JP3680397B2 - 自動車のドア構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドアアウタパネルとドアトリムとの間に、側突時においてドアアウタパネルがドアインナパネルに対して底付き変形(ドアアウタパネルとドアインナパネルとが最も近接する状態のこと)する前に該ドアアウタパネルで押圧されて車室内側に進入し、乗員に当接する緩衝部材を備えたような自動車のドア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例の自動車のドア構造としては、例えば、特開平4−362415号公報に記載の構造がある。
すなわち、ドアトリムの所要部位に、薄肉部で囲繞されて、該薄肉部より切離し可能な可切離部を形成し、可切離部の背面に緩衝体ブロックを突設すると共に、該緩衝体ブロックをドアインナパネルに形成した貫通孔を通してドア本体内に突出配置し、車両の側面衝突時に、ドアアウタパネルの変形により上述の緩衝体ブロックに衝突入力が作用すると、可切離部が薄肉部より切り離されて、緩衝体ブロックと一体に車室内に進出移動すべく構成した自動車用ドアである。
【0003】
この従来構造によれば、車両の側突時に可切離部が切り離されることで、ドアトリムと緩衝体ブロックとが一体的に車室内側へ進入して、側突エネルギを吸収することができる利点がある反面、上述のドアトリムは可切離部に対応する一部分のみであるため、乗員を緩衝体ブロック進入時にドアトリムで車室内方へ押圧することができない問題点があった。
また上述の可切離部を囲繞する薄肉部の肉厚が薄すぎる場合には振動が発生し、逆に厚すぎる場合には切離不可となるため、薄肉部の肉厚設定が煩雑な問題点があった。
【0004】
さらに、上述のドアトリムの車室内側には一般にドアポケット部材、アシストハンドル部材、リセス部材などの対ドア取付部材が配設され、上述の対ドア取付部材は乗員が該部材を持ってドアの開閉を行なう場合を想定して、所定の取付け強度にてドアインナパネルに取付けられるため、このような対ドア取付部材を有するドアにあっては、側突時における上記緩衝体ブロックの車室内側へ進入動が、対ドア取付部材により不充分となる。
【0005】
因に、従来の対ドア取付部材たとえばドアポケット部材のドアインナパネルに対する取付け構造を示すと、図34の通りである。つまり、チップなどにより構成された基材91、発泡層92、表皮93からなるドアトリム94の車室側に合成樹脂製のドアポケット部材95を配設し、このドアポケット部材95の取付けボス部96を、ドアトリム94の開口部94aを介してドアインナパネル97側へ延設し、このドアインナパネル97に一体的に固着されたナット部材98に対してスクリュ99を用いて上述の取付けボス部96を固着している。
【0006】
このドアポケット部材95は上述の緩衝体ブロックと車幅方向においてラップすると共に、既述したように乗員が該ドアポケット部材95を持ってドアの開閉を行なうような場合を想定して、充分な取付け強度が確保されるように、その肉厚等が設定されているので、側突時における上述の緩衝体ブロックの車室内側への進入動が、このドアポケット部材95により不充分となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の請求項1記載の発明は、側突時に緩衝部材に押圧されたドアトリムが対ドア取付部材(ドアポケット部材、アシストハンドル部材、リセス部材など)に抗して車室内側方向に移動するのを許容すべく構成することで、上述の対ドア取付部材の取付け強度を確保しつつ、該対ドア取付部材があっても側突時における緩衝部材の車室内側への進入動を許容し、ドアトリムで乗員を車室内方へ移動させて、障害値の大幅な低減を図ることができる自動車のドア構造の提供を目的とする。
【0008】
この発明の請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の目的と併せて、対ドア取付部材それ自体に許容手段を設けることで、側突時における緩衝部材およびドアトリムの車室内側への進入動を許容することができる自動車のドア構造の提供を目的とする。
【0009】
この発明の請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の目的と併せて、対ドア取付部材のドアインナパネルに対する取付け部に許容手段を設けることで、側突時における緩衝部材およびドアトリムの車室内側への進入動を許容することができる自動車のドア構造の提供を目的とする。
【0010】
この発明の請求項4記載の発明は、上記請求項1,2もしくは3記載の発明の目的と併せて、対ドア取付部材周囲のドアトリム部分に許容手段を設けることで、側突時に対ドア取付部材とその周囲のドアトリム部分とを分離させ、緩衝部材およびドアトリムの車室内側への進入動を許容して、ドアトリムで乗員を車室内方へ移動させることができる自動車のドア構造の提供を目的とする。
【0011】
この発明の請求項5記載の発明は、上記請求項1,2,3もしくは4記載の発明の目的と併せて、上述の許容手段を脆弱部で構成することで、側突時における緩衝部材の進入荷重で該脆弱部を破断し、緩衝部材およびドアトリムの車室内側への進入動を許容すると共に、ドアトリムで乗員を車室内方へ移動させることができる自動車のドア構造の提供を目的とする。
【0012】
この発明の請求項6記載の発明は、上記請求項1,2,3,4もしくは5記載の発明の目的と併せて、進入荷重によりドアインナパネルから外れる取付解除許容部材を介してドアトリムをドアインナパネルに取付けることで、上述の緩衝部材のより一層良好な進入動を確保し、乗員保護効果をより一層助長することができる自動車のドア構造の提供を目的とする。
【0013】
