JP2007039756A - 加工性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

加工性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 多量のSi、Mnを含有する鋼板を原板として合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するに、めっき原板の表面に形成するプレFe系めっき層を、Znめっき付着量との関係で調整し、Si,Mnを含まないFe層とZn層との間で低温で合金化させて、高強度でしかも加工性に優れためっき鋼板を得る。
【解決手段】 C:0.05〜0.25質量%,Si:0.6〜2.0質量%,Mn:0.8〜3.0質量%を含む鋼板にFe系めっきを施した後、700〜900℃で焼鈍し、その後、2〜200℃/秒の平均冷却速度で350〜500℃まで冷却し、その温度域に0〜20分保持しもしくは保持することなく、次いで下記式(1)を満たす付着量で溶融Znめっきを施し、直ちに、又は460〜530℃の温度域で2秒〜2分保持後、5℃/秒以上の冷却速度で250℃以下に冷却することにより、δ1相単相のめっき層を形成する。
0.08≦[Fe付着量]/([Fe付着量]+[Zn付着量])≦0.15 ・・・(1)
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車,建築,電気機器等の部材として有用な高強度鋼板、特に加工性に優れた高強度の合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法に関する。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、耐食性,塗装性,塗装後密着性,溶接性に優れていることから、自動車用車体,家電製品を始めとする種々の分野で防錆鋼板として汎用されている。このような用途では、通常プレス成形により必要形状に加工して使用されることから,耐食性に加えて加工性に優れていることも重要である。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、溶融Znめっきした後、加熱合金化処理することにより製造されている。加熱合金化処理には、一般にバーナ加熱方式,高周波誘導加熱方式,両者を併用する加熱方式等を採用した合金化処理炉が使用されている。
特に、自動車車体を軽量化するため多用されるようになってきた合金化溶融亜鉛めっき高強度鋼板では、延性の小さな高張力鋼をめっき原板に使用していることから、プレス成形性に及ぼすめっき層表面の摺動性の影響が大きく、多量のζ相が残存するとめっき層の剥離だけでなく、板破断が発生し、プレス成形ができなくなることがある。
そこで、本発明者等は、特許文献1で、合金化熱処理時にζ相を残存させず、しかもΓ相の成長を抑制して加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得るために、めっき原板の表面に実質的にFeからなる層を形成した後、溶融Znめっきを施し、その後合金化熱処理することにより、δ1相,Γ1相及び層厚1μm以下のΓ相からなるめっき層を有する合金化溶融亜鉛めっき高強度鋼板を製造する方法を提案した。
同じく、本発明者等は、特許文献2で、溶融Znめっきを施す前のプレめっきとしてFe系のめっき層を形成しておくことにより、溶融Znめっき後の合金化処理温度を低くして鋼中におけるパーライトや炭化物の生成を抑制し、鋼材自身の機械的特性、特に延性の低下を抑えることを提案した。
特開2001−279409号公報 特開2004−285385号公報
ところで、特許文献1で提案した製造方法でζ相の生成・残存を防ぐためには、合金化熱処理を530℃以上の高い温度で行う必要があった。
しかしながら、特許文献1で示されたように、多量のSi、Mnを含有させた鋼板に溶融Znめっきした後、高温で合金加熱処理を施すと鋼板中にパーライトを形成するために、鋼板自身の強度及び伸びは著しく低下する。また、高い温度で合金加熱処理を施すためにめっき合金層にΓ相が形成しやすくなっている。
さらに、特許文献2で提案した、溶融Znめっきを施す前のプレめっきとしてFe系のめっき層を形成して合金化処理温度を低くする技術を採用しても、その後の合金加熱処理時にη−Zn相やζ相が出現しやすい。
