JP5487194B2 - 車両用ドア - Google Patents
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Description
特に、ドアビームがドア本体の下方領域に近接して配置されている場合には、荷重伝達部材の挿入時に、荷重伝達部材がドアビームと干渉し易くなる。
請求項1に係る発明は、ドアインナパネル(例えば、実施形態のドアインナパネル3)とドアアウタパネル(例えば、実施形態のドアアウタパネル2)の周縁部を接合して内部に中空部(例えば、実施形態の中空部4)が形成されたドア本体(例えば、実施形態のドア本体5)と、このドア本体の中空部内に設置され、前記ドア本体のドア幅方向に亙って延出するドアビーム(例えば、実施形態のロアドアビーム8)と、前記ドア本体の中空部内のうちの下方領域に配置されて、前記ドア本体の外部から入力された衝撃荷重をドアインナパネルに伝達する荷重伝達部材(例えば、実施形態の荷重伝達部材9)とを備え、前記ドア本体は、下端の近傍領域にあってドア厚み方向の幅の狭い狭幅部(例えば、実施形態の狭幅部10)と、この狭幅部の上方側にあって当該狭幅部よりもドア厚み方向の幅の広い拡幅部(例えば、実施形態の拡幅部11)とを備え、前記荷重伝達部材は、前記拡幅部内に配置される伝達部材本体(例えば、実施形態の伝達部材本体13)と、この伝達部材本体から下方に向かって突設され、前記狭幅部に挟持固定される突出部(例えば、実施形態の突出部14)とを備え、前記伝達部材本体は、ドア厚み方向の一側面が前記ドアアウタパネルとドアインナパネルのうちの一方のパネルに当接、若しくは近接する下部領域(例えば、実施形態の下部領域22)と、この下部領域から上方に向かうにつれてドア厚み方向の一側面が前記一方のパネルから離間するように傾斜し、かつドア厚み方向の他側面が前記ドアアウタパネルとドアインナパネルのうちの他方のパネルに当接、若しくは近接する傾斜領域(例えば、実施形態の傾斜領域23)とを有し、前記下部領域から前記傾斜領域にかけてのドア厚み方向の幅が、前記ドアインナパネルとドアアウタパネルのうちの片側のパネルと前記ドアビームとの間の挿入部(例えば、実施形態の挿入部24)の幅よりも狭く設定され、前記荷重伝達部材は、前記伝達部材本体のドア幅方向の一端側に設けられ、前記ドア本体の中空部内においてドア本体側の固定部(例えば、実施形態の固定片18)に係止固定される係止部(例えば、実施形態の係止爪17a,17b,17c)をさらに備え、前記伝達部材本体の傾斜領域のドア厚み方向の一側面は、前記係止部から離れるにつれて前記一方のパネルから離間するように傾斜していることを特徴とするものである。
これにより、荷重伝達部材の伝達部材本体の下部領域から傾斜領域にかけてのドア厚み方向の幅が、ドアインナパネルとドアアウタパネルのうちの片側のパネルとドアビームとの間の挿入部の幅よりも狭く設定されていることから、挿入部を通して荷重伝達部材をドア本体内の下方領域に設置することが可能になる。また、荷重伝達部材がドア本体内に設置されると、荷重伝達部材は、突出部がドア本体の狭幅部に挟持固定さるとともに、伝達部材本体の下部領域のドア厚み方向の一側面が一方のパネルに当接、若しくは近接し、伝達部材本体の傾斜領域のドア厚み方向の他側面が他方のパネルに当接、若しくは近接する。
また、伝達部材本体の傾斜領域のドア厚み方向の一側面は、上部側かつドア幅方向の他端側に向かって一方のパネルから離間するように傾斜することになる。このため、荷重伝達部材を、係止部が下になるように斜め下方に向けて先にドア本体内の下方領域に挿入し、係止部をドア本体内の固定部に近づけつつ、荷重伝達部材全体を最終組み付け姿勢に近づくように回転させながら変位させるときに、荷重伝達部材の上部側かつドア幅方向の他端側の領域がドアビームと干渉しにくくなる。
これにより、伝達部材本体が比較的広い範囲で一方のパネルに当接することになる。
