JP3148092B2 - 鉄損の低い鏡面方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

鉄損の低い鏡面方向性電磁鋼板の製造方法

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JP3148092B2 JP07271895A JP7271895A JP3148092B2 JP 3148092 B2 JP3148092 B2 JP 3148092B2 JP 07271895 A JP07271895 A JP 07271895A JP 7271895 A JP7271895 A JP 7271895A JP 3148092 B2 JP3148092 B2 JP 3148092B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として変圧器その他
の電気機器等の鉄心として利用される方向性電磁鋼板の
製造方法に関するものである。特に、その表面の鏡面化
手段及び磁区細分化手段を効果的に導入することによ
り、鉄損特性の向上を低コストで達成する製造方法を開
示するものである。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は、磁気鉄心として多く
の電気機器に用いられている。方向性電磁鋼板は、Si
を0.8〜4.8%含有し製品の結晶粒の方位を{11
0}<001>方位に高度に集積させた鋼板である。そ
の磁気特性として磁束密度が高く(B値で代表され
る)、鉄損が低い(W17/50値で代表される)こと
が要求される。特に、最近では省エネルギーの見地から
電力損失の低減に対する要求が高まっている。
【0003】この要求にこたえ、方向性電磁鋼板の鉄損
を低減させる手段として、磁区を細分化する技術が開発
された。仕上げ焼鈍後の鋼板にレーザービームを照射す
ることにより磁区を細分化して鉄損を低減させる方法
が、例えば特開昭58−26405号公報に開示されて
いる。しかしながら、該方法による鉄損の低減はレーザ
ー照射によって導入された歪に起因するので、トランス
に成形したのちに歪取り焼鈍を必要とする巻鉄心トラン
ス用としては使用することができない。
【0004】この改良技術として、例えば特開昭61−
117218号公報において、仕上焼鈍後に例えば歯車
型ロールにより加工歪を加え微細粒を形成させて磁区細
分化する方法が開示されている。しかしながら該方法に
おいては、歯車型ロールによって方向性電磁鋼板の表面
セラミックス層を破砕する必要があるために歯車ロール
摩耗が大きく、製造コストに問題を生じる。
【0005】一方、これら磁区細分化処理を施した鋼板
の磁区の動きを詳細に観察すると、静的には細分化した
磁区の中には動かない磁区も存在していることが判っ
た。方向性電磁鋼板の鉄損値を更に低減させるために
は、上記方法による磁区細分化技術と合わせて磁区の動
きを阻害する要因を排除する技術(磁区の活性化技術)
を導入する必要がある。
【0006】そのためには、磁区の動きを阻害する大き
な要因である鋼板表面のグラス被膜等を除去し表面を鏡
面化する方法が有効である。その手段として、仕上げ焼
鈍後にグラス被膜を酸洗等により除去した後に、化学研
磨或いは電解研磨を行い表面を鏡面化させる方法が、例
えば特開昭64−83620号公報に開示されている。
しかしながら、化学研磨・電解研磨等の方法は、研究室
レベルでの少試料の材料を加工することは可能である
が、工業的規模で行うには薬液の濃度管理、温度管理、
公害防止設備の付与等の点で大きな問題があり、更にこ
のような工程を付加することにより製造コストが高くな
ってしまうために、未だ実用化されるに至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、歯車型ロ
ール等により加工歪を加え微細粒を形成させることによ
り低鉄損値は得られるが、歯車ロールの摩耗が大きく製
造コストが高くなるという問題点、更に、この磁区細分
化処理の効果を最大限に発揮して大幅な低鉄損値を得る
ために酸洗・化学研磨等の表面処理を施した場合に、コ
ストが高くなるという問題点を同時に解決するものであ
る。すなわち、歪取り焼鈍を施しても磁気特性が劣化せ
ず、しかも鉄損特性が大幅に向上する安価な方向性電磁
鋼板の製造方法を開示するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、脱炭焼鈍をFe系酸化物の形成しない酸
化度の雰囲気ガス中で脱炭焼鈍し、焼鈍分離剤としてア
