JPH0322474Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は、建物開口部に取付けられる各種の
窓の構造に関するものである。

【従来の技術】

実開昭56−97378号公報（実公昭61−5513号公
報）には、玄関の主体枠の竪枠間に仕切り枠を縦
設して袖部開口部を設け、該袖部開口部側の竪枠
と仕切り枠に形成したガラスパネル係合用の縦溝
に、屋外方向に突設した袖枠の基部を嵌め込み固
定し、袖枠に形成した係合溝にガラス板等のパネ
ルを嵌合すると共に、袖枠の上支持枠上に屋根板
を載置し、その屋内側部を主体枠の上枠の屋外側
見付面に固定した玄関ユニツトが開口されてい
る。

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この従来技術は、屋根板を屋外
側より上枠の見付面に取付けるものであるため、
雨水等が侵入するおそれがあり、その防水処理作
業が煩雑で作業性が悪いものである。又竪枠およ
び仕切り枠は袖部を突出状に取付けるための特別
の構造に形成されているため、嵌め殺し窓のよう
な普通の窓に使用変更できない欠点がある。 そこで、この考案は、上記従来技術の問題点に
鑑み、これを解決したものであつて、庇の取付け
作業が容易で、雨水の侵入を確実に防止できる
上、需要者のニーズに応じて各種窓のサツシ枠体
に簡単に組込み変更できる汎用性の高い外観美麗
な窓を得るにある。

【課題を解決するための手段】

これを達成する手段として、この考案は、建物
開口部に取付けられるサツシ枠体のサツシ上枠に
垂設した垂下突部に、屋外側にパネル保持部を有
する窓庇の室内側上面部に突設した起立突部を室
内側より対向させて、窓庇をサツシ上枠の屋外側
へ突出状に組込み、該窓庇の屋外側に有するパネ
ル保持部の竪添え枠をサツシ竪枠の相対向面に設
け、土間部分に取付けられる窓下枠を上記窓庇と
同様に突出状にしてサツシ枠体下部に取付けると
共に、当該窓下枠をサツシ下枠の屋外側に一定間
隔をおいて相対向させ、上記窓下枠の屋外側に設
けたパネル保持部と窓庇および竪添え枠のパネル
保持部でパネルを保持し、窓下枠とサツシ下枠間
に掛け渡した床板で両下枠間に形成される間隙を
塞いでなるものである。

【実施例】

この考案の具体的構成を図面に示す実施例につ
いて以下詳細に説明する。 図面は玄関ドア２の枠１の一側に形成された出
窓状嵌め殺し袖部に実施した場合を示すものであ
つて、嵌め殺し袖部を設けた建物開口部３には、
サツシ上枠５、サツシ下枠６および左右サツシ竪
枠７，７で構成されたサツシ枠体４が取付けられ
る。このサツシ枠体４内にはパネル２１を上下よ
り保持するように窓庇８と窓下枠１４が室外側に
突出状に組込まれている。窓庇８は霧除け９、上
部パネル保持枠１０、天板１１、当板１２、より
構成されており、サツシ枠体４のサツシ上枠５に
垂下突部５ａを垂設し、その下面に三角形状に屋
外方向に張り出した霧除け９の室内側上面部に突
設した起立突部９ａを室内側より対向させること
により、霧除け９の基端が嵌め込まれて取付けら
れ、該霧除け９の外縁に沿うように下面に三角形
状に張り出し形成された上部パネル保持枠１０が
取付けられている。この上部パネル保持枠１０は
上方に室内側に開口した押し縁嵌合用の凹溝１０
ｃが形成され、下方にはアングル状保持片１０ｂ
が形成されており、押し縁１３の上端に形成した
外側方に突出する傾斜面と折返し片を有する嵌合
部１３ａを上記凹溝１０ｃに嵌合して、その下方
の保持片１０ｂと押し縁１３とによつて凹溝状の
パネル保持部１０ａを形成する。押し縁１３の室
内側には内側方に向かつて開口する凹溝状の天板
連結部１３ｂが形成され、この連結部１３ｂに天
板１１の先端を嵌合してビス止めする。当板１２
は下端に形成した外側方に向つて開口する凹溝状
の連結部１２ａを天板１１の室内側に嵌合してビ
ス止めすると共に、上端に形成した屋根連結用の
凹部１２ｂを霧除け９の室内端部に取付け、天板
１１の下面と押し縁１３および当板１２の下面と
を略同一面に連結する。 一方、窓下枠１４は巾木１５、下部パネル保持
枠１６、床板１７より構成されており、該巾木１
５上に上記上部パネル保持枠１０と対面するよう
に三角形状に張り出し形成された下部パネル保持
枠１６が取付けられている。この下部パネル保持
枠１６にはパネル嵌め殺し用の凹溝状パネル保持
部１６ａを上方に向つて開口し、その室内側に内
側方に向かつて開口する凹溝１６ｂを形成して、
該凹溝１６ｂに床板１７の先端を嵌合固定し、床
板１７をサツシ下枠６上に配設して下部パネル保
持枠１６とサツシ下枠６間に形成される間隙を閉
塞する。 又、上記窓庇８の上部パネル保持枠１０と、窓
下枠１４の下部パネル保持枠１６との間の左右両
側のサツシ枠体４のサツシ竪枠７，７には夫々竪
添え枠１８，１８が取付けられている。この竪添
え枠１８は竪パネル保持枠１９と竪押し縁２０と
で構成されており、この両者によつて凹溝状パネ
ル保持部１８ａが形成されている。 パネル２１はガラス或いは断面山形状に成型し
た合成樹脂製で構成されている。 そして、このサツシ枠体４を建物開口部３に取
付けるには、例えば、予めサツシ枠体４にパネル
２１を除いた上記部材、即ち窓庇８の霧除け９、
上部パネル保持枠１０、天板１１、当板１２、押
し縁１３の各部材、窓下枠１４の巾木１５、下部
パネル保持枠１６、床板１７の各部材、および竪
添え枠１８の竪パネル保持枠１９、竪押し縁２０
の各部材を組み立てておき、この状態で建物開口
部３にサツシ枠体４を設置した後、サツシ上枠５
の垂下突部５ａに霧除け９の起立突部９ａを室内
側より対向させることにより、サツシ上枠５より
窓庇８を三角形状に屋外方向に張り出すように取
付け、窓庇８から当板１２と押し縁１３を一体に
連結した天板１１と、竪押し縁２０を一旦取外
し、パネル２１を下部パネル保持枠１６のパネル
嵌め殺し用のパネル保持部１６ａに挿入すると共
に、竪パネル保持枠１９および上部パネル保持枠
１０に当接した後、再度竪押し縁２０を取付けて
形成したパネル保持部１８ａでパネル２１の両側
を保持し、天板１１を取付けることにより押し縁
１３と上部パネル保持枠１０で形成したパネル保
持部１０ａでパネル２１の上部を保持することに
よつて組立てる。 なお、この組立ては上記の手順に限定されるも
のではない。 又、需要者の希望によつては、サツシ枠体４に
出窓に代り、屋外方向に突出しない嵌め殺し窓の
ような通常の窓を組込むこともできる。この場合
には、窓庇８、窓下枠１４、竪添え枠１８の代り
に、通常の窓框部材を組込めば良い。 さらに、上記実施例においては玄関ドアの窓状
袖部について述べたが、これに限定されるもので
はない。

