JPH0330870Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案は腕時計のバンド取付部構造に関す
る。

［考案の背景］ 近年、電子腕時計のバンドにおいては、スイツ
チや電子部品を取付けることが考えられている
が、バンドに取付けられるスイツチや電子部品は
接続リード等を時計ケース内に導いて接続する必
要がある。そのため、時計ケースとバンドとの防
水を図る必要があるが、従来のものは防水構造が
複雑で、部品点数が多く、製造コストが高くなる
という問題があつた。

［考案の目的］ この考案は上記のような事情を考慮してなされ
たもので、その目的とするところは、簡単な構造
で、時計ケースに時計バンドを良好に取付けるこ
とができると共に、時計ケースと裏蓋および時計
ケースと時計バンドの両方の防水を確実かつ良好
に図ることができる腕時計のバンド取付部構造を
提供することにある。

［考案の要点］ この考案は上記のような目的を達成するため
に、合成樹脂製防水部材に、時計ケース下面に配
置され時計ケースと裏蓋との間の防水を図る第１
の防水リングと、バンド取付け部に配置されたバ
ンドの一端部に周囲に配置されバンド取付部と時
計バンドとの間の防水を図る第２の防水リングと
を一体に形成したものである。

［実施例］ 以下、第１図から第３図を参照して、この考案
の一実施例を説明する。

図中１は時計ケースである。この時計ケース１
の上面には時計ガラス２が装着されており、内部
には時計モジユール３が配置され、下部には裏蓋
４がねじ４ａ，４ａにより取付けられていると共
に、側壁には時計バンド５が取付けられている。
時計モジユール３は時計の主要部であり、上部ハ
ウジング６と下部ハウジング７との間に回路基板
８が配置されており、この回路基板８の上には液
晶表示パネル９がインターコネクタ９ａを介して
設けられている。

また、時計バンド５はスイツチを備えた合成樹
脂製のものであり、上面にはキー釦５ａ・・・が
形成されており、内部には接点シート１０が設け
られている。キー釦５ａ・・・は時計バンド５の
上面に形成された突出部５a₁と、この突出部５a₁
と対応して時計バンド５内に形成された空洞部５
a₂と、この空洞部５a₂の上面に形成された押圧部
５a₃とからなり、突出部５a₁が押されると、空洞
部５a₂により時計バンド５が弾性変形して押圧部
５a₃が接点シート１０を押圧する。接点シート１
０はキー釦５ａ・・・の操作に応じてスイツチ信
号を時計ケース１内の回路基板８に与えるもので
あり、１枚のフレキシブルシート１１を２つに折
り、その間にスペーサ１２が配置されており、フ
レキシブルシート１１の一端は時計ケース１内に
導入されて回路基板８に接続されている。この場
合、スペーサ１２にはキー釦５ａ・・・と対応す
る箇所に開口１２ａ・・・が形成されており、こ
の開口１２ａ・・・内におけるフレキシブルシー
ト１１の対向面には上側に可動接点１１ａ・・・
が、下側に固定接点１１ｂ・・・がそれぞれ離間
対向して形成されている。しかして、接点シート
１０がキー釦５ａの押圧部５a₃で押されると、上
側のフレキシブルシート１１が押し下げられて可
動接点１１ａが下の固定接点１１ｂに接触し、こ
れによりスイツチ信号を回路基板８に与える。

一方、時計バンド５の端部（図中左側）は時計
ケース１の側壁に形成された取付部１ａ内に配置
され、裏蓋４により押え付けられるようになつて
おり、この端部には時計ケース１と裏蓋４との各
食い付き部１ｂ，４ｂが食い付く凹溝５ｂと、後
述する防水部材１３が係合する凹溝５ｃと、位置
決めピン１４，１４が挿入する貫通孔５ｄ，５ｄ
とが形成されている。この場合、位置決めピン１
４，１４は時計バンド５の位置決めを行なうもの
であり、時計ケース１に植設されており、裏蓋４
を取付ける前に、時計バンド５の端部に形成され
た貫通孔５ｄ，５ｄに挿入するようになつてい
る。

防水部材１３は時計ケース１と裏蓋４との間の
防水を図ると共に時計ケース１と時計バンド５と
の間の防水をも図るものであり、ゴム等の合成樹
脂からなり、第１の防水リング１３ａと第２の防
水リング１３ｂとが一体に形成されている。第１
の防水リング１３ａは時計ケース１の下面周囲に
配置され、時計ケース１と裏蓋４との間の防水を
図るものである。第２の防水リング１３ｂは時計
バンド５の端部に形成された凹溝５ｃに配置さ
れ、時計ケース１と時計バンド５との間の防水を
図るものであり、第１の防水リング１３ａの右端
に起立して設けられている。

このような防水部材１３を所定位置に取付ける
場合には、まず、防水部材１３の第２の防水リン
グ１３ｂを時計バンド５の端部に形成された凹溝
５ｃに係合させ、この時計バンド５の端部を時計
ケース１の取付部１ａに配置させた後、防水部材
１３の第１の防水リング１３ａを裏蓋４上に載置
させて、裏蓋４をねじ４ａ，４ａで時計ケース１
の下面に締め付ければ、第１、第２の防水リング
１３ａ，１３ｂは所定位置に固定される。

