JP2831101B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2831101B2 JP15319590A JP15319590A JP2831101B2 JP 2831101 B2 JP2831101 B2 JP 2831101B2 JP 15319590 A JP15319590 A JP 15319590A JP 15319590 A JP15319590 A JP 15319590A JP 2831101 B2 JP2831101 B2 JP 2831101B2
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ビデオテープレコーダ、オーディオ機器あ
るいはコンピュータなどに使用される磁気記録媒体に関
するものであり、特に長時間用に適した薄手の磁気テー
プおよびその支持体に関するものである。
従来の技術 近年、これからの各磁気記録媒体は高密度記録に向
い、そのために記録波長は短く、記録トラック幅は狭
く、記録媒体厚は薄くという方向にある。その結果、S/
N、感度、周波数特性が一般に不利になってくるが、こ
の対策として、磁性粉の微粉末化や、平滑性の高い非磁
性支持体を用いて磁性層の表面性を一層高めるという方
法が採られている。しかし以上の対策のみでは、記録媒
体の表裏とも表面性が上がるために両面共に摩擦係数が
増大し、走行性、耐久性の面で不利になることから、一
般に前記の如き高性能磁気テープにおいては支持体上の
磁性層面とは反対の面にバックコート層を設けることが
知られている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら上記のような従来の方法では、耐久性、
特に磁気テープの変形、電磁変換特性の低下などの問題
があった。
本発明は上記問題を解決するためのものであり、変
形、電磁変換特性の低下などに優れた高耐久性の磁気テ
ープからなる磁気記録媒体を提供することを目的とする
ものである。
課題を解決するための手段 上記問題を解決するために、本発明は、非磁性支持体
が、厚さが10μm以下で、長さ方向および幅方向の引張
ヤング率が600kg/mm2以上であり、かつ105℃,30分間加
熱後の長さ方向の熱収縮率が2.5%以下で、幅方向の熱
収縮率が長さ方向の熱収縮率の1.2倍より大きいことを
特徴とし、耐久性に優れた磁気記録媒体を得るものであ
る。
作用 上記構成によって、非磁性支持体は磁気テープ幅方向
の機械的強度が向上し、かつ非磁性支持体の幅方向の熱
収縮率が長さ方向の熱収縮率に比べ相対的に大きいこと
から、テープ幅方向に適当なカール状態が得られ、両者
の相乗効果により良好なテープ走行状態および良好なテ
ープ/ヘッド間の接触状態が得られ、その結果、耐久
性、特にテープの変形、C/Nの低下、エンベロープ出力
平坦率の低下、オーディオレベル変動の増大、ドロップ
アウトの増加などに優れた磁気テープが得られる。
実施例 以下本発明を実施例を挙げて具体的に説明する。ここ
で本発明に用いるバインダ、架橋剤、研磨剤、必要に応
じて添加する分散剤、可塑剤、帯電防止剤などは従来公
知のものを使用することができる。なお、本発明は以下
の実施例に限定されるものではない。実施例に示してい
る成分比の「部」は全て「重量部」を示している。
(実施例1) 磁性塗料およびバックコート層用塗料は次のようにし
て調整した。
Fe系合金磁性粉末 100部 〔抗磁力Hc=1550(Oe)、BET比表面積=56(m2/g)、
単位グラム当りの飽和磁化量σs=127(emu/g)、針状
比=8/1〕 塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 10部 ポリウレタン樹脂 10部 研磨剤(Al2O3)〔平均粒径=0.2(μm)〕 6部 カーボンブラック〔平均粒径=20(μm)〕 2部 ミリスチン酸 1部 ステアリン酸ブチル 1部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 シクロヘキサノン 60部 上記組成物を加圧ニーダーとサンドミルを用いて混練
分散をおこない磁性塗料を調製した。得られた磁性塗料
にポリイソシアネート化合物〔バイエル社製、デスモジ
ュールL〕4部を加え、高速撹拌器で十分混合撹拌した
後、平均孔径1μmのフィルタで濾過して磁性塗料の準
備を行った。
次に上記磁性塗料を、9.6μm厚で長さ方向の引張ヤ
ング率が680kg/mm2、幅方向の引張ヤング率が620kg/m
m2、105℃,30分間加熱後の長さ方向の熱収縮率が2.0
%、幅方向の熱収縮率が2.9%のポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に塗布し、磁場配向、乾燥処理を施し
た後、スーパーカレンダーロールによる鏡面加工処理を
施し、2.7μm厚の磁性層を有する原反ロールを得た。
この原反ロールに硬化処理を行い、次いで0.5μm厚の
バックコート層を形成し、1/2インチ幅に裁断してビデ
オテープ試料(250m長)を作製した。
(実施例2) 実施例1のポリエチレンテレフタレートフィルムを、
9.6μm厚で長さ方向の引張ヤング率が620kg/mm2、幅方
向の引張ヤング率690kg/mm2、105℃,30分間加熱後の長
さ方向の熱収縮率が1.9%、幅方向の熱収縮率が3.1%の
ものに換えた以外は実施例1と同様にしてビデオテープ
試料を作成した。