ルミナを塗布することにより、仕上げ焼鈍後の鋼板表面
を鏡面状態にし、該鋼板に機械的に局所応力を付加して
溝を形成した後に張力被膜を形成させ、活動磁壁数を増
加させることにより、歪取り焼鈍を施しても特性劣化す
ることがなく、且つ従来製品よりも低い鉄損の方向性電
磁鋼板を提供するものである。また、従来製造工程と比
較して付加工程がないので、製造コストも実質的に高く
ならない。
【0009】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。基本的な製造
法としては、小松等による(Al,Si)Nを主インヒ
ビターとして用いる製造法(例えば特公昭62−452
85号公報)、又は田口・坂倉等によるAlNとMnS
を主インヒビターとして用いる製造法(例えば特公昭4
0−15644号公報)を適用すればよい。
【0010】Siは、電気抵抗を高め鉄損を下げる上で
重要な元素である。含有量が4.8%を超えると、冷間
圧延時に材料が割れ易くなり圧延不可能となる。一方、
Si量を下げると仕上げ焼鈍時にα→γ変態を生じ、結
晶の方向性が損なわれるので、仕上げ焼鈍において結晶
の方向性に影響を及ぼさない0.8%を下限とする。
【0011】酸可溶性Alは、Nと結合してAlN又は
(Al,Si)Nとしてインヒビターとして機能するた
めに必須の元素である。磁束密度が高くなる0.012
〜0.050%を限定範囲とする。Nは製鋼時に0.0
1%以上添加するとブリスターと呼ばれる鋼板中の空孔
を生じるので、0.01%を上限とする。
【0012】MnとSはMnSとして析出して、インヒ
ビターとしての役割を果たす。Mnが0.02%より少
なく、またSが0.005%より少ないと所定量の有効
なMnSインヒビターが確保できない。また、Mnが
0.3%、Sが0.04%より多いとスラブ加熱時の溶
体化が不十分となり、二次再結晶が安定して行われなく
なる。故にMn:0.02〜0.3%、S:0.005
〜0.04%とする。他のインヒビター構成元素とし
て、B,Bi,Se,Pb,Sn,Ti等を添加するこ
ともできる。
【0013】上記成分の溶鋼は、通常の工程により熱延
板とされる。小松等による(Al,Si)Nを主インヒ
ビターとして用いる製造法(例えば特公昭62−452
85号公報)では、熱間圧延時の温度確保の観点から1
100℃以上、またAlNの完全溶体化しない1280
℃以下の温度で加熱を行った後に熱間圧延を行う。ま
た、田口・坂倉等によるAlNとMnSを主インヒビタ
ーとして用いる製造法(例えば特公昭40−15644
号公報)では、完全溶体化する1300℃以上の温度で
加熱した後に熱延を行えば良い。
【0014】前記熱延板は直ちに、もしくは短時間焼鈍
を経て冷間圧延される。焼鈍は750〜1200℃の温
度域で30秒〜30分間行われ、この焼鈍は製品の磁気
特性を高めるために有効である。望む製品の特性レベル
とコストを勘案して採否を決めるとよい。
【0015】冷間圧延は、基本的には上記特公昭40−
15644号公報に開示されているように、最終冷延圧
下率80%以上とすれば良い。冷間圧延後の材料は、鋼
中に含まれる炭素を除去するために湿水素雰囲気中で、
750〜900℃の温度域で脱炭焼鈍を行う。
【0016】この脱炭焼鈍において、Fe系の酸化物
(Fe2 SiO4 、FeO等)を形成させない酸化度で
焼鈍を行い、焼鈍分離剤としてアルミナを塗布すること
が本発明の一つのポイントである。例えば、通常脱炭焼
鈍が行われる800〜850℃の温度域においては、雰
囲気ガスの酸化度(P H2 O /P H2 )<0.15に調
整することにより、Fe系酸化物の生成を抑制すること
ができる。
【0017】但し、あまりに酸化度を下げると脱炭速度
が遅くなってしまい、工業的観点から好ましくない。こ
の両者を勘案すると、750〜900℃の温度域におい
て、雰囲気ガスの酸化度(P H2 O /P H2 ):0.0
1〜0.15の範囲で焼鈍することが好ましい。
【0018】この脱炭焼鈍板に(Al,Si)Nを主イ
ンヒビターとして用いる製造法(例えば特公昭62−4
5285号公報)においては、窒化処理を施す。この窒
化処理の方法は特に限定するものではなく、アンモニア
等の窒化能のある雰囲気ガス中で行う方法等がある。量
的には0.005%以上、望ましくは全窒素量として鋼
中のAl当量以上窒化すれば良い。
【0019】これらの脱炭焼鈍板を積層する際に、焼鈍
分離剤としてアルミナを水スラリーもしくは静電塗布法
等によりドライ・コートする。水スラリーで塗布する場
合には、例えば特願平5−211602号明細書で開示
