JPH09272387A - 車両用ドアの車室内侵入防止構造 - Google Patents

車両用ドアの車室内侵入防止構造

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JPH09272387A
JPH09272387A JP8110394A JP11039496A JPH09272387A JP H09272387 A JPH09272387 A JP H09272387A JP 8110394 A JP8110394 A JP 8110394A JP 11039496 A JP11039496 A JP 11039496A JP H09272387 A JPH09272387 A JP H09272387A
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vehicle
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JP8110394A
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Koichi Sagawa
浩一 佐川
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の側面衝突が発生した時には、ドアと車
体とを係合させて横方向の衝突荷重を車体に伝え車室内
へのドアの侵入を確実に防止する一方、車両の前面衝突
時にあってはドアが車体に係合しないようにしてドアの
開放を確保する。 【解決手段】 車体側面側の乗降用開口部を開閉するド
ア本体10の周端面に設けられドア外部に突出可能な係
合部材14と、前記乗降用開口部の周面に設けられ前記
係合部材14が突出した時に係合する係合孔17と、車
両の側面衝突が発生した時にドア本体10の変形によっ
て前記係合部材14をドア外部に突出させるドア本体1
0内に配設されたメタルパッド13とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の側面衝突時
に車両用ドアが車室内へ侵入するのを防止するための車
両用ドアの車室内侵入防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来における車両用ドアの車室内侵入防
止構造としては、例えば図14乃至図16に示したもの
が知られている(実開昭58−6618号及び実開昭6
1−105274号参照)。図15に示した車室内侵入
防止構造では、ドアアウタパネル2とドアインナパネル
3とで構成されるドア本体1の下面に下方へ突出する係
合部材4が設けられる一方、サイドシル5の上面にはブ
ラケット6が配設され、ドア本体1を閉じた時に係合部
材4がブラケット6に係合する構造となっている。その
ため、車両の側面衝突時にはドアに作用する横方向の荷
重が係合部材4とブラケット6とを介してサイドシル5
に伝達される。また、図16に示した車室内侵入防止構
造では、ドアアウタパネル2とドアインナパネル3とで
構成されるドア本体1の下部にコ字状のフック片7を車
室内側に向けて設ける一方、サイドシル5には前記フッ
ク片7と対向した位置に係合孔8を設け、車両の側面衝
突時にはドア本体1が車室内側に侵入するのに伴って前
記フック片7が係合孔8に嵌まり込むことで、ドア本体
1の車室内への侵入を防止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車両用ドアの車室内侵入防止構造にあって
は、前者の場合には常に係合部材4がブラケット6に係
合しているため、前面衝突が発生した時には車両前後方
向でも係合部材4がブラケット6に噛み合う可能性があ
り得るという問題点があった。
【0004】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたものであり、側面衝突が発生した場合にの
み、ドア侵入方向と直交する方向に係合部材を突出させ
てドアと車体とを確実に係合させることで、車室内への
ドアの侵入を確実に防止すると共に、前面衝突時におい
てはドアの開放を確保し、また側面衝突時におけるドア
めくれなどを確実に防止することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
車両用ドアの車室内侵入防止構造は、車体側面側の乗降
用開口部を開閉するドアの周端面に設けられドア外部に
突出可能な係合部材と、前記乗降用開口部の周面に設け
られ前記係合部材が突出した時に係合する被係合部材
と、車両の側面衝突が発生した時にドアの変形によって
前記係合部材をドア外部に突出させるドア本体内に配設
された緩衝材とからなることを特徴とする。
【0006】また上記緩衝材は、ドアのインナ側からア
ウタ側に向かって下方に傾斜する面を有していることを
