を示す説明図である。
【図8】モータ動力の経時変化を示す説明図である。
【図9】本発明を実施したことによる振動抑制効果を示
す説明図である。
【図10】本発明を実施たことによる粒度を示す説明図
である。
【図11】一般的なローラミルの全体構造を示す縦方向
断面図である。
【図12】従来のローラミルの粉砕ローラ支持構造の横
方向からの視図である。
【図13】従来のローラミルの粉砕ローラ支持構造の上
方からの視図である。
【図14】自励振動の発生領域を示す説明図である。
【図15】自励振動発生時における粉砕ローラの横への
動きを示す模式図である。
【図16】自励振動発生時における粉砕ローラの縦への
動きを示す模式図である。
【符号の説明】
1 粉砕ローラ 2 ローラブラケット 3 ローラピボット 4a 上部ピボットブロック 4b 下部ピボットブロック 8 回転テーブル 12 テーブル回転軸 13 ローラ回転軸 21 ピボットスペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正路 一紀 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 三井 秀雄 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピボットを軸芯として振り子動作が可能
    なように支持された粉砕ローラと、略円盤状の回転テー
    ブルとの連動作用により、固体燃料あるいは固体原料を
    微粉砕するローラミルにおいて、 ピボットを、粉砕ローラの微粉排出側へ移動可能に設け
    たことを特徴とするローラミル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、ローラミルの使
    用期間の経過に伴い、ピボットの位置を、粉砕ローラの
    微粉排出側へ移動させるようにしたことを特徴とするロ
    ーラミル。
  3. 【請求項3】 請求項1記載において、ピボットを複数
    個のスペーサで挟み込むように固定し、スペーサの位置
    あるいは個数の変更により、ピボットの位置を変化させ
    ることを特徴とするローラミル。
  4. 【請求項4】 請求項1記載において、粉砕ローラの原
    料かみ込み側が回転テーブルの中心側へ向けて、大きく
    とも3度未満の角度で傾斜するように、ピボットの位置
    を設定することを特徴とするローラミル。
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