JPH0323984Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車におけるドアチエツカの構造
に関するものである。

（従来の技術） 従来より、自動車のドアチエツカとして、例え
ば実開昭54−83752号公報に開示されるように、
ドアの内部に設けられたチエツカケースと、一端
部が該チエツカケース内を通してドア外にまで延
出され、該延出端部の先端が車体側のチエツカブ
ラケツトにピン結合されたメーンプレートと、上
記チエツカケース内に設けられ、弾性部材に押圧
されて上記メーンプレートの上下面を挾持する上
下一対の圧接片とを備えていて、ドアの開時に上
記メーンプレートの上下面の隆起に対応してチエ
ツク力を生じさせ、これによりドアの開き状態を
保持するように構成したものは知られている。

そして、このようなドアチエツカの組付作業手
順として、先ず、ドアの艤装工程においてドア内
にドアチエツカを挿入し、該ドアチエツカのメー
ンプレートの一端をドア外に延出せしめた状態で
チエツカケースをドアに取付ける。次に、ドアを
車体に取付ける際に、ドア外に延出する上記メー
ンプレートの一端を車体側のチエツカブラケツト
にピン結合するようにしている。尚、メーンプレ
ートの一端を車体側のチエツカブラケツトにピン
結合するに当つては、ドア開閉時に該結合部で異
音が発生するのを防止するためにブツシユを介設
することがある（上記例示の公報参照）。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、上述のチエツカケースをドアに取付
ける場合には、ドアチエツカをドア内に挿入した
状態で行ういわゆる盲作業になるため、チエツカ
ケースの上下ないしメーンプレートの上下面を正
規の状態と逆にして取付け、そのことをメーンプ
レートを車体側のチエツカブラケツトにピン結合
するときにも気付かず、ドアチエツカが誤組付け
された状態でドアが車体に取付けられるという問
題があつた。

本考案はかかる点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、特に上記ドアチエ
ツカのメーンプレートと車体側のチエツカブラケ
ツトとの結合部の構造に改良を加えて、メーンプ
レートの上下面が正規の状態と逆になつてチエツ
カケースがドアに取付けられている場合には該メ
ーンプレートとチエツカブラケツトとのピン結合
が不可能になるようになし、ドアチエツカの誤組
付を未然に防止せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案の解決手段
は、メーンプレートの一端が車体側のチエツカブ
ラケツトにピン結合される自動車のドアチエツカ
構造において、上記メーンプレートの結合端およ
びチエツカブラケツトのいずれか一方に、突起部
を有する異音防止用のブツシユを装着し、他方
に、メーンプレートの誤組付時に上記ブツシユの
突起部と干渉するフランジを設ける構成としたも
のである。

（作 用） 上記の構成により、本考案では、チエツカケー
スのドアへの取付けを誤り、メーンプレートの上
下面が逆になつてドアチエツカが誤組付されてい
る場合には、メーンプレートと車体側のチエツカ
ブラケツトとをピン結合する際、該両部材に各々
設けられた異音防止用ブツシユの突起部とフラン
ジとが干渉し合うことによつて、両部材のピン結
合を行うことができず、そのことによりドアチエ
ツカの誤組付を知り、正規の状態に是正されるこ
とになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図および第２図は本考案の一実施例に係る
自動車のドアチエツカ構造を示し、１は車体のピ
ラー、２は該ピラー１にヒンジ部材３を介して開
閉自在に取付けられたドアであつて、該ドア２の
内部にはドアチエツカ４が設けられている。

上記ドアチエツカ４は、ドア２のピラー対向面
部２ａにボルト５止めにより取付けられたチエツ
カケース６と、上下一対のバネ板により長手方向
沿つて上下面の間隔が変化するように形成されて
なるメーンプレート７とを備えている。上記メー
ンプレート７の一端部は、上記チエツカケース６
内およびドア２のピラー対向面部２ａに形成した
開口部８を通してドア２外に延出され、該延出部
の先端は、ピラー１に取付けられたチエツカブラ
ケツト９に対しピン１０結合によりドア２開閉方
向に回動自在に連結されている。

