JPH03137815A

JPH03137815A - 磁気記録媒体

Info

Publication number: JPH03137815A
Application number: JP27371489A
Authority: JP
Inventors: Hideo Ogawara; 大河原　英生; Noriyuki Kitaori; 典之北折; Masayoshi Shinoda; 篠田　正義; Hideo Takeda; 秀夫武田
Original assignee: Taiyo Yuden Co Ltd
Current assignee: Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date: 1989-10-23
Filing date: 1989-10-23
Publication date: 1991-06-12

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、比相性支持体上に磁性層を有する磁気記録媒
体であって、特に摺動ノイズを低減し、走行耐久性を向
上したものに関する。

〔従来技術〕

磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体はビデオ分
野、オーディオ分野、コンピュータ分野等で広く使用さ
れている。このような磁気記録媒体には、磁性粉末、結
合剤、溶剤、分散剤その他の添加剤からなる磁性塗料を
基材に塗布・乾燥し、磁性塗膜を形成した塗布型の磁気
記録媒体も使用されている。

従来よりオーディオ用、ビデオ用等の塗布型の磁気記録
媒体、すなわち磁気テープの磁性粉末には、ｒ−Ｆｅ２
０３やＣｏ変性ｒ−Ｆｅ２０３、二酸化クロム、合金粉
末のような強磁性粉末が用いられ、これらを結合剤中に
分散させた磁性層を基材の非磁性支持体上に有するもの
が一般的である。

磁気テープは、磁気ヘッドに擦られて使用されるので、
磁気特性のほかに、走行性、繰り返しの記録・再生に耐
える機械的強度及び耐久性等が要求されるが、磁気ヘッ
ドに対する研磨性も要求される。これは、磁気テープが
磁気ヘッドに擦られると、磁気テープ中に含まれる結合
剤等の有機物が磁気ヘッド表面に付着する事があって磁
気特性の劣化をきたし、また摩擦熱等によって磁気ヘッ
ドの表面が変質することによっても磁気特性を劣化させ
ることがあるので、磁気ヘッドの表層部を削り取る必要
があるからである。

ところが、最近、このような磁気記録テープに対して高
記録密度化、高Ｓハ化が要求されるにともない、強磁性
粉末を微粒子化することが行われている。そのため、磁
性粉末の上記にいう研磨作用が低下し、磁気ヘッド表面
に付着した有機物が除去されず、粘着性が出てきて磁気
テープとの摩擦抵抗を増加し、走行耐久性を低下させる
という問題を生じる。

（発明が解決しようとする課題〕このような走行耐久性の劣化を防止する対策として、従
来、粒状のＡｌ２ＯＢ　、ＳｉＣ、Ｃｒ２Ｏ３等の研磨
剤を磁性層に添加することが提案されている。

しかし、このような研磨剤を多量に添加すると、磁気テ
ープ製造時の磁場配向性が劣化するのみならず、磁性層
中における磁性粉末の充填度や分散性が悪くなり、これ
らにともない磁気テープの表面平滑性が悪くなる。その
ため、摺動ノイズが高くなり、電磁変換特性を低下させ
ることになる。

また、研磨剤の添加量を減らして表面平滑性を良くする
と、電磁変換特性は向上するが、磁性層の摩擦係数が増
大し、磁気テープがその走行中に磁気ヘッドにはりつく
という問題を生じ、磁気テープの走行性を悪くする。

また、このような磁気テープの走行性を改良するために
、針状の無機物質を研磨剤として磁性層中に含有させる
ことが提案されている０例えば特願昭６０−６２９３８
号には、針状のＣｒ２Ｏ３粉（長軸０．９μ鋤、短軸０
．０７μｍ）を研磨剤として磁性中に含有させた場合、
磁性粉末の分散性や磁場配向性が向上し、表面平滑性が
良くなるため、電磁変換特性も向上することが記載され
ている。

