JPH0327632B2 - - Google Patents

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JPH0327632B2
JPH0327632B2 JP13108186A JP13108186A JPH0327632B2 JP H0327632 B2 JPH0327632 B2 JP H0327632B2 JP 13108186 A JP13108186 A JP 13108186A JP 13108186 A JP13108186 A JP 13108186A JP H0327632 B2 JPH0327632 B2 JP H0327632B2
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steel plate
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silicon steel
mirror
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Masao Iguchi
Kazuhiro Suzuki
Yasuhiro Kobayashi
Ujihiro Nishiike
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Kawasaki Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 一方向性けい素鋼板の電気・磁気的特性を改
善、なかでも鉄損の低減に係わる極限的な要請を
満たそうとする近年来の目覚ましい開発努力は、
遂次その実を挙げつつあるが、その実施に伴う重
大な弊害として、一方向性けい素鋼板の使用に当
たつての加工、組立てを経たのちいわゆるひずみ
取り焼鈍がほどこされた場合に、特性劣化の随伴
を不可避に生じて、使途についての制限を受ける
不利が指摘される。 この明細書では、ひずみ取り焼鈍のような高温
の熱履歴を経ると否とに拘わらず、上記要請を有
利に充足し得る新たな方途を招くことについての
開発研究の成果に関連して以下に述べる。 さて一方向性けい素鋼板は、よく知られている
とおり製品の2次再結晶粒を{110}<001>、す
なわちゴス方位に、高度に集積させたもので、主
として変圧器その他の電気機器の鉄心として使用
され、電気・磁気的特性として製品の磁束密度
(B10で代表される)が高く、鉄損(W17/50値で代
表される)の低いことが要求される。 この一方向性けい素鋼板は複雑多岐にわたる工
程を経て製造されるが、今までにおびただしい発
明・改善が加えられ、今日では板厚0.30mmの製品
の磁気特性がB101.90T以上、W17/501.05W/Kg以
下、また板厚0.23mmの製品の磁気特性がB101.89T
以上、W17/500.90W/Kg以下の超低鉄損一方向性
けい素鋼板が製造されるようになつて来ている。 特に最近では省エネの見地から電力損失の低減
を至上とする要請が著しく強まり、欧米では損失
の少ない変圧器を作る場合に鉄損の減少分を金額
に換算して変圧器価格に上積みする「ロス・エバ
リユエーシヨン」(鉄損評価)制度が普及してい
る。 (従来の技術) このような状況下において最近、一方向性けい
素鋼板の仕上げ焼鈍後の鋼板表面に圧延方向にほ
ぼ直角方向でのレーザ照射により局部微小ひずみ
を導入して磁区を細分化し、もつて鉄損を低下さ
せることが提案された(特公昭57−2252号、特公
昭57−53419号、特公昭58−26405号及び特公昭58
−26406号各公報参照)。 この磁区細分化技術はひずみ取り焼鈍を施さな
い、積鉄心向けトランス材料として効果的である
が、ひずみ取り焼鈍を施す、主として鉄心トラン
ス材料であつては、レーザー照射によつて折角に