また、上記メーンプレート７の他端部にはスト
ツパ部材１１が装着されているとともに、上記チ
エツカケース６内には、常時弾性部材１２，１２
に押圧されて上記メーンプレート７の上下面を挾
持する上下一対の圧接片１３，１３が設けられて
いる。よつて、上記ドアチエツカ４は、ドア２の
開時にメーンプレート７の上下面間の間隔ないし
隆起に対応して所定のチヤツク力を生じさせ、こ
れによりドア２の開き状態を所定開度に保持し、
またドア２の全開時には、ストツパ部材１１がチ
エツカケース６に当接してドア２の全開位置を規
制するように構成されている。尚、上記メーンプ
レート７は、その長手方向に沿つて水平面上を若
干湾曲して形成されていて、ドア２の開閉時にチ
エツカケース６内を通してドア２外にスムーズに
出入するようになつている。

そして、上記メーンプレート７とチエツカブラ
ケツト９との連結部においては、第３図に詳示す
るように、メーンプレート７の結合端に樹脂等か
らなる異音防止用のブツシユ１４が装着されてい
る。該ブツシユ１４は、第４図にも示すように、
互いに重ね合せ可能に連結された上部片１４ａと
下部片１４ｂとでメーンプレート７に対しその上
下面を挾んで装着されるようになつており、上記
上部片１４ａおよび下部片１４ｂには、それぞれ
その中央部にメーンプレート７のピン孔（図示せ
ず）内に嵌合した状態でピン１０を挿通可能なピ
ン挿通部１４ｃ，１４ｃが形成されているととも
に、内面側周縁部に上部片１４ａと下部片１４ｂ
とを重ね合せた際に互いに凹凸嵌合する２組の係
合部１４ｄ，１４ｄ，…が形成されている。ま
た、上記上部片１４ａの外面側周縁部にはその外
面より突出する突起部１４ｅが形成されており、
該突起部１４ｅは、メーンプレート７とチエツカ
ブラケツト９とを連結した状態においてはチエツ
カブラケツト９とは何等干渉しないようになつて
いる。尚、上記ブツシユ１４は、その上部片１４
ａと下部片１４ｂとをメーンプレート７に対し上
下逆にして装着する際には係合部１４ｄ，１４
ｄ，…および上部片１４ａと下部片１４ｂとを連
結する連結部１４ｆがメーンプレート７自体と干
渉して装着できないようになつている。

一方、上記チエツカブラケツト９は、所定の間
隔を隔てて対向する上下一対のＬ字状のブラケツ
ト９ａ，９ｂからなり、該両ブラケツト９ａ，９
ｂ間に、上記のブツシユ１４が装着されたメーン
プレート７の結合端を挿入し、両ブラケツト９
ａ，９ｂのピン孔１５，１５およびメーンプレー
ト７側（ブツシユ１４のピン挿通部１４ｃ）のピ
ン孔１６にピン１０を挿通することにより、メー
ンプレート７がブツシユ１４を介してチエツカブ
ラケツト９に連結されるようになつている。そし
て、上記チエツカブラケツト９の下側のブラケツ
ト９ｂには、ピン孔１５を有する連結片部９ｃ周
縁を下方に折曲げてなるフランジ１７（第５図お
よび第６図参照）が設けられ、該フランジ１７
は、上記メーンプレート７の上下面を正規の状態
と逆にしてメーンプレート７結合端をブラケツト
９ａ，９ｂ間に挿入したときつまりメーンプレー
ト７の誤組付時に上記ブツシユ１４の突起部１４
ｅと干渉するようになつている。

次に、上記実施例の作用・効果を、ドアチエツ
カ４の組付作業手順を述べながら説明する。

チエツカケース６やメーンプレート７等の各構
成部品を所定通りに組立てて構成されたドアチエ
ツカ４に対しては、先ず、ドアの艤装工程におい
て、ドア２の内部にドアチエツカ４全体を作業穴
を通して挿入し、該ドアチエツカ４のメーンプレ
ート７の一端（ブツシユ１４が装着されている結
合端）をドア２のピラー対向面部２ａの開口部８
よりドア２外に延出せしめた状態でチエツカケー
ス６をドア２のピラー対向面部２ａにボルト５止
めによつて取付けることがなされる。

この場合、チエツカケース６のドア２への取付
けは、該チエツカケース６自体がドア２内にあつ
て見えない状態のいわゆる盲作業となるため、チ
エツカケース６の上下ないしメーンプレート７の
上下面を誤つて正規の状態と逆にして取付けるこ
とがある。尚、このチエツカケース６の取付けを
行つた後、ドア２外に延出するメーンプレート７
の結合端におけるブツシユ１４の突起部１４ｅ等
を見ることによつてチエツカケース６が正しく取
付けられているか否かを確認することができる
が、突起部１４ｅ等の目印は見落され易いのが現
状である。

