JPH03249162A - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板

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JPH03249162A
JPH03249162A JP4634590A JP4634590A JPH03249162A JP H03249162 A JPH03249162 A JP H03249162A JP 4634590 A JP4634590 A JP 4634590A JP 4634590 A JP4634590 A JP 4634590A JP H03249162 A JPH03249162 A JP H03249162A
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昭彦 西本
Junichi Inagaki
淳一 稲垣
Masaya Morita
森田 正哉
Masaru Sagiyama
勝 鷺山
Tetsuhiro Koike
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(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ この発明は、自動車車体や家電製品などに利用される合
金化溶融亜鉛めっき鋼板に関連し、プレス成型に要求さ
れる摺動特性に加えて優れた表面処理性と耐パウダリン
グ性を併せ持つ合金化溶融亜鉛めっき鋼板に間する。
[従来技術] 合金化溶融亜鉛めっき鋼板は亜鉛めっき鋼板の持つ優れ
た耐食性と共に、塗装性、塗料密着性及び溶接性等を兼
ね備えることから、自動車や家電製品等に広く利用され
ている0合金化溶融亜鉛めっき鋼板の一般的な製造方法
としては、冷間圧延された鋼板を連続溶融亜鉛めっきラ
イン(以下、CGLと称す)で再結晶温度以上に加熱し
て焼鈍し、次いで460℃程度に加熱された亜鉛洛中に
浸漬することにより亜鉛めっきを行い、亜鉛の付着量を
制御した後550℃乃至650″Cまで再加熱して合金
化熱処理を施す方法が知られている。
このような合金化溶融亜鉛めっき鋼板の殆どは、成形加
工を受けて目的の用途に供されるが、プレス成形に際し
ては、他の薄板と同様、摺動特性が要求される。この摺
動特性が劣るとプレス成形時に割れが発生したり、皺が
生じたりする。これらの事故を防ぐため、現実には摺動
特性が低下は著しく生産性に影響する特性であるが、こ
の分野の研究は緒についたばかりで未だ実用になる改良
技術は生まれていない。
パウダリングは成形時に起こるもう一つの好ましからざ
る現象で合金化熱処理めっき鋼板に特有のものである。
即ち、前記の合金化熱処理を受けると、鋼板と亜鉛層と
の間には合金化反応が進行し、ζ相(FeZn13)、
δ1相(FeZnt)、「1相(Fe3Znto)或い
はF相(Fe3Znto)と呼ばれるFe−Zn系合金
層が順次形成される。
これらのFe−Zn系合金相は下地鋼板よりも硬度が大
きく、特に500℃を超える合金化処理で形成されるF
相は硬くこの層が発達するとプレス成形等の加工を受け
る際に皮膜が粉状に剥離するいわゆるパウダリング現象
が起き易くなる。このようなパウダリング現象が起こる
と皮膜の健全性が害されるばかりでなく、剥離した粉が
プレス型等に堆積しプレス部品に疵をつける等、数々の
不都合を生ずる。この剥離量は当然のことながら、皮膜
が厚くなるほど多く、従って厚目付である程問題は大き
い。
このような耐パウダリング性の改善対策として、従来、
目付量を少なくしてその耐食性を向上させようとの試み
もなされた6例えば、特開昭60−39153では、先
ず、めっきの平均結晶粒径を3μm以下とすることによ
って耐孔食性が向上するとの知見を示し、これに基づき
、従来多く使用されていた45g/m”の目付量のもの
に替えて、15乃至30g/m2の目付量のものを使用
することによって、パウダリングの問題を解決すること
を提案している。しかし、需要は益々合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の高耐食性と成形加工の生産性向上を嘱望して
おり、60 g / +n2或いは70g / m”と
目付量が多くても尚且つ成形性の良いものが強く要求さ
れつつある。一方皮膜の合金状態を改善することによっ
て、耐パウダリング性を向上させようとの試みもあり、
例えば、特願昭58−73498では、被膜中のFe含
有率を15wt%乃至35Wし%まで高めて、皮膜の主
成分を「相とすることが提案されている。しかし、この
場合δ1相が存在しないので、燐酸塩処理やクロメート