この発明の請求項7記載の発明は、上記請求項1乃至5もしくは6記載の発明の目的と併せて、上述の対ドア取付部材をドアポケット部材およびドアグリップ部材(アシストハンドル部材、リセス部材)の少なくとも一方に設定することで、これらの対ドア取付部材があっても側突時における緩衝部材およびドアトリムの車室内側への進入動を許容し、ドアトリムで乗員を車室内方へ移動させることができる自動車のドア構造の提供を目的とする。
【0014】
この発明の請求項8記載の発明は、ドアポケット部材の固着部に、進入荷重によりドアポケット部材のドアインナパネルに対する固着状態を解除する固着解除部を設けることで、このドアポケット部材の取付け強度を確保しつつ、該ドアポケットがあっても側突時における緩衝部材の車室内側へ充分な進入動を得ることができ、しかも上述の如く進入動する緩衝部材を介してドアトリム下部全体で乗員の腰部(重心位置)を車室内方へ移動させて、胸部障害値の大幅な低減を図ることができる自動車のドア構造の提供を目的とする。
【0015】
この発明の請求項9記載の発明は、上記請求項8記載の発明の目的と併せて、ドアポケット部材の取付けボス部に形成した脆弱部で上述の固着解除部を構成することにより、簡単な構造でありながら進入荷重にて該脆弱部を破断することができる自動車のドア構造を提供を目的とする。
【0016】
この発明の請求項10記載の発明は、上記請求項8もしくは9記載の発明の目的と併せて、進入荷重によりドアインナパネルから外れる取付解除許容部材を介してドアトリムをドアインナパネルに取付けることで、上述の緩衝部材のより一層良好な進入動を確保し、乗員保護効果をより一層助長することができる自動車のドア構造の提供を目的とする。
【0017】
この発明の請求項11記載の発明は、上記請求項8,9もしくは10記載の発明の目的と併せて、サイドガラスの昇降軌跡を挟んだ両側に上述の緩衝部材を配設することで、サイドガラスの昇降軌跡のレイアウト性を何等阻害することなく、緩衝部材の進入動をより一層確実かつ充分なものとすることができて、乗員保護性能の向上を図ることができる自動車のドア構造の提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1記載の発明は、ドアアウタパネルとドアトリムとの間に、側突時においてドアアウタパネルがドアインナパネルに対して底付き変形する前に該ドアアウタパネルで押圧されて車室内側に進入し、上記ドアトリムを介して乗員に当接する緩衝部材を備えた自動車のドア構造であって、上記ドアトリムの車室内側にはドアインナパネルに取付けられる対ドア取付部材が設けられ、側突時に上記緩衝部材に押圧されたドアトリムが上記対ドア取付部材に抗して車室内側方向に移動するのを許容する許容手段を備えた自動車のドア構造であることを特徴とする。
【0019】
この発明の請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成と併せて、上記許容手段は上記対ドア取付部材に設けられた自動車のドア構造であることを特徴とする。
【0020】
この発明の請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成と併せて、上記許容手段は上記対ドア取付部材のドアインナパネルに対する取付け部に設けられた自動車のドア構造であることを特徴とする。
【0021】
この発明の請求項4記載の発明は、上記請求項1,2もしくは3記載の発明の構成と併せて、上記許容手段は上記対ドア取付部材周囲のドアトリム部分に設けられた自動車のドア構造であることを特徴とする。
【0022】
この発明の請求項5記載の発明は、上記請求項1,2,3もしくは4記載の発明の構成と併せて、上記許容手段は緩衝部材の進入荷重により破断可能な脆弱部で設定された自動車のドア構造であることを特徴とする。
【0023】
この発明の請求項6記載の発明は、上記請求項1,2,3,4もしくは5記載の発明の構成と併せて、上記ドアトリムは上記緩衝部材の車室内側への進入を許容すべく上記進入荷重によりドアインナパネルからの取付けが外れるように取付解除許容部材を介してドアインナパネルに取付けられた自動車のドア構造であることを特徴とする。
【0024】
この発明の請求項7記載の発明は、上記請求項1,2,3,4,5もしくは6記載の発明の構成と併せて、上記対ドア取付部材は、ドアポケット部材およびドアグリップ部材の少なくとも一方に設定された自動車のドア構造であることを特徴とする。
【0025】
この発明の請求項8記載の発明は、ドアアウタパネルとドアトリムとの間に、側突時においてドアアウタパネルがドアインナパネルに対して底付き変形する前に該ドアアウタパネルで押圧されて車室内側に進入し、上記ドアトリムを介して乗員の腰部に当接する緩衝部材を備えた自動車のドア構造であって、ドアポケット部材の固着部が上記ドアトリムを介してドアインナパネルに固着され、上記ドアポケット部材の固着部に上記緩衝部材の車室内側への上記進入を許容すべく該進入荷重により上記ドアポケット部材のドアインナパネルに対する固着状態を解除する固着解除部が形成された自動車のドア構造であることを特徴とする。
【0026】
この発明の請求項9記載の発明は、上記請求項8記載の発明の構成と併せて、上記固着解除部を上記ドアポケット部材のドアインナパネルに対する取付けボス部に形成した脆弱部で構成した自動車のドア構造であることを特徴とする。
【0027】
この発明の請求項10記載の発明は、上記請求項8もしくは9記載の発明の構成と併せて、記ドアトリムは上記緩衝部材の車室内側への進入を許容すべく上記進入荷重によりドアインナパネルからの取付けが外れるように取付解除許容部材を介してドアインナパネルに取付けられた自動車のドア構造であることを特徴とする。
【0028】