めっき合金層に、これらΓ相やη−Zn相,ζ相が出現すると、パウダリングやフレーキングを起してめっき鋼板の加工性を低下させる。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、多量のSi、Mnを含有する鋼板を原板として、プレFe系めっき及び溶融Znめっき、並びにその後に合金化熱処理する際、めっき原板の表面に形成するプレFe系めっき層を、Znめっき付着量とFe系めっき付着量を特定の関係で調整し、Si,Mnを含まないFeとZnのめっき層を合金化させて、高強度でしかも加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得ることを目的とする。
本発明の加工性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、その目的を達成するため、C:0.05〜0.25質量%,Si:0.6〜2.0質量%,Mn:0.8〜3.0質量%を含み、残部:Fe及び不可避的不純物の組成をもつ鋼板上に、Fe系めっき層及びZnめっき層がこの順で下記式(1)を満たす付着量で形成され、かつ加熱により合金化されてδ1相単相のめっき層を備えていることを特徴とする。
0.08≦[Fe付着量]/([Fe付着量]+[Zn付着量])≦0.15 ・・・(1)
鋼板としては、鋼中にさらにTi:0.04〜0.2質量%,Nb:0.003〜0.2質量%,V:0.5質量%以下の少なくとも1種以上、或いはB:0.01質量%以下,Mo:1.0質量%以下,Cr:1.0質量%以下,Ni:2.0質量%以下,Co:1.0質量%以下の少なくとも1種以上を含むものでも良い。
このようなδ1相単相の合金化めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板は、組成が特定された鋼板にFe系めっきを施した後、700〜900℃で焼鈍し、その後、2〜200℃/秒の平均冷却速度で350〜500℃まで冷却し、その温度域に0〜20分保持しもしくは保持することなく、下記式(1)を満たす付着量で溶融Znめっきを施し、直ちに、又は460〜530℃の温度域で2秒〜2分保持後、5℃/秒以上の冷却速度で250℃以下に冷却することによって得られる。
本発明で提供される高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、Mn,Siを含有する鋼板に合金化溶融Znめっきを施す際に、予めFe系のプレめっきを施したものにFe系めっき付着量とZnめっき付着量を所定の関係でコントロールしつつ溶融Znめっきを施しているので、めっき後の合金化熱処理を低温度域で行え、しかも合金化めっき層にΓ相,η−Zn相或いはζ相がない、δ1単相のめっき層を得ることができる。
このため、強度や伸びの低下がなく、しかも加工時にフレーキングやパウダリングを起すことのない、加工性に優れた溶融めっき鋼板を得ることができる。
本発明者等は、SiやMnを多量に含む鋼板を原板とした際の、溶融Znめっきとその後の合金化熱処理による鋼板の強度及び延性の低下が、高温の合金化温度を必要としたことにあること、合金化熱処理した後のめっき鋼板の加工性低下が、めっき層にΓ相,η−Zn相或いはζ相が出現したことにあることを見出し、その対策について種々検討を重ねてきた。
検討を重ねる過程で、溶融Znめっきを施す前のプレめっきとしてFe系のめっき層を形成しておくと、溶融Znめっき後の合金化処理温度を低く、あるいは溶融Znめっき時に合金化が行えて、Γ相を生成させることがなく、しかも鋼材自身の機械的特性、特に延性の低下を抑えることができることを見出した。
さらに、Fe系プレめっきを施す際のFe系めっき付着量をZnめっき付着量との関係で調整しておくと、表層に合金化を抑制するMnやSiが存在せず、しかも十分なFeが存在する層が形成され、合金化温度が低くてもη−Zn相やζ相を生成させずδ1相のみを形成する合金化熱処理が可能となることを見出した。
以下にその詳細を説明する。