導入された局部微小ひずみが焼鈍処理により解放
されて磁区幅が広くなるため、レーザー照射効果
がなくなるという欠点がある。 一方これより先に特公昭52−24499号公報にお
いては、一方向性けい素鋼板の仕上げ焼鈍後の鋼
板表面を鏡面仕上げするか又はその鏡面仕上げ面
上に金属めつきやさらにその上に絶縁被膜を塗布
焼付けすることによる、超低鉄損一方向性けい素
鋼板の製造方法が提案されている。 しかしながらこの鏡面仕上げによる鉄損向上手
法は、工程的に採用するには、著しいコストアツ
プになる割りに鉄損低減への寄与が充分でない
上、とくに鏡仕上げ後に不可欠な絶縁被膜を塗布
焼付した後の密着性に問題があるため、現在の製
造工程において採用されるに至つてはいない。ま
た特公昭56−4150号公報においても鋼板表面を鏡
面仕上げした後、酸化物系セラミツクス薄膜を蒸
着する方法が提案されている。しかしながらこの
方法も600℃以上の高温焼鈍を施すと鋼板とセラ
ミツク層とが剥離するため、実際の製造工程では
採用できない。 (発明が解決しようとする問題点) 発明者らは、上記した鏡面仕上げによる鉄損向
上の実効をより有利に引き出すことも含めその場
合でも、今日の省エネ材料開発の観点では上記し
たごときコストアツプの不利を凌駕する特性、な
かでも高温処理でも特性劣化を伴うことなくして
絶縁層の密着性、耐久性の問題を克服することが
肝要と考え、このような基本認識に立脚し、とく
にイオンプレーテイング処理における張力付与被
膜形成条件に根本的改善を加えることによつて、
有利な超低鉄損化を達成することがこの発明の目
的である。 (問題点を解決するための手段) 上述した目的は次の事項を骨子とする構成によ
つて有利に充足される。 仕上げ焼鈍を経た一方向性けい素鋼板につき、
その表面の酸化物を除去したのち、研磨により鋼
板表面を中心線平均粗さRaで0.4μm以下の鏡面
に仕上げ、ついでイオンプレーテイングにより、
主としてTiN、TiCないしはTi(C、N)の少な
くとも一種よりなる表面被膜を被成してある一方
向性けい素鋼板の製造方法において、上記イオン
プレーテイング処理に先立ち、鏡面仕上げ表面に
200〜600℃の温度範囲におけるエレクトロンビー
ム加熱を施すことを特徴とする、密着性に優れた
表面被膜をそなえる超低鉄損一方向性けい素鋼板
の製造方法。 以下この発明の成功が導かれた具体的実験に従
つて説明を進める。 C:0.044wt%(以下単に%で示す)、Si:3.44
%Mn:0.070%、Se:0.020%、Sb:0.025%およ
びMo:0.025%を含有する組成になるけい素網ス
ラブを、1350℃で4時間加熱後、熱間圧延して
2.4mm厚さの熱延板とした。ついで950℃の中間焼
鈍を挟み2回の冷間圧延を施して0.23mm厚の最終
冷延板とした。その後820℃の湿水素中で脱炭を
兼ねる1次再結晶焼鈍を施した後、鋼板表面上に
Al2O3(70%)、MgO(25%)、ZrO2(5%)を主成
分とする焼鈍分離剤を塗布してから、850℃で50
時間の2次再結晶焼鈍ついで乾水素雰囲気中で
1200℃、10時間の鈍化焼鈍を施した。 その後鋼板表面上の酸化物を除去したのち、化
学研磨により鋼板表面を中心線平均粗さRaで
0.1μmの鏡面状態に仕上げた。 その後イオプレーテイング装置(HCD法)を
使用して、試料1Kg/mm2の荷重を付加した状態で
TiN被膜(約1.0μm厚)を被成するに際し、次の
要領で実験を行なつた。 研磨後、超音波洗浄、フレオンガス洗浄、ボ
ンバードメント(アルゴンガス中で10minのボ
ンバードメント処理、試料温度は300℃)、つい
でイオンプレーテイング処理。 研磨後、ボンバードメント(アルゴンガス中
で10minのボンバードメント処理、試料温度は
300℃)、ついでイオンプレーテイング処理。 研磨後、エレクトロンビームで鋼板表面を