特徴とし、更に上記緩衝材は、車両側面からの入力に対
する圧縮変形に伴い、その方向と直交する方向に膨張変
形することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下添付図面に基づいて本発明に
係る車両ドアの車室内侵入防止構造の実施例を詳細に説
明する。図1は本発明の第一実施例を示したものであ
り、ドアアウタパネル11とドアインナパネル12とで
構成されるドア本体10の内部に断面略コ字形状のメタ
ルパッド13が配設される。メタルパッド13は、ドア
インナパネル12に接合された上端部からドアアウタパ
ネル11に向かって斜め下方に延びる上面部13aと、
ドアアウタパネル11の内側に沿って下方に延びる側面
部13bと、側面部13bの下端からドアインナパネル
12に向かって略水平に延びる下面部13cとで構成さ
れるが、下面部13cの端部は上端部と異なってドアイ
ンナパネル11には接合されていない。また、メタルパ
ッド13の下面部13cには先端がドアインナパネル1
2の下部から突出する係合部材14が取り付けられてい
る。この係合部材14は、軸部14aの両端に前記下面
部13cに固定される頭部14bと、ドアインナパネル
12の下面に設けられた突出孔15から突出する係合突
起14cを備えた形状である。一方、サイドシル16の
上面には上記係合部材14の下方突出時に係合突起14
cが嵌まり込んで係合する被係合部材としての係合孔1
7が開設されている。なお、符号18は係合孔17の車
室内側の周縁に設けられた補強材である。
【0008】図2乃至図5は、上記構成からなる車両ド
アの車室内侵入防止構造において、車両の側面衝突が発
生した場合の作用を示したものである。先ず、側面衝突
によってドアアウタパネル11に側面方向の力F1が入
力されると、ドアアウタパネル11が車室内側に移動
し、緩衝材であるメタルパッド13の側面部13bと接
触する(図2)。この時、メタルパッド13は上面部1
3aがドアアウタパネル11に向かって下方側に傾斜し
ているため下向きの力を受けることになる(図3)。メ
タルパッド13は下端部がドアインナパネル12に接合
されていないため、上面部13aの傾斜が更に強くなる
ことで下面部13cが押し下げられる。そして、これに
伴って係合部材14も下方に移動し、先端の係合突起1
4cがサイドシル16の上面に開設された係合孔17内
に侵入する(図4)。更にドア本体10の変形が大きく
なって、ドア本体10とサイドシル16との相対変位が
生じた場合、即ち、ドアの車室内侵入が発生した場合に
は係合部材14の係合突起14cが係合孔17の内周縁
に係合するため、ドアに作用する横方向荷重をサイドシ
ル16に伝達することで、ドア本体10の車室内への侵
入が防止されることになる(図5)。
【0009】このように、車両の側面衝突が発生した場
合にはドア侵入方向と直交する方向に係合部材14を突
出させて車体の一部をなすサイドシル16に係合させる
ことで、ドアの車室内への侵入を確実に防ぐことができ
る他、ドアアウタパネル11のめくれを防止することが
できる。また、上述の構造では車両の前面衝突時にあっ
てはメタルパッド13が下側方向に移動する力を受けな
いので、係合部材14がサイドシル16の係合孔17に
侵入することもなく、ドアを開放する上での妨げになる
虞れがない。
【0010】図6は、本発明の第二実施例を示したもの
である。この実施例においてもドアアウタパネル11と
ドアインナパネル12とで構成されるドア本体10内に
先の実施例と同様のメタルパッド23が設置され、この
メタルパッド23の下側に係合部材24が設けられる。
この係合部材24は、先の実施例とは異なって頭部24
bが前記メタルパッド23の下面部23cに固定されて
おらず、軸部24aの周囲に配置された筒状のガイド部
材25と、ドアインナパネル12の下面と係合部材24
の頭部24bとの間に挟み込まれたスプリング26の付
勢力によって所定位置に保持されている。なお、サイド
シル16の上面には上記係合部材24の下方突出時に係
合突起24cが嵌まり込んで係合する係合孔17が開設
され、その周縁には補強材18が設けられている。
【0011】図7は、上記構成からなる車両ドアの車室
内侵入防止構造において、車両の側面衝突が発生した場
合の作用を示したものである。この図にも示されたよう
に、側面衝突によってドアアウタパネル11に側面方向
の力F2が入力されると、先ずドアアウタパネル11が
乗員側に移動し、緩衝材であるメタルパッド23の側面
部23bと接触する。メタルパッド23は、上面部23
aがドアアウタパネル11に向かって下方側に傾斜して
いるために下向きの力を受ける。メタルパッド23が押
し下げられて下面部23cが下方へ移動すると、係合部
材24も一緒に押し下げられるが、この実施例では係合
部材24の下方移動に伴ってスプリング26が押し縮め