これにより、荷重伝達部材は、ドア本体に係止される突出部と係止部に対して最も離れた位置でドア本体に締結固定されることになる。
これにより、ドア本体内のハーネスは、荷重伝達部材がドア本体に締結固定される部位の近傍において、ハーネス係止部に係止されることになる。
したがって、この発明によれば、衝撃荷重の伝達性を犠牲にすることなく、荷重伝達部材の組み付け作業性を向上させることができる。
図1は、この実施形態に係る車両用ドア1(以下、「ドア1」と呼ぶ。)を車室内方向から見た図であり、図2は、ドア1の内部の部材を車室内方向から見た図、図3は、ドア1の一部を破断して示した斜視図である。
これらの図に示すように、ドア1は、ドアアウタパネル2(図3参照。)とドアインナパネル3の周縁部が相互に接合されて内部に中空部4(図3参照)が設けられたドア本体5と、ドア本体5の上部に固定設置されたドアサッシュ部6と、ドア本体5の中空部4内に設置され、ドア本体5のドア幅方向に亙って延出するアッパドアビーム7及びロアドアビーム8(ドアビーム)と、ドア本体5の中空部4内のうちの後部側下方領域に配置されて、ドア本体5の外部から入力された衝撃荷重をドアインナパネル3を通して車体骨格部材であるサイドシル(図示せず)に伝達する荷重伝達部材9と、を備えている。
したがって、ドア本体5の下縁部から後部側の側縁部に亙る領域では、ドアアウタパネル2とドアインナパネル3の間の離間幅(ドア厚み方向の幅)が段階状に変化している。この実施形態においては、ドア本体5の下縁部と側縁部の各外側寄りのドア厚み方向の幅の最も狭い部分を狭幅部10と呼び、この狭幅部10よりも幅の広いドア本体5の中央寄り(上部側及び前方側)部分を拡幅部11と呼ぶ。
なお、ドアインナパネル3の中央領域には、図1に示すように、ドア本体5の内部への部品の組み付けやメンテナンスの際に用いる作業孔12A,12B,12Cが設けられている。
荷重伝達部材9は、ほぼ全域が樹脂材料によって一体に形成され、図1〜図3に示すように、ドア本体5内の後部下方領域に設置されるようになっている。そして、荷重伝達部材9は、ドア本体5内の拡幅部11内に配置される厚肉で容積の大きい伝達部材本体13と、伝達部材本体13のほぼ下端中央から下方に向かって突出し、ドア本体5内の下縁側の狭幅部10に挟持固定される矩形板状の突出部14と、を備えている。突出部14のうちの狭幅部10に挿し込まれる部分にはスポンジゴム等から成るパッド材35が取り付けられている。
伝達部材本体13は、図8に示すようにアウタ面(ドア厚み方向の一側面)の下部側がドアアウタパネル2の内側面に当接、若しくは近接する下部領域22と、下部領域22から上方に向かうにつれてアウタ面がドアアウタパネル2の内側面から離間するように傾斜し、かつインナ面側がドアインナパネル3の内側面に当接、若しくは近接する傾斜領域23と、を備えている。傾斜領域23のアウタ面は傾斜面23aとされているが、この傾斜面23aは、さらに係止爪17a,17b,17c部分から前方側に離れるにつれてドアアウタパネル2の内側面から離間するようにも傾斜している。つまり、傾斜領域22の傾斜面22aは、上部側かつ前部側のコーナー部分に向かってドアアウタパネル2から離間するように傾斜している。
以下、これらの図を参照してドア本体5に対する荷重伝達部材9の組み付けについて説明する。
荷重伝達部材9は、最初に係止爪17a,17b,17c側が下に向くように全体を前後方向に90°回転させ、かつ下端側をドアアウタパネル2側に若干傾けた姿勢において、作業孔12Aからドアインナパネル3とロアドアビーム8の間の挿入部24に挿入される。
荷重伝達部材9は、次にこの状態から係止爪17a,17b,17cをドア本体5内の固定片18に近づけ、かつ突出部14をドア本体5の下方の狭幅部10に近づけるように前後方向に回転させ、このとき同時に車幅方向の傾き姿勢も矯正される。
次に、荷重伝達部材9は、この状態のまま延出部26の上端部(ナット28部分)がドアインナパネル3にボルト27によって締結固定される。
