JPH03183759A - 積層プラスチックフイルムおよびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、無機物を積層（コート）したプラスチックフ
ィルム及びその製造方法に関する。

（従来の技術） 従来プラスチックフィルムを主とした基体に無機物質を
積層（コート）シた物（例えばフレキシブル電基板、タ
ッチパネル用透明電極、ガスバリア用包装材料）は基体
であるプラスチックフィルム、又はその上にコートされ
た有機物質上（アンカーコート上）に無機物質がコート
され、第２図で示す明確な界面が存在する。

上記コートフィルム（積層フィルム）を製造する物理的
蒸着方法としては、予めコロナ放電処理又はアンカーコ
ート処理したプラスチックフィルムに直接無機物質をコ
ートする方法が取られている。、 コロナ放電処理及びアンカーコート処理は、いづれも無
機物質の密着性の向上のために行われている。

（発明が解決しようとする課題） 密着性改善のためのコロナ放電処理は、フィルム表面の
若干の改善によりプラスチックフィルムと無機物質の密
着強度を増すが満足するレベルではない。

アンカーコート層を有するフィルムでは、アンカーコー
ト層がウェットプロセス（コートスル樹脂を溶媒に溶解
して、それをフィルムに塗布し乾燥する）でコートされ
るため耐熱性や耐溶剤性に問題がある。

さらに、従来の無機物質コートフィルムでは必ずプラス
チックフィルムと無機物質コート層または、アンカーコ
ート層と無機物質コート層の明確な界面が存在する。

一般的に無機物質と有機物質では、物理的性質が大きく
違う。特に湿度膨張率、熱膨張率、ヤング率が大きく違
う。この為、無機物質をコートしたプラスチックフィル
ムを温度や湿度が大きく変化する環境に置いたり、大き
な曲率で曲げられると無機物質の界面で大きな応力が発
生して、無機物質コートフィルムのカールまたは、無機
物質コート層にクラックなどの欠陥が生じる。さらには
、コート層の剥離等重大な欠陥が生じる。

近年、電子分野でフレキシブル基板が盛んに使用される
ようになってきた。この基板は、狭い場所への収納のた
め基板を大きな曲率で曲げる。

そのため、基板であるプラスチックフィルムと回路パタ
ーンの銅とに応力がかかりクラックが発生する。一方、
Ｅ、Ｌ、透明電極などをフィルムに形成する場合Ｅ、Ｌ
層、透明電極に水分等を侵入させないため遮断層として
５ｉｎｓ等セラミック層をプラスチックフィルム上に形
成する。

この５ｉｎｓをコートしたプラスチックフィルム上に透
明導電層、Ｅ、Ｌｊ！！を形成するが、その形成過程の
蒸着あるいはスパッタ過程で基体となるプラスチックフ
ィルムがかなり加熱され高温に？ｊる。このため５ｉＣ
）ａ層に応力が入りクラック等が発生して、水分の遮断
能力が低下する。

包装材料分野では、ＰＥＴ等のフィルム上にＳ　ｉ０２
、ＡＩＱＯ３等の透明な々ラミックスを蒸着した透明ガ
スバリアフィルムが使用されるようになってきた。

これは食品等を包装し、レトルト処理により殺菌し酸素
を遮断することで内容物の長期保存を可能にするもので
ある。

従って、高温、高湿の状態に耐えた後にセラミック層が
酸素を遮断しなければならず、クラックの欠陥などが重
大な問題となる。

（課題を解決するための手段） 本発明は、前記従来技術のかかえる課題を解決するため
のものであり、プラスチックフィルム上に無機物薄膜層
を形成積層したときの密着性等の向上をはかりすぐれた
積層プラスチックフィルムを得んとするものである。す
なわち本発明は、基体としてのプラスチックフィルム上
に、有機物薄膜層と無機物薄膜層とを少なくとも積層し
た積層プラスチックフィルムであって、基体側に最も近
い層に有機物薄膜層が形成され、かつ有機物と無機物と
を含んだ層を有することを特徴とする積層プラスチック
フィルムであり、また基体としてのプラスチックフィル
ム上に、物理的蒸着法により有機物薄膜層と無機物薄膜
層とを積層する方法において、基体を先ず有機物のみの
蒸着域に置いて有機物薄膜層を基体上に形成し、その後
有機物と無機物との混在蒸着域に置いて有機物と無機物
の両者を含む薄膜層を形成せしめることを特徴とする積
層プラスチックフィルムの製造方法である。