この発明の請求項11記載の発明は、上記請求項8,9もしくは10記載の発明の構成と併せて、上記緩衝部材はサイドガラスの昇降軌跡を挟んで両側に配設された自動車のドア構造であることを特徴とする。
【0029】
【発明の作用及び効果】
この発明の請求項1記載の発明によれば、車両の側突時においてドアアウタパネルがドアインナパネルに対して底付き変形(ドアアウタパネルとドアインナパネルとが最も近接する如き変形)する前に、上述の緩衝部材はドアアウタパネルで押圧され、この緩衝部材の車室内側への進入荷重によりドアトリムが押圧される。このドアトリムは許容手段により対ドア取付部材に抗して車室内側方向への移動が許容されるので、対ドア取付部材が存在していても緩衝部材は車室内側に充分に進入し、この緩衝部材よりも車室内側に位置するドアトリムで乗員を車室内方へ移動させて、障害値の大幅な低減を図ることができる効果がある。
また上述の許容手段は側突時にのみドアトリムの対ドア取付部材に抗する車室内側方向への移動を許容するので、進入荷重が入力されない通常時においては対ドア取付部材の取付け強度を確保することができる効果がある。
【0030】
この発明の請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述の許容手段を対ドア取付部材に設けたので、側突時における緩衝部材およびドアトリムの車室内側への進入動を対ドア取付部材に設けられた許容手段にて許容することができる効果がある。
【0031】
この発明の請求項3記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明の効果と併せて、上述の許容手段を対ドア取付部材のドアインナパネルに対する取付け部に設けたので側突時における緩衝部材およびトリムの車室内側への進入動を上述の許容手段にて許容することができる効果がある。
【0032】
この発明の請求項4記載の発明によれば、上記請求項1,2もしくは3記載の発明の効果と併せて、上述の許容手段を対ドア取付部材周囲のドアトリム部分に設けたので、側突時の進入荷重により対ドア取付部材とその周囲のドアトリム部分とを分離させ、緩衝部材およびドアリトリムの車室内側への進入動を許容して、ドアトリムで乗員を車室内方へ移動させることができる効果がある。
【0033】
この発明の請求項5記載の発明によれば、上記請求項1,2,3もしくは4記載の発明の効果と併せて、上述の許容手段を脆弱部で構成したので、側突時における緩衝部材の進入荷重で該脆弱部を破断して、緩衝部材およびドアトリムの車室内側への進入動を許容することができると共に、上述のドアトリムで乗員を車室内方へ移動させることができる効果がある。
【0034】
この発明の請求項6記載の発明によれば、上記請求項1,2,3,4もしくは5記載の発明の効果と併せて、車両の側突時に上記進入荷重が付勢された時、取付解除許容部材により上述のドアトリムはドアインナパネルから外れて、緩衝部材の車室内側への進入を許容する。
この結果、上述の緩衝部材の進入動がドアトリムにより不充分となるのを有効に防止することができて、乗員保護効果をより一層助長することができる効果がある。
【0035】
この発明の請求項7記載の発明によれば、上記請求項1,2,3,4,5もしくは6記載の発明の効果と併せて、上述の対ドア部材をドアポケット部材およびドアグリップ部材の少なくとも一方に設定したので、これらの対ドア取付部材がドアインナパネルに取付けられていても、側突時における緩衝部材およびドアトリムの車室内側への進入動を許容し、ドアトリムで乗員を車室内方へ移動させることができる効果がある。
【0036】
この発明の請求項8記載の発明によれば、車両の側突時においてドアアウタパネルがドアインナパネルに対して底付き変形(ドアアウタパネルとドアインナパネルとが最も近接する如き変形)する前に、上述の緩衝部材はドアアウタパネルで押圧され、この緩衝部材の車室内側への進入荷重でドアポケット部材のドアインナパネルに対する固着状態が固着解除部により解除される。このため乗員の腰部対応位置の緩衝部材はドアポケット部材が存在していても車室内側に充分に進入し、この緩衝部材よりも車室内側に位置するドアトリムの下部全体で乗員の腰部(重心位置)を車室内方へ移動させる。
【0037】
このように、上述の固着解除部は上記進入荷重の入力時にのみドアポケット部材のドアインナパネルに対する固着状態を解除するので、進入荷重が入力されない通常時においてはドアポケット部材の取付け強度を確保することができる。
また上述の側突時における緩衝部材の車室内側への進入動がドアポケット部材で不充分となるのを上述の固着解除部にて有効に防止することができる効果がある。
しかも、上述の如く進入動する緩衝部材を介してドアトリム下部全体で乗員の腰部(重心位置)を車室内方へ移動させるので、胸部障害値の大幅な低減を図ることができる効果がある。
【0038】
この発明の請求項9記載の発明によれば、上記請求項8記載の発明の効果と併せて、上述の固着解除部を上記ドアポケット部材のドアインナパネルに対する取付けボス部に形成した脆弱部で構成したので、簡単な構造でありながら進入荷重にて該脆弱部を適確に破断することができる効果がある。
【0039】
この発明の請求項10記載の発明によれば、上記請求項8もしくは9記載の発明の効果と併せて、車両の側突時に上記進入荷重が付勢された時、取付解除許容部材により上述のドアトリムはドアインナパネルから外れて、緩衝部材の車室内側への進入を許容する。
この結果、上述の緩衝部材の進入動がドアトリムにより不充分となるのを有効に防止することができて、乗員保護効果をより一層助長することができる効果がある。
【0040】
