JPS6225752Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は電子腕時計の回路基板等の部品位置決
め構造に関するものである。

［従来の技術］ 近年電子腕時計の部品位置決め構造は、例えば
回路基板位置決め構造においては、第１−ａ図に
示すように回路基板である被位置決め部品２を保
持する機枠１の上面から突出している部品位置決
め用突起１ａと被位置決め部品２の穴とを係合さ
せて位置決めする構造が一般的である。そして、
被位置決め部品２の機枠１への固定は、コストダ
ウンのためにネジを使わずに、金属性の部品押え
部材３を用い、該部品押え部材３の横穴を機枠１
の側面の突起１ｃに係合させ、この３部品を一体
化することによつてなされているものが増えつつ
ある。

［考案が解決しようとする問題点］ このような被位置決め部品２をネジによつて機
枠等に固定しない構造を採用した場合、あやまつ
て時計を落下させたり、激しくぶつかつたりした
時の衝撃は、部品位置決め用突起１ａに直接加わ
り、第１−ａ図における部品位置決め用突起１ａ
の基部１ｂ面に被位置決め部品２により剪断力が
働き、第１−ｂ図のように部品位置決め用突起１
ａの基部１ｂ面は剪断されてしまう。このような
部品位置決め用突起１ａの折損は、時計体にとつ
て致命的である。被位置決め部品２の位置決めが
なくなつてしまえば、再び組立てる事は不可能で
ある。この部品位置決め用突起の折損を防ぐため
には、該部品位置決め用突起を太くすることが考
えられるが、最近の電子腕時計は、小型薄型化指
向が強く、高密度化されてきているので、スペー
ス的な問題から簡単に部品位置決め用突起を太く
することは好ましくない。

［考案の目的］ 本考案はかかる欠点を除去し、部品位置決め用
突起を太くすることなく衝撃に強い部品位置決め
構造を提供するものである。

［目的を解決するための手段］ 本考案による電子腕時計の部品位置決め構造
は、上面に突出する部品位置決め用突起１１ａが
設けられている合成樹脂製の機枠１１と、前記部
品位置決め用突起１１ａに係合する係合穴２ａを
有し前記部品位置決め用突起１１ａに前記係合穴
２ａを係合させて前記機枠１１に保持される被位
置決め部品２と、前記被位置決め部品２を前記機
枠１１に押圧固定する部品押え部材３とを有して
なり、前記機枠１１は前記部品位置決め用突起１
１ａの外周部分の全周にわたり凹部１１ｄを形成
して前記部品位置決め用突起１１ａと前記凹部１
１ｄに対応する前記機枠１１との間を弾性部１１
ｆとしたことを特徴とする電子腕時計の部品位置
決め構造である。

［作用］ 以下本考案を詳しく説明する。第２−ａ図にお
いて合成樹脂よりなる機枠１１の上面に突出する
回路基板用等の部品位置決め用突起１１ａの外周
部分の全周にわたり、回路基板等の被位置決め部
品２との間に空間を持たせるように凹部１１ｄが
形成されており、被位置決め部品２が係合する係
合部分１１ｅと基部１１ｂとの間に弾性部１１ｆ
が設けられている。こうすることによつて落下等
の衝撃が加わつた場合でも、第２−ｂ図に示すよ
うに部品位置決め用突起１１ａは、その基部１１
ｂから被位置決め部品２との係合部分１１ｅの間
の弾性部１１ｆが弾性変形を起こし、基部１１ｂ
面に発生する剪断力は従来の構造に比べ、いちじ
るしく減少する。そのため同等の衝撃が加わつた
場合には従来構造よりはるかに折損しにくくな
る。

［実施例］ 以上、本考案は回路基板を例にとつて説明した
が、他の部品でも同様に実施することができる。

第３図は、本考案の他の実施例で被位置決め部
品として電池との導通をはかるマイナス端子を用
いたもので、機枠２１の部品位置決め用突起２１
ａにマイナス端子５を係合させ、マイナス端子押
え６でマイナス端子５を押え付けて電池４のマイ
ナス極に接触させており、落下等による外部から
の衝撃が加わつても折損しにくくなり折損による
電池との導通不良を防ぐことができる。

［考案の効果］ 以上のように本考案は、機枠上面から突出して
いる部品位置決め用突起の折損を防ぐ効果が、部
品位置決め用突起の外周部分の全周に凹部を形成
させたので、該部品位置決め用突起の弾性を向上
できると共に被位置決め部品に装着された水晶振
動子等の素子への衝撃を、部品位置決め用突起の
弾性変形による緩衝効果によつて緩和し、それら
の損傷や接触不良などを防ぐ効果がある。

そして、機枠に被位置決め部品を係合させると
きに生じる削れ屑は凹部に入るので機枠と被位置
決め部品との間に入り込むことがなく被位置決め
部材が機枠より浮くこともなくなるという効果も
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１−ａ図、第１−ｂ図は、従来例の断面図。
第２−ａ図、第２−ｂ図は、本考案の断面図。第
３図は本考案による他の実施例の断面図。 １，１１，２１……機枠、１ａ，１１ａ，２１
ａ……部品位置決め用突起、２……被位置決め部
品、３……部品押え部材、４……電池、５……マ
イナス端子、６……マイナス端子押え、１１ｄ…
…凹部、１１ｆ……弾圧部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面に突出する部品位置決め用突起１１ａが設
   けられている合成樹脂製の機枠１１と、前記部品
   位置決め用突起１１ａに係合する係合穴２ａを有
   し前記部品位置決め用突起１１ａに前記係合穴２
   ａを係合させて前記機枠１１に保持される被位置
   決め部品２と、前記被位置決め部品２を前記機枠
   １１に押圧固定する部品押え部材３とを有してな
   り、前記機枠１１は前記部品位置決め用突起１１
   ａの外周部分の全周にわたり凹部１１ｄを形成し
   て前記部品位置決め用突起１１ａと前記凹部１１
   ｄに対応する前記機枠１１との間を弾性部１１ｆ
   としたことを特徴とする電子腕時計の部品位置決
   め構造。