本発明において、プラスチックフィルムとは有機重合体
を溶解又は溶融押し山ししたもので、必要に応じて長手
方向、幅方向に延伸した物である。

有機重合体の代表なものとしては、ポリエステル、ポリ
エチレン、ナイロン６、ポリアミド、ポリイミド、四ふ
っ化エチレン、ぶつ化ビニリデンなどがある。

又、これらの共重合体や他の有機重合体を含有するもの
でもよい。さらに、これらの有機重合体に公知の添加剤
（例えば、帯電防止剤、滑剤）が添加されてもよい。

この様なプラスチックフィルムをさらにラミネートシた
り、公知の表面処理（例えばコロナ処理、プラズマ処理
等）を行ってもよい。

本発明のプラスチックフィルムの厚さは、特に制限を受
けないが加工性面より３〜１０００μｍの範囲が好まし
い。

かかるプラスチックフィルム上に、有機物と無機物のコ
ート層を形成する。

本発明で言う有機物とは、主として炭素と水素からなる
化合物でありその他に酸素、窒素を含んでもよく、さら
に硫黄リン、鉄、マグネシウムなどもまれに含んでもよ
い。この他に、炭素をケイ素に置き換えたシリコーンで
もよい。さらに水素をハロゲン、特にフッ素で置き換え
たフッ素系物質でもよい。これらの内、薄膜層を形成す
る意味で常温（２５℃）で固体である物質である。

例えばフェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルム
アルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリーＰ−キシリレン
、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリレート、ポリメタクリレ
ート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアク
リロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン
、ポリエーテル、ポリカーボネート熱可塑性ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリイソプレン、ポリウレタン、シリ
コンゴム、塩化ゴム、塩酸化ゴム、セルロイド、アセテ
ート等であるがこの限りでない。

又、本発明で言う無機物とはホウ素、炭素、ケイ素、ゲ
ルマニウムなどの半導体、ナトリウム、マグネシウム、
アルミニウム、カリウム、チタンクロム、鉄、コバルト
、ニッケル、亜鉛、銀、銅等の金属、さらに、前記の半
導体や金属の酸化物、フッ化物、塩化物などのセラミッ
クスでありこれらの混合物、合金物などを言う。

かかる有機物と無機物とで薄膜層（コート層）を形成す
る。コート層は、プラスチックフィルムに存在するとこ
ろでは、例えば第１図の様に有機物層より無機物層へ漸
次組成が変化し、有機物層と無機物層の間に明確な界面
がない層、すなわち有機物と無機物を含む層を持つ２層
を少なくとも１組持つコート層を形成する。そして、そ
の上に無機物薄膜層を形成する。

有機物層及び無機物層の暦数はとくに制限を受けない。

特に好ましく用いやすい例としては、基体となるプラス
チックフィルムと同種類の有機物（有機重合体）薄膜層
上に、ある機能（例えばガスバリア性、導電性等）を持
った無機物層を形成した構造である。

このようなコート層（薄膜層）を形成する方法としては
、物理的蒸着法が適している。ここで言う物理的蒸着法
とは、熱蒸発を利用した蒸着法、スパッタリング、イオ
ンプレーテングを言う。

第３図に本発明品のコート層を有するプラスチックフィ
ルムを製造する装置の例を示す。

■プラスチックフィルムが　０巻出しロールより　■セ
ンターロールを通り　■巻取りロールに巻取られる間に
　■有機物の物理的蒸着源と［相］無機物の物理的蒸着
源上を通り、有機物と無機物からなる第１図に示すコー
ト層を形成する第１図の■の１００％有機物質である層
が第３図で示すａで形成され　■の漸次有機物質より無
機物質に組成が変化する層が、有機物質コート領域と無
機物質コート領域とが共有している領域、つまり第３図
で示すｂ領域で形成される。

