JPH0425899Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用ドアチエツカの改良に関す
る。

（従来技術） 従来、自動車用ドアチエツカとしては、第７図
に示すように、車体１のブラケツト２，２の間
に、一端部がヒンジ軸３で回動自在に支持される
とともに、ドア４のケース５に収納されたスプリ
ング部材（不図示）で他端側が摺動自在に挟持さ
れた２枚のメールプレート６，６を備えたものが
提案されている。

ところが、ブラケツト２、ヒンジ軸３、メール
プレート６は、強度上の理由からいずれも金属材
料で形成されているので、ドア４の開閉の度に金
属材料間の接触により異音が発生するという問題
があつた。

このため、ブラケツトのヒンジ軸挿通孔にゴム
ブツシユを嵌合したもの（実開昭54−83725号公
報参照）、あるいはメールプレートのヒンジ軸挿
通孔にゴム（樹脂）ブツシユを嵌合したもの（特
開昭56−73779号公報参照）などが提案されてい
るが、いずれも、ブラケツト、ヒンジ軸、メール
プレートの三者の総合的な異音対策とはなつてお
らず、また、メールプレートの組付性も考慮され
ていなかつた。

（考案の目的） 本考案は上記従来の問題点を解消するためにな
されたもので、ブラケツト、ヒンジ軸、メールプ
レートの金属接触音を完全に防止し、合わせて、
メールプレートの組付性向上をも図ることを目的
とするものである。

（考案の構成） このため本考案は、一端部が車体のブラケツト
の間にヒンジ軸で回動自在に支持され、他端側が
ドアのケースに収納されたスプリング部材で摺動
自在に挟持される２枚のメールプレートを備えた
ドアチエツカにおいて、ブラケツトとメールプレ
ートの間に介在する一対の同一形状の合成樹脂部
材が設けられ、この合成樹脂部材は、一方のメー
ルプレートと一方のブラケツトとの間に介在す
る、メールプレートより狭い幅のベース部と、該
ベース部の中央から一体に立上がつて、メールプ
レートのヒンジ軸挿通孔に嵌合する、メールプレ
ートの厚みと同じ高さの筒部と、上記ベース部の
対向する２つの側部からそれぞれ一体に立上がつ
て、他方の合成樹脂部材のベース部のフツク部が
立上がつていない部分において、相対するメール
プレートの外面に係止され、他方のメールプレー
トと他方のブラケツトとの間に介在する２個のフ
ツク部とを有することを特徴とする。

（考案の効果） 本考案によれば、合成樹脂部材のベース部が一
方のメールプレートと一方のブラケツトとの間に
介在され、フツク部が他方のメールプレートと他
方のブラケツトとの間に介在され、筒部がメール
プレートのヒンジ軸挿通孔に嵌合されているか
ら、ブラケツト、ヒンジ軸、メールプレートはそ
れぞれ直接接触することが全くないので、金属接
触音が完全に防止できるようになる。

また、合成樹脂部材は、２枚重ねした一方のメ
ールプレートのヒンジ軸挿通孔に筒部を嵌合しな
がら、フツク部を他方のメールプレートの外面に
係止させるだけであるから、メールプレートへの
組付けが容易であるとともに、合成樹脂部材によ
り２枚のメールプレートの一端部が分離しないよ
うに組付けられるので、ブラケツトへの組付け性
も向上するようになる。

さらに、合成樹脂部材は、同一形状なので、メ
ールプレートへの組立時に上下、前後に方向性が
ないので、誤組立が起こらない。これによつて
も、ブラケツトへの組付けが容易になる。

さらに、合成樹脂部材は、ベース部、筒部、フ
ツク部が一体成形できるから部品コストも安価で
ある。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第１図に示すように、車体１０には、上下に所
定の間隔を隔てた２枚のブラケツト１１，１１が
固定されていて、該ブラケツト１１，１１にはヒ
ンジ軸１２が圧嵌状態で挿通するヒンジ軸挿通孔
１１ａ，１１ａが明けられている。

該ブラケツト１１，１１のヒンジ軸１２で回動
自在に支持される上下２枚のメールプレート１
３，１３の一端部１３ａ，１３ａには、上記ヒン
ジ軸１２よりも大径の中心孔（ヒンジ軸挿通孔）
１３ｂ，１３ｂが明けられるとともに、該メール
プレート１３，１３の他端部１３ｃにはストツパ
ー１７が取付けられる一方、該メールプレート１
３，１３の中間部１３ｄは、ドアのケース１８に
収納されたスプリングラバー（不図示）で摺動自
在に挟持されていて、ドアの開閉に伴つてメール
プレート１３，１３が回動しながらスプリングラ
バーの間を摺動して、メールプレート１３，１３
の凹部１３ｅにスプリングラバーが嵌り合つた時
にドアの開度が規制されるようになる。

