JPH03193933A - 紡機用リング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高速精紡に於いて優れた機能を発揮する紡機用
リングの構成に関するものである。

〔従来の技術及びその課題〕

従来の紡機用リングは、一般に低炭素鋼が用いられ、表
面硬化処理として浸炭焼入れ処理が行なわれてい′る。

しかし、上記リングでは、スピンドル回転数が１８００
０　ｒ、ｐ、ｍ以上ではリングの耐摩耗性が不充分であ
り、リングの寿命が短かくなるといった欠点があった。

本発明の目的は、上記問題点を解決した紡機用、リング
を提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、炭素鋼を素材として切削加工し、所要形状の
リングを形成し、次いで上記リングを熱処理し表面研唐
九理したのち、その表面に粒子径が０．２μ〜３．０μ
の硬質微粒子を共析物質とし、その含有率を１％〜１０
％（重量％）の範囲とし、硫酸第二クロムを主成分に錯
化剤としてギ酸カリウムを用いた浴から得られるクロム
メッキをマトリックスとする複合メッキ層を、その厚さ
が５μ〜３０μとなるように形成し、次に３００℃〜６
００℃の温度範囲で４０分〜１００分の時間をかけて熱
処理を行ない、複合メッキ層の硬度をＨｖ１０００〜１
６００の硬度とし、さらに、トラベラが接触、摺動する
表面の表面粗さを、研磨加工を施すことにより、−０，
２μ以下にすることにより複合メッキ層の有する、良好
な耐摩耗性、耐焼付性、摺動性を七分に発揮させる事が
でき、スピンドル回転の高速条件においても優れた耐摩
耗性を発揮する事が可能となる。

硬質微粒子の大きさが３．０μを超えると、メッキ層か
らの脱落が早くなり、０．２μ未満では耐摩性が劣る。

複合メッキ中の硬質微粒子の含有率は１〜１０％（重量
％）とするのがよく、１％未満では十分な耐摩性が得ら
れず、１０％を超えると複合メッキ層の表面における硬
質微粒子の占める割合が大きくなり摺動性に劣る。

複合メッキ層の厚さは５μ〜３０μとするのがよく、５
μ未満では高速における耐摩耗性において不充分であり
、３０μを超えると処理時間が極めて長くなり、コスト
アップになるという欠点がある。

さらに、トラベラの接触、摺動する表面の表面粗さを研
磨加工によりｈｏ、２μ　以下としたが、研磨加工を施
さない複合メッキの表面粗さは亀で０．２μを超え、平
滑性に乏しい表面を呈しており、トラベラの走行を乱し
、高速性に乏しいという欠点がある。

研磨加工により表面粗さを＆０．２μ以下にする事でト
ラベラの走行をなめらかにするだけでなく、複合メッキ
の最表面に、高硬度で良好な耐摩耗性、耐焼付性、摺動
性を有するＣｒ−Ｃ合金の中に、高硬度で耐摩耗性に優
れる硬質微粒子を露出させて、共存状態を作成する事に
より、スピンドル回転の高速域でもトラベラとの摩擦抵
抗を低減させたものである。

〔実施例〕

以下本発明の一実施例を図面を用いて説明する。

第１図、第２図に示す様に円筒状の５ｌＳＣＫ材を所要
のリング形状に切削加工し、浸炭焼入９表面魁理を施し
てリング（１）を形成する。

上記リング（１）の表面に硬質微粒子として粒径ｌμの
炭化硅素（２）を共析物質として、その含有量が重量％
で約２％となるようにクロム合金複合メッキを行ない、
リングの表面にＣｒ−Ｃ合金（３）をマトリックスとし
、炭化硅素を共析物質とする複合メッキ層（４）を形成
する。

次いで、熱処理炉において約４００℃で約１時間加熱し
、熱処理することにより複合メッキ被膜の硬度を第３図
に示すようにビッカース硬度で約ＨｖｌｌＯＯの高硬度
とし、更にトラベラの接触、ｒＭ動する７リング表面（
５）にラッピング等の研磨加工を施し、トラベラとの接
触表面に硬質微粒子を露出させ、更に表面粗さを−０゜
２μ以下の平滑な表面に形成して本発明の紡機用リング
を構成する。

