JPH03174470A - カーボンブラック及びゴム組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野Ｊ 本発明は新規なカーボンブラック及びそれを使用したゴ
ム組成物に関し、更に詳しくは耐摩耗性、耐偏摩耗性と
グリップ性能を高めたカーボンブラックに関するもので
ある。

［従来の技術Ｊ ゴム配合用のカーボンブラックはＡＳＴＭ　　Ｄ１７６
５に示されているように、その目的に応じ様々な種類が
あり、それらは通常比表面積（窒素吸着比表面積、よう
素吸着量等で表わされる。）、ストラフチャー等容積の
性質によって分類されている。

タイヤトレッド、特に競技用タイヤトレッドに用いられ
るカーボンブラックには、高度の耐摩耗性や高いグリッ
プ性能が要求される。また、偏摩耗性の少ないものも要
求される。

これらの要求性能を満たすためのカーボンブラックとし
ては、例えば耐摩耗性を向上させるには、窒素吸着比表
面積やＤＢＰ吸油量の高いカーボンブラックが有効であ
ると考えられている。また、高いグリップ性能には窒素
吸着比表面積の高いカーボンブラックが有効と考えられ
ている。

方、耐偏摩耗性においては、カーボンブラック特性との
相関は明確ではなかった。

しかしながら、比表面積の高いカーボンブラックはゴム
配合時の混練り過程において粘度が高くなり、配合ゴム
中のカーボンブラックの分散を悪化させ、均質に配合さ
れたゴム組成物とならずに製品としては逆に耐摩耗性や
耐偏摩耗性を劣化させることさえ生ずることがある。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明は、カーボンブラックの物性、加工性及び配合さ
れたゴム物性の関係について鋭意検討を重ね、高い比表
面積とＤＢＰ吸油量を与えなくとも、高度な耐摩耗性と
グリップ性能を示し、さらに高い比表面積においても加
工性や高度な耐摩耗性とグリップ性能を損なわず耐偏摩
耗性に優れた新規なカーボンブラックを提供することで
ある。

［課題を解決するための手段１ すなわち１本発明により提供される新規なカー、ポンプ
ラックは、窒素吸着比表面積（Ｎ、５Ａ）１５０　ｍ　
”　／　ｇ以上１８０　ｍ　”　／　ｇ未満、ＤＢＰ吸
油量（ＤＢＰ）１２５ｒｒ＋Ｊ２／１００ｇ以下の領域
にあり、遠心沈降法によるカーボンブラックの凝集体の
モード径（Ｄ、、）が７０ｎｍ以下であり、窒素吸着比
表面積とよう素吸着量（ＩＡ：ｍｇ／ｇ）の比（Ｎ２Ｓ
Ａ／ＩＡ）が０．８５〜０．９８であり、かつＤＢＰ吸
油量（ＤＢＰ＋ｍ、ｇ／１００ｇ）と圧縮ＤＢＰ吸油量
（ＣＤＢＰ：ｒｒ＋Ｊｌ！／１００ｇ）の差（ΔＤＢＰ
）が２０未満であるような特性を示すカーボンブラック
である。

また、このカーボンブラックの合成ゴム１００重量部当
り２０〜２００重量部配合したゴム組成物は、タイヤの
トレッドに使用したとき耐摩耗性５耐偏摩耗性に優れ、
また優れたグリップ特性を有する。さらに天然ゴム１０
０重量部当り２０〜２００重量部配合したゴム組成物も
また同様の作用を表わす。

次にカーボンブラックを規定する物性値とこれがゴム物
性に与える影響について説明する。

ゴム用カーボンブラックの特性値としては多くの試験法
が提案され、使用されているが、基本特性としては比表
面積、ストラフチャーなどが挙げられる。

このうち、比表面積の測定法としては、カーボンブラッ
ク単位重量（ｇ）当りの表面積（ｍ２）で示され、窒素
、よう素、セチルトリメチルアンモニウムブロマイドな
どの吸着量あるいは電子顕微鏡による平均粒径などから
算出する。この数値は吸着分子のサイズ等によりそれぞ
れの測定法により特徴があって、すべて同一数を与える
わけでもなく、また一方法、例えば窒素吸着量による測
定法で同一数値が与えられたとしても、他の方法１例え
ばよう素吸着法では別々の数値になることを利用し、そ
れぞれのカーボンブラ・ｙりの表面形状の差を推定する
ことも出来る。