本発明で使用されるめっき原板としては、C:0.05〜0.25質量%,Si:0.6〜2.0質量%,Mn:0.8〜3.0質量%を含み、さらに必要に応じてTi:0.04〜0.2質量%,Nb:0.003〜0.2質量%,V:0.5質量%以下の少なくとも1種以上、或いはB:0.01質量%以下,Mo:1.0質量%以下,Cr:1.0質量%以下,Ni:2.0質量%以下,Co:1.0質量%以下の少なくとも1種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなるものが使用される。
なお、「%」表示は、特に示さない限り「質量%」を意味する。
C:0.05〜0.25%
Cは高強度化に有効である。0.05%未満ではその効果が得られない。またCは溶接性に大きな影響を与える元素でもあり、0.25%を超えると、鋼板のスポット溶接性が著しく低下する。
Si:0.6〜2.0%
Siは高強度化に有効な他、セメンタイトの析出を抑制する作用を有しており、鋼中のパーライト等の生成を抑える効果がある元素である。0.6%未満ではその効果が十分に発揮されない。また、2.0%を超える濃度にした場合、その効果が飽和するとともに、焼鈍時におけるSiの拡散現象が著しくなってFe系めっきを施しても表層にSi酸化膜層が形成してしまい、めっき密着性が低下する。
Mn:0.8〜3.0%
Mnは焼入れ性を向上させ、高強度化に有効な元素である。0.8%未満ではその効果が発揮されない。また、3.0%を超える濃度では、多量のマルテンサイト組織となり、伸びを著しく低下させる。
Ti:0.003〜0.2%
Nb:0.003〜0.2%
V:0.5%以下
Ti,Nb,Vは組織を微細化し、高強度化に有効である他、鋼板の穴拡げ性を向上させる作用を有している。Ti,Nbいずれの場合も、0.003%未満ではその効果が発揮されない。また、0.2%を超えると効果が飽和し、工業上のコストが高くなるだけである。Vも0.5%を超える濃度では、効果が飽和し、工業上のコストが高くなるだけである。
B:0.01%以下
Mo:1.0%以下
Cr:1.0%以下
Ni:2.0%以下
Co:1.0%以下
これらは、焼入れ性を向上させて高強度化するのに有効な元素である。1種もしくは2種以上を適宜添加できる。しかし、B:0.01%,Mo:1.0%,Cr:1.0%,Ni:2.0%,Co:1.0%を超えて添加してもかえって延性の低下が大きくなり、工業上のコストが高くなるだけである。
Fe系プレめっき層としては、純Feの他に、Fe−B,Fe−C,Fe−P,Fe−N,Fe−O等のめっき層が使用できる。Fe系プレめっき層に含まれる微量のB,C,P,N,Oは、Si,Mnの濃化を抑制する作用を呈する。
Fe系プレめっき層は、電気めっき法で形成されるが、所要の付着量が得られる限り電気めっき液の種類,浴組成,めっき条件等に特段の制約が加わるものではない。上記条件の設定により所定量のFe系プレめっき層を付着させる。Fe系プレめっきは、電気めっきラインで実施できるが、溶融めっきラインのガス還元焼鈍炉の前に電気めっき設備を付設してFe系プレめっき及び溶融Znめっきを連続化することが生産性,コスト的に有利である。
また、後記するように、溶融Znめっき浴から引き上げられためっき原板に付着している溶融めっきZnの付着量を所要量に調整する。その調整は、通常のガスワイピング法で行うことが好ましい。
本発明では、Fe系のプレめっき付着量とその後の溶融Znめっき付着量の関係を調整することが重要になる。[Fe付着量]/([Fe付着量]+[Zn付着量])の値が0.08に満たないと、Feめっきの量が不足し、めっき層中にζ相又はη−Znが残存するか、高い合金化温度が必要になる。逆に、上記値が0.15を上回ると、Feめっきの量が過多になり、合金化に使用されないFeが残存するため、工業上のコストが高くなるだけである。
溶融Znめっき前のプレめっき鋼板の焼鈍条件によっても、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の機械的特性は変化する。より高延性で高強度を得るための焼鈍条件について以下に説明する。
焼鈍の温度は700〜900℃の範囲にする。700℃未満では、再結晶が十分に行われず、機械的性質が低下する。900℃を超えると、Fe系めっき層中へSiやMnが拡散し、Feプレめっきの効果が減衰する。
焼鈍の雰囲気は還元雰囲気とする。ガス還元雰囲気とすることが好ましい。
