JP3021173B2 - ビデオテ―プ - Google Patents

ビデオテ―プ

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JP3021173B2
JP3021173B2 JP4078611A JP7861192A JP3021173B2 JP 3021173 B2 JP3021173 B2 JP 3021173B2 JP 4078611 A JP4078611 A JP 4078611A JP 7861192 A JP7861192 A JP 7861192A JP 3021173 B2 JP3021173 B2 JP 3021173B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電磁変換特性と走行
耐久性とに共にすぐれた、高性能ビデオテ―プに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオテ―プの高記録密度化、高
画質化の流れにおいて、記録波長の短波長化、テ―プの
薄型化、記録帯域の広帯域化、デジタル化が進行してい
る。このような状況のもとで、すぐれた電磁変換特性を
得るために、針状磁性粒子をテ―プ長手方向に高度に配
向させた高性能ビデオテ―プが開発されている。
【0003】この高性能ビデオテ―プにおいて、その記
録再生能力を十分に発揮するためには、記録再生用の磁
気ヘツドがそのギヤツプ近傍においてスペ―シングを生
じることなく、磁気テ―プに接触する必要がある。これ
に対し、従来では、磁性層の表面をできるだけ平滑にす
ることで、ヘツドギヤツプと磁性層面とのスペ―シング
を小さくする試みがなされてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高記録
密度化のために薄型化され、かつ高画質化のために記録
帯域を10MHz以上としたシステムにおいては、記録
・再生時の磁気ヘツドとビデオテ―プとの間の相対速度
が10m/秒以上となるため、磁気ヘツドとビデオテ―
プとの接触面において空気の巻き込み量が多く、その結
果、ビデオテ―プがわずかに浮き上がり、幅方向のテ―
プの変形形状が、磁気ヘツドの曲面形状よりも、より小
さい曲率半径となつて、磁気ヘツドの中心にあるギヤツ
プ付近のビデオテ―プがさらに浮き上がり、これが原因
でスペ―シングを生じて電磁変換特性が低下する問題が
あつた。
【0005】この問題は、特に、記録波長の短波長化と
して、最短記録波長が1μm以下の信号を記録する用途
に用いる場合に、非常に顕著な傾向として認められ、デ
ジタル記録の場合にはエラ―発生につながる重大な問題
となる。
【0006】このような問題を克服するため、非磁性支
持体として、その幅方向の強度を大きくしたものを選択
使用することも試みられたが、この場合ポリエステルフ
イルムなどからなる非磁性支持体の性質上、長手方向の
強度が逆に小さくなる傾向がみられるため、ビデオテ―
プの長手方向の変形によつて、走行耐久性が大きく低下
するという別の問題を生じる。
【0007】この発明は、上記従来の事情に鑑み、針状
磁性粒子をテ―プ長手方向に高度に配向させた高性能ビ
デオテ―プにおいて、記録波長の短波長化とテ―プの薄
型化を図る場合でも、ヘツドギヤツプと磁性層面とのス
ペ―シングの増大をきたさず、しかもテ―プ長手方向の
強度も満足する、したがつて電磁変換特性と走行耐久性
とに共にすぐれたビデオテ―プを得ることを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明者らは、上記の
目的に対する鋭意検討の過程で、まず、従来の高性能ビ
デオテ―プにおいて、その薄型化により、磁気ヘツドと
接触したときの幅方向の変形が著しくなるのは、針状磁
性粒子をテ―プ長手方向に高度に配向させた場合、長手
方向に比べて幅方向の強度が大きく低下することが原因