この発明の請求項11記載の発明によれば、上記請求項8,9もしくは10記載の発明の効果と併せて、上述の緩衝部材を、サイドガラスの昇降軌跡を挟む両側に配設したので、該緩衝部材によりサイドガラスの昇降軌跡のレイアウト性を何等阻害することなく、また両側に配設された2つの緩衝部材の進入動をより一層確実かつ充分なものとすることができて、乗員保護性能の向上を図ることができる効果がある。
【0041】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は自動車のドア構造を示し、図1、図2において、ドアアウタパネル1とドアインナパネル2とを備えたドア3を設け、このドア3のドアインナパネル2の車室側にはドアトリム4を配設している。
【0042】
上述のドアトリム4は図3、図4に示す如くチップなどからなる基材5、発泡層6、表皮7を有し、これら三者5,6,7が一体化されたドアトリム4は複数の取付解除許容部材としての樹脂クリップ8…を介して上述のドアインナパネル2に対して取付けられている。
【0043】
すなわち、上述のドアトリム4の背面(ドアインナパネル2側の面)に断面ハット状の金属製もしくは樹脂製のブラケット9を取付け、このブラケット9にその基部8aを固定した樹脂クリップ8のヘッド部8bを、ドアインナパネル2のクリップ貫通孔(図示せず)に貫通させた時、該ヘッド部8bの変位によりこのヘッド部8bでクリップ貫通孔の孔縁を係止して、ドアトリム4をドアインナパネル2にワンタッチで取付ける一方、車両の側突時における進入荷重の入力時に図3に示す状態から図4に示すようにドアトリム4がドアインナパネル2から外れるように構成している。
【0044】
一方、図2に示すようにドアアウタパネル1の内面には取付部材10に取付けられて車体前後方向に延びるバリア侵入防止用の金属パイプ製のインパクトバー11,11を取付けている。
そして、このインパクトバー11の下方真近位置で、かつ乗員の腰部と対向する部分には、サイドガラスの昇降軌跡αを挟んでその両側に緩衝部材としての緩衝パッド12,13を配設している。
【0045】
ここで、2つの緩衝パッド12,13のうちの一方の緩衝パッド12はドアアウタパネル1の内面に接着固定され、他方の緩衝パッド13はドアトリム4の背面に接着固定されると共に、ドアインナパネル2に形成された開口部14からドア3の内部空間内に隣設されている。
【0046】
また上述の取付部材10を含むインパクトバー11の車幅方向の長さをL1(図6参照)とし、2つの緩衝パッド12,13が側突時において潰れ切った車幅方向の長さをL2(図6参照)とする時、L1<L2の関係式が成立するように構成している。
【0047】
上述の2つの緩衝パッド12,13は、車両の側突時においてドアアウタパネル1がドアインナパネル2に対して底付き変形する前に該ドアアウタパネル1で押圧されて車室内側に進入し、ドアインナパネル2が乗員に当たる前に該緩衝パッド12,13の進入動により乗員の腰部を車室内方へ移動させるための緩衝手段である。
【0048】
ところで、上述のドアトリム4の車室内側の下部には図1、図2、図5に示すように対ドア取付部材としての合成樹脂製のドアポケット部材15を配設している。このドアポケット部材15は例えば車体前後方向に相当する前部および後部に合計2つの固着部としての筒軸状の取付けボス部16,16を一体形成し、上述のドアトリム4に開口された開口部17(図5参照)を介して該取付けボス部16,16をドアインナパネル2側に延設する一方、このドアインナパネル2に一体的に固着したナット部材18を設け、スクリュ19を用いて上述の取付けボス部16,16をドアインナパネル2側の上記ナット部材18に固着している。
【0049】
しかも、上述のドアポケット部材15の取付けボス部16には上述の緩衝パッド12,13の車室内側への進入を許容すべく進入荷重によりドアポケット部材15のドアインナパネル2に対する固着状態を解除する固着解除部を次のように形成している。すなわち、上述の取付けボス部16における小径部と大径部とを連設するスクリュ取付け座付近に相当する部位の肉厚を他部に対して薄肉に形成することで脆弱部20を構成し、この脆弱部20により上述の固着解除部を構成している。この脆弱部20は車両の側突時における上記進入荷重により破断されるものである。
【0050】
なお、図2における21,22,23は乗員の胸部対応位置においてサイドガラスの昇降軌跡αを挟んで両側に配設された緩衝パッド、24はサイドシルアウタ25とサイドシルインナ26とを接合して車体前後方向に延びる閉断面(27を有するサイドシルである。
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作用を説明する。
【0051】
車両の側突時においてドア3が図2に示す状態から図6に示す如くドアアウタパネル1がドアインナパネル2に対して底付き変形(ドアアウタパネル1とドアインナパネル2とが最も近接する如き変形)する前に、上述の緩衝パッド12,13はドアアウタパネル1で押圧され、該緩衝パッド12,13の車室内側への進入荷重で、まず、ドアトリム4が押されてドアインナパネル2から外れ、さらに、前記ドアトリム4が進入荷重に押されて、ドアポケット部材15を車室内側に押圧し、その押圧力により脆弱部20が破断して、ドアポケット部材15の固着状態が解除される(図7参照)。このため乗員の腰部対応位置の緩衝パッド12,13はドアポケット部材15でその進入が不充分となることなく車室内側に良好に進入することができ、この緩衝パッド12,13よりも車室内側に位置するドアトリム4の下部全体で乗員の腰部(重心位置)を車室内方へ移動させる。
【0052】
このように、上述の脆弱部20は上記進入荷重の入力時にのみドアポケット部材15のドアインナパネル2に対する固着状態を解除するので、進入荷重が入力されない通常時においてはドアポケット部材15の取付け強度を確保することができる。