したがって、このドア1においては、衝撃荷重の伝達性能を犠牲にすることなく、荷重伝達部材9の組み付け作業性を向上させることができる。
2…ドアアウタパネル
3…ドアインナパネル
4…中空部
5…ドア本体
6…ドアサッシュ部
8…ロアドアビーム(ドアビーム)
9…荷重伝達部材
10…狭幅部
11…拡幅部
13…伝達部材本体
14…突出部
17a,17b,17c…係止爪(係止部)
18…固定片(固定部)
21…ビームブラケット
22…下部領域
23…傾斜領域
23a…傾斜面
24…挿入部
25…当接面
26…延出部
27…ボルト(締結部材)
28…ナット(締結固定部)
29…ハーネス
30…ハーネス係止片(ハーネス係止部)
Claims (6)
- ドアインナパネルとドアアウタパネルの周縁部を接合して内部に中空部が形成されたドア本体と、
このドア本体の中空部内に設置され、前記ドア本体のドア幅方向に亙って延出するドアビームと、
前記ドア本体の中空部内のうちの下方領域に配置されて、前記ドア本体の外部から入力された衝撃荷重をドアインナパネルに伝達する荷重伝達部材とを備え、
前記ドア本体は、下端の近傍領域にあってドア厚み方向の幅の狭い狭幅部と、この狭幅部の上方側にあって当該狭幅部よりもドア厚み方向の幅の広い拡幅部とを備え、
前記荷重伝達部材は、前記拡幅部内に配置される伝達部材本体と、この伝達部材本体から下方に向かって突設され、前記狭幅部に挟持固定される突出部とを備え、
前記伝達部材本体は、ドア厚み方向の一側面が前記ドアアウタパネルとドアインナパネルのうちの一方のパネルに当接、若しくは近接する下部領域と、この下部領域から上方に向かうにつれてドア厚み方向の一側面が前記一方のパネルから離間するように傾斜し、かつドア厚み方向の他側面が前記ドアアウタパネルとドアインナパネルのうちの他方のパネルに当接、若しくは近接する傾斜領域とを有し、
前記下部領域から前記傾斜領域にかけてのドア厚み方向の幅が、前記ドアインナパネルとドアアウタパネルのうちの片側のパネルと前記ドアビームとの間の挿入部の幅よりも狭く設定され、
前記荷重伝達部材は、前記伝達部材本体のドア幅方向の一端側に設けられ、前記ドア本体の中空部内においてドア本体側の固定部に係止固定される係止部をさらに備え、
前記伝達部材本体の傾斜領域のドア厚み方向の一側面は、前記係止部から離れるにつれて前記一方のパネルから離間するように傾斜していることを特徴とする車両用ドア。 - 前記伝達部材本体は、ドア幅方向の一端側かつ下部側のコーナーから前記突出部および前記係止部に至るまでの領域に、前記一方のパネルに当接する当接面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア。
- 前記荷重伝達部材は、前記伝達部材本体のドア幅方向の他端側かつ上部側において、締結部材によって前記ドア本体に締結固定される締結固定部を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ドア。
- 前記締結固定部は、前記伝達部材本体から上方に向かって延出する延出部に設けられ、前記延出部は、前記締結固定部よりも上方側位置で、前記ドア本体内のハーネスを係止するハーネス係止部を備えていることを特徴とする請求項3に記載の車両用ドア。
- 前記ドア本体側の固定部は、前記ドアビームの端部を前記ドア本体に固定する金属板製のビームブラケットに一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用ドア。
- 前記伝達部材本体の傾斜領域の傾斜面は、前記ドアアウタパネルと対向する側に設けられ、
前記伝達部材本体の前記ドアインナパネルと対向する側には、前記ドアインナパネルに当接、若しくは近接する近接面が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用ドア。
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