となるものであつて、このテ―プ幅方向の強度の低下
は、基本的には上記磁性粒子の比表面積が大きくなるほ
ど、つまり針状比が一定であれば粒子径が小さくなるほ
ど、大となるものであることがわかつた。
【0009】そこで、このようにテ―プ強度が磁性粒子
の形状とその配向性に依存するという知見に基づき、針
状磁性粒子を長手方向に配向した場合の幅方向の強度の
低下を補うべくさらに検討した結果、この種の磁性層中
に形状異方性のない粒状の微粒子フイラ―を針状磁性粒
子に対し特定の大きさでかつ特定の割合で含ませるよう
にしたときに、長手方向に対する幅方向の強度の低下を
大きく抑制でき、しかもこの場合長手方向の強度不足を
きたすこともなく、したがつて、記録波長の短波長化と
テ―プの薄型化を図る場合でも、テ―プ幅方向の変形に
起因したヘツドギヤツプと磁性層面とのスペ―シングの
増大がみられない、電磁変換特性にすぐれ、また走行耐
久性にもすぐれたビデオテ―プが得られることを究明
し、この発明をなすに至つた。
【0010】すなわち、この発明は、薄手のビデオテ―
プ、特に厚さが10μm以下の非磁性支持体上に平均針
状比(平均長軸径/平均短軸径)が4〜15で平均長軸
径が0.2μm以下の針状磁性粒子とその結合剤とを含
む磁性層を設けてなり、かつ上記磁性粒子のテ―プ長手
方向の配向比(残留磁束密度/最大飽和磁束密度)が
0.78以上であつて、好ましくは磁気ヘツドとビデオ
テ―プとの間の相対速度が10m/秒以上の条件下に
て、最短記録波長が1μm以下、好ましくは0.6μm
以下の信号を記録するためのビデオテ―プにおいて、上
記の磁性層中に、上記磁性粒子の平均短軸径の1/4倍
以上でかつ平均長軸径の2倍以下の大きさの粒状の微粒
子フイラ―を、テ―プ長手方向の断面における平均値と
して、上記磁性粒子20個あたり1〜10個の割合で含
み、テ―プ全体の幅方向のヤング率が600Kg/mm 2
上であることを特徴とするビデオテ―プに係るものであ
る。
【0011】
【発明の構成・作用】この発明に用いられる針状磁性粒
子としては、Fe、Co、Ni、これらの合金、これら
と少量の他の金属または非金属元素を含む合金などから
なる金属磁性粒子、γ−Fe2 3 、Co含有γ−Fe
2 3 、Fe3 4 などからなる酸化鉄系磁性粒子な
ど、従来より磁気記録媒体の記録素子として知られる針
状の磁性粒子が、いずれも使用可能である。
【0012】このような針状磁性粒子の平均針状比(平
均長軸径/平均短軸径)は、4〜15の範囲、特に好ま
しくは6〜12の範囲にあるのがよく、またその平均長
軸径は、0.2μm以下で通常0.1μm程度までであ
るのがよい。平均針状比および平均粒子径が上記範囲外
になると、磁性層内での分散性、配向性、充てん性や、
磁性層の耐久性などのいずれかに問題を生じやすく、得
られるビデオテ―プの電磁変換特性を損なつたり、走行
耐久性が悪くなる。
【0013】この針状磁性粒子を分散結着する結合剤と
しては、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系
共重合体、繊維素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビ
ニルブチラ―ル系樹脂、ポリエステル系樹脂、架橋剤と
してのポリイソシアネ―ト化合物、電子線や紫外線の照
射によつて硬化する放射線硬化型樹脂など、従来より磁
気記録媒体の磁性層用として知られるものの中から、そ
の1種を単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
【0014】この発明においては、上記の針状磁性粒子
と結合剤とを含む磁性層を、ポリエステルフイルムなど
の非磁性支持体上に、通常1〜4μmの厚さに設けるに
あたり、上記磁性粒子のテ―プ長手方向の配向比(残留
磁束密度/最大飽和磁束密度)が0.78以上、好まし
