JP2013052816A - 車両カウル部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】外観性を向上可能な車両カウル部構造を提供する。
【解決手段】車両カウル部構造100において、フードヒンジ116を車体に固定するフードヒンジブラケット132はカウルトップガーニッシュサイド112が取り付けられる取付座面134aを一体的に有し、フードヒンジブラケット132の取付座面134aとカウルトップガーニッシュサイド112とを結合する際に両者の位置合わせを行う位置合わせ部122,134bが、カウルトップガーニッシュサイド112とフードヒンジブラケット132にそれぞれ設けられている。
【選択図】図3
【解決手段】車両カウル部構造100において、フードヒンジ116を車体に固定するフードヒンジブラケット132はカウルトップガーニッシュサイド112が取り付けられる取付座面134aを一体的に有し、フードヒンジブラケット132の取付座面134aとカウルトップガーニッシュサイド112とを結合する際に両者の位置合わせを行う位置合わせ部122,134bが、カウルトップガーニッシュサイド112とフードヒンジブラケット132にそれぞれ設けられている。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両カウル部構造に関する。
四輪車の多くは、フロントガラス前端とフロントフードとの間に、樹脂製のカウルトップガーニッシュを備えている。カウルトップガーニッシュは組付工程においてフロントフードの開閉状態を問わず組付可能であることが求められるため、カウルトップガーニッシュセンタおよび2つのカウルトップガーニッシュサイドの分割構造が採用されることが多い(特許文献1参照)。
カウルトップガーニッシュサイドには、フロントフードの開閉に伴って、フロントフードに接続して回動するフードヒンジアームが通過する切欠が形成される。かかる切欠を設けることにより、フードヒンジアームとの干渉を防止している。なお、フードヒンジアームは、回動の際に干渉しにくいよう、通常ドッグレッグ(dog-leg)形状に形成される。
カウルトップガーニッシュサイドへの切欠の形成に際しては、フードヒンジアームとの位置ズレを考慮する必要がある。これより、従来、位置ズレを見込んで切欠を形成しなければならなかったため、どうしても切欠が大きくなりがちであり、カウルトップガーニッシュサイドの外観性を損ねる問題があった。この問題に対し、フード閉時に切欠を覆うカバーを備える技術が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、フード閉時にカウルトップガーニッシュサイドの切欠を覆うカバーを備える場合、部品点数の増加となるため、コスト・製造工程の増加となる。また、車両の重量も増加してしまう。さらに、この切欠のみを覆うカバーを備え付けたところで却って不自然となるおそれもあり、外観をさらに損ねるおそれさえある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、外観性を向上可能な車両カウル部構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の代表的な構成は、車両のフロントガラス前端とフロントフードとの間に設置されるカウルトップガーニッシュサイドを含み、カウルトップガーニッシュサイドは、フロントフードを開閉可能に車体に連結するフードヒンジの一部がフロントフードの開閉に伴って通過する切欠を有する車両カウル部構造において、フードヒンジを車体に固定するフードヒンジブラケットであってカウルトップガーニッシュサイドが取り付けられる取付座面を一体的に有するフードヒンジブラケットと、カウルトップガーニッシュサイドと取付座面とを結合する際に両者の位置合わせを行う外部から不可視の位置合わせ部とをさらに含むことを特徴とする。
かかる構成によれば、カウルトップガーニッシュサイドはその組付時に取付座面との相対的な位置合わせがなされる。取付座面は、フードヒンジを車体に固定してその位置を決定しているフードヒンジブラケットに一体的に設けられているものである。そのため、カウルトップガーニッシュサイドは、フードヒンジに対して必ず適正な位置に組み付けられ、フードヒンジとの位置ズレを生じることがない。したがって、カウルトップガーニッシュサイドに形成される切欠の大きさを最小限にすることができ、カウルトップガーニッシュサイドの外観性の向上が可能である。
