JPH0332095B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気カードや磁気通帳などの取引媒体
を用いて取引を行う自動取引装置に関する。

銀行窓口の自動化機器として現金実動支払機、
現金自動預金機、この両者を合せた現金自動預出
金機などの自動取引装置がすでに広く普及し、顧
客の便宜が図られている。これらの自動取引装置
は磁気カードや磁気通帳などの取引媒体を介して
その取引の処理を行うものである。すなわち、顧
客が取引媒体を挿入口に挿入すると、その挿入が
挿入検知器により検知されるとともに、磁気検知
器により取引媒体の磁気がチエツクされ、正規の
磁気信号が得られればシヤツタが開き、取引媒体
が取込方向に搬送され、磁気読取部に案内されて
所定の取引処理が行なわれる。これに対し正規の
磁気信号が得られなかつた場合には、シヤツタが
開かず、取引媒体のそれ以上の進入を拒否するも
のである。

しかしながら上述のように従来においては、正
規以外の取引媒体を挿入口に挿入すると、その先
端がシヤツタに当接するという反応しか得られ
ず、このため顧客は取引媒体が正規のものでない
と感じるよりもむしろその取引装置自体が故障し
ているものと判断してしまうことが少なくないと
いう不都合があつた。

本発明はこのような事情のもとになされたもの
で、その目的とするところは、取引媒体が正規の
ものでない場合でもそれを一旦装置内に取込み、
ついでそれを挿入口に排出して辺却することによ
り、上述のような誤りを招来することがないよう
にした自動取引装置を提供することにある。

以下、本発明を図面に示す一実施例に基づいて
説明する。第１図は自動取引装置としての現金預
出金機を示し、１がその本体である。この本体１
は前面側に垂直部２および水平部３を有し、垂直
部２に取引媒体すなわち磁気カードａを挿入する
ための挿入口４、通帳差込口５および現金取出口
６が設けられ、また水平部３に入金口７および各
種の取引情報を入力させる操作部８が設けられて
いる。

上記挿入口４の内側には、カード取扱いユニツ
ト９が設けられ、このユニツト９内には第２図に
示すように、上記挿入口４の延長上に位置して搬
送路１０が設けられている。この搬送路１０は、
複数のローラ１１……間に掛け渡した第１の搬送
ベルト１２と、同じく複数のローラ１３……間に
掛け渡した第２の搬送ベルト１４とのそれぞれ一
部を互いに接合させることによつて構成されてい
る。第１の搬送ベルト１２は第１の搬送ベルト１
４に対し挿入口４の配置側にｌだけずれて位置
し、その端部の一つのローラ１１が挿入口４に隣
接し、このローラ１１にピンチローラ１５が転接
している。そして上記ｌの区間内において挿入口
４の配置側から順に挿入検知器１６、磁気検知器
１７、シヤツタ１８が設けられている。挿入検知
器１６は例えば磁気カードａの有無を光学的手段
により検知するフオトインタラプタからなる。磁
気検知器１７は磁気ヘツド１９およびこの磁気ヘ
ツド１９に転接した押えローラ２０からなり、上
記磁気ヘツド１９を介して磁気カードａの磁気ス
トライプの有無をチエツクするようになつてい
る。シヤツタ１８はソレノイド２１に連動して磁
気カードａの搬送路１０を開閉するものである。

搬送路１０の途中には磁気読取器２２が設けら
れ、これは磁気ヘツド２３およびこの磁気ヘツド
２３に一定のギヤツプをもつて対向しゴムなどの
弾性材で形成された押えローラ２４からなり、上
記磁気ヘツド２３を介して磁気カードａの磁気ス
トライプの記録内容すなわち口座情報等が続取ら
れるようになつている。搬送路１０の終端側つま
り挿入口４の反対側にはエンボスステーシヨン２
５が設けられ、さらにこのエンボスステーシヨン
２５の終端側に扁平受皿状の回収部２６が設けら
れている。エンボスステーシヨン２５は駆動ロー
ラ２６に連動して無端走行する搬送ベルト２７お
よびこの磁気ベルト２７上に搬入された磁気カー
ドａを支持して定置させるピンチローラ２８，２
８を備えてなる。

搬送路１０の下方には、パルスモータ２９およ
びこのパルスモータ２９にベルト３０を介して連
動するクラツチ３１が設けられている。クラツチ
３１はベルト３２を有し、このベルト３２が連動
ローラ３３および第１の搬送ベルト１２を支持し
たローラ１１との両者に亘つて掛け渡されてい
る。上記連動ローラ３３は第２の搬送ベルト１４
を支持したローラ１３およびエンボスステーシヨ
ン２５の駆動ローラ２６の両者に転接しており、
したがつてクラツチ３１に連動して第１、第２の
搬送ベルト１２，１４およびエンボスステーシヨ
ン２５の搬送ベルト２７がそれぞれ同時に無端走
行するものである。