くは0.80以上となるように設定して、通常磁気ヘツ
ドとビデオテ―プとの間の相対速度が10m/秒以上と
なる高速条件下で、最短記録波長が1.0μm以下、特
に0.6μm以下の信号を記録するためのビデオテ―プ
とする。ここで、針状磁性粒子の上記配向比は、磁性層
の形成に際して、常法による磁場配向処理を行うこと
で、容易に設定できる。
【0015】このような配向比とされた磁性層は、非磁
性支持体の厚さを一般に10μm以下としてテ―プ全体
の薄型化を図つた場合、通常ではテ―プ長手方向に比べ
て幅方向の強度が大きく低下する傾向を示すが、この発
明では、この問題が、磁性層中に形状異方性のない粒状
の微粒子フイラ―を、針状磁性粒子に対し特定の大きさ
でかつ特定の割合で添加することで、解決される。
【0016】この目的に用いる粒状の微粒子フイラ―
は、針状や板状などの形状異方性をもたない粒状(球状
を含む)のものであればよく、従来公知の各種研摩剤、
充てん剤、帯電防止剤などの無機質または有機質の非磁
性フイラ―がいずれも使用可能である。具体的には、ア
ルミナ粒子、α−酸化鉄粒子、酸化クロム粒子、酸化チ
タン粒子、炭酸カルシウム粒子、炭酸バリウム粒子、カ
―ボンブラツクのほか、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリウレタンを架橋硬化して有機溶剤に不溶な微粒
子としたもの、ポリエチレン、ポリアミド、フツ素樹
脂、シリコ―ン樹脂の微粒子などが挙げられる。
【0017】このような粒状の微粒子フイラ―の大きさ
としては、針状磁性粒子の平均短軸径の1/4倍以上、
好ましくは1/3倍以上で、かつ平均長軸径の2倍以
下、好ましくは1.5倍以下の大きさとされる。針状磁
性粒子に対してこのような特定範囲の粒子サイズとした
ときにのみ、この微粒子フイラ―に基づく塗膜補強効果
が最大限に発揮され、全厚が13μm以下というような
薄型化されたテ―プにおける幅方向の強度の低下を大き
く抑制することが可能となる。
【0018】また、このような塗膜補強効果は、上記の
粒子サイズの設定とともに、この微粒子フイラ―を、磁
性層中に、テ―プ長手方向に沿つた断面における平均値
として、つまりテ―プ長手方向の断面写真で観察したと
きにその平均的な値として、針状磁性粒子20個あたり
1〜10個という特定の割合で含ませることにより、は
じめて達成されるものである。
【0019】この理由は明らかではないが、主にテ―プ
長手方向に配向して存在する針状磁性粒子間の間隙に、
粒子サイズの適当な粒状の非磁性微粒子フイラ―が幅方
向に密になるように充てんされて、結局塗膜の長手方向
および幅方向のヤング率が等方的になるように補強され
るためではないかと推定される。事実、上記の粒状の微
粒子フイラ―を上記割合で充てんした塗膜においては、
この塗膜の幅方向のヤング率/長手方向のヤング率の比
が、0.6以上となるか、ある場合には0.7以上とな
ることが確認されている。
【0020】この発明のビデオテ―プは、前記の針状磁
性粒子、結合剤および上記特定の粒状の微粒子フイラ―
を特定割合で混合して、これに必要に応じて分散剤、着
色剤などの公知の各種添加剤を添加した磁性塗料を調製
し、この塗料をポリエテスルフイルムなどの非磁性支持
体上に塗布し、常法により磁場配向処理および乾燥処理
を行い、カレンダ―加工後、所定のテ―プ幅に裁断する
ことにより、作製することができる。このビデオテ―プ
には、必要に応じて公知の方法でバツクコ―ト層やトツ
プコ―ト層などの種々の層を形成してもよい。
【0021】このようにして得られるこの発明のビデオ
テ―プは、非磁性支持体の厚さが10μm以下で、磁性
層の厚さが1〜4μmであるとき、テ―プ全体の幅方向
のヤング率が、同長手方向のヤング率(通常800Kg/
mm2 以上)に比べてそれほど見劣りすることのない、通