300℃に加熱したのち、イオンプレーテイング
処理。 上記の各処理を施して得た製品板の磁気特性お
よび密着性について調べた結果を表1に示す。
【表】 表1に示した成績から明らかなように、の研
磨後、超音波洗浄、フレオンガス洗浄、ボンバー
ドメント、ついでイオンプレーテイング処理を施
して得た鋼板の磁気特性は、B10が1.92T、鉄損
W17/50が0.70W/Kg程度であり、また密着性も20
mmφではく離が生じ良好とはいい難かつた。 またの研磨後、ボンバードメント、ついでイ
オンプレーテイング処理を施した場合の磁気特性
は、B10が、1.92T、鉄損W17/50が0.72W/Kgでは
く離限界直径は25mmφであり、磁気特性、密着性
とも十分ではなかつた。 これに対し、の研磨後、エレクトロンビーム
で前加熱したのちイオンプレーテイングを施して
得た鋼板の磁気特性は、B10が1.93T、鉄損W17/50
が0.67W/Kgで、しかもはく離限界直径は15mm
と、磁気特性、被膜密着性共に極めて良好であつ
た。 次に高真空中で処理可能な連続イオプレーテイ
ング装置においてTiNの被覆実験を行なつた。 C:0.048%、Si:3.36%、Mn:0.66%、Se:
0.020%、Sb:0.025%およびMo:0.025%を含有
する組成になるけい素鋼熱延板に、950℃の中間
焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して0.23mm厚の最
終冷延板とした。その後湿水素中で820℃の脱
炭・1次再結晶焼鈍を施した後、鋼板表面に
MgO(60%)、Al2O3(35%)、ZrO2(3%)、TiO2
(2%)を主成分とする焼鈍分離剤を塗布してか
ら、850℃で50時間の2次再結晶焼鈍ついで乾水
素中で1200℃、5時間の鈍化焼鈍を施した。 その後鋼板表面の酸洗処理を行なつた後、電解
研磨により、中心線平均粗さRaで0.05μmの鏡面
に仕上げた。 その後連続イオンプレーテイング装置を用いて
次の要領でTi(C、N)のコーテイングを行なつ
た。まずTiN(C、N)コーテイングに先立つ
て、鋼板にエレクトロンビーム(90°偏向のピア
ス型EB)を用いて100〜800℃の温度範囲にわた
つて前加熱を施し、しかるのちイオンプレーテイ
ング(HCD法)により約0.8μm厚のTi(C、N)
コーテイングを行なつた。 なおこのときのエレクトロンビーム加熱方法
は、第2図に模式で示したようにエレクトロンビ
ームの操作を鋼板両縁部で密に、一方中心部が粗
になる条件下に鋼板全面にわたつて加熱した。 かくして得られた製品の磁気特性(鉄損特性)
および密着性についての調査結果を第1図に示
す。 第1図の結果から明らかなように、エレクトロ
ンビームの加熱温度が200〜600℃の温度範囲にお
いて鉄損特性および密着性とも大幅に向上してい
る。 (作用) このようにTiN、TiCないしTi(C、N)のイ
オンプレーテイング処理に先立つて、所定温度範
囲のエレクトロビーム加熱を行なうことにより、
超低鉄損と良好な被膜密着性とを兼備した一方向
性けい素鋼板を得ることができる。かかるイオン
プレーテイングの先立つエレクトロンビーム加熱
は、ビームを操作させることにより鋼板の温度を
上げると同時に鋼板表面を清浄にする効果がある
ために超低鉄損化が実現できると考えられる。な
お、このような鋼板表面を清浄にさせる効果は、
ボンバードメント処理の場合、表面を凹凸にする
ため期待できない。 すなわち超低鉄損を得るためには、プレーテイ
ング処理を施すべき鋼板表面を清浄にすると共に
加熱することが必要なわけであるが、このために
はエレクトロビーム加熱が極めて有効であり、か
くして次のイオンプレーテイングにおいて密着性
に優れた表面被膜を形成させることが可能とな
り、これによつて表面被膜と鋼板との間に強い密