また、ストラフチャーといわれるカーボンブラック各粒
子間の凝集の程度の測定をする方法としては、カーボン
ブラック１００ｇ当りに包含される油のｍｆｌ数で表わ
され、油としてはアマニ油、ＤＢＰ等が用いられる。

このストラフチャーは、カーボンブラック粒子の凝集で
あるため、物理的な付着程度の凝集力が小さいものはゴ
ムとの混線り工程で破壊される。

したがって、ストラフチャーの測定においても加圧しな
い場合と加圧下で行なった場合において微妙な差が生ず
ることとなる。

一般論としては、ゴム組成物の耐摩耗性を向上させるた
めには、カーボンブラック特性としては比表面積が大き
く、ストラフチャーが高い方が良いことになるが、ゴム
の加工性、ヒステリシス等との関係では逆に比表面積が
小さく、ストラフチャーの小さい方が良い等二律背反す
る要求があって、そのバランスが必要となる。さらに、
耐偏摩耗性を向上させるには、そのバランスが難しい。

例えば、窒素吸着比表面積１５０ｍ″／ｇ未満であると
充分な耐摩耗性が得られず、１８０ｍ２／ｇ以上である
と混練りにおける加工性の問題やゴム中の分散不良の原
因となる。１５０ｍ２／ｇ以上１８０　ｍ　”　／　ｇ
未満の窒素吸着比表面積ではＤＢＰ吸油量が１２５＋ｎ
Ｊ２／１００ｇを越えると硬度が高くなり、またグリッ
プ性能の低下が起こる。

したがって、この範囲において他の特性値をいかに選択
して、前記二律背反する要求を満たすかにある０本発明
者等はこの問題を検討し、次の事実を確認できた。

（ｉ）遠心沈降法によるカーボンブラックの凝集体のモ
ード径（Ｄ□）が７０ｎｍを越えると充分な耐摩耗性が
得られない。

（ｉｉｌ窒素吸着比表面積とよう素吸着量の比（Ｎ。

ＳＡ／ＩＡ）はカーボンブラックの改質化度の指標であ
り、０．９５を越えると比表面積の割には耐摩耗性は向
上し難いが、０．９８までは事実上その低下は起こり難
い、また、０．８５未満は理論上不可能である。しかし
ながら、特に窒素吸着比表面積（Ｎ２ＳＡ）が１７０　
ｍ　”　／　ｇ以上の領域においては、耐摩耗性の顕著
な向上は現われ難いが、窒素吸着比表面積とよう素吸着
量の比（Ｎ２ＳＡ／ＩＡ）が０．９８以下においては耐
偏摩耗性が向上している。また、窒素吸着比表面積（Ｎ
２ＳＡ）１７０ｍ”／ｇ以下でも同様の効果がうかがえ
る。

（ｉｉｉ）　Ｄ　Ｂ　Ｐ吸油量と圧縮ＤＢＰ吸油量の差
（ΔＤＢＰ）が２０以上であるとストラフチャーレベル
の割には高い耐摩耗性は得られない。

以上のごとき条件を満足できるカーボンブラックは、加
工性、ヒステリシスを高く維持しながら耐摩耗性、耐偏
摩耗性とグリップ性能を向上できるゴム組成物を与える
性能を有することを見出した。