られる。係合部材24はガイド部材25にガイドされな
がら下方に移動し、ドア本体10の外側へ突出する。突
出した係合突起24cはサイドシル16の係合孔17内
に侵入し、ドアの車室内侵入が発生した場合に係合孔1
7の内周縁に係合してドアに作用する横方向荷重を車体
に伝達することができる。また、この実施例ではガイド
部材25とスプリング26を設けたことで、係合部材2
4の突出方向が安定すると共に係合孔17との係合もよ
り確実になるといった効果がある。
【0012】図8は本発明の第三実施例を示したもので
あり、ドアアウタパネル11とドアインナパネル12と
で構成されるドア本体10内にパッド33が配設されて
いる。このパッド33の下面部33cは、ドアインナパ
ネル12からドアアウタパネル11に向かって下方に傾
斜している。また、パッド33の下方側には係合部材3
4が配設され、先の実施例と同様に、その軸部34aの
周囲には筒状のガイド部材35とスプリング36とが配
置される。係合部材34の頭部34bはパッド33の下
面部33cと円滑な接触を保つために球面状に形成され
ている。なお、サイドシル16の上面には上記係合部材
34の下方突出時に係合突起34cが嵌まり込んで係合
する係合孔17が開設され、その周縁には補強材18が
設けられている。
【0013】図9は上記構成からなる車両ドアの車室内
侵入防止構造において、車両の側面衝突が発生した場合
の作用を示したものである。この図にも示したように、
側面衝突によってドアアウタパネル11に側面方向の力
F3が入力されると、ドアアウタパネル11が乗員側に
移動し、緩衝材であるパッド33と接触する。パッド3
3が次第に押し潰されるのに伴ない、その下面部33c
で係合部材34の頭部34bを押し下げる。係合部材3
4は、スプリング36を押し縮めながら下方に移動し、
ガイド部材35の上端部に頭部34bの下面が当たる位
置まで突出する。突出した係合突起34cは、サイドシ
ル16の係合孔17内に侵入する。従って、先の実施例
と同様に、ドア本体10の変形が大きくなって車室内へ
の侵入が発生した場合に、係合突起34cが係合孔17
の内周縁に係合してドアに作用する横方向の荷重がサイ
ドシル16に伝達される。また、この実施例では側面衝
突の発生早期からパッド33が衝突エネルギを吸収する
ことが可能となる。
【0014】図10は本発明の第四実施例を示したもの
である。先の実施例と同様に、ドアアウタパネル11と
ドアインナパネル12とで構成されるドア本体10内に
はパッド43が配設され、その下方側には係合部材44
が配設されるが、この係合部材44はパッド43の下面
部43cの傾斜に対してほぼ直交する方向に軸部43a
が延びており、斜め下方に突出可能となっている。ま
た、軸部44aが傾斜しているのに対応して、ガイド部
材45及びスプリング46も傾斜した状態で配設され、
更に係合部材44の頭部44bも傾斜して設けられてお
り、パッド43の下面部43cに当接している。なお、
サイドシル16の上面には上記係合部材44の下方突出
時に係合突起44cが侵入して係合する係合孔17が開
設され、その周縁には補強材18が設けられている。
【0015】図11は上記構成からなる車両ドアの車室
内侵入防止構造において、車両の側面衝突が発生した場
合の作用を示したものである。この図にも示したよう
に、側面衝突によってドアアウタパネル11に側面方向
の力F4が入力されると、先ずドアアウタパネル11が
乗員側に移動し、緩衝材であるパッド43と接触する。
パッド43が潰れるのに伴い、パッド43の下面部43
cによって係合部材44はスプリング46を押し縮めな
がら斜め下方に移動し、ガイド部材45の上端部に頭部
44bの下面が当たる位置まで突出する。突出した係合
突起44cは、サイドシル16の係合孔17内に侵入す
る。従って、先の実施例と同様に、ドア本体10の変形
が大きくなって車室内への侵入が発生した場合に、係合
突起44cが係合孔17の内周縁に係合してドアに作用
する横方向の荷重がサイドシル16に伝達されることに
なる。また、この実施例では係合部材44を斜め下方に
突出させたことで力の伝達が効率よく行われ、係合部材
44の下方移動がよりスムーズになされるといった効果
がある。
【0016】図12は本発明の第五実施例を示したもの
である。この実施例ではドアアウタパネル11とドアイ
ンナパネル12とで構成されるドア本体10内にボリュ
ームの大きい弾性体からなる緩衝材53が配置され、そ
の下方に係合部材54が配設されるが、この係合部材5
4は上記第2実施例と同様に、軸部54aの周囲に配置
された筒状のガイド部材55と、ドアインナパネル12
の下面と係合部材54の頭部54bとの間に配設された
スプリング56によって所定位置に支持されている。な
お、サイドシル16の上面には上記係合部材54の下方
突出時に係合突起54cが侵入する係合孔17が開設さ
