JPH0317631Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば刈取部及び脱穀部を備えて連続
的に穀稈を刈取つて脱粒するコンバイン等の脱穀
装置に関する。従来、実開昭57−155036号公報に
示す如く、扱胴の後方に直交形処理胴を設けた技
術があつた。

しかし乍ら、前記従来技術は、処理胴下側に設
けるコンケーブの漏下間隔を常に一定に保つもの
であるから、例えば実開昭58−26830号公報に示
す如く、扱胴の送塵調節、チヤフシーブの漏下間
隔調節、並びに選別風力調節などを行つても、処
理胴の負荷が過大又は過小になり易く、処理胴に
よる再脱穀処理性能の向上などを容易に図り得な
い等の機能上の問題があつた。

然るに、本考案は、扱胴の下方に揺動選別盤を
備え、該選別盤に漏下間隔調節自在なチヤフシー
ブを設けると共に、扱胴の後方に直交形処理胴を
備え、該処理胴下側にコンケーブを設ける脱穀装
置において、揺動選別盤後部上面に前記コンケー
ブ前部を、またコンケーブ後部上面を吸排塵フア
ンの吸引側に夫々連通させ、扱胴から揺動選別盤
上に落下する排塵がコンケーブ上面を介して吸排
塵フアンに吸込まれるように構成すると共に、前
記コンケーブを漏下間隔調節自在に形成し、前記
チヤフシーブとコンケーブの各漏下間隔を相互に
関連させて調節して処理胴の負荷を制御するよう
に構成したことを特徴とするものである。

従つて、コンケーブの漏下間隔調節によつて処
理胴の負荷を直接的に増減制御し得ると共に、チ
ヤフシーブ及びコンケーブの各漏下間隔を相互に
関連させて調節するから、扱胴から吸排塵フアン
吸込側に至る排塵径路で多段的に排塵送出作用を
変化させ得、処理胴の負荷制御を極めて容易に行
い得、かつ揺動選別盤及びコンケーブの各選別機
能も容易に向上させ得、従来に比べて処理胴の再
処理機能の向上並びに吸排塵フアンに吸込まれる
穀粒損失量の低減などを容易に図り得るものであ
る。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図はコンバインの側面図、第２図は同平面
図であり、図中１は走行駆動ミツシヨン２を取付
けるトラツクフレーム、３は前記トラツクフレー
ム１の両側に走行駆動スプロケツト４を介して装
設する走行クローラ、５は前記トラツクフレーム
１に支持させる機台、６は左側にフイードチエー
ン７を張設し扱胴８を内蔵する脱穀部、９は回動
支点軸１０及び昇降シリンダ１１を介して機台５
前方に支持させ刈刃１２及び穀稈搬送機構１３を
備える刈取部、１４は排藁チエーン１５終端を臨
ませる排藁カツター、１６は排藁集束台、１７は
コンバインの各部を駆動するエンジン、１８は揚
穀筒１９を臨ませて脱穀部６から取出す穀粒を溜
める籾タンク、２０は運転席２１及び運転操作部
２２を備える運転台であり、サイドクラツチレバ
ー２３，２３と刈取り及び脱穀クラツチレバー２
４，２５を運転席２１の前方に備えると共に、運
転席２１の左側である運転台２０の内側方に走行
変速レバー２６を組込み、連続的に穀稈を刈取つ
て脱穀するように構成する。

第３図は上記脱穀部６の断面側面図、第４図は
同断面正面図であり、図中２７は機体の前後方向
に軸架する軸流型の扱胴８を内設させる扱室、２
８は前記扱室２７下方に張架させるクリンプ網、
２９は揺動リンク３０等を介して前後方向に揺動
自在に支持する揺動選別盤であり、前記クリンプ
網２８下方に位置させるフイードパン３１と、前
記クリンプ網２８及び排塵口３２の下方に位置さ
せるチヤフシーブ３３と、該チヤフシーブ３３の
下方に位置させる選別網３４とによつて前記揺動
選別盤２９を構成する。

また、図中３５は前記選別網３４方向に選別風
を送給する唐箕フアン、３６は一番選別樋３７に
内設していて揚穀筒１９を介して籾タンク１８に
穀粒を取出す一番コンベア、３８は二番選別樋３
９に内設していて二番還元スロワ４０を介して二
番還元物を扱室２７に戻す二番コンベア、４１は
前記二番選別樋３９上方で揺動選別盤２９後端に
前記扱胴８に直交させるように機体左右に軸架さ
せる処理胴、４２は前記処理胴４１の下部周側に
配設する受網であるコンケーブ、４３は前記コン
ケーブ４２に設す排藁切歯、４４は前記処理胴４
１の後部斜上方に並設する横断流フアンである吸
排塵フアン、４５は前記フアン４４を介して塵埃
及び藁屑を機外に排出する三番口、４６は前記排
藁チエーン１５によつて搬出する排藁を案内させ
るべく前記処理胴４１及びフアン４４の上方に架
設する四番樋であり、前記扱胴８により脱粒され
た穀粒を揺動選別盤２９で選別し整粒のみを前記
籾タンク１８に取出すと共に、排藁を排藁チエー
ン１５で、また藁屑などを前記フアン４４で機外
に排出させるように構成している。