また上述の側突時における緩衝パッド12,13の車室内側への進入動がドアポケット部材15で不充分となるのを上述の脆弱部20にて有効に防止することができる効果がある。
【0053】
しかも、上述の如く進入動する緩衝パッド12,13を介してドアトリム4の下部全体で乗員の腰部(重心位置)を車室内方へ移動させるので、胸部障害値の大幅な低減を図ることができる効果がある。
加えて、前述の固着解除部を上記ドアポケット部材15のドアインナパネル2に対する取付けボス部16に形成した脆弱部20で構成したので、簡単な構造でありながら進入荷重にて該脆弱部20を適確に破断することができる効果がある。
【0054】
また、車両の側突時に上記進入荷重が付勢された時、取付解除許容部材としての樹脂クリップ8により上述のドアトリム4は図3の状態から図4に示す如くドアインナパネル2から外れて、緩衝パッド12,13の車室内側への進入を許容する。
この結果、上述の緩衝パッド12,13の進入動がドアトリム4により不充分となるのを有効に防止することができて、乗員保護効果をより一層助長することができる効果がある。
【0055】
さらに、上述の2つの緩衝部材パッド12,13を、図2に示すようにサイドガラスの昇降軌跡αを挟む両側に配設したので、これら緩衝パッド12,13によりサイドガラスの昇降軌跡αのレイアウト性を何等阻害することなく、また両側に配設された2つの緩衝パッド12,13の進入動をより一層確実かつ充分なものとすることができる効果がある。
【0056】
さらにまた、図6に示すようにインパクトバー11の車幅方向の長さL1に対して、2つの緩衝パッド12,13が衝突荷重により潰れ切った車幅方向の長さL2を大と成したので、側突時におけるインパクトバー11の内方移動により腰の障害値が悪化するのを確実に防止することができる効果がある。
【0057】
図8、図9、図10はドアポケット部材15のドアインナパネル2に対する取付けボス部16に形成される脆弱部の他の実施例を示し、この実施例においては先端側の小径部16aと基端側の大径部16bとを、小径部16aの外径寸法よりも少寸の縊れ部28で連設し、この縊れ部28により上述のスクリュ19の取付け座と脆弱部とを兼ねている。
このように構成すると、上述の縊れ部28の肉厚および幅等により破断強度の設定が容易となる。なお、その他の点に関しては図8乃至図10に示すこの実施例においても先の実施例とほぼ同様の作用効果を奏するので、図8乃至図10において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0058】
図11、図12、図13、図14、図15はドアトリム4をドアインナパネル2に対して取付け解除を許容すべく取付ける取付解除許容部材の他の実施例を示すものである。
図11に示す実施例はドアトリム4の樹脂クリップ座4aとトリム主体部4bとの間に、側突時の進入荷重により両者4a,4b間を破断して、ドアトリム4のドアインナパネル2に対する取付けを解除する取付解除許容部材としての薄肉部29を形成したものである。
【0059】
図12に示す実施例はドアトリム4および樹脂クリップ8とは別体の樹脂製または金属製の断面凹状のクリップ座30を設け、このクリップ座30をドアトリム4の開口部の口縁に内嵌させると共に、このクリップ座30の座面にその基部8aが位置する樹脂クリップ8を用いて上述のドアトリム4をドアインナパネル2に取付ける一方、側突時に進入荷重が作用した際、クリップ座30の内嵌部30aからドアトリム4が外れるように構成したものである。
図13に示す実施例はドアトリム4をドアインナバネル2に取付ける樹脂クリップ8の軸部8cに、側突時の進入荷重により破断もしくは破壊される縊れ部31を形成したものである。
【0060】
図14に示す実施例はドアトリム4をドアインナパネル2に取付ける樹脂クリップ8を、基部8a側のピース8Aと、ヘッド部8b側のピース8Bとの2ピース化し、側突時の進入荷重により両ピース8A,8Bが互に分離するように構成したものである。
図15に示す実施例はドアトリム4をドアインナパネル2に取付ける際、樹脂クリップ8およびグロメット32を併用し、側突時の進入荷重によりグロメット32側の弾性可撓片32aの変位により、ドアトリム4がグロメット32ごと外れるように構成したものである。
【0061】
図11〜図15に示す如く構成しても図3、図4の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図11〜図15において前図と同一と部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。なお、図11〜図15においてはドアトリム4の断面構造は概略示しているが、実際には図3、図4に示す3層構造に形成される。
【0062】
図16,図17,図18は自動車のドア構造の他の実施例を示し、この実施例においてはドアポケット部材15はその取付けボス部16に脆弱部20(図5参照)を設けることなく従来の構造(図34参照)と同様に強固にドアインナパネル2に取付けられると共に、緩衝部材としての緩衝パッド21,22,23がドア内部空間の上域部にのみ設けられている。
【0063】
このような構成のドア構成にあっては図16、図17、図18に示すようにドアポケット部材15の上端縁の上方近傍において車体前後方向に略水平状に延びる不連続のスリット33(いわゆるミシン目)を形成する。このスリット33は図18に示すようにドアトリム4の車室側の見栄え悪化を防止する目的で基材5にのみ形成する。
【0064】
このように構成すると、車両の側突時においてドアアウタパネル1がドアインナパネル2に対して底付き変形する前に、上述の緩衝パッド21,22,23はドアアウタパネル1で押圧され、まず対向する緩衝パッド21,22が当接した後に、これらの各緩衝パッド21〜23の車室内側への進入荷重でスリット33の形成ラインに沿ってドアトリム4が上下に破断される。
