JPH0331569B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は合成樹脂等の成型により造られる成型
品のシヤフト装置に関するものである。

(ロ) 従来の技術 従来、嵌合して回動するシヤフト装置として
は、例えば実公昭48−16294号（59GO）、実公昭
55−39466（G05G1／08）、実公昭54−16929号
（25(5)A1）等に示されている技術がある。そし
て、このような成型品のシヤフト装置では回動用
接合面には成型時に不可避的にバリが発生し、こ
れが回動面の摺接回動の円滑性を阻害する原因と
なつていた。

第３図は従来のシヤフト装置を示す斜視図であ
り、第４図は第３図の（Ｘ−X′）断面図である。
即ち、１は合成樹脂製の円筒状シヤフトであり、
その先端には係止片２が設けられている。また、
このシヤフトにはプーリー等の回転体（後述す
る）を嵌挿する際、係止片２の径が小さくなる方
向、即ち内側方向にたわみやすくするため円筒状
シヤフトの軸方向に沿つて切断部３，３′，３″が
設けられている。このシヤフトを成型する際、例
えば固定側金型は矢印Ａ方向に、また可動側金型
は矢印Ｂ方向に相対的に移動すると、円筒状シヤ
フト１の軸方向に沿つて設けられた切断部３の端
面４，４′、即ち前記両金型の突き合せ衝合面４，
４′にはバリが発生しやすく、第５図に示す如く、
プーリー等の回転体５をシヤフト軸１に挿入する
と、前記バリがプーリー５の内周面に引き掛か
り、回動が円滑に行なわれないという欠点があつ
た。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 たとい金型の突き合せ衝合面にバリが生じて
も、シヤフトに挿入されるプーリー等がスムーズ
に回転できるようにする。

(ニ) 問題点を解決するための手段 円筒状シヤフトの内周面と外周面との間に段差
を設け、回転体を前記シヤフト軸の外周側或は内
周側のいずれに配設するかに応じて前記段差の径
の小さい方の端面或は径の大きい方の端面に前記
金型の突き合せ衝合面を設けるようにする。

(ホ) 作用および実施例 第１図は本発明のシヤフト装置を示し、第２図
は第１図のＹ−Y′断面図である。

円筒状シヤフト１の内周面Ｃと外周面Ｄとの間
に段差６を設け、回転体５をシヤフト軸の外周側
Ｄ或は内周側Ｃのいずれに配設するかに応じて段
差の径の小さい方の端面Ｐ，P′或は径の大きい方
の端面Ｑ，Q′、固定側金型と可動金型との突き
合せ衝合面を設ける。このようにすると、たとい
端面Ｐ，P′或はＱ，Q′にバリが発生しても、プー
リー５等の内周面或は外周面はバリに接触しない
ので、プーリー等の回動が阻害されることはな
い。そして段差の径の大きい方の端面Ｑ，Q′の
半径方向の肉厚はバリの高さより少許大きくすれ
ばよく、通常は１mm程度あれば充分である。ま
た、段差６，６′の端面は第１図の如く径の小さ
い方の端面Ｐ，P′の方を突出させてもよいし、逆
に径の大きい方の端面Ｑ，Q′の方を突出させて
もよい。尚、７，７′は金型の逃げ孔である。

(ヘ) 発明の効果 本発明はこのような構成であるから金型の突き
合せ面にバリが生じても、円突状シヤフトの円周
面と外周面間に設けられた段差の径の小さい方の
端面或は大きい方の端面を金型の突き合せ衝合面
として選定することにより、円筒状シヤフトの外
周上を回動するプーリー等の回転体、或は円筒状
シヤフトの内周面に内接する回動体に対してもス
ムーズに回転運動をさせることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の成型品のシヤフト装置を示す
斜視図、第２図は同装置のＸ−X′断面図、第３
図は従来のシヤフト装置を示す斜視図、第４図は
同装置の−Y′断面図、第５図は従来装置を説明
するための図面である。 １……円筒状シヤフト、２……係止片、３，
３′，３″……切断部、５……回転体、６，６′…
…段差、Ｐ，P′……径の小さい方の端面、Ｑ，
Q′……径の大きい方の端面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定側金型と可動側金型の突き合せ衝合によ
   り成型され且つ円筒状シヤフトの軸方向に沿つて
   切断部の設けられたシヤフト軸において、該切断
   部近傍の内周面と外周面間に段差を設け、回転体
   を前記シヤフト軸の外周側或は内周側のいずれに
   配設するかに応じて前記段差の径の小さい方の端
   面或は径の大きい方の端面に前記金型の突き合せ
   衝合面を設けることを特徴とする成型品のシヤフ
   ト装置。 ２ 円筒状シヤフト軸の先端に回転体の抜け止め
   係止片を設けた特許請求の範囲第１項に記載の成
   型品のシヤフト装置。