着性を保つた状態で強い張力が清浄な鋼板表面上
に働くため、磁壁の移動が容易となり、このため
従来比類のない超低鉄損化が実現されるのであ
る。上記の方法は、塑性的な微小歪みの働きを利
用するものではないので、熱的安定性に何ら問題
はなく、ひずみ取り焼鈍のごとき高温の熱履歴を
経た場合であつても電気・磁気的特性が劣化する
ことはない。 ここに仕上げ焼鈍後の一方向性けい素鋼板は表
面上の酸化物を除去さらには研磨により鏡面状態
とした後でイオンプレーテイング処理を行うこと
が必要である。また鏡面状態における仕上げ表面
の中心線平均粗さはRa≦0.4μmの鏡面状態とす
ることが必要で、Ra>0.4μmのときは表面が粗
いため十分な鉄損低減が期待できない。さらにこ
のときの酸化物の除去は酸洗等の化学的処理ある
いは研削等の機械的処理等を用いて良く、また鏡
面状態の形成に際しては化学研磨、電解研磨ある
いはバフ研磨を好適に用いることができる。 次にこの張力付与被膜の膜厚は0.05〜5.0μmの
範囲が好適である。 膜厚が0.05μmに満たないと満足いく程度の張
力付与が期待できず、一方5.0μmをこえると、占
積率および密着性が劣化する他、経済的にも不利
となる。 次にこの発明による、一方向性けい素鋼板の製
造工程について説明する。 出発素材は従来公知の一方向性けい素鋼板素材
成分、例えば C:0.01〜0.05%、Si:2.50〜4.5%、 Mn:0.01〜0.2%、Mo:0.003〜0.1%、 Sb:0.005〜0.2%、S又はSeの1種あるい2
種合計で、0.005〜0.05%を含有する組成 C:0.01〜0.08%、Si:2.0〜4.0%、 S:0.005〜0.05%、N:0.001〜0.01%、 Sol Al:0.01〜0.06%、 Sn:0.01〜0.5%、Cu:0.01〜0.3%、 Mn:0.01〜0.2%を含有する組成 C:0.01〜0.06%、Si:2.0〜4.0%、 S:0.005〜0.05%、B:0.0003〜0.0004%、 N:0.001〜0.01%、Mn:0.01〜0.2%を含有
する組成 C:0.01〜0.06%、Si:2.0〜4.0%、 Mn:0.01〜0.2% S又はSeの1種あるいは2種合計で0.005〜
0.05%を含有する組成 の如きにおいて適用可能である 次に熱延板は800〜1100℃の均一化焼鈍を経て
1回を冷間圧延で最終板厚とする1回冷延法か又
は、通常850℃から1050℃の中間焼鈍をはさんで
さらに冷延する2回冷延法にて、後者の場合最初
の圧下率は50%から80%程度、最終の圧下率は50
%から85%程度で0.15mmから0.35mm厚の最終冷延
板厚とする。 最終冷延を終わり製品板厚に仕上げた鋼板は、
表面脱脂後750℃から850℃の湿水素中で脱炭・1
次再結晶焼鈍処理を施す。 その後鋼板表面にAl2O3、ZrO2あるいはTiO2
MgO等を主成分とする焼鈍分離剤を塗布する。
この発明の場合は、フオルステライトが形成され
る場合であつても形成されない場合であつても適
用可能である。仕上げ焼鈍後のフオルステライト
被膜を形成させないためにはAl2O3等の不活性焼
鈍分離剤の含有率を高めることが必要である。 その後2次再結晶焼鈍を行うが、この工程は
{110}<001>方位の2次再結晶粒を充分発達させ
るために施されるもので、通常箱焼鈍によつて直
ちに1000℃以上に昇温し、その温度に保持するこ
とによつて行われる。 この場合{110}<001>方位に、高度に揃つた
2次再結晶粒組織を発達させるためには820℃か
ら900℃の低温で保定焼鈍する方が有利であり、
そのほか例えば0.5〜15℃/hの昇温速度の徐熱
焼鈍でもよい。 2次再結晶焼鈍後の鈍化焼鈍は、乾水素中で
1100℃以上で1〜20時間焼鈍を行つて、鋼板の鈍
化を達成することが必要である。 次にこの発明では、鈍化焼鈍後に鋼板表面の酸