位置合わせ部は、カウルトップガーニッシュサイドの下面に形成された凸部と、取付座面に形成され凸部と結合する凹部とを有するとよい。これにより、カウルトップガーニッシュサイドと取付座面との相対的な位置合わせを簡便に行うことができる。
取付座面は、凸部と凹部とが結合した際にカウルトップガーニッシュサイドの下面に沿う形状をなすとよい。これにより、カウルトップガーニッシュサイド組付後、その下面が取付座面によって支持されるので、安定した姿勢を確保することができる。
カウルトップガーニッシュサイドは、可撓性を有しフェンダーパネルと結合する第1爪部と、可撓性を有しカウルトップガーニッシュセンタと結合する第2爪部とを有するとよい。これにより、周囲の部材と結合する爪部が可撓性を持つので、取付座面(フードヒンジ)に対し相対的に位置合わせしても、ある程度であれば、カウルトップガーニッシュサイドを周囲の部材に結合することができる。
本発明によれば、外観性を向上可能な車両カウル部構造を提供可能である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態にかかる車両カウル部構造(以下「カウル部構造100」と称する)を示す図である。図1(a)はカウル部構造100の斜視図であり、図1(b)はカウル部構造100の分解斜視図である。なお、図中の矢印Frは車両前側、矢印Rhは車両右側を示すものとする。
図1(a)、(b)に示すように、カウル部構造100は、フロントガラス102前端とフロントフード104との間の外板部を構成する構造である。本実施形態においてカウル部構造100は、合成樹脂製のカウルトップガーニッシュセンタ110、合成樹脂製のカウルトップガーニッシュサイド112、114、フードヒンジ116、118を含んで構成される。
カウルトップガーニッシュセンタ110は、車両幅方向に延びる部材であって、クリップ等でカウルトップパネル108(図6参照)に固定される。カウルトップガーニッシュサイド112、114は、カウルトップガーニッシュセンタ110の両端、かつフロントガラス102前端の角部とフロントフード104との間に設置される。フードヒンジ116、118は、フロントフード104を開閉可能に車体に連結する。カウルトップガーニッシュサイド112、114およびフードヒンジ116、118は、左右対称の構成のため、以下では車両右側のものについて説明する。
図2は、図1の車両右側のカウルトップガーニッシュサイド112の詳細を示す図である。図2(a)はカウルトップガーニッシュサイド112の上面図(意匠面)であり、図2(b)はカウルトップガーニッシュサイド112の下面図(非意匠面)である。図3は、図2のカウルトップガーニッシュサイド112の車両への組付を示す図である。
図2(a)、(b)および図3に示すように、カウルトップガーニッシュサイド112は切欠112b、112dを有する。フードヒンジ116の一部であるフードヒンジアーム130は、フロントフード104の開閉に伴って、この切欠112b、112dを通過する。詳しくは、カウルトップガーニッシュサイド112は、本体部112aとゴムシート112cとからなり、本体部112aの切欠112bにゴムシート112cを熱溶着し、フードヒンジアーム130がゴムシート112cの切欠112dを通過するように形成される。図2(b)中、ゴムシート112cを熱溶着する箇所を熱溶着箇所120a、120b、120c、120d、120e、120fとして示す。
なお、ゴムシート112cは必須ではないが、本体部112aの切欠112bに弾性を有するゴムシート112cを熱溶着することで異物の侵入を抑制する効果を奏する。ゴムシート112cの切欠112dとフードヒンジアーム130とが若干干渉したとしても、ゴムシート112cが弾性を有するので、フードヒンジアーム130はゴムシート112cを変形させながら円滑に切欠112dを通過することが可能である。
図2(b)に示すように、カウルトップガーニッシュサイド112の下面には、下方に突出する凸部122が形成される。かかる凸部122は、部組クリップ等で実現され、フードヒンジ116の取付座面134aの凹部134bと結合する(図3参照)。なお、取付座面134aの凹部134bは、凹みであってもよいし、孔であってもよい。
本実施形態では、上記の凸部122と凹部134bとが、外部から不可視の位置合わせ部を構成する。この位置合わせ部によって、カウルトップガーニッシュサイド112と取付座面134aとを結合して両者の位置合わせを行う。位置合わせ部は外部から不可視であるため、カウルトップガーニッシュサイド112は、外観性を損なうことなく取付座面134aへ結合可能である。外部から不可視であれば位置合わせ部の構成は本実施形態のものに限られない。例えばカウルトップガーニッシュサイド112の下面に凹みや孔を形成し取付座面134aに上方に突出する凸部を形成してこれらを位置合わせ部としてもよい。また、カウルトップガーニッシュサイド112の下面に取付座面134aの縁に嵌合して相対的な位置合わせを行う形状を形成し、かかる形状を位置合わせ部としてもよい。