ガス還元雰囲気であると、プレめっきされたFeが部分的に酸化されていても、ガス還元されて活性な表面状態になり、その後の溶融Znめっきの際めっき層が付着しやすくなる。さらにその後の合金化反応速度も大きくなる。
次に均熱後の平均冷却速度は2〜200℃/秒とする。平均冷却速度が2℃/秒に満たないと、パーライト変態が生じ強度−延性のバランスが悪くなる。逆に200℃/秒を超える平均冷却速度では、鋼板の幅方向,長手方向でのズレが大きくなり、均一な組織を得ることができなくなる。
また、冷却の終点温度は350〜500℃の範囲にする。冷却の終点が500℃を超えると、オーステナイトが炭化物に分解し、パーライトが形成されて強度−延性のバランスが悪くなる。350℃未満では、マルテンサイトが大量に生成するため、強度は向上するものの伸びが著しく低下し、成形性等が悪くなる。
保持時間については、長すぎるとセメンタイトが生成し、強度−延性のバランスが悪くなる。保持時間は20分以下が好ましい。
このような製法により、加工性の良好な高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。
ガス還元焼鈍しためっき原板は、溶融Znめっき浴に導入される。
溶融Znめっき浴としては、浴温を420以上490℃未満に設定したものを使用する。420℃はめっき浴の凝固点であり、また490℃以上になると、めっき浴を入れている槽が激しく浸食され、頻繁な交換が必要となるなど、経済的に不利である。
溶融Znめっき浴から引き上げられためっき原板に付着している溶融めっき金属のめっき付着量をガスワイピングで調整する。必要とする付着量は前記した通りである。
ガスワイピング後、鋼板を460℃以上530℃未満の温度に2〜120秒加熱することにより合金化反応を進行させる。加熱温度が460℃未満だったり2秒に満たなかったりすると合金化が不十分でη−Zn層が残存することになる。530℃以上では、鋼中にパーライトが生成し、強度−延性のバランスが悪くなって、加工性の低下につながる。また合金化温度が530℃未満であっても、その温度が高いほど鋼中にパーライトが生成する恐れがあるから、合金化温度は490℃未満にすることが好ましい。120秒までには合金化は十分に行われ、それ以上の加熱は無意味である。
460℃以上530℃未満×2〜120秒の加熱条件が満足される限り、加熱方式は特に制約されるものではなく、バーナー加熱方式,高周波誘導加熱方式,両者を併用した加熱方式等を採用した合金化処理炉が使用される。
合金化処理された鋼板は、板温が250℃に到達するまで鋼板を5℃/秒以上の冷却速度で冷却する。
実施例1:
表1に示した組成をもつ低炭素鋼を溶製し、熱延,酸洗,冷延工程を経て板厚1.0mm,板幅1000mmの冷延鋼板を製造した。この冷延鋼板の表面に、表2に示すめっき条件で、Feプレめっき層を電気めっき法により形成した。
Feめっき鋼板を表3に示す条件で焼鈍した。
さらに、溶融Znめっきを行い、ガスワイピングの調整で、表4に示す付着量の溶融Znめっき層を得た。
Figure 2007039756
Figure 2007039756
Figure 2007039756
次いで溶融Znめっき浴に浸漬し、ガスワイピングでめっき付着量を調整した。そのめっき付着量を表4に示す。その後、表4に示す条件で合金化熱処理を施した。
得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、合金化めっき層の断面組織を観察するとともに、引張試験を行った。
断面観察によりめっき層中にη−Zn相やζ相或いはΓ相がない場合を○とし、η−Zn相,ζ相或いはΓ相が認められたものを×と判定した。
引張試験は、圧延方向に垂直にJIS−5号試験片を採取し、引張試験した。
その評価結果を併せて表4に示す。
表4に示す結果から、請求項の記載で特定した合金組成を有する鋼種A〜Kを用いた試験No.1〜11では、合金化熱処理後の合金化状態はいずれも良好で、引張強度と伸びのバランスがよい合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られている。