化物被膜を硫酸、硝酸又は弗酸などの強酸により
除去する。またこの酸化物除去は機械研削により
行つてもよい。 この酸化物除去処理の後、化学研磨あるいは電
解研磨、あるいはバフ研磨による機械的研磨等従
来の手法により鋼板表面を鏡面状態つまり中心線
平均粗さRaで0.4μm以下に仕上げる。 ここにRaを0.4μm以下に限定したのは、Raが
0.4μmを超えると表面が粗いために、充分な鉄損
の低減が期待できないからである。 その後イオンプレーテイング装置(HCD法、
EB+RF法、マルテイアーク法)によりTiN、
TiCないしTi(C、N)より主としてなる表面被
膜を形成させるが、かかるイオンプレーテイング
に先立ち、エレクトロンビーム加熱によつて鋼板
表面を200〜600℃の温度に加熱することが肝要で
ある。この場合のエレクトロンビームの走査法
は、前掲第2に示したように鋼板の両縁部が密
に、一方中心部が粗になるように鋼板金面を均一
に加熱することが望ましい。 なおかかる表面被膜の膜厚は0.05〜5.0μmとす
るのが望ましいことは前述したとおりである。 このようにして張力付与被膜を形成したあと、
これに重ねて、りん酸塩とコロイダルシリカとを
主成分とする絶縁被膜の塗布焼付を行うことが、
100万KVAにも上る大容量トランスの使途におい
てとくに必要であり、この絶縁性塗布焼付層の形
成の如きは、従来公知の手法を用いて良い。 上記のように処理されたけい素鋼板は平たん化
熱処理を行うことができる。 (実施例) 実施例 1 C:0.044%、Si:3.41%、Mn:0.063%、
Mo:0.021%、Se:0.020%およびSb:0.025%を
含有する組成になる熱延板を、900℃で3分間の
均一化焼鈍後、950℃の中間焼鈍をはさんで2回
の冷間圧延を行つて0.23mm厚の最終冷延板とし
た。 その後820℃の湿水素中で脱炭焼鈍を兼ねた1
次再結晶焼鈍後、鋼板表面にAl2O3(70%)、MgO
(30%)を主成分とする焼鈍分離剤を塗布した後
850℃で50時間の2次再結晶焼鈍し、ついで乾水
素中で1200℃、8時間の鈍化焼鈍を行つた。 その後酸洗により酸化被膜を除去後、3%HF
とH2O2液中で化学研磨して鏡面に仕上げた。 ついでエレクトロンビーム加熱によつて、鏡面
仕上表面を450℃に加熱したのち、イオンプレー
テイング装置(HCD法)を用いて10分間のイオ
ンプレーテイングを施し、膜厚1.2μmのTiN張力
付与絶縁被膜を形成させた。このときの試料の条
件は、弾性張力:0.8Kg/mm2とした。 次にりん酸塩とコロイダルシリカとを主成分と
する絶縁性塗布焼付層を形成し、その後800℃で
2時間のひずみ取り焼鈍を行つた。 かくして得られた製品の磁気特性は次のとおり
であつた。 B10=1.92T、W17/50=0.68W/Kg、 また密着性は25mmφの180°曲げを行なつてもは
く離が起こらず良好であつた。 実施例 2 C:0.059%、Si:3.38%、Mn:0.076%、Al:
0.025%、S:0.023%、N:0.0069%、Cu:0.1%
およびSn:0.05%を含有する組成になる熱延板
を、1150℃で3分間の均一化焼鈍後急冷処理を行
い、その後300℃の温間圧延を施して0.20mm厚の
最終冷延板とした。 その後850℃の湿水素中で脱炭焼鈍後、表面に
Al2O3(80%)、MgO(20%)を主成分とする焼鈍
分離剤を塗布した後850℃から1150℃まで8℃/
hで昇温して2次再結晶させた後、乾水中で1200
℃、8時間の鈍化焼鈍を行つた。 その後酸洗により酸化物被膜を除去し、ついで
3%HFとH2O2液中で化学研磨して鏡面に仕上げ
た。 ついで鏡面仕上げ表面を、エレクトロンビーム
で走査することによつて板表面を500℃に均一加
熱したのち、マルチアーク方式のイオンプレーテ
イング装置を用いて、鋼板に0.5Kg/mm2の弾性張