また前記揺動選別盤２９後端の篩線４７を前記
コンケーブ４２始端に臨ませ、前記コンケーブ４
２始端でこの下方に案内板４８を垂下させると共
に、前記コンケーブ４２後端に下部処理調節板４
９に着脱自在に連結させ、前記四番樋４６下面で
前記フアン４４吸入側に上部処理調節板５０を取
付け、揺動選別盤２９後端に送られた藁屑などを
処理胴４１によつて再処理し、コンケーブ４２を
介して二番樋３９に穀粒を、また前記フアン４４
によつて藁を三番口４５から放出するように構成
している。

さらに前記チヤフシーブ３３を複数の横桟５１
…によつて形成するもので、第４図に示す如く、
左右方向に横架させる各横桟５１…を支点軸５２
…を中心に傾斜角変更自在に取付け、各横桟５１
…間の隙間を拡大縮小調節自在に形成すると共
に、各横桟５１…を漏下間隔調節部材である角度
調節連杆５３に連結させ、前記連杆５３の一端を
角度調節アーム５４に連結する。また前記横桟５
１…を起立させてこの間隔を拡大するバネ５５を
前記アーム５４に連結させ、前記バネ５５に抗し
て横桟５１…の傾斜角を変化させて此れらの間隔
を調節する角度調節モータ５６を備え、前記モー
タ５６の出力揺動アーム５７にワイヤ５８を介し
て角度調節アーム５４を連結させると共に、前記
モータ５６をリミツトスイツチ５９，６０によつ
て駆動制御するように構成している。

また前記コンケーブ４２を形成する複数の横桟
６１…を支点軸６２…によつて揺動自在に支持
し、各横桟６１…間の隙間を拡大縮小調節自在に
形成すると共に、コンケーブ４２の漏下調節部材
である連接リンク６３…によつて各横桟６１…を
連結させる。そして前記横桟６１…の間隔を拡大
させるバネ６４を前記リンク６３…の一端に連結
させると共に、前記リンク６３…の他端を前記角
度調節連杆５３端部にワイヤ６５を介して連結さ
せ、前記連杆５３によるチヤフシーブ３３の漏下
調節と前記連接リンク６３によるコンケーブ４２
の漏下調節とを連動させ、前記チヤフシーブ３３
の横桟５１…間隔並びに前記コンケーブ４２の横
桟６１…間隔を前記モータ５６駆動によつて略同
時に拡大または縮小させるように構成している。

次いで、前記処理胴４１の負荷を検出する回転
センサ６６を備え、等間隔に磁石６７を設ける円
板６８と、磁石６７によつてオン作動するリード
スイツチ６９と、該スイツチ６９の回転出力を負
荷信号に変換する積分器７０を含むと共に、前記
円板６８を処理胴軸７１に取付ける。そして第６
図に示す如く、電源７２を印加するキースイツチ
７３と、前記積分器７０からのセンサ６６の出力
を比較検出して穀粒損失状況を判断するコンパレ
ータ７４，７５と、上記各レバー２４，２５に連
動させる刈取及び脱穀スイツチ７６，７７と自動
制御スイツチ７８に直列に接続するパルス発振器
７９と、前記各コンパレータ７４，７５及び発振
器７９の各出力を印加させるアンドゲート８０，
８１と、前記各ゲート８０，８１にドライブ回路
８２，８３を介して接続するパワリレー８４，８
５と、前記チヤフシーブ３３及びコンケーブ４２
の各漏下量を調節する変速モータ５６に接続させ
てパワリレー８４，８５によつて切換える拡大及
び縮小スイツチ８６，８７と、前記各ドライブ回
路８２，８３を択一的に作動させる手動スイツチ
８８と、前記スイツチ８８操作と連動してアンド
ゲート８０，８１の出力を停止させる自動停止ス
イツチ８９，９０とを備え、前記回転センサ６６
の出力に基づいて、或いは手動スイツチ８８操作
により、前記モータ５６を正逆転させてチヤフシ
ーブ３３及びコンケーブ４２の漏下量を調節し、
此れらの処理速度を遅進させるように構成するも
のである。