しかし、針状の研磨剤を使用した場合には、粒状の研磨
剤を使用した場合に比べて、磁性粉末と結合剤の樹脂と
の結着性が悪く、磁性層の非磁性支持体としての例えば
ポリエチレンテレフタレートフィルムに対する接着性が
悪くなり、その結果走行耐久性が悪く、粉落ち（磁性粉
末が剥がれ落ちる）が生じて磁気ヘッドの目詰まりやド
ロップアウトが発生し易くなる。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、上記課題を解決するために、少なくとも強磁
性粉末と結合剤を含む磁性層を非磁性支持体上に有する
磁気記録媒体において、該磁性層が針状Ｃｒ２Ｏ５と、
α−ＡＩ２０Ｂ　、ＳｉＣ及びＴｉＣの中から選ばれた
少なくとも一種の無機粉末を含有し、該針状Ｃｒ２Ｏ３
が長軸径０．５μり以下、短軸径０．０５μｍ以下かつ
針状比が５〜１５であり、上記針状ＣＴ２Ｏ３と無機粉
末の混合重量比が１＝９よりも針状Ｃｒ２Ｏ３が太き（
、かつ上記針状Ｃｒ２Ｏ３と無機粉末の総量が上記強磁
性粉末に対し３〜１５重量％であり、かつ、Ｃｒ２Ｏ３
がシランカップリング剤で処理されていることを特徴と
する磁気記録媒体を提供するものである。

次に本発明の詳細な説明する。

本発明の磁気記録媒体の磁性層に用いる強磁性粉末とし
ては、鉄を主成分とする強磁性合金粉末、ｒ　−Ｆｅ２
Ｑ３　、Ｃｏ変性Ｔ　−Ｆｅ２０３　、ＣｒＯ２粉など
が挙げられるが、本発明の特徴は硬度か低い強磁性粉末
を使用した磁気記録媒体に特に良く現れる。この強磁性
合金粉末は、長軸０．５μｍ以下の針状粒子が好ましく
、その比表面積（Ｓ　ＢＥＴ）は４２ｒ＋？／ｇ以上で
あることが好ましい。

本発明では針状Ｃｒ　Ｏを用いるが、これは例えば次の
公知の方法によって製造できる。ずなわち、ＣｒＯ３と
Ｃｒ２Ｏ３の混合物を水中で分散して水分散スラリーと
し、これをオートクレーブ中で温度３５０℃〜３７０℃
、圧力３００〜５００気圧の範囲で水熱反応を行い、得
られた針状Ｃｒ２Ｏ３を３００〜４００℃で水素還元す
ることにより針状Ｃｒ２Ｏ３が得られる。

この針状Ｃｒ２Ｏ３は長軸径０．５μｍ以下、短軸径０
．０５μｍ以下で、かつ針状比が５〜１５のものを使用
する。これより大きいと、磁気記録媒体に記録・再生を
行う際に磁気ヘッドの損傷が大きくなり、記録ムラが生
じ、磁気記録媒体表面が粗になって平滑性が悪くなり、
静特性の角型比が低下する等の問題を生じ、また、針状
比が上記より小さいと、磁気ヘッドを研磨する能力が低
くなり、走行性を悪くする。

上記針状Ｃｒ２Ｏ３粉末はシランカップリング剤で処理
して使用する。このシランカップリング剤としてはビニ
ルトリエトキシシランＣＨ２・ＣＨＳｉ（ＯＣ２１１５
）５、ビニルトリ　（２−メトキシエキトシ）シランＣ
１１２−ＣＨＳｉ　（ＯＣＨ２Ｃ）１２０ＣＨ：５）３
、γ−アミノプロピルトリメトキシシランＨ２ＮＣＨ２
ＣＨ２ＣＨ２Ｓｉ　（ＯＣ２ｔ（５）５、β−（３，４
−エポキシシクロヘキシル）エチルトリメられ、針状　
Ｃｒ２Ｏ３に対して０．１〜１０重量％用いるのが好ま
しい。処理方法としては、針状Ｃｒ２Ｏ３をエタノール
等の溶剤で練り、これにシランカンブリング剤あるいは
その溶剤溶液を少しずつ加え攪拌しても良いが、シラン
カップリング剤の溶剤混合液に針状Ｃｒ２０Ｂを浸漬し
ても良い。この場合攪拌しても良い。いずれの場合も加
熱しても良い。

