JP2627343B2 - 紡機用トラベラ - Google Patents
紡機用トラベラInfo
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- JP2627343B2 JP2627343B2 JP1335485A JP33548589A JP2627343B2 JP 2627343 B2 JP2627343 B2 JP 2627343B2 JP 1335485 A JP1335485 A JP 1335485A JP 33548589 A JP33548589 A JP 33548589A JP 2627343 B2 JP2627343 B2 JP 2627343B2
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- traveler
- yarn
- plating layer
- spinning machine
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、精紡機,撚糸機等に用いられる糸との接触
面の耐摩耗性を高めた構造の紡機用トラベラに関するも
のである。
面の耐摩耗性を高めた構造の紡機用トラベラに関するも
のである。
〔従来の技術及びその課題〕 従来、精紡機や撚糸機に用いられる紡機用トラベラに
おいては、糸が高速で糸通過部を通過する運転条件或
は、糸に特殊な添加剤を含む運転条件の下では、糸通過
部の耐摩耗性が要求される。従って、この耐摩耗性を向
上させるために、通常は糸通過部の表面に硬化処理とし
て、クロムメッキや梨地クロムメッキを施したトラベラ
が使用されている。
おいては、糸が高速で糸通過部を通過する運転条件或
は、糸に特殊な添加剤を含む運転条件の下では、糸通過
部の耐摩耗性が要求される。従って、この耐摩耗性を向
上させるために、通常は糸通過部の表面に硬化処理とし
て、クロムメッキや梨地クロムメッキを施したトラベラ
が使用されている。
然るに操業条件の高速化及び紡出する糸の特殊化によ
り、上記従来のクロムメッキや梨地クロムメッキトラベ
ラでは、糸通過部の摩耗が早期に発生し、糸質の低下、
糸毛羽や糸切れを引起して安定した紡調が得られず、短
寿命となり、トラベラ交換の為の手数が増大するという
問題点がある。
り、上記従来のクロムメッキや梨地クロムメッキトラベ
ラでは、糸通過部の摩耗が早期に発生し、糸質の低下、
糸毛羽や糸切れを引起して安定した紡調が得られず、短
寿命となり、トラベラ交換の為の手数が増大するという
問題点がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、紡
機用金属トラベラの少なくとも糸と接触する表面部に梨
地処理を施し、該梨地処理表面に硫酸第二クロムを主成
分とし、錯化剤としてギ酸カリウムを用いた浴から得ら
れるCr−C合金メッキ層を被膜厚さ5μ〜30μで、表面
粗さが十点平均粗さでRZ=1.5μ〜3.5μ(基準長さ0.8m
m)となる様構成し、更に熱処理を施してCr−C合金メ
ッキ層の高度をHv1200〜Hv1600として糸通過部の耐摩耗
性を向上させることにより問題点を解消したものであ
る。
機用金属トラベラの少なくとも糸と接触する表面部に梨
地処理を施し、該梨地処理表面に硫酸第二クロムを主成
分とし、錯化剤としてギ酸カリウムを用いた浴から得ら
れるCr−C合金メッキ層を被膜厚さ5μ〜30μで、表面
粗さが十点平均粗さでRZ=1.5μ〜3.5μ(基準長さ0.8m
m)となる様構成し、更に熱処理を施してCr−C合金メ
ッキ層の高度をHv1200〜Hv1600として糸通過部の耐摩耗
性を向上させることにより問題点を解消したものであ
る。
本発明の構成に於いて紡機用トラベラの少なくとも糸
と接触する表面即ち、糸通過部の表面に形成されるCr−
C合金メッキ層は糸通過部のみにマスキングにより形成
することが出来るが、トラベラ全体に設けることもで
き、250℃〜500℃の温度範囲で40〜100分程度熱処理を
施すことによつて硬度をHv1200〜Hv1600となし、耐摩耗
性に優れた糸通過部を形成することができる。
と接触する表面即ち、糸通過部の表面に形成されるCr−
C合金メッキ層は糸通過部のみにマスキングにより形成
することが出来るが、トラベラ全体に設けることもで
き、250℃〜500℃の温度範囲で40〜100分程度熱処理を
施すことによつて硬度をHv1200〜Hv1600となし、耐摩耗
性に優れた糸通過部を形成することができる。
またトラベラ表面の表面粗さをRZ=1.5μ〜3.5μの範