常600Kg/mm2 以上の大きな値をとるものであり、幅
方向の強度を十分に満足できるものである。
【0022】
【発明の効果】以上のように、この発明においては、記
録波長の短波長化に対応して、特定粒子サイズの針状磁
性粒子をテ―プ長手方向に高度に配向した磁性層を形成
するにあたり、この磁性層中に、上記磁性粒子に対し特
定の大きさの粒状の微粒子フイラ―を特定割合で含ませ
るようにしたことにより、テ―プの薄型化を図る場合の
幅方向の強度不足をきたさず、かつ長手方向の強度も満
足させることができる。したがつて、テ―プ幅方向の変
形に起因したヘツドギヤツプと磁性層面とのスペ―シン
グの増大がみられない、電磁変換特性にすぐれ、また走
行耐久性にもすぐれたビデオテ―プを提供することがで
きる。
【0023】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を比較例と対比し
て具体的に説明する。なお、以下において部とあるのは
重量部を意味する。
【0024】実施例1 Fe系メタル磁性粒子 100部 (平均針状比10、平均長軸径0.2μm) 塩化ビニル系樹脂 12部 (日本ゼオン社製の商品名MR110) ポリウレタン樹脂 8部 (日本ポリウレタン社製の商品名N−2301) アルミナ粒子(平均粒子径0.25μm) 6部 カ―ボンブラツク(平均粒子径0.024μm) 1部 ステアリン酸n−ブチル 2部 トルエン 65部 メチルエチルケトン 65部 シクロヘキサノン 65部
【0025】上記の組成物をサンドグラインドミルで2
時間混練分散させたのち、硬化剤として三官能性イソシ
アネ―ト化合物(日本ポリウレタン社製の商品名コロネ
―トL)8部と、溶剤〔トルエン/メチルエチルケトン
/シクロヘキサノン=1/1/1(重量比)〕300部
とを加え、よく攪拌混合して磁性塗料を調製した。
【0026】この磁性塗料を、厚さが9.8μm、長手
方向のヤング率が760Kg/mm2 、幅方向のヤング率が
440Kg/mm2 のポリエチレンテレフタレ―トフイルム
からなる非磁性支持体上に、カレンダ―加工後の厚さが
2.2μmとなるように塗布し、3キロエルステツドの
対向磁場中で磁性粒子の配向処理を行つたのち、乾燥し
て、ビデオテ―プ原反を得た。
【0027】このビデオテ―プ原反の磁性層にカレンダ
―加工により表面平滑化処理を施したのち、テ―プ裏面
に下記組成のバツクコ―ト層用塗料を乾燥後の厚さが
0.8μmとなるように塗布乾燥したのち、19.01
mm幅に裁断して、ビデオテ―プを作製した。
【0028】 <バツクコ―ト層用塗料> カ―ボンブラツク 70部 (キヤボツト社製の商品名MOGUL−L) 炭酸カルシウム粒子(平均粒子径0.1μm) 30部 ニトロセルロ―ス樹脂 33部 (旭化成社製の商品名HIG1/2) ポリウレタン樹脂 36部 (日本ポリウレタン社製の商品名N−2301) 三官能性イソシアネ―ト化合物 12部 (日本ポリウレタン社製の商品名コロネ―トL) トルエン 250部 メチルエチルケトン 250部 シクロヘキサノン 250部
【0029】実施例2 Fe系メタル磁性粒子として、平均針状比、平均長軸
径0.15μmのものを100部用い、かつアルミナ粒
子の使用量を8部に変更した以外は、実施例1と同様に
して、ビデオテ―プを作製した。
【0030】比較例1 磁性塗料中にカ―ボンブラツクを配合しなかつた以外
は、実施例1と同様にして、ビデオテ―プを作製した。
【0031】上記の実施例および比較例の各ビデオテ―
プにつき、下記の方法で、テ―プ長手方向および幅方向
のヤング率、磁性層中の針状磁性粒子に対する粒状の微
粒子フイラ―の割合、針状磁性粒子の配向性、出力(電
磁変換特性)、走行耐久性を調べた。これらの結果を、
後記の表1に示した。
【0032】<テ―プ長手方向および幅方向のヤング率
>ビデオテ―プから、測定したいヤング率の方向に沿つ
て、約2mm×8mmの大きさの試験片を切り出し、その一