【0065】
このため乗員の上体部対応位置の緩衝パッド21,22,23はドアポケット部材15でその進入が不充分となることなく車室内側に良好に進入することができ、この緩衝パッド21.22,23よりも車室内側に位置するドアトリム4の上部全体で乗員を車室内方へ移動させて、乗員障害値の大幅な低減を図ることができる効果がある。
【0066】
なお、図16、図17、図18において前図と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
以上の各実施例においては対ドア取付部材としてドアポケット部材15を例示したが、図19の実施例においては対ドア取付部材としてアシストハンドル部材34を用いている。
【0067】
すなわち、上述のアシストハンドル部材34がドア3の上下方向中間の位置において車体前後方向に延びる仮想ラインM,Mに沿って水平状に取付けられている。このアシストハンドル部材34は樹脂クリップ8X,8Xを用い、かつドアトリム4を介してドアインナパネル2(前図参照)に取付けられ、ドアトリム4は複数の樹脂クリップ8Y,8Zを用いてドアインナパネル2に取付けられている。
【0068】
下側の緩衝パッド12,13および上側の緩衝パッド21,22,23のうち少なくとも一方に緩衝パッドが設けられて、側突時にドアトリム4の全体が外れやすい締結構造とする場合には、全ての樹脂クリップ8X,8Y,8Zを図3、図11〜図15で示したような外れやすい構成と成してもよく、アシストハンドル部材34用の樹脂クリップ8Xを強固に締結し、他の樹脂クリップ8Y,8Zを図3、図11〜図15で示したような外れやすい構成と成してもよい。
【0069】
上側にのみ緩衝パッド21,22,23が設けられて、側突時にドアトリム4の上半分を外れやすい締結構造とする場合には、樹脂クリップ8X,8Zを強固に締結し、仮想ラインMよりも上側に位置する樹脂クリップ8Yを図3、図11〜図15で示したような外れやすい構成と成す。
下側にのみ緩衝パッド12,13が設けられて、側突時にドアトリム4の下半分を外れやすい締結構造とする場合には、樹脂クリップ8X,8Yを強固に締結し、仮想ラインMよりも下側に位置する樹脂クリップ8Zを図3、図11〜図15で示したような外れやすい構成と成す。
【0070】
このように構成すると、車両の側突時においてドアアウタパネル1がドアインナパネル2に対して底付き変形する前に、緩衝パットがドアアウタパネル1で押圧され、まず相対向する緩衝パッドが当接した後に、これらの緩衝パッドの車室内側への進入荷重で外れやすい構成に設定されたドアトリム4の上半分、下半分もしくは全体がドアインナパネル2から外れて、このドアトリム4の挙動により乗員を車室内方へ移動させるので、乗員障害値の大幅な低減を図ることができる効果がある。
【0071】
また図19に示す仮想ラインMに沿ってドアトリム4の所定部のみを薄肉化するか、ドアトリム4の仮想ラインMに沿う部分に折れビード(図示せず)を設定すると、側突時に上述のドアトリム4が仮想ラインMを支点として折れ曲りやすくなるため、上述の樹脂クリップ8X,8Y,8Zによる締結構造と併用した際に、より一層効果的となる。
【0072】
図20、図21、図22は自動車のドア構造のさらに他の実施例を示し、ドアトリム4の車室内側において車体前後方向に延びる凹状部35を形成し、この凹状部35の所定位置に略上下方向に指向するアシストハンドル部材36を配設している。
このアシストハンドル部材36は同アシストハンドル部材36と対応してドアトリム4の背面に設けられた断面コの字状のアシストハンドルブラケット37を介してドアインナパネル2に取付けられる。
【0073】
この場合、上述のアシストハンドル部材36はアシストハンドルブラケット37の上下の折曲端面37a,37bに強固に固定する一方、アシストハンドルブラケット37のドアインナパネル2側の基部37cを、スポット溶接手段もしくはボルト挿通孔37dに挿通させるボルト締結手段にてドアインナパネル2に取付けるが、金属製の上述のアシストハンドルブラケット37における基部37c複数のスリット37e…を穿設形成して、車両の側突時において上述のスリット37eを利用して基部37cを破断し、ドアトリム4とドアインナパネル2との連結を解除すべく構成している。
【0074】
このように構成すると、車両の側突時においてドアアウタパネル1がドアインナパネル2に対して底付き変形する前に、緩衝部材(前図参照)はドアアウタパネル1で押圧され、この緩衝部材の車室内側への進入荷重によりドアトリム4が押圧される。
【0075】
このドアトリム4は許容手段としての上述のスリット37eによりアシストハンドル部材36に抗して車室内側方向への移動が許容されるので、アシストハンドル部材36が存在していても緩衝部材は車室内側に充分に進入し、この緩衝部材よりも車室内側に位置するドアトリム4で乗員を車室内方へ移動させて、乗員障害値の大幅な低減を図ることができる効果がある。
なお、金属製のアシストハンドルブラケット37に上述のスリット37eを形成する構成に代えて、このアシストハンドルブラケット37を合成樹脂により構成しても、上述と略同様の作用、効果を奏する。
【0076】
図23、図24、図25、図26は自動車のドア構造のさらに他の実施例を示し、ドアトリム4の車室内側において車体前後方向に延びる凹状部35を形成し、この凹状部にはアシストハンドル部材と同等の機能を奏するリセス部材38を配設している。
このリセス部材38は図25にも示すように上方が開放された有底角筒状の部材で、その底部38aをリセスブラケット39を介してドアインナパネル2に取付けるが、タッピングスクリュ40を挿通する底部38aの取付孔38bと該リセス部材38の側壁38cとの間には切れ目38dを形成している。