図2(a)、(b)に示すように、カウルトップガーニッシュサイド112の車外側の側端には3つの第1爪部(以下、単に「爪部124a、124b、124c」と称する)が形成される。カウルトップガーニッシュサイド112の車内側の下面には2つの第2爪部(以下、単に「爪部126a、126b」と称する)が形成される。
図3に示すように、カウルトップガーニッシュサイド112を車両に組み付けるときには、まず、上記の凸部122と凹部134bを結合して、取付座面134aに対する位置合わせを行う。その上で、爪部124a、124b、124cをフェンダーパネル106に、爪部126a、126bをカウルトップガーニッシュセンタ110の孔110a、110bに結合することで組付が完了する。
ここで、位置合わせ部である凸部122、凹部134bの強度は、相対的に爪部124a、124b、124cおよび爪部126a、126bよりも高くなるように設定されている。これより、カウルトップガーニッシュサイド112と、取付座面134aの相対的な位置合わせが優先的に実現される。
一方、これらの位置合わせにより、フェンダーパネル106と爪部124a、124b、124cの結合箇所、およびカウルトップガーニッシュセンタ110と爪部126a、126bの結合箇所(孔110a、110b)にはズレが生じる。そこで、本実施形態では、爪部124a、124b、124c、および爪部126a、126bに可撓性をもたせて、若干のズレについての調整を可能としている。なお、カウルトップガーニッシュサイド112を車両に固定する手段は、ズレについての調整が可能なものであれば、本実施形態のような爪部124a、124b、124c、および爪部126a、126bに限られない。フェンダーパネル106やカウルトップガーニッシュセンタ110の結合箇所にズレについての調整を可能とする構造を設けてもよい。
図4は、図3のフードヒンジ116の詳細を示す図である。図4(a)はフロントフード104閉時のフードヒンジ116の斜視図であり、図4(b)はフロントフード104開時のフードヒンジ116の斜視図である。
図4(a)、(b)に示すように、フードヒンジ116は、フロントフード104に接続して回動するドッグレッグ形状のフードヒンジアーム130、フードヒンジ116を車体に固定するフードヒンジブラケット132、フードヒンジブラケット132に溶接固定され取付座面134aを形成するステー134からなる。フードヒンジアーム130は、ピン136によるかしめ固定等でフードヒンジブラケット132に連結される。
本実施形態では、上記取付座面134aを、フードヒンジブラケット132にステー134を一体的に溶接固定することで形成している。すなわち、フードヒンジブラケット132に一体的に連結されたステー134の一部が取付座面134aとなっている。かかる構成では、ステー134の成形が容易であるため、コストを抑えることができる。しかし、これに限らず、フードヒンジブラケット132が取付座面134aを一体的に有する構成であれば、他の構成を用いてもよい。
取付座面134aは、凸部122とその凹部134bが結合した際に、その上面がカウルトップガーニッシュサイド112の下面に沿う形状に形成される。これにより、カウルトップガーニッシュサイド112組付後、その下面が取付座面134aによって支持されるので、安定した姿勢を確保することができる。
図5は、図3の組付完了後の状態を示す図である。図5に示すように、上述したカウル部構造100によれば、カウルトップガーニッシュサイド112は、その組付時に取付座面134aひいてはフードヒンジアーム130との相対的な位置合わせがなされる。そのため、フードヒンジアーム130に対して必ず適正な位置に組み付けられる。すなわち、フードヒンジアーム130との位置ズレを生じることがない。
これに対し、従来のカウルトップガーニッシュサイドは、連結対象であるフェンダーパネル106やカウルトップガーニッシュセンタ110を基準に組み付けられるのみであり、本実施形態の位置合わせ部に相当する構成を備えていなかった。そのため、フードヒンジアームとの位置ズレを防止することができず、フードヒンジアームが通過する切欠の大きさを必然的に大きくしなければならなかった。