そして、上述の如く内部にドアチエツカ４が設
けられたドア２に対する艤装作業が終つた後該ド
ア２を車体に取付ける場合に、ドア２外に延出す
る上記メーンプレート７の結合端を車体側（ピラ
ー１）のチエツカブラケツト９にピン１０結合に
よつて連結する。

この際、上記メーンプレート７の上下面が正規
の状態にある場合には、ブツシユ１４が装着され
たメーンプレート７の結合端をチエツカブラケツ
ト９の上下一対のブラケツト９ａ，９ｂ間に挿入
しても部材干渉が生じることはなく、ブラケツト
９ａ，９ｂのピン孔１５，１５およびメーンプレ
ート７側のピン孔１６にピン１０を通してメーン
プレート７とチエツカブラケツト９とをブツシユ
１４を介在せしめた状態で連結することができ、
以上によつて、ドアチエツカ４の組付作業が終了
する。

一方、上記メーンプレート７の上下面が正規の
状態と逆になつている場合には、第５図および第
６図に示すように、メーンプレート７の結合端に
おけるブツシユ１４の突起部１４ｅが下向きに突
出した状態にあり、メーンプレート７の結合端を
チエツカブラケツト９の上下一対のブラケツト９
ａ，９ｂ間に挿入したとき、上記ブツシユ１４の
突起部１４ｅが下側のブラケツト９ｂに設けられ
たフランジ１７と干渉し、ブラケツト９ａ，９ｂ
のピン孔１５，１５とメーンプレート７側のピン
孔１６とが合致しなくなり、ピン１０を挿通でき
ず、メーンプレート７とチエツカブラケツト９と
のピン結合はできない。そのことにより、メーン
プレート７の誤組付を知り、それを是正すべくメ
ーンプレート７を正規の状態にしてピン結合さ
れ、よつてドアチエツカ４の誤組付を確実に防止
することができる。

しかも、上述の如くドアチエツカ４の誤組付を
防止するための構造自体は、単にメーンプレート
７の結合端に装着される異音防止用のブツシユ１
４に突起部１４ｅを形成し、チエツカブラケツト
９（下側のブラケツト９ｂ）にフランジ１７を設
けただけの簡単なものであるため、実施する上で
非常に有利である。

尚、上記実施例では、メーンプレート７の一端
をチエツカブラケツト９にピン結合するに当り、
メーンプレート７の結合端に突起部１４ｅを有す
る異音防止用のブツシユ１４を装着し、チエツカ
ブラケツト９にフランジ１７を設けたが、逆に、
メーンプレートの結合端にフランジを設け、チエ
ツカブラケツトにブツシユを装着する構成にして
もよい。要は、メーンプレートの上下面が正規の
状態と逆になつて組付けられる誤組付時に上記ブ
ツシユの突起部とフランジとが干渉するように構
成すればよいのである。

（考案の効果） 以上の如く、本考案における自動車のドアチエ
ツカ構造によれば、メーンプレートの上下面が正
規の状態と逆になつている場合には、該メーンプ
レートの結合端を車体側のチエツカブラケツトに
ピン結合する際に該両部材に各々設けられた異音
防止用ブツシユの突起部とフランジとが干渉し合
うので、上記両部材のピン結合うことができず、
ドアチエツカの誤組付を確実に防止することがで
きる。しかも、構造自体が異音防止用ブツシユを
利用した簡単なものであるため、実施する上で有
利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
ドアチエツカ構造の全体を示す横断平面図、第２
図は同縦断側面図であり、第３図はメーンプレー
トとチエツカブラケツトとの連結部の分解斜視
図、第４図はブツシユの展開状態を示す斜視図で
あ。第５図はメーンプレートの誤組付時における
ブツシユの突起部とフランジとの干渉状態を示す
側面図、第６図は第５図のＡ矢方向から見た矢視
図である。 ４……ドアチエツカ、７……メーンプレート、
９……チエツカブラケツト、１０……ピン、１４
……ブツシユ、１４ｅ……突起部、１７……フラ
ンジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. メーンプレートの一端が車体側のチエツカブラ
   ケツトにピン結合される自動車のドアチエツカ構
   造であつて、上記メーンプレートの結合端および
   チエツカブラケツトのいずれか一方には、突起部
   を有する異音防止用のブツシユが装着されてお
   り、他方には、メーンプレートの誤組付時に上記
   ブツシユの突起部と干渉するフランジが設けられ
   ていることを特徴とする自動車のドアチエツカ構
   造。