【0077】
また上述のドアインナパネル2にスポット溶接されたL字状の金属製のリセスブラケット39の縦壁面39aには図26に示すように車体前後方向に指向するスリット39bを形成し、このスリット39bと上述の切れ目38dとを許容手段と成している。
このように構成すると、車両の側突時においてドアアウタパネル1がドアインナパネル2に対して底付き変形する前に、緩衝部材(前図参照)はドアアウタパネル1で押圧され、この緩衝部材の車室内側への進入荷重によりドアトリム4が押圧される。
【0078】
このドアトリム4は許容手段としての上述のスリット39b、切れ目38dによりリセス部材38に抗して車室内側方向への移動が許容されるので、リセス部材38が存在していても緩衝部材は車室内側に充分に進入し、この緩衝部材よりも車室内側に位置するドアトリム4で乗員を車室内方へ移動させて、乗員障害値の大幅な低減を図ることができる効果がある。
なお、金属製のリセスブラケット39にスリット39bを形成する構成に代えて、このリセスブラケット39を合成樹脂により構成しても、上述と略同様の作用、効果を奏する。この場合、樹脂製のリセスブラケット39はドアインナパネル2に対してスクリュ止めすればよい。
【0079】
図27、図28、図29、図30は自動車のドア構造のさらに他の実施例を示し、この実施例においてはドアトリム4およびドアインナパネル2に取付けられる対ドア取付部材としてドアグリップ部材41を示している。
このドアグリップ部材41は2つの筒軸状のボス部41a,41aを有する合成樹脂製の部材で、ドアトリム4と対向する背面の複数箇所が熱溶着手段(図において黒く塗りつぶした部位参照)にてドアトリム4に固着されている。
【0080】
上述のドアグリップ部材41は2本のタッピングビス42と、2個のスクリュグロメット43とを用いてドアインナパネル2に取付けられるが、上述のスクリュグロメット43はドアインナパネル2の取付け孔44に予め嵌着されている。
【0081】
また上述のスクリュグロメット43はフランジ部43aと2つのグロメット片43b,43bとが一体形成されたもので、上述のグロメット片43b,43bには図29にも示すように中央結合部43cを残して両側からスリット43d,43dが形成されている。
【0082】
このように構成すると、車両の側突時においてドアアウタパネル1がドアインナパネル2に対して底付きを変形する前に、緩衝部材(前図参照)はドアアウタパネル1で押圧され、この緩衝部材の車室内側への進入荷重によりドアトリム4が押圧される。
この場合、上記進入荷重により許容手段としてのスリット43dの形成によりスクリュグロメット43は図30に示すように中央結合部43cが破断されるので、このスクリュグロメット43はドアインナパネル2の取付け孔44から抜けて、ドアトリム4の車室内側方向への移動が許容されるので、ドアグリップ部材41が存在していても緩衝部材は車室内側に充分に進入し、この緩衝部材よりも車室内側に位置するドアトリム4で乗員を車室内方へ移動させて、乗員障害値の大幅な低減を図ることができる効果がある。
【0083】
図31、図32、図33は自動車のドア構造のさらに他の実施例を示し、この実施例においては上述のスクリュグロメット43にスリット43dを形成する構成に代えて、このスクリュグロメット43としてはスリット43dを有さない従前の構造のグロメットを用いる一方、ドアグリップ部材41の外周囲において前述のドアトリム4に不連続のスリット45(いわゆるミシン目)を形成している。このスリット45は車室側の見栄え悪化を防止する目的で基材5(図18参照)にのみ形成する。また上述の各スリット45の端部は図31に示すように半円形状に形成され、この部分からの破断を許容している。
【0084】
このように構成すると、車両の側突時においてドアアウタパネル1がドアインナパネル2に対して底付きを変形する前に、緩衝部材(前図参照)はドアアウタパネル1で押圧され、この緩衝部材の車室内側への進入荷重によりドアトリム4が押圧される。
【0085】
この場合、図33に示すように上述の進入荷重により許容手段としてのドアトリム4のスリット45の形成により、スリット45の各端部からドアトリム4が破断され、ドアグリップ部材21をドアインナパネル2側へ残存させた状態下においてドアトリム4の車室内側方向への移動が許容されるので、ドアグリップ部材41が存在していても緩衝部材は車室内側に充分に進入し、この緩衝部材よりも車室内側に位置するドアトリム4で乗員を車室内方へ移動させて、乗員障害値の大幅な低減を図ることができる効果がある。
なお、図31、図32、図33において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0086】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の緩衝部材は、実施例の緩衝パッド12,13,21,22,23に対応し、
以下同様に、
対ドア取付部材は、ドアポケット部材15、アシストハンドル部材34,36、リセス部材38、ドアグリップ部材41、に対応し、
許容手段は、樹脂クリップ8,8X,8Y,8Z、脆弱部20、縊れ部28、薄肉部29、各スリット33,37e,39b,43d,45および切れ目38dに対応し、
ドアポケット部材の固着部は、ドアポケット部材15の取付けボス部16に対応し、
固着解除部は、脆弱部20、縊れ部28に対応し、
取付解除許容部材は、樹脂クリップ8、スクリュグロメット43に対応し、
ドアグリップ部材は、ドアグリップ部材41、アシストハンドル部材34,36、リセス部材38に対応するも、
