JP6870338B2 - 燐酸塩化成処理性に優れたZn−Alめっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)鋼板母材、前記鋼板母材の表面に形成されためっき層、および前記めっき層の表面に形成された酸化物層を含み、
前記めっき層は、質量%で、30%以上のAl、0.1〜3%のSi、および40%以下のFeを含み、残部がZnからなり、
前記酸化物層は、1.2g/m2以上のZnO、1.0g/m2以下のAl2O3、0.1g/m2以上のSiO2を含み、ただしZnO量がSiO2量よりも多いことを特徴とする、燐酸塩化成処理性に優れたZn−Alめっき鋼板。
(2)前記めっき層のめっき付着量は片面あたり30〜100g/m2であることを特徴とする、上記(1)に記載の燐酸塩化成処理性に優れたZn−Alめっき鋼板。
(3)前記鋼板母材は、質量%で、90%以上のFeを含み、残部がC、Si、Mn、P、S、Al、Ti、Nb、Cr、Mo、V、B、および不可避的不純物からなることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の燐酸塩化成処理性に優れたZn−Alめっき鋼板。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のZn−Alめっき鋼板の製造方法であって、
冷間圧延された鋼板を連続的に還元焼鈍すること、
還元焼鈍された鋼板を、質量%で、50%以上のAlおよび0.1〜3%のSiを含み、残部がZnからなる溶融めっき浴に浸漬してめっき処理すること、
めっき処理されためっき鋼板のめっき付着量をガスワイピングによって調整すること、
前記めっき鋼板を大気雰囲気中680〜800℃の温度で180秒以下の間保持するか、または800超〜870℃の温度で60秒以下の間保持すること
を含むことを特徴とする、Zn−Alめっき鋼板の製造方法。
(5)上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のZn−Alめっき鋼板の製造方法であって、
質量%で、40〜70%のAlおよび2%以下のSiを含み、残部がZnおよび鋼板母材から拡散したFeからなるめっき層を備えた鋼板を、大気雰囲気中で室温から680〜950℃の最高到達温度または850℃まで5〜7.5℃/sの平均昇温速度で加熱すること、
前記最高到達温度に到達後直ちに冷却するか、または850℃超の温度で1秒以上45秒以内の間保持すること
を含むことを特徴とする、Zn−Alめっき鋼板の製造方法。
(6)上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のZn−Alめっき鋼板の製造方法であって、
質量%で、40〜70%のAlおよび2%以下のSiを含み、残部がZnおよび鋼板母材から拡散したFeからなるめっき層を備えた鋼板を、大気雰囲気中で室温から700〜850℃の最高到達温度または750℃まで3.5〜5℃/sの平均昇温速度で加熱すること、
前記最高到達温度に到達後直ちに冷却するか、または750℃超の温度で1秒以上2分以内の間保持すること
を含むことを特徴とする、Zn−Alめっき鋼板の製造方法。
(7)上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のZn−Alめっき鋼板の製造方法であって、
質量%で、40〜70%のAlおよび2%以下のSiを含み、残部がZnおよび鋼板母材から拡散したFeからなるめっき層を備えた鋼板を、大気雰囲気中で室温から660℃まで2〜5℃/sの平均昇温速度で加熱すること、
最高到達温度が660〜750℃であって660℃超の温度で20秒以上4分以下の間保持すること
を含むことを特徴とする、Zn−Alめっき鋼板の製造方法。
(8)上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のZn−Alめっき鋼板をプレス成形およびスポット溶接すること、
前記Zn−Alめっき鋼板の表面に燐酸塩化成結晶皮膜を形成させること
含むことを特徴とする、自動車用部品の製造方法。
熱間圧延に供するスラブは特に限定されるものではない。常法すなわち連続鋳造スラブや薄スラブキャスター等で製造したものであれば良い。
熱間圧延は特に限定されるものではない。常法の範囲内であれば発明の効果には影響を及ぼさない。常法とは、仕上げ温度を850〜1000℃の範囲とし、巻取温度は550〜750℃の範囲とすることを意味する。
酸洗も特に限定されるものではなく、常法の範囲内であれば発明の効果には影響を及ぼさない。
冷間圧延も特に限定されるものではなく、常法の範囲内であれば発明の効果には影響を及ぼさない。常法とは圧延率50から85%の範囲であることを意味する。圧延率が低い場合、目的厚さの製品を得るためには熱延および連続鋳造において薄くせざるを得ず、能率の低下を招く。一方、85%を超す圧延率で冷間圧延を行うことは多大の冷延負荷が必要となるため、85%以下とすることが好ましい。
連続溶融めっきライン(CGL)の方式は、本発明の特徴であるZn−Al上の化成処理性の観点からは、特に限定されるものではない。そのためここでは一般的な軟鋼およびハイテン鋼を母材とするZn−Alめっきの製法について述べる。
(ヒートパターン1)室温から680〜950℃の最高到達温度または850℃の低いほうまで、5〜7.5℃/sの平均昇温速度で加熱すること、上記最高到達温度に到達後直ちに冷却するか、または850℃超の温度で1秒以上45秒以内の間保持することを含むことを特徴とする。