これに対して、式(1)が0.8未満で、合金化熱処理温度を上げた比較例No.12では、合金化できたもののΓ相が生成されていた。成形時の耐パウダリング性が低下すると予測される。また、同じく式(1)が0.8未満で、合金化熱処理温度を本発明例と同じ程度とした比較例No.13,14では十分な合金化ができず、η−Zn相がみられた。成形時の耐フレーキング性が低下すると予測される。
Figure 2007039756
実施例2:
表1に示した鋼種の内、鋼種Aを素材として、実施例1と全く同じ方法によりFe付着量6g/m2でFeプレめっき層を形成して溶融Znめっき原板を用意した。
このプレめっき鋼板に、表5に示す条件の焼鈍処理とZn付着量45g/m2溶融Znめっき、並びに合金化熱処理を施した。この際、前記式(1)は0.11となっている。
得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、実施例1と全く同じ手法で、合金化めっき層の断面組織を観察するとともに、引張試験を行った。
その評価結果を表5に併せて示す。
Figure 2007039756
表5に示す結果から、プレめっき鋼板に請求項の記載で特定した条件で焼鈍処理を施し、その後溶融Znめっきした鋼板に請求項の記載で特定した条件で合金化熱処理を施すと、合金化状態はいずれも良好で、引張強度と伸びのバランスがよい合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られている。
これに対して、プレめっき鋼板に施す焼鈍の温度が低かった比較例No.25では、再結晶が十分に進行せず、機械的特性が不十分であった。逆に焼鈍の温度が高すぎた比較例No.26では、Fe系めっき層中にSi,Mnの拡散が生じてFe系プレめっきの効果がなくなり、合金化熱処理によってη−Zn相が生成していた。成形時の耐フレーキング性が低下すると予測される。
また、焼鈍時の冷却速度が遅すぎた比較例No.27では、強度−伸びのバランスが悪くなっている。成形時の耐パウダリング性が低下すると予測される。さらに、焼鈍時の冷却終点温度が低すぎた比較例No.28,及び冷却終点温度が高すぎた比較例No.29も強度−伸びのバランスが悪くなっていた。さらにまた、合金化熱処理時の温度が高すぎた比較例No.30も同様に強度−伸びのバランスが悪くなっていた。いずれも成形性が低下すると予測される。

Claims (4)

  1. C:0.05〜0.25質量%,Si:0.6〜2.0質量%,Mn:0.8〜3.0質量%を含み、残部:Fe及び不可避的不純物の組成をもつ鋼板上に、Fe系めっき層及びZnめっき層をこの順で下記式(1)を満たす付着量で形成され、かつ加熱により合金化されてδ1相単相のめっき層を備えていることを特徴とする加工性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
    0.08≦[Fe付着量]/([Fe付着量]+[Zn付着量])≦0.15 ・・・(1)
  2. 鋼板が、さらにTi:0.04〜0.2質量%,Nb:0.003〜0.2質量%,V:0.5質量%以下の少なくとも1種以上を含むものである請求項1に記載の加工性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 鋼板が、さらにB:0.01質量%以下,Mo:1.0質量%以下,Cr:1.0質量%以下,Ni:2.0質量%以下,Co:1.0質量%以下の少なくとも1種以上を含むものである請求項1又は2に記載の加工性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の組成を有する鋼板にFe系めっきを施した後、700〜900℃で焼鈍し、その後、2〜200℃/秒の平均冷却速度で350〜500℃まで冷却し、その温度域に0〜20分保持しもしくは保持することなく、下記式(1)を満たす付着量で溶融Znめっきを施し、直ちに、又は460〜530℃の温度域で2秒〜2分保持後、5℃/秒以上の冷却速度で250℃以下に冷却して、δ1相単相の合金化めっき層を形成することを特徴とする加工性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
    0.08≦[Fe付着量]/([Fe付着量]+[Zn付着量])≦0.15 ・・・(1)
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