一方、第２図〜第４図に示すように、メールプ
レート１３，１３とブラケツト１１，１１との間
に介在する四角状のベース部１５ａ，１５ａと、
該ベース部１５ａ，１５ａの中央から一体に立上
がつてメールプレート１３，１３の中心孔１３
ｂ，１３ｂに嵌合する筒部１５ｂ，１５ｂと、上
記ベース部の両外側から一体に立上がつて相対す
るメールプレート１３の外面に係止され、メール
プレート１３，１３とブラケツト１４，１４の間
に介在するフツク部１５ｃ，１５ｃとでなる上下
一対の合成樹脂部材１５，１５を設ける。

該合成樹脂部材１５は、一方のフツク部１５ｃ
が前半分、他方のフツク部１５ｃが後半分だけ設
けられていて、２個の合成樹脂部材１５，１５の
フツク部１５ｃ，１５ｃがそれぞれの無フツク部
に互い違いに嵌り合うように対向させる。

上記合成樹脂部材１５の筒部１５ｂ，１５ｂに
は、上記ヒンジ軸１２が挿通するヒンジ軸挿通孔
１５ｅ，１５ｅが明けられている。

上記のような構成であれば、ケース１８に２枚
重ねしたメールプレート１３，１３を挿通させ、
該メールプレート１３，１３の他端部１３ｃ，１
３ｃにストツパー１７を取付けた組立体に対し
て、メールプレート１３，１３の一端部１３ａ，
１３ａの中心孔１３ｂ，１３ｂに、合成樹脂部材
１５，１５の筒部１５ｂ，１５ｂをそれぞれ嵌合
させながら、合成樹脂部材１５，１５のそれぞれ
のフツク部１５ｃ，１５ｃを相対するメールプレ
ート１３，１３の外面に係止させる。

これにより、メールプレート１３，１３の一端
部１３ａ，１３ａが分離しないように組付けられ
るので、次述するブラケツト１１，１１への組付
け性が良好になる。

ついで、合成樹脂部材１５，１５を係止したメ
ールプレート１３，１３の一端部１３ａ，１３ａ
をブラケツト１１，１１の間に差込み、ブラケツ
ト１１，１１のヒンジ軸挿通孔１１ａ，１１ａお
よび合成樹脂部材１５，１５のヒンジ軸挿通孔１
５ｅ，１５ｅにヒンジ軸１２を挿通させ、該ヒン
ジ軸１２はブラケツト１１，１１のヒンジ軸挿通
孔１１ａ，１１ａにおいて圧嵌状態で固定され
る。

これにより、ブラケツト１１，１１とメールプ
レート１３，１３との間には合成樹脂部材１５，
１５のベース部１５ａ，１５ａおよびフツク部１
５ｃ，１５ｃが介在し、メールプレート１３，１
３とヒンジ軸１２との間には合成樹脂部材１５，
１５の筒部１５ｂ，１５ｂが介在するので、ブラ
ケツト１１、メールプレート１３、ヒンジ軸１２
の摺接又は回動部分は直接接触することが全くな
いので、金属接触による異音が発生することがな
い。

上記実施例では２個の合成樹脂部材１５，１５
を設けたものであつたが、第５図および第６図に
示すように、上側の合成樹脂部材１５を省略し、
下側の合成樹脂部材１５の筒部１５b′を延長して
上側のメールプレート１３の中心孔１３ｂに嵌合
させるようにして、１個の合成樹脂部材１５で構
成することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るドアチエツカの斜視図、
第２図は合成樹脂部材の組付前の斜視図、第３図
は第２図の組付後の斜視図、第４図は第１図の
−に相当する拡大断面図、第５図は変形例の合
成樹脂部材の斜視図、第６図は第５図の合成樹脂
部材を取付けた第１図の−に相当する拡大断
面図、第７図は従来のドアチエツカの平面図であ
る。 １０……車体、１１……ブラケツト、１１ａ…
…ヒンジピン挿通孔、１２……ヒンジ軸、１３…
…メールプレート、１３ａ……一端部、１３ｂ…
…中心孔、１３ｃ……他端部、１５……合成樹脂
部材、１５ａ……ベース部、１５ｂ，１５b′……
筒部、１５ｃ……フツク部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一端部が車体のブラケツトの間にヒンジ軸で回
   動自在に支持され、他端部がドアのケースに収納
   されたスプリング部材で摺動自在に挟持される２
   枚のメールプレートを備えたドアチエツカにおい
   て、 ブラケツトとメールプレートの間に介在する一
   対の同一形状の合成樹脂部材が設けられ、この合
   成樹脂部材は、一方のメールプレートと一方のブ
   ラケツトとの間に介在する、メールプレートより
   狭い幅のベース部と、 該ベース部の中央から一体に立上がつて、メー
   ルプレートのヒンジ軸挿通孔に嵌合する、メール
   プレートの厚みと同じ高さの筒部と、 上記ベース部の対向する２つの側部からそれぞ
   れ一体に立上がつて、他方の合成樹脂部材のベー
   ス部のフツク部が立上がつていない部分におい
   て、相対するメールプレートの外面に係止され、
   他方のメールプレートと他方のブラケツトとの間
   に介在する２個のフツク部とを有することを特徴
   とする自動車用ドアチエツカ。