なお、第４図■に示す研磨加工前のリング表面状態は、
第４図（ロ）に示す様に複合メッキの最表面は、マトリ
ックスのＣｒ−Ｃ合金（３）の中に硬質微粒子の炭化硅
素（２）が露出した共存状態を形成する。

また、研磨加工することにより、硬質微粒子が一部研磨
されたり、あるいは一部硬質微粒子が脱落し、表面が平
滑化する。

尚、複合メッキ層に共析させる硬質微粒子には、高硬度
で耐薬品性、耐摩耗性が大きく、更に熱伝導率の良好な
炭化硅素が最もよく、トラベラの走行により生じる摩擦
熱を放散し易く、トラベラ寿命を延長させる利点がある
。

次に上記本発明の紡機用リング■と従来の低炭素鋼に浸
炭焼入れを行なったリング■を用いて次の条件にて比較
テストを行なった。

糸　　　：綿　４０番手 リング：　７ランジ巾：３．２ｎｍ　　　内径：４１ｍ
１トラベラ：　ＭＳ／ｈｆ　Ｖｏ　　にッケルメッキ品
）スピンドル回転：　ｌ　８５００ｒ、ｐ−ｍ第５図に
上記紡出条件で紡出した場合の運転時間とリングの摩耗
減量との曲線図を示す。

第５図より従来の紡機用リング■に比較し、本発明の紡
機用リング囚は約碌の摩耗減量となり、寿命は３倍以上
に延びることがわかる。

〔発明の効果〕

本発明は、上記の如く硬質微粒子を共析物質とし、Ｃｒ
−Ｃ合金をマトリックスとする複合メッキ層を形成する
と共に、複合メッキ層の被膜硬度をＨｖｌｏｏｏ”１６
００とし、表面に硬質微粒子を露出し、更に表面粗さを
亀で０．２μ以下に形成しているので、スピンドル回転
数：　ｌ　８０００ｒ、ｐ、ｇｏ以上の高速域におイテ
も、なじみがよく、安定した連続運転が可能となり、ト
ラベラ焼けが発生せず、トラベラの寿命も延長すること
ができる。また、メッキ処理後に熱処理を施してメッキ
被膜硬度をＨｖ１０００〜１６００と高硬度に高めると
共に、研磨加工によってトラベラとの接触表面に硬質微
粒子を露出させているのでリングの耐摩耗性も向上し、
リングの寿命を延長することができる等の優れた効果を
有する発明である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の紡機用りングの一実施例を示す一部破
断断面図、第２図は要部拡大断面図、第３図は熱処理温
度と複合メッキ層の被膜高度の関係図、第４図（イ）、
（ロ）は各々研磨加工前と加工後の複合メッキ層の表面
状態を示す斜視図、第５図は摩耗減量の比較曲線図であ
る。 （１）・・・・・・リング　　　　　（２）・・・・・
・硬質微粒子（３）・・・・・・Ｃｒ−Ｃ合金　　（４
）・・・・・・複合メッキ層（５）・・・・・・トラベ
ラの摺動面 第１図 第２図 第 ３ 図 弁竪ル理；１鷹　じＣン 第 図 第 図 ６８ ３１転吋間 ＋０　　１２　　１４　　１６ （ｘ　＋ｏｏｏ鱒聞）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）紡機用リングの少なくともトラベラと接触するフ
   ランジの表面に硬質微粒子を共析物質とし、クロム合金
   をマトリックスとする複合メッキ層を設け、熱処理によ
   って複合メッキ層の硬度をＨｖ１０００〜１６００とす
   ると共に、研摩加工により、トラベラの接触表面に、硬
   質微粒子を露出し、更に表面の粗さが、中心線平均粗さ
   Ｒａで０．２μ以下であることを特徴とする紡機用リン
   グ。
2. （２）上記硬質微粒子が、炭化硅素，ダイヤモンド，ジ
   ルコニア，酸化アルミニウムの少なくとも、１種からな
   る請求項１記載の紡機用リング。
3. （３）上記複合メッキのマトリックスが、硫酸第二クロ
   ムを主成分に錯化剤としてギ酸カリウムを用いた浴から
   得られたＣｒ−Ｃ合金からなる請求項１記載の紡機用リ
   ング。