この場合適用可能なゴムとしては合成ゴムのいずれでも
、また、それらの任意のブレンドでも同様の効果が期待
できる。更に、天然ゴムにおいても同様である。

本発明におけるカーボンブラックは次の製造条件によっ
て得られたものである。

ここで用いた反応炉は、ハード系カーボンブラック専用
オイルファーネス炉である。

導入空気量　　　１．４００　〜２，１００　　Ｎ＋ｓ
”／Ｈ導入空気温度　　　ＳＯＯ〜　　８００　　℃導
入燃料油量　　　　９０　〜　１４０　　Ｋｇ／Ｈ燃焼
室内温度　　１．６００　〜２，０００　　℃導入原料
油量　　　３００　〜　５００　　Ｋｇ／Ｈ（これを外
周及び中心部に分は導入） 原燃料油燃焼率　　　２５　〜　４０　　％に３導入量
　　　　　０〜　１．０　　ｇ／Ｈクエンチ位置　　　
　６０　〜　１８０　　ｃｍ本発明によるカーボンブラ
ックの各特性は次のようにして行なった。

１）窒素吸着比表面積（Ｎ２ＳＡ）： ＡＳＴＭ　　Ｄ　　３０３７に準拠して行なった。

２）よう素吸着量（ＩＡ）： ＪＩＳ　　Ｋ　　６２２１−１９８２に準拠して行なっ
た。但し、本発明によるカーポンプ３） ４） ５） ラックはいずれもよう素吸着量が１３５ｍｇ／ｇ以上で
あり、高比表面積のカーボンブラックの平衡濃度を考慮
して、よう素溶液とカーボンブラックの重量比をｌ：１
００とした。

ＤＢＰ吸油量（ＤＢＰ）： ＪＩＳ　　Ｋ　　６２２１−１９８２に準拠して行なっ
た。

圧縮ＤＢＰ吸油量（ＣＤＢＰ）： ＡＳＴＭ　　Ｄ　　３４９３に準拠して行なった。

カーボンブラックの凝集体測定法 遠心沈降法によるカーボンブラックの凝集体分布は、ジ
ョイス・レーブル社製ディスク・セントリフユージを使
用し、次の方法により測定した。

カーボンブラックを約１０ｍｇ秤量し、少量の界面活性
剤を加えた２０％エタノール水溶液に加え、カーボンブ
ラック濃度を約０．０２重量％にした後、超音波で分散
させ、これを試料溶液とした。

ディスク・セントリフユージの回転速度を８、ＯＯＯｒ
ｐｍに設定し、スピン液（純水）１４ｍＪ２を加えた。

その後、バッファー液（２０％エタノール水溶液）１ｍ
ｎを注入し、ついでこれに試料溶液０．５ｍβを注入し
、遠心沈降を開始させた。

光電沈降法により凝集体分布曲線を作成し、モード径を
求めた。

表−１に示したカーボンブラックの性能評価を行なうた
めに、合成ゴム配合はＡＳＴＭ　　Ｄ３　ｔ　９１　ｒ
ｓＢＲ配合物−評価ト配合Ｊ　　（表−２）、天然ゴム
配合はＡＳＴＭ　　Ｄ　　３１９２ｒＮＲ配合物−評価
と配合」　Ｃ表−３）に準拠して調整し、次の配合ゴム
物性試験条件により測定評価した。この結果を表−２，
３に示す。

１）配合物の加硫条件： １４５℃、３０．５０分 ２）耐摩耗性二ランボーン摩耗試験機を用い１次の条件
で測定した。

試験片：　外径５４．０ａ＋個、厚さ１２．７ｒｘｍエ
メリーホイール：砥粒　Ｃ１粒度　＃８０結合度　Ｋ エメリーホイール面と試験片との相対スリップ率：２５
％、６０％ 試験荷重：　　　　１２Ｋｇ 添加カーポランダム粒二粒度　　＃１００添加ｉｔ　　
ｌＯｇ／ｗｉｎ 測定結果は、ＩＲＢ＃６対比の指数で表示した。