しかるに、上記のように構成された腕時計のバ
ンド取付部構造によれば、防水部材１３の第１の
防水リング１３ａで時計ケース１と裏蓋４との間
の防水を図り、第２の防水リング１３ｂで時計ケ
ース１と時計バンド５との間の防水をも図るよう
にしたので、時計ケース１内の防水を確実かつ良
好に保つことができる。しかも、第１の防水リン
グ１３ａに第２の防水リング１３ｂを一体に形成
したので、部品点数が少なく、構造も簡単で、か
つ一度の組み込むことができ、組み立て作業性の
向上を図ることができる。

なお、この考案は上述したような防水部材１３
に限られることなく、第４図あるいは第５図に示
ように構成しても良い。

即ち、第４図Ａ，Ｂに示された防水部材２０
は、上述したゴム等の弾性を有する材料からな
り、時計ケース１裏蓋４との間の防水を図る第１
の防水リング２０ａの端部に、時計ケース１と時
計バンド５との間の防水をも図る第２の防水リン
グ２０ｂを斜め上方に傾斜させて一体に形成した
ものである。したがつて、このような防水部材２
０は、時計バンド５の端部に第２の防水リング２
０ｂを係合させて、時計ケース１の取付部１ａに
配置した後、裏蓋４を時計ケース１の下面に取付
けるときに、弾性変形して起立するので、上述し
た実施例と同様の作用効果がある。

第５図Ａ〜Ｃは時計ケース１の両側にスイツチ
を備えた時計バンド５，５が取付けられる腕時
計、およびその防水部材２１を示す。この防水部
材２１は、上述したゴム等の弾性を有する材料か
らなり、時計ケース１と裏蓋４との間の防水を図
る第１の防水リング２１ａの両端部に、時計ケー
ス１と時計バンド５との間の防水をも図る第２の
防水リング２１ｂ，２１ｂをそれぞれ斜め上方へ
傾斜させて一体に形成したものである。このよう
な防水部材２１においても、時計バンド５，５と
裏蓋４の取付け時に、両側の各第２の防水リング
２１ｂ，２１ｂが弾性変形して起立するので、上
述した実施例と同様の作用効果がある。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案に係る腕時計の
バンド取付部構造によれば、時計ケース下面に配
置され時計ケースと裏蓋との間の防水を図る第１
の防水リング及び、この第１の防水リングの一端
に一体形成され、バンド取付け部に配置されたバ
ンドの一端部の周囲に配置されバンド取付部と時
計バンドとの間の防水を図る第２の防水リングと
を有する合成樹脂製防水部材で防水を図るように
したので、簡単な構造で、時計ケースと裏蓋との
間の防水、時計ケースと時計バンドとの間の防水
の両方の防水を確実かつ良好にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図はこの考案の一実施例を示
し、第１図はその要部断面図、第２図は裏蓋を取
り外した状態の底面図、第３図はＡ−Ａ断面図、
第４図Ａ，Ｂは防水部材の第１変形例を示す図、
第５図Ａ〜Ｃは第２変形例を示す図である。 １……時計ケース、１ａ……取付部、４……裏
蓋、５……時計バンド、１３，２０，２１……防
水部材、１３ａ，２０ａ，２１ａ……第１の防水
リング、１３ｂ，２０ｂ，２１ｂ……第２の防水
リング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 側壁下端部にバンド取付部１ａが形成されこの
   バンド取付部１ａ先端に食い付き突部１ｂが形成
   された腕時計ケース１と、 この腕時計ケース１の下部に取付けられ前記腕
   時計ケースの前記食い付き突部１ｂと対向する位
   置に食い付き突部４ｂが形成された裏蓋４と、 前記腕時計ケース１のバンド取付部１ａと前記
   裏蓋４との間に一端部が配置され上面及び下面に
   前記腕時計ケース１の食い付き突部１ｂ及び前記
   裏蓋４の食い付き突部４ｂが夫々食い付く凹部５
   ｂが形成された時計バンド５と、 前記バンド取付部１ａを除いた位置では腕時計
   ケース１下面と裏蓋４との間に配置され前記バン
   ド取付部１ａの位置では前記時計バンド５の一端
   部下面と前記裏蓋４との間に配置され前記腕時計
   ケース１と前記裏蓋４との間を防水する第一の防
   水リング１３ａ及びこの第一の防水リング１３ａ
   のうち前記時計バンド５一端部下面に配置される
   部分を一辺として一体形成され前記第一の防水リ
   ング１３ａに対して起立され前記時計バンド５の
   一端部周囲に配置されて前記腕時計ケース１のバ
   ンド取付部１ａと前記時計バンド５との間を防水
   する第二の防水リング１３ｂとからなる合成樹脂
   製防水部材１３と、 を具備してなる腕時計のバンド取付部構造。