次に作用について説明する。顧客により挿入口
４に磁気カードａが差込まれ、その先端縁がピン
チローラ１５およびローラ１１の相互間を通して
挿入検知器１６内に挿入されると、光学的にその
挿入が検知され、この検知に応じてソレノイド２
１を介してシヤツタ１８が開放されるとともに、
パルスモータ２９が起動し、クラツチ３１が連動
され、第１および第２の搬送ベルト１２，１３が
磁気カードａを取込む方向に走行する。この走行
により磁気カードａが磁気検知器１７内つまり磁
気ヘツド１９と押えローラ２０との間を通して搬
送路１０内に取込まれる。磁気カードａが磁気ヘ
ツド１９と押えローラ２０との間を走行する最中
に、磁気カードａの磁気ストライプの有無が磁気
ヘツド１９によりチエツクされ、正規の磁気信号
が得られれば、磁気カードａはそのまま搬送路１
０に沿つて磁気読取器２２の配置側に搬送され
る。もしこの際、所定時間内に正規の磁気信号が
得られなかつた場合には、その信号によりクラツ
チ３１が切れて磁気カードａが一旦停止する。こ
の時磁気カードａはすでにその先端がシヤツタ１
８の配置部に達している。こののちパルスモータ
２９が逆転し、磁気カードａが排出方向に搬送さ
れ、磁気ヘツド１９により再度磁気ストライプの
チエツクが行なわれる。そして磁気カードａが挿
入検知器１６を通過するまでの間、つまり挿入検
知器１６が磁気カードａの光学的検知を解除する
までの間に正規の磁気信号が得られなければ、タ
イマーを介してさらにパルスモータ２９の動作が
一定時間継続し、第１の搬送ベルト１２により磁
気カードａがピンチローラ１５から離脱するまで
搬送されて挿入口４に返却され、またこの時点に
シヤツタ１８が閉じられる。これに対し、挿入検
知器１６が磁気カードａを検知している間に、正
規の磁気信号が得られた場合には、パルスモータ
２９が再び逆転し、その磁気カードａが搬送路１
０内に取込まれる。このように磁気カードａは、
取込方向に走行する際にのみでなく、排出方向に
走行する際に、再度磁気ストライプのチエツクが
行なわれるものであり、したがつて磁気カードａ
が顧客により不適正な挿入状態で挿入口４に差込
まれて、正規の磁気ストライプを有するにもかか
わらず、それが不適合の磁気カードであると誤つ
てチエツクされても、排出方向の走行時における
再チエツクによりその誤りが確実に是正される。

一方、磁気検知器１７により正規であると判定
された磁気カードａは、搬送路１０に沿つて磁気
読取器２２の配置側に搬送され、その磁気読取器
２２における磁気ヘツド２３と押えローラ２４と
の間を通過する。そしてこの通過の際に、磁気ス
トライプの記録内容つまり口座情報等が読取ら
れ、この読取りに基づいて所定の取引処理が行な
われる。磁気ヘツド２３にはゴムなどの弾性材か
らなる押えローラ２４が一定のギヤツプを介して
対向しており、このため磁気カードａが磁気ヘツ
ド２３と押えローラ２４との間に安定して保持さ
れ、確実かつ正確な磁気読取りが行なわれる。こ
ののち磁気カードａは搬送路１０からエンボスス
テーシヨン２５に送り込まれるとともに、ピンチ
ローラ２８，２８を介して定位置に保持され、こ
の位置で磁気カードａのエンボスが伝票に加圧転
写される。

このようにして取引が成立したのちには、磁気
カードａがエンボスステーシヨン２５から搬送路
１０に送り出され、この時点にタイマーがセツト
され、また磁気カードａが排出方向に搬送され
る。そして排出方向に進む磁気カードａの後端が
磁気検知器１７と挿入検知器１６との間に達する
と、上記タイマーによりクラツチ３１が切られ、
磁気カードａがその位置つまり挿入検知器１６に
より検知される位置に停止し、また他の取忘れタ
イマーがセツトされる。上記の位置に停止した磁
気カードａはその先端側が挿入口４から大きく突
出し、したがつて通常は顧客がこの磁気カードａ
を抜取り、それが挿入検知器１６により検知さ
れ、取引の完了となる。これに対し、上記取忘れ
タイマーで設定された時間例えば30秒間が経過し
ても磁気カードａが抜取られない場合、すなわち
挿入検知器１６が磁気カードａの存在を一定時間
継続して検知する場合は、その検知に基づく信号
によりパルスモータ２９が起動し、磁気カードａ
が搬送路１０およびエンボスステーシヨン２５を
順次経て回収部２６に回収される。