本実施例は上記の如く構成しており、穀稈を連
続的に刈取つて脱穀する場合、上記扱室２７下部
のクリンプ網２８より漏下する穀粒は、フイード
パン３１及びチヤフシーブ３３及び選別網３４を
介して一番選別樋３７に落下し、一番コンベア３
６及び揚穀筒１９を介して籾タンク１８に取出さ
れる。また前記クリンプ網２８及び排塵口３２よ
り落下する藁屑は、チヤフシーブ３３上面をこの
後方に送られ、前記フアン４４によつて吸排塵さ
れるもので、前記チヤフシーブ３３後方に排出さ
れる藁屑並びに枝梗付穀粒は前記処理胴４１外周
に導入され、前記処理胴４１によつて下方のコン
ケーブ４２との間で脱粒処理され、二番還元物で
ある小形の藁屑が混入している穀粒がそのコンケ
ーブ４２から二番選別樋３９上面に落下して扱室
２７に還元される。

前記収穫作業途中に扱室２７から落下する脱粒
物が増加し、此れに比例してコンケーブ４２上面
の再処理量が増加すると、処理胴４１の負荷が増
えてこの回転が低下するので、これを回転センサ
６６によつて検出し、コンパレータ７４及びアン
ドゲート８０等を介してパワリレー８４を作動さ
せ、角度調節モータ５６の駆動によつてチヤフシ
ーブ３３の横桟５１…間隔を拡大させると同時
に、コンケーブ４２の横桟６１…間隔を拡大さ
せ、チヤフシーブ３３及びコンケーブ４２からの
漏下量を増大させて選別及び再処理能率を向上さ
せる。一方、収穫作業の開始及び終了時、また其
の途中に脱粒物が減小して前記と逆に処理胴４１
の負荷が減小すると、処理胴４１が高速回転とな
り、これを回転センサ６６によつて検出し、コン
パレータ７５及びアンドゲート８１等を介してパ
ワリレー８５を作動させ、前記モータ５６を逆転
させてチヤフシーブ３３及びコンケーブ４２の各
横桟５１…及び６１…間隔を縮小させ、前記チヤ
フシーブ３３及びコンケーブ４２上面に停滞させ
る選別物及び再処理物を増加させ、選別及び再処
理効率を向上させるものである。

以上実施例から明らかなように本考案は、扱胴
８の下方に揺動選別盤２９を備え、該選別盤２９
に漏下間隔調節自在なチヤフシーブ３３を設ける
と共に、扱胴８の後方に直交形処理胴４１を備
え、該処理胴４１下側にコンケーブ４２を設ける
脱穀装置において、揺動選別盤２９後部上面に前
記コンケーブ４２前部を、またコンケーブ４２後
部上面を吸排塵フアン４４の吸引側に夫々連通さ
せ、扱胴８から揺動選別盤２９上に落下する排塵
がコンケーブ４２上面を介して吸排塵フアン４４
に吸込まれるように構成すると共に、前記コンケ
ーブ４２を漏下間隔調節自在に形成し、前記チヤ
フシーブ３３とコンケーブ４２の各漏下間隔を相
互に関連させて調節して処理胴４１の負荷を制御
するように構成したもので、コンケーブ４２の漏
下間隔調節によつて処理胴４１の負荷を直接的に
増減制御できると共に、チヤフシーブ３３及びコ
ンケーブ４２の各漏下間隔を相互に関連させて調
節するから、扱胴８から吸排塵フアン４４吸込側
に至る排塵径路で多段的に排塵送出作用を変化さ
せることができ、処理胴４１の負荷制御を極めて
容易に行うことができ、かつ揺動選別盤２９及び
コンケーブ４２の各選別機能も容易に向上させる
ことができ、従来の比べて処理胴４１の再処理機
能の向上並びに吸排塵フアン４４に吸込まれる穀
粒損失量の低減などを容易に図ることができるも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図はコンバインの全体側面図、第２図は同平面
図、第３図は脱穀部の断面説明図、第４図は要部
の部分拡大説明図、第５図は要部電気回路図であ
る。 ８……扱胴、２９……揺動選別盤、３３……チ
ヤフシーブ、４１……処理胴、４２……コンケー
ブ、５３……角度調節連杆（漏下間隔調節部材）、
６３……連接リンク（漏下間隔調節部材）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱胴８の下方に揺動選別盤２９を備え、該選別
   盤２９に漏下間隔調節自在なチヤフシーブ３３を
   設けると共に、扱胴８の後方に直交形処理胴４１
   を備え、該処理胴４１下側にコンケーブ４２を設
   ける脱穀装置において、揺動選別盤２９後部上面
   に前記コンケーブ４２前部を、またコンケーブ４
   ２後部上面を吸排塵フアン４４の吸引側に夫々連
   通させ、扱胴８から揺動選別盤２９上に落下する
   排塵がコンケーブ４２上面を介して吸排塵フアン
   ４４に吸込まれるように構成すると共に、前記コ
   ンケーブ４２を漏下間隔調節自在に形成し、前記
   チヤフシーブ３３とコンケーブ４２の各漏下間隔
   を相互に関連させて調節して処理胴４１の負荷を
   制御するように構成したことを特徴とする脱穀装
   置。