(比較例1) 実施例1のポリエチレンテレフタレートフィルムを、
9.6μm厚で長さ方向の引張ヤング率830kg/mm2、幅方向
の引張ヤング率が450kg/mm2、105℃,30分間加熱後の長
さ方向の熱収縮率が1.2%、幅方向の熱収縮率が0.6%の
ものに換えた以外は実施例1と同様にしてビデオテープ
試料を作成した。
(比較例2) 実施例1のポリエチレンテレフタレートフィルムを、
9.6μm厚で長さ方向の引張ヤング率が690kg/mm2、幅方
向の引張ヤング率が610kg/mm2、105℃,30分間の加熱後
の長さ方向の熱収縮率が2.4%、幅方向の熱収縮率が1.6
%のものに換えた以外は実施例1と同様にしてビデオテ
ープ試料を作成した。
(比較例3) 実施例1のポリエチレンテレフタレートフィルムを、
9.6μm厚で長さ方向の引張ヤング率が520kg/mm2、幅方
向の引張ヤング率が740kg/mm2、105℃,30分間加熱後の
長さ方向の熱収縮率が1.3%、幅方向の熱収縮率が2.%
のものに換えた以外は実施例1と同様にしてビデオテー
プ試料を作成した。
(実施例3) 実施例1のポリエチレンテレフタレートフィルムを、
7.8μm厚のポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム
で長さ方向の引張ヤング率820kg/mm2、幅方向の引張ヤ
ング率が710kg/mm2、105℃,30分間加熱後の長さ方向の
熱収縮率が0.3%、幅方向の熱収縮率が0.7%のものに換
えた以外は実施例1と同様にしてビデオテープ試料を作
成した。
(実施例4) 実施例1のポリエチレンテレフタレートフィルムを7.
8μm厚のポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムで
長さ方向の引張ヤング率が670kg/mm2、幅方向の引張ヤ
ング率が760kg/mm2、105℃,30分間加熱後の長さ方向の
熱収縮率が0.6%、幅方向の熱収縮率が1.1%のものに換
えた以外は実施例1と同様にしてビデオテープ試料を作
成した。
(比較例4) 実施例1のポリエチレンテレフタレートフィルムを、
7.8μm厚のポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム
で長さ方向の引張ヤング率が920kg/mm2、幅方向の引張
ヤング率が610kg/mm2、105℃,30分間加熱後の長さ方向
の熱収縮率が0.4%、幅方向の熱収縮率が0.1%のものに
換えた以外は実施例1と同様にしてビデオテープ試料を
作成した。
以上の各実施例および比較例で得られたビデオテープ
試料について、それぞれ以下に示す評価試験をおこなっ
た。
(1) テープの変形 記録再生ヘッドにアモルファス合金ヘッドを用いてい
るVHS方式ビデオテープレコーダ(NV−FS900,松下電器
製)を用い、各ビデオテープ試料を40℃,80%R・Hの
環境下で200パス走行させた後のテープ試料の変形を目
視により状態観察をおこなった。
(2) C/N 上記(1)による試験前後に記録周波数5MHzにおける
C/Mを測定した。C/Mは試験前の測定値を0dBとしたとき
の偏差値を示した。
(3) エンベロープ出力平坦率 上記(1)による試験前後に記録周波数5MHzにおける
エンベロープ出力平坦率をオシスロスコープを用いて測
定した。
(4) オーディオレベル変動 オーディオヘッド出力を整流し、その出力レベル変動
を試験後に測定した。
(5) ドロップアウト 上記(1)による試験前後に映像信号の瞬間的な欠落
を℃ロックアウトカウンタで測定した。ドロップアウト
は試験前に対する試験後の変化率を倍率で示した。
なお、上記(1)のテープの変形は5段階評価を行っ
た。評価は実用的に全く問題のないものを5とし、実用
的に問題を発生したものを1とした。得られた結果を第
1表に示す。
第1表から明らかなように、非磁性支持体上に磁性層
を設けた磁気記録媒体であって、前記非磁性支持体が厚
さ10μm以下で、長さ方向および幅方向の引張ヤング率
600kg/mm2、以上であり、かつ105℃,30分間加熱後の長
さ方向熱収縮率2.5%以下で、幅方向の熱収縮率が長さ
方向の熱収縮率の1.2倍より大きくすることにより、耐
久性、特に磁気テープの変形、C/Nの低下、エンベロー
プ出 力平坦率の低下、オーディオレベル変動の増大、ドロッ
プアウトの増加などに優れた磁気テープを得ることがで
きる。
発明の効果 以上のように、本発明によれば、非磁性支持体の厚さ
が10μm以下であって、長さ方向および幅方向引張ヤン
グ率および熱収縮率をそれぞれ限定することにより、高
耐久性の、特に磁気テープの変形、C/Nの低下、エンベ
ロープ出力平坦率の低下、オーディオレベル変動の増
大、ドロップアウトの増加などに優れた磁気テープを得
ることができ、その実用上の価値は大なるものがある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に磁性層を設けた磁気記録
    媒体であって、前記非磁性支持体が、厚さが10μm以下
    で、長さ方向および幅方向の引張ヤング率が600kg/mm2
    以上であり、かつ105℃、30分間加熱後の長さ方向の熱
    収縮率が2.5%以下で幅方向の熱収縮率が長さ方向の熱
    収縮率の1.2倍より大きいことを特徴とする磁気記録媒
    体。
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