力を加えながら次の条件下にTiCの薄膜(1.7μm
厚)を鏡面表面上に形成させ、次にりん酸塩とコ
ロイダルシリカとを主成分とする絶縁性塗布焼付
層を形成させた後、800℃で2時間のひずみ取り
焼鈍を行つた。 かくして得られた製品の磁気特性は次のとおり
であつた。 B10=1.92T、W17/50=0.70W/Kg、 また密着性は25mmφの180°曲げを行なつてもは
く離がなく良好であつた。 実施例 3 C:0.044%、Si:3.43%、Mn:0.064%、 Mo:0.021%、Se:0.022%およびSb:0.025%
を含有する組成になる熱延板を、900℃で3分間
の均一化焼鈍後、950℃の中間焼鈍をはさんで2
回の冷間圧延を行つて0.20mm厚の最終冷延板とし
た。 その後800℃の湿水素中で脱炭焼鈍後、鋼板表
面にAl2O3(60%)、MgO(25%)、ZnO(15%)を
主成分とする焼鈍分離剤を塗布した後850℃で50
時間の2次再結晶焼鈍、ついで乾水素中で1180
℃、10時間の鈍化焼鈍を行つた。 その後酸洗により鋼板表面の酸化物被膜を除去
後、3%HFとH2O2液中で化学研磨を施して鏡面
に仕上げた。 その後連続ラインのイオンプレーテイング装置
(HCD法)により、試料引張り荷重0.9Kg/mm2
TiNの薄膜(0.5μm厚)を形成させた。このイオ
ンプレーテイングに先立ちエレクトロンビーム走
査により鋼板表面を450℃に均一加熱処理した。 かくして得られた製品の磁気特性は次のとおり
であつた。 B10=1.93T、W17/50=0.68W/Kg、 また密着性は15mmφで180°曲げを行なつてもは
く離が生ぜず良好であつた。 (発明の効果) かくしてこの発明によれば、被膜密着性のみな
らず鉄損特性に優れた超低鉄損一方向性けい素鋼
板を得ることができ、しかもかくして得られた鋼
板の磁気特性はたとえひずみ取り焼鈍を如き高温
処理を施された場合であつても劣化することはな
い。
【図面の簡単な説明】
第1図はエレクトロンビームによる鋼板表面の
加熱温度と、製品板の鉄損値および被膜密着性と
の関係を示したグラフ、第2図は鋼板表面に対す
るエレクトロビームの走査要領を示した図であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 仕上げ焼鈍を経た一方向性けい素鋼板につ
    き、その表面の酸化物を除去したのち、研磨によ
    り鋼板表面を中心線平均粗さRaで0.4μm以下の
    鏡面に仕上げ、ついでイオンプレーテイングによ
    り、主としてTiN、TiCないしはTi(C、N)の
    少なくとも一種よりなる表面被膜を被成してなる
    一方向性けい素鋼板の製造方法において、 上記イオンプレーテイング処理に先立ち、鏡面
    仕上げ表面に200〜600℃の温度範囲におけるエレ
    クトロンビーム加熱を施すことを特徴とする、密
    着性に優れた表面被膜をそなえる超低鉄損一方向
    性けい素鋼板の製造方法。
JP13108186A 1986-06-07 1986-06-07 密着性に優れた表面被膜をそなえる超低鉄損一方向性けい素鋼板の製造方法 Granted JPS62290823A (ja)

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JP13108186A JPS62290823A (ja) 1986-06-07 1986-06-07 密着性に優れた表面被膜をそなえる超低鉄損一方向性けい素鋼板の製造方法

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JPS62290823A (ja) 1987-12-17

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