囲としたのは1.5未満では、糸との摩擦係数が大とな
り、Cr−C合金メッキ層が早期に摩耗し、3.5μを超え
ると糸がしごかれて糸が損傷するといった問題があり好
ましくない。
囲としたのは1.5未満では、糸との摩擦係数が大とな
り、Cr−C合金メッキ層が早期に摩耗し、3.5μを超え
ると糸がしごかれて糸が損傷するといった問題があり好
ましくない。
以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図イ,ロに示す様に硬鋼線材又は合金鋼線材を用
いて所要形状の縦型トラベラ(1)又は横型トラベラ
(2)に成形し、焼入れ,焼戻し処理を行なった後、梨
地加工が行なわれる。
いて所要形状の縦型トラベラ(1)又は横型トラベラ
(2)に成形し、焼入れ,焼戻し処理を行なった後、梨
地加工が行なわれる。
第2図は上記トラベラの表面に形成するCr−C合金メ
ッキ層の部分拡大断面図であり、少なくとも糸の接触す
る部分即ち、糸通過部(3)の表面にCr−C合金メッキ
層(4)を厚さ5μ〜30μの範囲で被膜を形成する。
ッキ層の部分拡大断面図であり、少なくとも糸の接触す
る部分即ち、糸通過部(3)の表面にCr−C合金メッキ
層(4)を厚さ5μ〜30μの範囲で被膜を形成する。
上記被覆は下記処理条件により形成した。
メッキ浴組成 硫酸第2クロム 138g/l ホウ酸 40g/l ギ酸カリウム(醋化剤) 70g/l メッキ条件 浴温 23〜28℃ 電流密度 12〜20A/dm2 上記トラベラは更に熱処理炉にて約250℃で約1時間
加熱し、熱処理することにより第3図に示す如く、ビツ
カース硬度でHv1200以上の高硬度とし、本発明の紡機用
トラベラを形成した。
加熱し、熱処理することにより第3図に示す如く、ビツ
カース硬度でHv1200以上の高硬度とし、本発明の紡機用
トラベラを形成した。
上記Cr−C合金メッキ層を設けた金属トラベラの表面
粗さは、第4図に示す様に十点平均粗さRZ=2.54μ(基
準長さ0.8mm)であった。Cr−C合金メッキ層の厚みを
5μ〜30μとしたのは30μを超えると処理時間が長くな
り、作業性の点で問題があり好ましくなく、また5μ未
満では寿命の点で十分でなく、望む耐摩耗性が得られな
いからである。
粗さは、第4図に示す様に十点平均粗さRZ=2.54μ(基
準長さ0.8mm)であった。Cr−C合金メッキ層の厚みを
5μ〜30μとしたのは30μを超えると処理時間が長くな
り、作業性の点で問題があり好ましくなく、また5μ未
満では寿命の点で十分でなく、望む耐摩耗性が得られな
いからである。
第5図はこのようにして得られた本発明の紡機用トラ
ベラAと従来の梨地クロムメッキトラベラBの断面硬度
分布曲線を示す。
ベラAと従来の梨地クロムメッキトラベラBの断面硬度
分布曲線を示す。
上記本発明で得られた紡機用トラベラAと従来の梨地
クロムメッキトラベラBとの性能比較のため、次の条件
で紡出テストを実施した。
クロムメッキトラベラBとの性能比較のため、次の条件
で紡出テストを実施した。
糸 :エステル 40d(セラミツク粒子混入特殊
糸) リング :縦型焼結リング(STSNφ140mm) スピンドル回転数:7000r.p.m. トラベラ:SSB No.30(縦型トラベラ) テストの結果は従来の梨地クロムメッキトラベラBの
糸通過部が2〜3時間で摩耗し紡出が不可能となったの
に対し、本発明の金属トラベラAは6時間乃至8時間経
過後に於いても摩耗の発生はなく、優れた耐摩耗性を有
することが確認された。
糸) リング :縦型焼結リング(STSNφ140mm) スピンドル回転数:7000r.p.m. トラベラ:SSB No.30(縦型トラベラ) テストの結果は従来の梨地クロムメッキトラベラBの
糸通過部が2〜3時間で摩耗し紡出が不可能となったの
に対し、本発明の金属トラベラAは6時間乃至8時間経
過後に於いても摩耗の発生はなく、優れた耐摩耗性を有
することが確認された。
また、本発明の糸との接触表面部に形成するCr−C合
金メッキ層(4)は、第6図に示すメタルインサートナ
イロントラベラ(5)の糸通過部即ち、インサート部材
(6)の表面に形成することもできる。
金メッキ層(4)は、第6図に示すメタルインサートナ
イロントラベラ(5)の糸通過部即ち、インサート部材
(6)の表面に形成することもできる。
本発明は上記の如く、トラベラサークルの少なくとも
糸と接触する表面部に梨地加工を施し、その表面にビツ
カース硬度がHv1200以上の高硬度のCr−C合金メッキ層
を設けたことにより、糸通過部はその表面粗さがRZ=1.