れ、その周縁には補強材18が設けられている。
【0017】図13は上記構成からなる車両ドアの車室
内侵入防止構造において、車両の側面衝突が発生した場
合の作用を示したものである。この図にも示したよう
に、側面衝突によってドアアウタパネル11に側面方向
の力F5が入力されると、先ずドアアウタパネル11が
乗員側に移動し、緩衝材53と接触する。緩衝材53は
車両横方向に潰れるのに伴い、上下方向には膨張変形し
て伸び下面部53cで係合部材54を下方に押し下げ
る。係合部材54はガイド部材55の上端部に頭部54
bの下面が当たる位置まで突出し、先端の係合突起54
cはサイドシル16の係合孔17内に侵入する。従っ
て、先の実施例と同様に、ドア本体10の変形が大きく
なって車室内への侵入が発生した場合に、係合突起54
cが係合孔17の内周縁に係合することでドアに作用す
る横方向の荷重がサイドシル16に伝達される。また、
この実施例では緩衝材53に弾性体を用いたことで形状
の自由度が大きくなるといった効果がある。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る車両
用ドアの車室内侵入防止構造によれば、側面衝突が発生
した場合にはドアの侵入方向と直交する方向に係合部材
を突出させて車体に係合させる構造としたので、ドアに
作用する横方向の衝突荷重が車体側に伝達されることに
なり、車室内へのドアの侵入を確実に防止することがで
きる。また、ドアの侵入方向と直交する方向で車体に係
合させたので、側面衝突時にドアパネルがめくれるなど
の問題も生じない。更に、本発明の構造では車両の前面
衝突時にあっては係合部材が突出して車体側と係合する
ことがないので、ドアの開放が確保されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す車室内侵入防止構造
の断面図である。
【図2】ドアアウタパネルに側面方向の力F1が入力し
た時の断面図である。
【図3】緩衝材に下向きの力が加わった時の断面図であ
る。
【図4】係合部材がドアの外側に突出した時の断面図で
ある。
【図5】係合部材がサイドシルの係合孔に係合している
状態を示す断面図である。
【図6】本発明の第二実施例を示す車室内侵入防止構造
の断面図である。
【図7】側面衝突時における係合部材と係合孔との係合
状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第三実施例を示す車室内侵入防止構造
の断面図である。
【図9】側面衝突時における係合部材と係合孔との係合
状態を示す断面図である。
【図10】本発明の第四実施例を示す車室内侵入防止構
造の断面図である。
【図11】側面衝突時における係合部材と係合孔との係
合状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第五実施例を示す車室内侵入防止構
造の断面図である。
【図13】側面衝突時における係合部材と係合孔との係
合状態を示す断面図である。
【図14】ドアの侵入防止構造が適用される車両用ドア
の内側正面図である。
【図15】従来の車室内侵入防止構造の一例を示す図1
5のA−A線断面図である。
【図16】従来の車室内侵入防止構造の他の例を示す図
15のA−A線断面図である。
【符号の説明】
10 ドア本体 11 ドアアウタパネル 12 ドアインナパネル 13 メタルパッド(緩衝材) 14 係合部材 16 サイドシル(車体) 17 係合孔(被係合部材)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側面側の乗降用開口部を開閉するド
    アの周端面に設けられドア外部に突出可能な係合部材
    と、前記乗降用開口部の周面に設けられ前記係合部材が
    突出した時に係合する被係合部材と、車両の側面衝突が
    発生した時にドアの変形によって前記係合部材をドア外
    部に突出させるドア本体内に配設された緩衝材とからな
    ることを特徴とする車両用ドアの車室内侵入防止構造。
  2. 【請求項2】 上記緩衝材は、ドアのインナ側からアウ
    タ側に向かって下方に傾斜する面を有していることを特
    徴とする請求項1記載の車両用ドアの車室内侵入防止構
    造。
  3. 【請求項3】 上記緩衝材は、車両側面からの入力に対
    する圧縮変形に伴い、その方向と直交する方向に膨張変
    形することを特徴とする請求項1記載の車両用ドアの車
    室内侵入防止構造。
JP8110394A 1996-04-05 1996-04-05 車両用ドアの車室内侵入防止構造 Pending JPH09272387A (ja)

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