処理等の表面処理性に劣り、従って、塗膜の密着性や塗
膜上耐食性が確保できない、このため、更に上層にFe
−Zn、Ni、Coその他の金属を付着させなければな
らない(例えば、特開昭62−290894)、又、こ
れとは反対に、特開昭64−17843では、被膜中の
Fe含有率を7wt%乃至13wt%と低くして、皮膜
表面部の主成分を軟らかく伸び性のあるζ相とすること
が提案されている。しかし、この軟質の層が存在するた
め表面の摩擦係数が大きく、プレス成型時の摺動特性が
劣りプレス割れが発生し易い欠点がある。
[発明が解決しようとする課題] 以上述べてきたように、成形加工性が良く且つ高耐食厚
目付合金化溶融亜鉛めっき鋼板が要求される需要動向に
対して耐パウダリング性及び摺動性を兼ね備えた製品が
、未だ実現されていない。
この問題を解決するためにこの発明は行われたもので、
厚目付であっても、皮膜の合金相及び結晶粒が制御され
ているため摺動特性とともに耐パウダリング性にも優れ
た合金化溶融亜鉛めっき鋼板の提供を目的とするもので
あ、る。
[課題を解決するための手段] この目的を達成すための手段は、Fe−Zn合金皮膜が
、δ1相単独若しくはδl相と厚さ1μm以下の「1相
からなり、且つこの皮膜の表層結晶の平均アスペクト比
が3以下である合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。
なお、ここで言う表層結晶の平均アスペクト比とは、皮
膜断面を走査型電子顕微鏡で観察し表層付近に見られる
粒状の結晶について測定した長辺と短辺の比の平均値で
ある。
[作用] Fe−Zn合金皮膜は、前述したように、一般にζ相、
δ1相、r1相若しくはζ相から構成されるが、δl相
単独若しくはδ1相と厚さ1μm以下のr1相から成り
立っていると、皮膜表面には軟質で摩擦係数の大きなζ
相が存在しないので、摺動特性を低下させることが無い
、更に、硬質のr相がなく、厚さ1μm以下のΓ1相で
あれば耐パウダリング性を低下させることはない、更に
この発明で重要なのは、皮膜表面を構成する結晶のアス
ペクト比であって、この平均アスペクト比が、3以下の
場合観察される結晶は塊状であり、3を超えると柱状結
晶が混在し、平均アスペクト比の増大にしたがって柱状
晶が増え、4.5以上では殆どが柱状である。結晶が柱
状であると、相対的に皮膜表層に占める空間の割合が大
きくなり、摺動に際して表面が変形し易くなるために摺
動特性が劣化する0反対に、この平均アスペクト比が3
以下であると、変形は制限されプレス成型時の摺動特性
が改善される。第1図に表面結晶の平均アスペクト比と
摩擦係数との関係を調べた結果を示す、第1図は第1表
に示す組成の4鋼種について、めつき浴温を460℃、
めっき量を70g/♂とじ、めっき浴侵入板温、めっき
浴AI含有率及びめっき後の合金化熱処理条件を種々変
えてえちれた皮膜中のFe含有率6〜15%の合金化溶
融亜鉛めっき鋼板について調査したものであり、図では
鋼N(1)を○印で、鋼11■を△印で、鋼種(31を
X印で、鋼種4)を・印で各々表しである。何れの鋼種
についても平均アスペクト比が3以下では摩擦係数は小
さいところで安定しているが、3を超えるとアスペクト
比の増加にしたがって摩擦係数は大きくなる。
このように本発明においては皮膜の合金相及び結晶粒を
制御することによって摺動特性とともに耐パウダリング
性を改善しているので、原板の鋼種やめっき方法或いは
目付量に関係なくその効果は得られる。特に、厚目付合
金化溶融亜鉛めっき鋼板の耐パウダリング性に注目した
とき、FeZn合金皮膜が片面当たり30g/!I+2
以上の付着量であっても、摺動特性は勿論、十分に優れ
た耐パウダリング性をも併せ持つものである。
なお、本発明の鋼板の製造方法の一例として以下の製造
方法を挙げることができる0通常の製造方法で製造した
酸洗(熱延)鋼板あるいは冷延鋼板をCGLに通板し溶
融亜鉛めっきを施す、この際、めっき浴温を480℃以
上にするか、あるいはめっき浴温は通常の範囲である4
50〜470℃とし、鋼板の浴への侵入温度T(”C)
を浴中A1量によって決まる下式の条件を満足するよう
に設定する。
T  (’C)  ≧ 565X[A1.(% ) コ
 + 410T(℃)≧480 このようにしてめっき浴中でのFe−Zn反応を促進す
るとともに塊状のδ1相を比較的均一に形成させること
ができる。引き続き付着量制御を行なった後、500℃
以下の比較的低温で合金化処理を行なう、こ、のような
低温での合金化処理でδ1相は成長し合金化が完了する
。この際表面の結晶は塊状であり、平均アスペクト比は
3以下となる。一方、低温での合金化処理により「1相
