JPH0323364Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、雪道でタイヤが滑るのを防止するた
めのタイヤ滑止め具におけるクロスベルトの構造
に関する。

近年、タイヤ滑止め具として、平行な二本のサ
イドケーブルの間に可撓性を有する合成樹脂製の
帯状体からなるクロスベルトを間隔をおいて複数
本差し渡して連結し、両サイドケーブルをタイヤ
の側面に円形に配索して締め付けることによつ
て、クロスベルトをタイヤのトレツド部を横切つ
て密着して装着するようにしたものが普及してい
るが、このようなタイヤ滑止め具は、、従来のタ
イヤチエーンに比べて凍結した路面においてクロ
スベルトが十分に路面に食い込まず、タイヤが滑
り易く、また、クロスベルト自体がタイヤの幅方
向に細長いものであるから、タイヤの横滑りを防
止し難い欠点があつた。

そこで、クロスベルトを構成する帯状体の接地
面に、金属製の食込部材を固着することが提案さ
れたが、このようにすると、雪の無い路面を走行
したときに騒音が激しく、また、車体に伝わる振
動が大きくて乗り心地が低下する不具合があつ
た。

本考案は、叙上の点に鑑み成されたものであつ
て、凍結した路面でのタイヤの滑り及びタイヤの
横滑りを確実に防止し、しかも、雪の無い路面を
走行する際の騒音を小さくし、かつ、乗り心地の
低下を招くことがないようにしたタイヤ滑止め具
のクロスベルトを提供することを目的とするもの
である。

以下、本考案の一実施例を第１図乃至第３図に
基づいて説明する。

本実施例のクロスベルトＡは、第２図に示すよ
うに、ウレタン樹脂等の可撓性を有する合成樹脂
製の帯状体１からなり、その接地面となる表面に
は、六角形の凸部２が長さ方向に間隔をおいて５
個形成されており、そのうちの中央の凸部２の両
隣りの凸部２，２の上面に、第３図に示すよう
に、周縁に斜め外方を向くエツジ部４を形成した
円形皿状の食込部３が一体に形成されている。

このクロスベルトＡが、互いに平行な二本のサ
イドケーブル６，６の間に一定の間隔をおいて複
数本差し渡され、夫々のクロスベルトＡの両端部
にリベツト８で固着された連結金具７の先端部を
サイドケーブル６に回曲してかしめ付けることに
よつて、タイヤ滑止め具が構成されており、この
タイヤ滑止め具を、第１図に示すように、クロス
ベルトＡの表面が外側を向くようにしてタイヤａ
の外周に被せ、サイドケーブル６をタイヤａの両
側面で円形に配索して、夫々の両端部を締結バン
ク９で連結して締め付けることによつて、各クロ
スベルトＡがタイヤａのトレツド部を横切つて密
着して装着される。

このようなタイヤ滑止め具をタイヤａに装着す
ると、クロスベルトＡの接地面で、両食込部３の
エツジ部８が全方向において路面に対して斜めに
なつて突出することになり、凍結した路面を走行
する際や制動を加えた祭には、食込部３のエツジ
部４の進行方向に沿つた部分が路面に食い込んで
タイヤａが滑るのが防止され、また、タイヤａが
横方向に移動しようとした場合には、エツジ部４
の横方向の部分が路面に食い込み、タイヤａの横
滑りが防止される。

第４図は本考案の他の実施例を示し、帯状体１
の前記凸部２の中央に凹面１０を形成するととも
に、その中心に下端部が裏面に形成した座ぐり孔
１２に達する取付孔１１を形成し、その凹面１０
内に、周縁に斜め外方を向くエツジ部２４を形成
した円形皿状をなし、かつ、帯状体１とは別体に
形成した合成樹脂製の食込部材２３を、そのエツ
ジ部２４を凸部２の上面に突出させて嵌め、この
食込部材２３の中心孔２３ａ及び帯状体１の取付
孔１１にセミチユーブラリベツト１４を挿通し、
裏面に突出した先端部にワツシヤ１５を嵌めて、
その先端部をかしめ付けて座ぐり孔１２内で押し
拡げることによつて、食込部材２３を帯状体１に
固着したものであつて、帯状体１より硬質の合成
樹脂で食込部材２３を形成することにより、路面
に対する食い込み力を増大することができる。

なお、前記実施例では、タイヤａの側面に配索
されてクロスベルトＡの両端部を連結する側条と
してケーブル６を使用したが、これに代えてチエ
ーンを使用しても良い。

上記実施例によつて具体的に説明したように、
本考案のタイヤ滑止め具のクロスベルトは、タイ
ヤの側面に配置される平行な二本の側条の間に可
撓性を有する合成樹脂製の帯状体からなるクロス
ベルトを間隔をおいて複数本差し渡して連結した
タイヤ滑止め具の前記クロスベルトにおいて、前
記帯状体の接地面に、周縁に斜め外方を向くエツ
ジ部を形成した皿形をなす合成樹脂製の食込部を
設けたことを要旨とするものであつて、食込部の
エツジ部が全方向において路面に対する食い込み
勝手となつているから、凍結した路面でもタイヤ
の滑りが阻止されて、加速時にタイヤが空転した
り、減速時に制動不能となつたりするのが防止で
きるとともに、タイヤの横滑りを確実に防止する
ことができ、しかも、食込部が合成樹脂で形成さ
れているため、雪の無い路面を走行する際に騒音
が小さく、かつ、車体に伝わる振動が抑えられて
乗り心地が低下するのを防止し得る効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のクロスベルトを適
用したタイヤ滑止め具の装着状態を示す斜視図、
第２図はそのクロスベルトをサイドケーブルに取
り付けた状態を示す一部切欠正面図、第３図は第
２図のＸ−Ｘ線断面図であり、第４図は本考案の
他の実施例の断面図である。 Ａ……クロスベルト、ａ……タイヤ、１……帯
状体、３……食込部、４……エツジ部、６……サ
イドケーブル、２３……食込部材、２４……エツ
ジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. タイヤの側面に配置される平行な二本の側条の
   間に可撓性を有する合成樹脂製の帯状体からなる
   クロスベルトを間隔をおいて複数本差し渡して連
   結したタイヤ滑止め具の前記クロスベルトにおい
   て、前記帯状体の接地面に、周縁に斜め外方を向
   くエツジ部を形成した皿形をなす合成樹脂製の食
   込部を設けたことを特徴とするタイヤ滑止め具の
   クロスベルト。