指数が大きいほど耐摩耗性が優れており、補強性が高い
ことを示している。特にスリップ率６０％の測定値は、
耐偏摩耗性の指標として６利用できる。

３）損失正接（ｔａｎδ）：■春本製作所製粘弾性スペ
クトロメーター　ＶＥＳ−３型を用い、次の条件で測定
した。

試験片：長さ３０ｍ■、幅　５ＩＩＩｍ、厚さ　２ＩＩ
１１温度ニア０℃ 周波′１１：　　ＩＤＨｚ 歪率：　　２％ 測定結果は、Ｉ　ＲＢ＃６対比の指数で表示した。

指数が大きいほどｔａｎδが大きく、グリップ性能が優
れていることを示している。

［実施例］ 次に、本発明を実施例により説明する。

実施例１．２．３．４．５のカーボンブラックは前記の
反応条件によって得たものである。比較例１．２．３．
４はＳＡＦ級カーボンブラックであり、ＩＲＢ＃６は標
準カーボンブラックである。

表−１中の実施例！、２．３．４．５のカーボンブラッ
クはすべてのカーボンブラック特性が請求範囲内にある
が、比較例１では窒素吸着比表面積、窒素吸着比表面積
とよう素吸着量の比（Ｎ。

ＳＡ／ＩＡ）及ＵＤＥＰ吸油量と圧＠Ｄ　Ｂ　Ｐ吸油量
の差（ΔＤＢＰ）が、比較例２では窒素吸着比表面積と
よう素吸着量の比（Ｎ２ＳＡ／ＩＡ）、ＤＢＰ吸油量及
びＤＢＰ吸油量と圧縮ＤＢＰ吸油量の差ＣＡＤＢＰ）が
、比較例３では遠心沈降法によるカーボンブラックの凝
集体のモード径（Ｄ□）および窒素吸着比表面積とよう
素吸着量の比（Ｎ２ＳＡ／’ＩＡ）、比較例４では窒素
吸着比表面積、遠心沈降法によるカーボンブラックの凝
集体のモード径（Ｄ、、）、窒素吸着比表面積とよう素
吸着量の比（ＮオＳＡ／ＩＡ）およびＤＢＰ吸油量が本
発明の条件の範囲外である。

実施例１．２．５は比較例２．３に比ベカーボンブラッ
クの基本特性である窒素吸着比表面積とよう素吸着量、
ＤＢＰ吸油量が低位にあるにもかかわらず同等以上の耐
摩耗性やグリップ性能が得られている。また、実施例３
．４は比較例に比べ窒素吸着比表面積が高いにも拘らず
加工性が損なわれることなく優れた耐摩耗性、耐偏摩耗
性やグリップ性能が得られている。

ｃ以下余白） ［発明の効果］ 上記説明で明らかなように、本発明により提供されるカ
ーボンブラックは、その配合ゴム物性に優れた補強性を
付与しながら、高いグリップ性能を有することができる
。したがって、タイヤトレッド、特に競技用タイヤトレ
ッドに有用である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）窒素吸着比表面積（Ｎ＿２ＳＡ）１５０ｍ＾２／
   ｇ以上１８０ｍ＾２／ｇ未満、ＤＢＰ吸油量（ＤＢＰ）
   １２５ｍｌ／１００ｇ以下の領域にあり、遠心沈降法に
   よるカーボンブラックの凝集体のモード径（Ｄ＿ｇ＿ｔ
   ）が７０ｎｍ以下であり、窒素吸着比表面積とよう素吸
   着量（ＩＡ：ｍｇ／ｇ）の比（Ｎ＿２ＳＡ／ＩＡ）が０
   ．８５〜０．９８であり、かつＤＢＰ吸油量（ＤＢＰ：
   ｍｌ／１００ｇ）と圧縮ＤＢＰ吸油量（ＣＤＢＰ：ｍｌ
   ／１００ｇ）の差（ΔＤＢＰ）が２０未満であるような
   特性を示すカーボンブラック。
2. （２）合成ゴム及び／または天然ゴム１００重量部に対
   し、請求項第１項のカーボンブラックを２０〜２００重
   量部配合したことを特徴とするゴム組成物。