そして、乾燥させれば処理済みの針状Ｃｒ２Ｏ３が得ら
れる。

このようにして処理した針状Ｃｒ２Ｏ３粉末と、粒状の
α−Ａｌ２ＯＢ　、ＳｉＣ、ＴｉＣの少なくともいずれ
か一種の無機粉末を併用し、磁性層に含有させる。

その混合割合は、重量比で針状Ｃｒ２Ｏ３：無機粉末＝
１＝９よりも針状Ｃｒ２０５を多くする。ごれより針状
Ｃｒ２Ｏ３が少ないと、磁気記録媒体において磁性粉末
を高密度充填することができなかったり、走行耐久性を
向上できず、摺動ノイズを低くすることができない、こ
の混合方法としては、他の磁性塗料成分とともに攪拌混
合すれば良い。

上記針状Ｃｒ２０Ｂ粉末と無機粉末の総量は、強磁性粉
末に対して３〜１５重量％が好ましく、これより多いと
磁気特性が悪くなり、これより少ないと研磨効果が低く
なる。

本発明の磁気記録媒体は、他の成分として結合剤を少な
くとも磁性層に含有させるが、分散剤等の添加剤を磁性
層に含有させることもでき、さらに磁性塗料に溶剤を含
有させる。結合剤としては、塩化ビニル系樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリイソシアネート等が例示されるが、そ
の地塊化ビニル／酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、
セルローズ誘導体、ポリアミド、スチレン／ブタジェン
共重合体、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等も使用できる
。

（作用〕針状Ｃｒ２Ｏ３と粒状の無機粉末を併用して磁性層中に
含有させると、針状Ｃｒ２Ｏ！はこれを含有する塗料′
を支持体に塗布するときにその長年平行に向き易く、針
状強磁性粉末もこれにつれて長手方向に向き易（、磁場
配向性を向上させることができる。強磁性粉末が一方向
に向くとその高密度充填が可能となり、磁気記録媒体の
残留磁束密度が高まり、また、配向性が良（なると磁気
記録媒体の角型比が高くなり、ノイズが小さくなり、電
ＴＩ！を変換特性を向上させることができる。針状粒子
は磁性層の長手方向の強度を向上できるが、その垂直方
向の強度は弱い。粒状の無機粉末は磁性層のこの垂直方
向の強度を高めることができる。また、針状Ｃｒ２Ｏ３
をシランカップリング剤により処理することにより、そ
の極性を低くする等して＠他層表面に浮き易くでき、そ
の研砦性を商ぬることができるとともに、磁性塗料にお
ける針状Ｃｒ２０Ｂの分散性を高め、結合剤の樹脂等と
の結着性を高めることができる。

〔実施例〕

次に本発明の詳細な説明する。

長軸０．２　ｐｍ　、短軸０．０３μｍの針状（：ｒ０
２扮末（デュポン社製ＣＥ−１４７６）　１００ｇをエ
バポレータ中で２８０℃に加熱し、Ｈ１流量５１／ｆｆ
１ｉｎの条件下で約２時間水素還元した。こうして得た
針状Ｃｒ２Ｏ３を磁性乳鉢中に移し、少量のエタノール
を加えて粘土状にする。これに、針状γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン（日本ユニカー製、商品名Ａ−１
１００）を針状Ｃｒ２Ｏ３に対して１．５重量％徐々に
加えて良（混合する。こ°の得られた混合物を赤外ラン
プにより加熱してアルコール分を除去し、シランカフブ
リング剤で処理した針状Ｃｒ２Ｏ３を得た。

この処理済み針状Ｃｒ２Ｏ５を用いて下記組成の磁性塗
料を調製し、厚さ１５μｍのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に乾燥膜厚が４μｍになるように塗布した
。この際未乾燥状態で磁場配向処理を行い、さらに乾燥
後カレンダー処理を行った。