する方法を採用することが好ましい。
【0020】この積層した板を仕上げ焼鈍して、二次再
結晶と窒化物の純化を行う。二次再結晶を特開平2−2
58929号公報で開示されるように、一定の温度で保
持する等の手段により所定の温度で行うことは、磁束密
度を上げるうえで有効である。
【0021】二次再結晶完了後、窒化物等の不純物の純
化と表面の平滑化を行うために、100%水素で110
0℃以上の温度で焼鈍する。仕上げ焼鈍後、該鋼板に機
械的に局所応力を付加して溝を形成した後に張力被膜を
形成させることにより、歪取り焼鈍により影響を受けな
いような方法で活動磁壁数を増加させることが本発明の
重要なポイントである。
【0022】板厚0.23mmの従来製造方法及び上記本
発明法で製造した仕上焼鈍後の板を、歯車ロールにより
幅20μm、深さ10μmの溝を5mm間隔で形成した。
その後、コロイド状シリカとリン酸塩を主成分とするコ
ーティング液を塗布して、850℃で2分間焼き付け張
力被膜を形成した後、800℃で4時間の歪取り焼鈍を
行った。
【0023】図1に、従来製品(a)、及び本発明法で
製造した製品(b)の磁区顕微鏡写真、図2に両者製品
の交流磁界下での磁壁移動速度を示す。図3に、製品の
磁束密度(B値)と鉄損(W17/50)の関係を示
す。図4は、歯車ロールの摩耗による鉄損劣化代を示
す。
【0024】図1の(a)と(b)を比較すると、本発
明法による製品(b)の磁区細分化効果は、静的には従
来材(a)と同じように観察されるが、図2に示すよう
に交流磁界下での磁壁移動挙動をみると、本発明法によ
る製品の磁壁は殆ど全て動いていることが分かる。一
方、従来製品では一部の磁壁はグラス被膜によるピン止
め効果のために全く移動できない。このような、実際の
活動磁壁数の差により、図3に示すように鉄損値として
10〜20%もの差が生じる。
【0025】また、図4は歯車ロールの摩耗による鉄損
劣化代を示すものであるが、本発明法では仕上焼鈍後の
鋼板表面には従来のようにセラミックス被膜が存在しな
いので、歯車ロールの寿命が5倍以上伸びることが分か
る。このように本発明法によると、従来法と比較して、
新たな製造工程を付加することなく、鉄損が10〜20
%向上し、かつ歯車ロールの寿命も5倍以上伸びること
が分かる。
【0026】鋼板に形成する溝は、圧延方向に対して直
角もしくは直角から45度の範囲内で、その間隔は2〜
10mmが鉄損低下の観点から好ましい。溝の形状は連続
的、不連続又は点状のいずれでも良い。溝の幅及び深さ
は、それぞれ10〜300μm、5〜50μmの範囲が
鉄損低下の観点から好ましい。溝の幅を狭くすると、曲
率半径の小さな曲げ加工を施す際に折れの起点となり易
い。また溝の幅を広くすると磁束密度が低下してしま
う。溝の深さも同様にあまり深くすると磁束密度が低下
してしまう。
【0027】張力被膜としては、例えば特開昭48−3
9338号公報によるコロイド状シリカとリン酸アルミ
ニウムを主体とするコーティング液、特開昭50−79
442号公報によるコロイド状シリカとリン酸マグネシ
ウムを主体とするコーティング液、又は特開平6−65
754号公報によるアルミナ・ゾルとホウ酸を主成分と
するコーティング液を焼き付ける方法等を採用すればよ
い。
【0028】
【実施例】
(実施例1)重量比で、Si: 3.3%、Mn: 0.1%、
C:0.05%、S: 0.007%、酸可溶性Al:0.03%、
N: 0.008%、Sn:0.05%、残部実質的にFe及び不
可避的不純物からなる珪素鋼スラブを1150℃で加熱した
後、熱間圧延し板厚 2.3mmとした。この熱延板を 1.8mm
に冷延し、1100℃で2分間焼鈍した後、最終板厚0.23mm
に冷延した。
【0029】この冷延板を窒素と水素の混合ガス中にお
いて酸化度(A:本発明法)0.06、及び(B:従来法)
0.44で 830℃の温度で 100秒焼鈍し一次再結晶させた。
次いでアンモニア雰囲気中で焼鈍することにより、窒素
量を 0.025%に増加して、インヒビターの強化を行っ
た。
【0030】これらの鋼板をその後、(A:本発明法)
アルミナ(Al2 3 )、及び(B:従来法)マグネシ
ア(MgO)を水スラリーで塗布した後、仕上げ焼鈍を
施した。これらの試料に歯車ロールで圧延方向と直角方
向から10度の方向で、幅50μm、深さ15μmの溝
を形成した後、コロイド状シリカとリン酸塩を主成分と
するコーティング液を塗布して 850℃で2分間焼き付け
た。これらの試料の磁気特性を測定した後、更に 800℃