が皮膜−鋼板界面に生成するが、厚さを1μm以下とす
ることにより優れた耐パウダリング性が実現される。
又、表層の結晶が柱状であると見掛けの表面積よりも実
際の表面積が非常に大きくなるが、塊状で表面に存在す
ればこれらの差は縮少し、化成処理やめつき処理等の表
面処理を施す場合非常に有利である。
〔実施例コ 第2表の組成を有する鋼を熱間圧延後酸洗し冷間圧延に
よって板厚0−65+uとし、これをCGLに通板して
種々の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得た。尚、めっき条
件は以下の通りである。
めっき浴侵入鋼板温度:460〜520℃、めっき浴温
度:465℃ 合金化処理温度=485〜550℃ めっき浴組成:Al=O。
13%、 pb=o。
1 % 得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板についてr1相の厚
さ、ζ相の有無等を調べるとともに耐パウダリング性及
び摺動特性を測定した。
r1相の存在をX線回折により確認後、断面を電子頴微
鏡で拡大しその厚さを測定した。
ζ相の有無については、X!!回折により、ζ(−4,
2,1)即ちd=2.12オングストロームの高さ(I
[ζ])と、δ1 (2,49)即ちd=1.99オン
グストロームの高さ(I[δ+])を測定し、この比か
ら判断した。
即ち、工[ζコ/I[δ1]が0.4以下のとき実質的
にζ相が無いとみなすことができる。
耐パウダリング性は、ビード引抜き試験を行い雄型ビー
ドでしごかれた面のめっき皮膜の剥離量を測定し、その
皮膜付着量に対する百分率によって評価した。ビード引
抜き試験器を第2図に示す0図で、1は試験片、2は雌
型ビード、3は雄型ビードである。試験片1を雌型ビー
ド2と雄型ビード3との間に挟み一定の圧力で押付けた
状態で破片を引抜いた。雌型ビード2の肩はIR5雄型
ビード3の先端は0.5Rに作られており、試験片はこ
こでしごかれる。その後粘着テープによって雄型ビード
でしごかれた面の皮膜を強制剥離しその前後の重量変化
を測定した。押付は圧は500kgf、雌型ビード幅及
び雄型ビード幅は各々40關、試験片幅は3〇−諺であ
った。
摺動特性は、以下の試験条件により摩擦係数を測定する
ことによって評価した。試験片表面に潤滑油(パーカー
興産■製ノックスラスト530F〉を均一に塗布した後
工具鯛5KD11製の圧子(接触面積3XIC)wJ)
を試片表面に押付は荷重400kgfで押付け、F片を
1m/分の速度で引き抜くことにより測定した。摩擦力
は3回測定し、その平均値から求めた。調べた結果を第
3表に示す。
第 表 この発明の条件範囲にある実施例では、摩擦係数は0.
13以下と安定して小さく、極めて優れた摺動特性を示
している。又、ビード引抜きH11!率も小さく、皮膜
付着量45 g / rn”程度では数%、70 g 
/ m”を超えても11乃至12%程度にしか達せず良
好な耐パウダリング性を備えている。
これに対して、発明の条件範囲を外れた比較例では、平
均アスペクト比の大きい試験Nα9乃至11では摩擦係
数が大きく摺動特性に劣り、F相の厚さが1μmを超え
た試験NlL12乃至14ではビード引抜き剥離率が大
きく耐パウダリング性に劣る。
更に、ζ相の存在する従来例では摩擦係数は最も大きく
摺動特性は一段と劣る。
[発明の効果コ この発明によれば、Fe−亜鉛合金皮膜の「相の厚さを
規制し且つ表面の結晶粒が塊状である合金化溶融亜鉛め
っき鋼板となっているので、優れた摺動特性を有しそれ
と共に皮膜付着量が多くても良好な耐パウダリング性を
も併有している。このように、高耐食性化と加工生産性
とを追及する産業界の需要に応えるこの発明の効果は極
めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の詳細な説明するための表面結晶の平
均アスペクト比と摩擦係数との関係を示す図、第2図は
ビード引抜き試験器の横断面図である。 1・・・試験片、2・・・雌型ビード、3・・雄型ビー
ド。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 冷延鋼板の表面に、δ_1相単独若しくはδ_1相と厚
    さ1μm以下のΓ_1相からなり、且つ表層結晶の平均
    アスペクト比が3以下であるFe−Zn合金皮膜を有す
    ることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
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