(ヒートパターン2)室温から700〜850℃の最高到達温度または750℃の低いほうまで、3.5〜5℃/sの平均昇温速度で加熱すること、上記最高到達温度に到達後直ちに冷却するか、または750℃超の温度で1秒以上2分以内の間保持することを含むことを特徴とする。
(ヒートパターン3)室温から660℃まで2〜5℃/sの平均昇温速度で加熱すること、最高到達温度が660〜750℃であって660℃超の温度で20秒以上4分以下の間保持することを含むことを特徴とする。
熱処理前時点のめっき層組成は前述のめっき浴の組成どおりであるが、熱処理中に母材のFeがめっき中に拡散するため、めっき組成は次のようになる。
めっき付着量は、溶融めっきによって付着したZn,Al,Siのほか熱処理によって母材から拡散したFeの合計である。耐食性の観点からは30g/m2以上、好ましくは40g/m2以上であり、加工性の観点からは100g/m2以下、好ましくは90g/m2以下である。
溶融めっきでZn−Al−Siめっきが施された後大気中の熱処理を受けることで、めっき層の表面には次の酸化物層が形成される。
Claims (8)
- 鋼板母材、前記鋼板母材の表面に形成されためっき層、および前記めっき層の表面に形成された酸化物層を含み、
前記めっき層は、質量%で、30%以上のAl、0.1〜3%のSi、および40%以下のFeを含み、残部がZnからなり、
前記酸化物層は、1.2g/m2以上のZnO、1.0g/m2以下のAl2O3、0.1g/m2以上のSiO2を含み、ただしZnO量[g/m 2 ]がSiO2量[g/m 2 ]よりも多いことを特徴とする、燐酸塩化成処理性に優れたZn−Alめっき鋼板(ただし、前記酸化物層の上層にMn酸化物、P酸化物、Mo酸化物、Co酸化物、Ni酸化物、Ca酸化物、W酸化物、V酸化物あるいはホウ酸の1種または2種以上を1〜500mg/m 2 (酸化物中の金属量として)被覆してなるものを除く)。 - 前記めっき層のめっき付着量は片面あたり30〜100g/m2であることを特徴とする、請求項1に記載の燐酸塩化成処理性に優れたZn−Alめっき鋼板。
- 前記鋼板母材は、質量%で、90%以上のFeを含み、残部がC、Si、Mn、P、S、Al、Ti、Nb、Cr、Mo、V、B、および不可避的不純物からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の燐酸塩化成処理性に優れたZn−Alめっき鋼板。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のZn−Alめっき鋼板の製造方法であって、
冷間圧延された鋼板を連続的に還元焼鈍すること、
還元焼鈍された鋼板を、質量%で、50%以上のAlおよび0.1〜3%のSiを含み、残部がZnからなる溶融めっき浴に浸漬してめっき処理すること、
めっき処理されためっき鋼板のめっき付着量をガスワイピングによって調整すること、
前記めっき鋼板を大気雰囲気中680〜800℃の到達温度で180秒以下の間保持するか、または800超〜870℃の到達温度で60秒以下の間保持すること
を含むことを特徴とする、Zn−Alめっき鋼板の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のZn−Alめっき鋼板の製造方法であって、
質量%で、40〜70%のAlおよび2%以下のSiを含み、残部がZnおよび鋼板母材から拡散したFeからなるめっき層を備えた鋼板を、大気雰囲気中で室温から680〜950℃の最高到達温度または850℃まで5〜7.5℃/sの平均昇温速度で加熱すること、
前記最高到達温度に到達後直ちに冷却するか、または850℃超の温度で1秒以上45秒以内の間保持すること
を含むことを特徴とする、Zn−Alめっき鋼板の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のZn−Alめっき鋼板の製造方法であって、
質量%で、40〜70%のAlおよび2%以下のSiを含み、残部がZnおよび鋼板母材から拡散したFeからなるめっき層を備えた鋼板を、大気雰囲気中で室温から700〜850℃の最高到達温度または750℃まで3.5〜5℃/sの平均昇温速度で加熱すること、
前記最高到達温度に到達後直ちに冷却するか、または750℃超の温度で1秒以上2分以内の間保持すること
を含むことを特徴とする、Zn−Alめっき鋼板の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のZn−Alめっき鋼板の製造方法であって、
質量%で、40〜70%のAlおよび2%以下のSiを含み、残部がZnおよび鋼板母材から拡散したFeからなるめっき層を備えた鋼板を、大気雰囲気中で室温から660℃まで2〜5℃/sの平均昇温速度で加熱すること、
最高到達温度が660〜750℃であって660℃超の温度で20秒以上4分以下の間保持すること
を含むことを特徴とする、Zn−Alめっき鋼板の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のZn−Alめっき鋼板をプレス成形およびスポット溶接すること、
前記Zn−Alめっき鋼板の表面に燐酸塩化成結晶皮膜を形成させること
を含むことを特徴とする、自動車用部品の製造方法。
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