で4時間の歪取り焼鈍を行った。得られた製品の磁気特
性を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】(実施例2)実施例1の仕上焼鈍後の試料
に、圧延方向と直角方向に、幅30μm、深さ10μm
の溝を歯型の金型をプレスして形成した後、アルミナ・
ゾルとホウ酸を主成分とするコーティング液を塗布して
870℃で2分間焼き付けた。これらの試料の磁気特性を
測定した後、更に 800℃で4時間の歪取り焼鈍を行っ
た。得られた製品の磁気特性を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】(実施例3)重量比で、Si: 3.3%、M
n: 0.1%、C:0.05%、S: 0.007%、酸可溶性A
l:0.03%、N: 0.008%、Sn:0.05%、残部実質的
にFe及び不可避的不純物からなる珪素鋼スラブを1150
℃で加熱した後、熱間圧延し板厚 2.3mmとした。この熱
延板を1100℃で2分間焼鈍した後、最終板厚0.30mmに冷
延した。
【0035】この冷延板を窒素と水素の混合ガス中にお
いて酸化度(A:本発明法)0.06、及び(B:従来法)
0.44で 830℃の温度で 150秒焼鈍し一次再結晶させた。
次いでアンモニア雰囲気中で焼鈍することにより、窒素
量を 0.025%に増加して、インヒビターの強化を行っ
た。
【0036】これらの鋼板をその後、(A:本発明法)
アルミナ(Al2 3 )、及び(B:従来法)マグネシ
ア(MgO)を水スラリーで塗布した後、仕上げ焼鈍を
施した。これらの試料に歯車ロールで圧延方向と直角方
向から10度の方向で、幅50μm、深さ15μmの溝
を形成した後、コロイド状シリカとリン酸塩を主成分と
するコーティング液を塗布して 850℃で2分間焼き付け
た。これらの試料の磁気特性を測定した後、更に 800℃
で4時間の歪取り焼鈍を行った。得られた製品の磁気特
性を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】(実施例4)重量比で、Si: 3.3%、M
n: 0.1%、C:0.05%、S: 0.007%、酸可溶性A
l:0.03%、N: 0.008%、Sn:0.05%、残部実質的
にFe及び不可避的不純物からなる珪素鋼スラブを1150
℃で加熱した後、熱間圧延し板厚 1.8mmとした。この熱
延板を 1.4mmに冷延し、1100℃で2分間焼鈍した後、最
終板厚0.15mmに冷延した。
【0039】この冷延板を窒素と水素の混合ガス中にお
いて酸化度(A:本発明法)0.06、及び(B:従来法)
0.44で 830℃の温度で70秒焼鈍し一次再結晶させた。次
いでアンモニア雰囲気中で焼鈍することにより、窒素量
を 0.025%に増加して、インヒビターの強化を行った。
【0040】これらの鋼板をその後、(A:本発明法)
アルミナ(Al2 3 )、及び(B:従来法)マグネシ
ア(MgO)を水スラリーで塗布した後、仕上げ焼鈍を
施した。これらの試料に歯車ロールで圧延方向と直角方
向から10度の方向で、幅50μm、深さ15μmの溝
を形成した後、コロイド状シリカとリン酸塩を主成分と
するコーティング液を塗布して 850℃で2分間焼き付け
た。これらの試料の磁気特性を測定した後、更に 800℃
で4時間の歪取り焼鈍を行った。得られた製品の磁気特
性を表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】(実施例5)重量比で、Si: 3.1%、M
n:0.07%、C:0.07%、S: 0.025%、酸可溶性A
l: 0.026%、N: 0.008%、Sn: 0.1%、残部実質
的にFe及び不可避的不純物からなる珪素鋼スラブを13
50℃で加熱した後、熱間圧延し板厚 2.3mmとした。この
熱延板を酸洗後 1.8mmに冷延し、1100℃で2分間焼鈍し
た後、最終板厚0.23mmに冷延した。
【0043】この冷延板を窒素と水素の混合ガス中にお
いて酸化度(A:本発明法)0.1 、及び(B:従来法)
0.44で 850℃の温度で 100秒焼鈍し一次再結晶させた。
これらの鋼板をその後、(A:本発明法)アルミナ(A
2 3 )、及び(B:従来法)マグネシア(MgO)
を水スラリーで塗布した後、仕上げ焼鈍を施した。
【0044】これらの試料に歯車ロールで圧延方向と直
角方向から10度の方向で、幅50μm、深さ15μm
の溝を形成した後、コロイド状シリカとリン酸塩を主成
分とするコーティング液を塗布して 850℃で2分間焼き
付けた。これらの試料の磁気特性を測定した後、更に 8