5μ〜3.5μの凹凸表面となって、糸との接触が表面平滑
なる硬度ポイントとの点接触となり、熱放散効果が優れ
る。従来の梨地クロムメッキトラベラに比べ被膜硬度が
高く、糸通過部の摩耗が著しく減少し、耐摩耗性に富
み、長寿命である等の優れた効果を有する発明である。
糸と接触する表面部に梨地加工を施し、その表面にビツ
カース硬度がHv1200以上の高硬度のCr−C合金メッキ層
を設けたことにより、糸通過部はその表面粗さがRZ=1.
5μ〜3.5μの凹凸表面となって、糸との接触が表面平滑
なる硬度ポイントとの点接触となり、熱放散効果が優れ
る。従来の梨地クロムメッキトラベラに比べ被膜硬度が
高く、糸通過部の摩耗が著しく減少し、耐摩耗性に富
み、長寿命である等の優れた効果を有する発明である。
第1図(イ),(ロ)は夫々本発明の実施の1例を示す
紡機用トラベラであり、(イ)は縦型トラベラの断面
図,(ロ)は横型トラベラの断面図、第2図は同Cr−C
合金メッキ層の部分拡大断面図、第3図は同熱処理温度
と複合メッキ層の被膜硬度との関係と示す曲線図、第4
図は同表面粗さの測定図、第5図は本発明の紡機用トラ
ベラと従来トラベラの断面硬度分布曲線図、第6図は同
他の実施例を示すトラベラの正面図である。 (1)……縦型トラベラ、(2)……横型トラベラ (3)……糸通過部、(4)……Cr−C合金メッキ層 (5)……メタルインサートナイロントラベラ (6)……インサート部材
紡機用トラベラであり、(イ)は縦型トラベラの断面
図,(ロ)は横型トラベラの断面図、第2図は同Cr−C
合金メッキ層の部分拡大断面図、第3図は同熱処理温度
と複合メッキ層の被膜硬度との関係と示す曲線図、第4
図は同表面粗さの測定図、第5図は本発明の紡機用トラ
ベラと従来トラベラの断面硬度分布曲線図、第6図は同
他の実施例を示すトラベラの正面図である。 (1)……縦型トラベラ、(2)……横型トラベラ (3)……糸通過部、(4)……Cr−C合金メッキ層 (5)……メタルインサートナイロントラベラ (6)……インサート部材
Claims (1)
- 【請求項1】金属トラベラサークルの少なくとも糸と接
触する表面部に梨地処理を施し、上記金属トラベを硫酸
第2クロムを主成分とし、醋化剤としてギ酸カリウムを
添加したメッキ浴を用いてCr−C合金メッキ層を形成
し、上記Cr−C合金メッキ層を形成した金属トラベラを
熱処理することにより、硬度がHv1200〜1600で、表面部
の表面粗さが十点平均粗さでRZ=1.5μ〜3.5μとなるよ
うに形成したことを特徴とする紡機用トラベラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1335485A JP2627343B2 (ja) | 1989-12-25 | 1989-12-25 | 紡機用トラベラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1335485A JP2627343B2 (ja) | 1989-12-25 | 1989-12-25 | 紡機用トラベラ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03193935A JPH03193935A (ja) | 1991-08-23 |
JP2627343B2 true JP2627343B2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=18289102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1335485A Expired - Fee Related JP2627343B2 (ja) | 1989-12-25 | 1989-12-25 | 紡機用トラベラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2627343B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4718842B2 (ja) * | 2004-01-23 | 2011-07-06 | 東レ株式会社 | 合成繊維製造用延伸部材およびその製造方法ならびに合成繊維の製造方法 |
JP4767584B2 (ja) * | 2005-05-09 | 2011-09-07 | 東レ株式会社 | 合成繊維製造用糸道規制部材およびその製造方法ならびに合成繊維の製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5158534A (ja) * | 1974-11-16 | 1976-05-21 | Kanai Hiroyuki | Bokyotorapera |
JPS551327A (en) * | 1978-06-13 | 1980-01-08 | Kanai Hiroyuki | Traveler for spinner |
JPS62170534A (ja) * | 1986-01-20 | 1987-07-27 | Hiroyuki Kanai | 紡機用トラベラ |
-
1989
- 1989-12-25 JP JP1335485A patent/JP2627343B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03193935A (ja) | 1991-08-23 |
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Legal Events
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