得られた塗布物を１７２インチ幅にスリットしてＶＨ５
型ビデオテープを作製した。

迫且豊且■底針状強磁性合金粉末　　　　　　　１００重量部塩化ビ
ニル　　　　　　　　　　　　８重量部ポ゛リウレタン
樹脂　　　　　　　　１２重量部ポリイソシアネート　
　　　　　　　６重量部ミリスチン酸　　　　　　　　
　　　３重量部ブチルステアレート　　　　　　、　１
重量部トルエン　　　　　　　　　　　　１３０重量部
メチルエチルケトン　　　　　　　１３０重量部処理済
み針状Ｃｒ２Ｏ５３重量部粒状α−＾１２ｏ３　　　　　　　　　　１０重量部上
記ビデオテープの磁気特性として、Ｂ−８曲線を試料振
動型磁束計（理研電子■製）で測定し、この値から角型
比Ｂｒ／Ｂｓを求めた。また、磁性層の表面光沢（グロ
ス）を標準光沢針（ミノルタ祷）製ＧＭ−０６０）で測
定した。この角型比と光沢度は磁性塗料の分散性と磁性
粒子の配向性を知る目安となり、これらの値が大きいほ
ど、分散性及び配向性が優れているといえる。

得られたビデオテープをビデオテープレコーダ（Ｖｉｃ
ｔｏｒ　ＨＲ−７３００）を用いて４．５ＭＨ２の信号
を記録し再生した。基準磁気テープ（後述の比較例１の
ビデオテープであって研磨剤に粒状α−ａ１２ｏ３のみ
を用いたもの）に記録した４、５ＭＨｚの再生出力をＯ
ｄＢとした時の上記ビデオテープの相対的な再生出力及
び１００回走行後、２００回走行後の出力低下を測定し
た。

また、上記と同じ型のビデオテープレコーダを用いて２
５℃、７０％相対湿度における繰り返し走行耐久性及び
スチル耐久性を調べた。ここで、繰り返し耐久性とは、
６０ｍ長さの磁気テープを繰り返し再生し、走行不安定
による画面の乱れや摩擦係数の上昇による走行の停止が
起こるまでの再生回数、すなわち磁気ヘッドの目づまり
が生じるまでの再生回数である。また、スチル耐久性は
、−旦記録した部分を再生中静止画像モードとし、画面
に著しい欠陥が生じるまでの時間（スチルライフ）を測
定した。

また、上記と同じビデオテープレコーダを用いて摺動ノ
イズの周波数分布を求めた結果を第１図（イ）に示す、
第１図〒ａは変調ノイズ、ｂは摺動ノイズ、Ｃはシステ
ムノイズである。

また、縦方向と横方向の支持力の差を調べるために′粘
弾性測定機（東洋精機社製）を用いて各方向のヤング率
を測定した。これらの測定値を表２に示す。縦方向のヤ
ング率ＥＰＩ）と横方向のヤング率−り比（Ｅ、ｐ／Ｅ
ｄが小さい程、横方向の支持力は高くなる。すなわち、
磁気テープの微小変形、片伸びや湾曲等が起こり難く、
磁気ヘッドと磁気テープが正しく摺動される。

また、磁気テープの研磨性を調べるために第２図に示す
鋼球研磨試験機を作製した。この試験機は台板１の一端
に支柱２が立設され、その先端に断面Ｃ字状の嵌合溝を
有する横桟３が設けられ、この嵌合溝に同じくＣ字状の
嵌合溝を有する縦桟４の一端が移動自在に嵌合している
。また、上記縦桟４の嵌合溝には水平腕５の一端が移動
自在に嵌合され、その他端に垂直杆６が取付けられ、こ
れに揺動杆７が軸支され、その一端に剛球を保持した摺
動片８が設けられ、その他端に荷重台９が設けられ、こ
れに分銅ｌＯが載せられるようになっている。なお、１
１は水平度針である。

この装置を用いた測定方法としては、第２図（ロ）に示
すように、台板１上に試料片の磁気テープ１２を粘着テ
ープ１３．１３により固定し、上記縦桟４を移動させて
から水平腕５を移動させて揺動腕の一端側の摺動片８を
試料片の先端に位置させてその下端の剛球を試料片の表
面の磁性層に接触させる。この後、垂直腕を移動させて
剛球を転勤する。磁気テープの磁性層表面をステンレス
製の剛球が転勤し、剛球の接触部分（４ｔｌ）！［ｆｌ
）を光学顕微鏡を通して写真に撮り、これから研磨面の
大きさにより試料片の磁気テープの研磨性を評価した。