00℃で4時間の歪取り焼鈍を行った。得られた製品の磁
気特性を表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】
【発明の効果】本発明により、歪取り焼鈍によって磁気
特性が劣化せず、且つ従来よりも格段に鉄損特性の良好
な方向性電磁鋼板をコストアップすることなく製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来製品(a)、及び本発明法で製造した方向
性電磁鋼板(b)の磁区の状況を示す顕微鏡写真。
【図2】従来製品及び本発明法で製造した方向性電磁鋼
板の交流磁界下での磁壁移動速度の図表。
【図3】製品の磁束密度(B値)と鉄損(W17/5
0)の関係の図表。
【図4】歯車ロールの摩耗による鉄損劣化代の図表。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅 洋三 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社 技術開発本部内 (72)発明者 茂木 尚 北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日本製 鐵株式会社 八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 平7−118750(JP,A) 特開 平8−269556(JP,A) 特開 平8−269557(JP,A) 特開 平8−269558(JP,A) 特開 平8−269559(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/12 H01F 1/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、 Si:0.8〜4.8%、 酸可溶性Al:0.012〜0.05%、 N ≦0.01%、 残部実質的にFe及び不可避的不純物からなる珪素鋼ス
    ラブを1100℃以上1280℃以下で加熱した後に熱
    間圧延し、一回もしくは中間焼鈍をはさむ二回以上の冷
    間圧延により最終板厚とし、脱炭焼鈍・窒化処理を行っ
    た後、仕上げ焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製造方法にお
    いて、脱炭焼鈍をFe系酸化物の形成しない酸化度の雰
    囲気ガス中で行った後、焼鈍分離剤としてアルミナを塗
    布することにより、仕上げ焼鈍後の鋼板表面を鏡面状態
    にし、該鋼板に機械的に局所応力を付加して溝を形成し
    た後に張力被膜を形成することにより、活動磁壁数を増
    加させることを特徴とする鉄損の低い鏡面方向性電磁鋼
    板の製造方法。
  2. 【請求項2】 重量比で、 Si:0.8〜4.8%、 酸可溶性Al:0.012〜0.05%、 N ≦0.01%、 Mn:0.02〜0.3%、 S :0.005〜0.040%、 残部実質的にFe及び不可避的不純物からなる珪素鋼ス
    ラブを1300℃以上に加熱した後に熱間圧延し、一回
    もしくは中間焼鈍をはさむ二回以上の冷間圧延により最
    終板厚とし、次いで脱炭焼鈍・仕上げ焼鈍を施す方向性
    電磁鋼板の製造方法において、脱炭焼鈍をFe系酸化物
    の形成しない酸化度の雰囲気ガス中で行った後、焼鈍分
    離剤としてアルミナを塗布することにより、仕上げ焼鈍
    後の鋼板表面を鏡面状態にし、該鋼板に機械的に局所応
    力を付加して溝を形成した後に張力被膜を形成すること
    により、活動磁壁数を増加させることを特徴とする鉄損
    の低い鏡面方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 機械的に局所応力を付加して溝を形成す
    る方法において、鋼板に形成する溝が圧延方向に直角も
    しくは直角から45度の範囲内で、その間隔が圧延方向
    に1〜20mm、幅が10〜300μm、深さが5μm以
    上50μm以下であることを特徴とする請求項1もしく
    は2記載の鉄損の低い鏡面方向性電磁鋼板の製造方法。
JP07271895A 1995-03-30 1995-03-30 鉄損の低い鏡面方向性電磁鋼板の製造方法 Expired - Lifetime JP3148092B2 (ja)

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