【考案の効果】

以上、実施例について詳述したように、この考
案は、窓庇がサツシ枠体内に取付けられるので、
両者の取付けがサツシ枠体内周面から行うことが
できることにより、外部からの取付けに起因する
取付け部、特に雨水を最も多く強力に受ける窓庇
の霧除けとサツシ上枠との取付け部分を、霧除け
の起立突部がサツシ上枠の垂下突部の室内側より
対向させて取付けるので、雨水の侵入はこの当接
面で堰止められて確実に防止できると共に、煩瑣
な水密処理作業が不要となつて組立て作業性を向
上することができ、外観も美麗に仕上げることも
できるものである。又サツシ下枠と窓下枠との間
に床板を掛け渡したことにより、両下枠間に見え
る土間部分は隠蔽されて外観を向上させることが
できると共に、該床板を利用して置物、鉢物等を
載置することができる。さらにサツシ枠体と別体
に、窓庇、窓下枠、竪添え枠を設けて、これを組
込むものであるから、これを取外したサツシ枠体
を利用して嵌め殺し窓のような通常の窓を適宜形
成できるので、簡単に仕様変更できて需要者のニ
ーズに対応できる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の外観図、第２図は同じく縦
断面図、第３図は同じく横断面図、第４図はは中
央パネル部分の横断面図、第５図は霧除けの斜視
図。 ３……建物開口部、４……サツシ枠体、５……
サツシ上枠、５ａ……垂下突部、６……サツシ下
枠、７……サツシ竪枠、８……窓庇、９……霧除
け、９ａ……起立突部、１０ａ……パネル保持
部、１４……窓下枠、１６ａ……パネル保持部、
１７……床板、１８……竪添え枠、１８ａ……パ
ネル保持部、２１……パネル、Ａ……土間部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物開口部に取付けられるサツシ枠体のサツシ
   上枠に垂設した垂下突部に、屋外側にパネル保持
   部を有する窓庇の室内側上面部に突設した起立突
   部を室内側より対向させて、窓庇をサツシ上枠の
   屋外側へ突出状に組込み、該窓庇の屋外側に有す
   るパネル保持部の竪添え枠をサツシ竪枠の相対向
   面に設け、土間部分に取付けられる窓下枠を上記
   窓庇と同様に突出状にしてサツシ枠体下部に取付
   けると共に、当該窓下枠をサツシ下枠の屋外側に
   一定間隔をおいて相対向させ、上記窓下枠の屋外
   側に設けたパネル保持部と窓庇および竪添え枠の
   パネル保持部でパネルを保持し、窓下枠とサツシ
   下枠間に掛け渡した床板で両下枠間に形成される
   間隙を塞いでなることを特徴とする窓。