その結果研磨面の径は０．６　ｔｍであった。

実施例２実施例１において、針状Ｃｒ２Ｏ３、及び粒状α−＾１
２０３の添加量をそれぞれ５部、８部とした以外は同様
にしてビデオテープを作製した。

実施例３実施例１において、針状Ｃｒ２０Ｂ及び粒状α−ｘｘ２
ｏ３添加量をそれぞれ７部、６部とした以外は同様にし
てビデオテープを作製した。これについても実施例１と
同様に測定した結果を表１．２に示す。

比較例１実施例１において、針状Ｃｒ２Ｏ３を使用せず、粒状α
−Ａ　ｊ’２０３の添加量を１３部とした以外は同様に
してビデオテープを作製した。これについても、実施例
１と同様に測定した結果を表１．２に示す。

なお、実施例１と同様に摺動ノイズの周波数分布を第１
図（ロ）に示す。図中、ａ“は変調ノイズ、ｂｏは摺動
ノイズ、Ｃ゛はシステムノイズである。

比較例２実施例１において、粒状α−Ａｌ２Ｏ３を使用せず、針
状Ｃｒ２Ｏ３の添加量を１３部とした以外は同様にして
ビデオテープを作製した。これについて、実施例１と同
様に剛球による研磨面の径を求めたところ、０．４ｆｌ
であった。また、実施例１と同様に測定した結果を表１
．２に示す。

比較例３実施例１において、カンプリング剤で処理しない針状Ｃ
ｒ２Ｏ３を３部と粒状α−Ａｌ２Ｏ３１０部を使用した
以外は同様にしてビデオテープを作製した。

これについて、実施例１と同様に剛球による研磨面の径
を求めたところ、０．５　ｔｍであった。また、実施例
１と同様に測定した結果を表１．２に示す。

（この頁以下余白）表１表２上記第１図（イ）（ロ）から実施例のものは比較例のも
のに比べ摺動ノイズが著しく低下しており、磁性層の表
面平滑性が良いことがわかる。また、繰り返し走行耐久
性、スチル耐久性においても実施例のものは優れ、さら
に磁性層の縦、横の強度、磁性層の研磨性も優れている
ことがわかる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、針状Ｃｒ２Ｏ３を粒状無機粉末と併用
し、かつ針状Ｃｒ２０Ｂをシランカップリング剤により
処理したので、表面平滑性を改善して摺動ノイズを低減
し、しかも磁性層の磁気ヘッドに対する研磨性を損なわ
ないようにでき、さらに走行耐久性、電磁変換特性を向
上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図（イ）は本発明の一実施例の磁気記録媒体の摺動
ノイズの周波数分布図、同図（ロ）は比較例１の磁気記
録媒体の摺動ノイズの周波数分布図、第２図（イ）は剛
球試験機の平面図、同図（ロ）はその側面図である。平成１年１０月２３日第１図（べ）（ロ）（ＭＨｚ）

Claims

【特許請求の範囲】

（１）少なくとも強磁性粉末と結合剤を含む磁性層を非
磁性支持体上に有する磁気記録媒体において、該磁性層
が針状Ｃｒ＿２Ｏ＿３と、α−Ａｌ＿２Ｏ＿３、ＳｉＣ
及びＴＩＣの中から選ばれた少なくとも一種の無機粉末
を含有し、該針状Ｃｒ＿２Ｏ＿３が長軸径０．５μｍ以
下、短軸径０．０５μｍ以下かつ針状比が５〜１５であ
り、上記針状Ｃｒ＿２Ｏ＿３と無機粉末の混合重量比が
１：９よりも針状Ｃｒ＿２Ｏ＿３が大きく、かつ上記針
状Ｃｒ＿２Ｏ＿３と無機粉末の総量が上記強磁性粉末に
対し３〜１５重量％であり、かつ上記針状Ｃｒ＿２Ｏ＿
３がシランカップリング剤で処理されていることを特徴
とする磁気記録媒体。