一方、本実施形態にかかるカウル部構造100によれば、カウルトップガーニッシュサイド112はフードヒンジアーム130との位置ズレを生じない。このため、カウルトップガーニッシュサイド112に形成される切欠112b、112dの大きさを、フードヒンジアーム130がぎりぎり通過可能な最小限の大きさにすることができる。これによりカウルトップガーニッシュサイド112の外観性の向上が可能である。また、フードヒンジアーム130の干渉を原因とするゴムシート112cの溶着剥がれや破れ、磨耗等を抑制することも可能となる。
図6は、図5のA−A断面図である。図6に示すように、フードヒンジアーム130は、ピン136を回動中心として回動する。一般に、この回動中心をなるべく低い位置に設定することで歩行者頭部保護性能(図6中、想定されるフロントフード104への衝撃荷重138を図示する)の向上を図ることができる。しかし、回動中心を低い位置に設定することはカウルトップガーニッシュサイド112との干渉を防止する観点からは不利である。したがって、従来、回動中心をあまり低い位置に設定することはできなかった。
これに対し、本実施形態では、カウルトップガーニッシュサイド112がフードヒンジアーム130に対して必ず適正な位置に組み付けられ干渉を防止することができるので、従来に比して、その回動中心を低い位置に設定しやすくなる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、車両カウル部構造に利用することができる。
100…カウル部構造、102…フロントガラス、104…フロントフード、106…フェンダーパネル、108…カウルトップパネル、110…カウルトップガーニッシュセンタ、110a、110b…孔、112、114…カウルトップガーニッシュサイド、112a…本体部、112b…切欠、112c…ゴムシート、112d…切欠、116、118…フードヒンジ、120a、120b、120c、120d、120e、120f…熱溶着箇所、122…凸部、124a、124b、124c…爪部、126a、126b…爪部、130…フードヒンジアーム、132…フードヒンジブラケット、134…ステー、134a…取付座面、134b…凹部、136…ピン、138…衝撃荷重
Claims (4)
- 車両のフロントガラス前端とフロントフードとの間に設置されるカウルトップガーニッシュサイドを含み、該カウルトップガーニッシュサイドは、該フロントフードを開閉可能に車体に連結するフードヒンジの一部が該フロントフードの開閉に伴って通過する切欠を有する車両カウル部構造において、
前記フードヒンジを車体に固定するフードヒンジブラケットであって前記カウルトップガーニッシュサイドが取り付けられる取付座面を一体的に有するフードヒンジブラケットと、
前記カウルトップガーニッシュサイドと前記取付座面とを結合する際に両者の位置合わせを行う外部から不可視の位置合わせ部とをさらに含むことを特徴とする車両カウル部構造。 - 前記位置合わせ部は、前記カウルトップガーニッシュサイドの下面に形成された凸部と、前記取付座面に形成され該凸部と結合する凹部とを有することを特徴とする請求項1に記載の車両カウル部構造。
- 前記取付座面は、前記凸部と凹部とが結合した際に前記カウルトップガーニッシュサイドの下面に沿う形状をなすことを特徴とする請求項2に記載の車両カウル部構造。
- 前記カウルトップガーニッシュサイドは、可撓性を有しフェンダーパネルと結合する第1爪部と、可撓性を有しカウルトップガーニッシュセンタと結合する第2爪部とを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両カウル部構造。
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Cited By (2)
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US8726466B2 (en) * | 2012-07-30 | 2014-05-20 | Hyundai Motor Company | Hood hinge apparatus for vehicle |
JP2015085816A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | ダイハツ工業株式会社 | 車両の車体前部構造 |
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2011
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