これは、無人運用などにおいて、何らかの都合
で顧客が取引の成立を待たずして立去つたような
場合に、挿入口４に磁気カードａを返却したまま
長時間放置すれば他の利用客等によりそれが盗ま
れる危険性があり、どうしても銀行等の金融機関
としてはそれを保管する必要が生じるからであ
る。磁気カードａの挿入時に正規の磁気信号が得
られずに返却される場合には、前述したように磁
気カードａは後端がピンチローラ１５から離脱し
て完全に解放する状態で挿入口４に放出され、し
たがつてこの場合には磁気カードａは回収されな
い。すなわちこのような場合は、磁気カードａが
正規のものでなかつたり、或いは全く異質の紙葉
片がいたずらにより挿入されたような場合であ
り、したがつてこのようなものまで回収して保管
をする必要が全くないからである。

上記の場合は、挿入検知器１６の検知に基づい
て取忘れと判断した磁気カードａを回収部２６に
回収して保管するようにしたが、このような場合
のほか、取忘れの検知に応じてランプの点滅や録
音音声等を介してそれを外部に警報するようにす
ることも可能である。また、上記実施例では、取
引媒体として磁気カードを例に挙げたが、磁気ス
トライプを有する通帳類などの場合であつてもよ
い。

以上説明のように本発明によれば、挿入口から
ピンチローラを通して挿入検知器にまで挿入され
た取引媒体が不正のものである場合には、それを
上記ピンチローラから離脱する位置にまで排出し
て上記挿入口に返却するようにしたから、つまり
取引媒体が不正のものであつてもそれを一旦装置
内に取込み、その後に返却するようにしたから、
顧客に対し、装置は正常で取引媒体が正規のもの
でないと容易に判断させることができる。そして
取引成立後の取引媒体すなわち正規の取引媒体を
挿入口に返却する場合には、取引媒体をその後端
が挿入検知器で検知することが可能な位置に停止
させ、かつこの取引媒体をローラとピンチローラ
とで挟持する状態を保つて挿入口に返却するよう
にしたから、その取引媒体を挿入検知器により確
実かつ的確に検知でき、また取引媒体が挿入口に
安定して保持され、その脱落などが確実に防止さ
れる。そして一定時間経過後にも取引媒体が抜取
られない場合にそれを装置内の回収部に回収して
保管するようにしたから、その盗難等を防止する
ことができる。正規の取引媒体を返却する場合に
はその一部が挿入検知器内に臨む状態を保持して
返却されるため、装置の動作は完全に停止しない
が、それ以外の不正の取引媒体が使用された場合
にはその不正の取引媒体をピンチローラから離脱
する位置にまで排出して返却するから、装置の動
作が完全に停止して正規の取引媒体を受入れる待
機状態が整う利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す外観斜視図、
第２図はその要部の構成図である。 ４……挿入口、１０……搬送路、１５……ピン
チローラ、１６……挿入検知器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 取引媒体の挿入口の内側に設けられ取引媒体
   を挾持搬送するためのローラおよびこのローラに
   対向して配置するピンチローラと、これらローラ
   およびピンチローラよりも内側に配設された挿入
   検知器とを備え、上記挿入口から挿入される取引
   媒体を上記ピンチローラを介して挿入検知器に案
   内するものにおいて、挿入された取引媒体が不正
   のものである場合には、それを上記ピンチローラ
   から離脱する位置にまで排出して上記挿入口に返
   却し、取引成立後に取引媒体を挿入口に返却する
   際には、取引媒体をその後端が挿入検知器により
   検知される位置に停止させかつ上記ローラとピン
   チローラとで挾持する状態で返却することを特徴
   とした自動取引装置。 ２ 取引媒体の挿入口の内側に設けられ取引媒体
   を挾持搬送するためのローラおよびこのローラに
   対向して配置するピンチローラと、これらローラ
   およびピンチローラよりも内側に配設された挿入
   検知器と、この挿入検知器よりも内側に配設され
   た搬送路とを備え、上記挿入口から挿入される取
   引媒体を上記ピンチローラを介して挿入検知器か
   ら搬送路に案内するものにおいて、上記搬送路に
   回収部を接続し、挿入された取引媒体が不正のも
   のである場合には、それを上記ピンチローラから
   離脱する位置にまで排出して上記挿入口に返却
   し、取引成立後に取引媒体を挿入口に返却する際
   には、取引媒体をその後端が挿入検知器により検
   知される位置に停止させかつ上記ローラとピンチ
   ローラとで挾持する状態で返却し、挿入検知器が
   所定時間経過後にも取引媒体を検知するときには
   その取引媒体を上記回収部に搬送して回収するこ
   とを特徴とした自動取引装置。