この発明は上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の自動車のドア構造を示す車室内から見た状態の説明図。
【図2】 図1のA−A線矢視断面図。
【図3】 ドアトリムのドアインナパネルに対する取付構造を示す部分拡大図。
【図4】 進入荷重の入力時におけるドアトリムの離脱状態を示す断面図。
【図5】 ドアポケット部材のドアインナパネルに対する取付け構造を示す部分拡大断面図。
【図6】 側突時におけるドアの底付き変形に略相当する状態の断面図。
【図7】 進入荷重による脆弱部の破断状態を示す断面図。
【図8】 固着解除部の他の実施例を示す部分斜視図。
【図9】 図8の平面図。
【図10】 図9のB−B線矢視断面図。
【図11】 ドアトリムのドアインナパネルに対する取付構造の他の実施例を示す断面図。
【図12】 ドアトリムのドアインナパネルに対する取付構造のさらに他の実施例を示す断面図。
【図13】 ドアトリムのドアインナパネルに対する取付構造のさらに他の実施例を示す断面図。
【図14】 ドアトリムのドアインナパネルに対する取付構造のさらに他の実施例を示す断面図。
【図15】 ドアトリムのドアインナパネルに対する取付構造のさらに他の実施例を示す断面図。
【図16】 本発明の自動車のドア構造の他の実施例を示す説明図。
【図17】 図16のC−C線矢視断面図。
【図18】 ドアトリムに形成されたスリットの説明図。
【図19】 本発明の自動車のドア構造のさらに他の実施例を示す説明図。
【図20】 本発明の自動車のドア構造のさらに他の実施例を示す説明図。
【図21】 図20のD−D線に沿う部分拡大断面図。
【図22】 アシストハンドルブラケットの斜視図。
【図23】 本発明の自動車のドア構造のさらに他の実施例を示す説明図。
【図24】 図23のE−E線に沿う部分拡大断面図。
【図25】 リセス部材の平面図。
【図26】 リセスブラケットの右側面図。
【図27】 本発明の自動車のドア構造のさらに他の実施例を示す説明図。
【図28】 図27のF−F線矢視断面図。
【図29】 図28のG−G線矢視断面図。
【図30】 進入荷重の入力時におけるドアトリムの離脱状態を示す断面図。
【図31】 本発明の自動車のドア構造のさらに他の実施例を示す説明図。
【図32】 図31のH−H線矢視断面図。
【図33】 進入荷重の入力時におけるドアトリムの離脱状態を示す断面図。
【図34】 従来のドアポケット部材のドアインナパネルに対する取付け構造を示す断面図。
【符号の説明】
1…ドアアウタパネル
2…ドアインナパネル
4…ドアトリム
8,8X,8Y,8Z…樹脂クリップ
12,13,21,22,23…緩衝パッド
15…ドアポケット部材
16…取付ボス部
20…脆弱部
28…縊れ部
29…薄肉部
33,37e,39b,43d,45…スリット
34,36…アシストハンドル部材
38…リセス部材
38d…切れ目
41…ドアグリップ部材
43…スクリュグロメット
α…サイドガラスの昇降軌跡
Claims (11)
- ドアアウタパネルとドアトリムとの間に、側突時においてドアアウタパネルがドアインナパネルに対して底付き変形する前に該ドアアウタパネルで押圧されて車室内側に進入し、上記ドアトリムを介して乗員に当接する緩衝部材を備えた自動車のドア構造であって、
上記ドアトリムの車室内側にはドアインナパネルに取付けられる対ドア取付部材が設けられ、
側突時に上記緩衝部材に押圧されたドアトリムが上記対ドア取付部材に抗して車室内側方向に移動するのを許容する許容手段を備えた
自動車のドア構造。 - 上記許容手段は上記対ドア取付部材に設けられた
請求項1記載の自動車のドア構造。 - 上記許容手段は上記対ドア取付部材のドアインナパネルに対する取付け部に設けられた
請求項2記載の自動車のドア構造。 - 上記許容手段は上記対ドア取付部材周囲のドアトリム部分に設けられた
請求項1,2もしくは3記載の自動車のドア構造。 - 上記許容手段は緩衝部材の進入荷重により破断可能な脆弱部で設定された
請求項1,2,3もしくは4記載の自動車のドア構造。 - 上記ドアトリムは上記緩衝部材の車室内側への進入を許容すべく
上記進入荷重によりドアインナパネルからの取付けが外れるように取付解除許容部材を介してドアインナパネルに取付けられた
請求項1,2,3,4もしくは5記載の自動車のドア構造。 - 上記対ドア取付部材は、ドアポケット部材およびドアグリップ部材の少なくとも一方に設定された
請求項1乃至5もしくは6記載の自動車のドア構造。 - ドアアウタパネルとドアトリムとの間に、側突時においてドアアウタパネルがドアインナパネルに対して底付き変形する前に該ドアアウタパネルで押圧されて車室内側に進入し、上記ドアトリムを介して乗員の腰部に当接する緩衝部材を備えた自動車のドア構造であって、
ドアポケット部材の固着部が上記ドアトリムを介してドアインナパネルに固着され、
上記ドアポケット部材の固着部に上記緩衝部材の車室内側への上記進入を許容すべく該進入荷重により上記ドアポケット部材のドアインナパネルに対する固着状態を解除する固着解除部が形成された
自動車のドア構造。 - 上記固着解除部を上記ドアポケット部材のドアインナパネルに対する取付けボス部に形成した脆弱部で構成した
請求項8記載の自動車のドア構造。 - 上記ドアトリムは上記緩衝部材の車室内側への進入を許容すべく
上記進入荷重によりドアインナパネルからの取付けが外れるように取付解除許容部材を介してドアインナパネルに取付けられた
請求項8もしくは9記載の自動車のドア構造。 - 上記緩衝部材はサイドガラスの昇降軌跡を挟んで両側に配設された
請求項8,9もしくは10記載の自動車のドア構造。
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