これにより有機物質上に無機物質を明確な界面をもたせ
ずに形成する。

これらの層を形成するに先立ち、有機物質層を形成して
も良いし又、これらの層の後に有機物質及び無機物質層
を形成してもよい。

本発明により耐熱、耐湿性に優れ屈曲に対して強いコー
ト層を有するプラスチックフィルムを提供する。

（実施例） 〈実施例１〉 プラスチックフィルムとして厚さ１２μｍの２軸延伸ポ
リエステルフィルムを使用した。

プラスチックフィルム基体に最も近い有機物質層を、ポ
リエステルを抵抗加熱方式で蒸着して形成し、無機物質
層を酸化シリコンを電子ビーム加熱方式で蒸着して形成
した。

コート層の厚さは有機物としてのポリエステル蒸着層が
２００Åであり、純粋？ｊ酸化シリコン履が３００λで
あり、両者間に形成されたポリエステルと酸化シリコン
との混合層が７００λであることをＥＳＣＡで確認した
。前記フィルムを１３５℃加圧熱水で３０分煮沸し、酸
素透過率をその前後で測定した。

比較のために従来の方法で酸化シリコン８００Åのみを
蒸着したプラスチックフィルムを同様に測定した。その
結果を表１に示す。

表　　　　１ （実施例２） プラスチックフィルムとして、厚さ５０μｍポリイミド
フィルムを使用した。

プラスチックフィルム基体に最も近い有機物薄膜層をポ
リイミドをターゲットとしてスノ（ツタにより形成した
。そのコート層の厚さはＯ２４μｍであり、無機物とし
て銅を用いて実施例１と同様に銅層を形成した。純粋な
銅層は０．２μｍであり、混合層は０．１μｍであるこ
とをＥＳＣＡで確認した。

前記フィルムを屈曲ε伸長な繰り返しその抵抗を測定し
た。

比較のため銅層のみを０．２５μｍ形成したフィルムを
同様にテストした。その結果を第４図に示す。

従来品５２回の屈曲で断線したが、本発明品４９回で抵
抗の増加が見られたが１０００回の屈萌でも断線しなか
った。

（発明の効果） 本発明により、耐熱性、耐湿性、耐屈曲性に優れた無機
物薄膜層を積層したプラスチックフィルムを提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明品のコート層を有するプラスチックフ
ィルムの概念図である。 ■　純粋な無機物薄膜層 ■　無機物と有機物との混合層 ■　純粋な有機物層 ■　プラスチックフィルム 第２図は、従来の無機物コートプラスチックフィルムの
概念図である。 ■　純粋な無機物層 ■　プラスチックフィルム ■　界面 第３図は、本発明品のコート層を有するプラスチックフ
ィルムを製造する装置の例の概念図である。 ■　プラスチックフィルム ■　巻出しロール ■　巻取りロール ■　センターロール ■　有機物の物理的蒸着源 ［相］　無機物の物理的蒸着源 第４図は、実施例２の銅コートフィルムの屈曲テストの
結果である。 ■　本発明品 ［相］　従来品

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）基体としてのプラスチックフイルム上に、有機物
   薄膜層と無機物薄膜層とを少なくとも積層した積層プラ
   スチックフイルムであって、基体側に最も近い層に有機
   物薄膜層が形成され、かつ有機物と無機物を含んだ層を
   有することを特徴とする積層プラスチックフイルム。
2. （２）基体としてのプラスチックフイルム上に、物理的
   蒸着法により有機物薄膜層と無機物薄膜層とを積層する
   方法において、基体を先ず有機物のみの蒸着域に置いて
   、有機物薄膜層を基体上に形成し、その後有機物と無機
   物の混在蒸着域に置いて、有機物と無機物の両者を含む
   薄膜層を形成せしめることを特徴とする積層プラスチッ
   クフイルムの製造方法。