端を振動装置に取り付け、周波数を変えて振動させ、試
験片の共振周波数(一次固有振動数)を求め、つぎの式
(I)にしたがつて、長手方向および幅方向のヤング率
を求めた。
【0033】 E:ビデオテ―プのヤング率(Kg/mm2 ) ρ:ビデオテ―プの密度(Kg/mm3 ) L:ビデオテ―プの振動部分の長さ(mm) t:ビデオテ―プの厚さ(mm) f0:ビデオテ―プの一次固有振動数(Hz)
【0034】<磁性層中の針状磁性粒子に対する粒状の
微粒子フイラ―の割合>ビデオテ―プ全体を熱硬化性樹
脂(エポキシ樹脂)で固めたのち、長手方向の断面が観
察されるように、ミクロト―ムで薄く切り出し、それを
透過型顕微鏡で観察し、1平方μmあたりの針状磁性粒
子(Fe系メタル磁性粒子)の平均個数と粒状の微粒子
フイラ―(アルミナ粒子とカ―ボンブラツク)の平均個
数とを求めた。また、これらの個数から、長手方向の断
面における平均値として、針状磁性粒子20個あたりの
粒状の微粒子フイラ―の個数を求めた。
【0035】<針状磁性粒子の配向性> ビデオテ―プから、6mm×10mmの大きさのサンプルを
その長手方向がテ―プの長手方向と一致するように切り
出し、これを4枚重ねにしたものを、VSM装置(東英
工業社製のVSM−P−17)にて、最大印加磁場10
キロエルステツドの条件で長手方向を磁場印加方向に設
定して、ヒステリシス曲線を描かせ、その残留磁束密度
(Br)を最大飽和磁束密度(Bm)で除した値Br/
Bmを、配向性の指標として求めた。
【0036】<出力(電磁変換特性)>SONY社製の
D−2VTR(DVTR−10)を使用して、ビデオテ
―プに32MHzの単一周波数信号を最適記録電流値で
記録再生し(記録波長0.8μm)、出力電圧を測定し
た。比較例1のビデオテ―プの出力電圧(Vo;mV)
と実施例1,2の各ビデオテ―プの出力電圧(V;m
V)とから、出力(dB)=20×log(V/Vo)
として、評価した。
【0037】<走行耐久性>SONY社製のD−2VT
R(DVTR−10)を使用して、ビデオテ―プの再生
時間5分間に相当する一定区間を再生,巻き戻し,再生
と1,000回繰り返したのちに取り出して、テ―プエ
ツジの損傷程度を観察した。評価は、ほとんど損傷がな
いを○、少し損傷が認められるが実用上問題がないを
△、大きく損傷しておりエツジがワカメ状に変形し、エ
ラ―の増加や走行異常を引き起こすおそれがかなり大き
い場合を×、とした。
【0038】
【表1】
【0039】上記の表1の結果から、この発明の実施例
1,2のビデオテ―プは、比較例1のビデオテ―プに比
べ、電磁変換特性および走行耐久性に共にすぐれたもの
であることが明らかである。
【0040】つぎに、さらに記録密度の向上、高画質化
をめざし、記録波長の短波長化、磁気ヘツドとビデオテ
―プとの間の相対速度の高速化を行つた場合の実施例
を、比較例と対比して具体的に説明する。
【0041】実施例3 テ―プ幅が12.7mmとなるように裁断した以外は、実
施例1と同様にして、ビデオテ―プを作製した。
【0042】実施例4 テ―プ幅が12.7mmとなるように裁断した以外は、実
施例2と同様にして、ビデオテ―プを作製した。
【0043】実施例5 非磁性支持体として、厚さが11.8μm、長手方向の
ヤング率が730Kg/mm2 、幅方向のヤング率が460
Kg/mm2 のポリエチレンテレフタレ―トフイルムを用い
た以外は、実施例3と同様にして、ビデオテ―プを作製
した。
【0044】実施例6 非磁性支持体として、厚さが11.8μm、長手方向の
ヤング率が730Kg/mm2 、幅方向のヤング率が460
Kg/mm2 のポリエチレンテレフタレ―トフイルムを用い
た以外は、実施例4と同様にして、ビデオテ―プを作製
した。
【0045】比較例2 テ―プ幅が12.7mmとなるように裁断した以外は、比
較例1と同様にして、ビデオテ―プを作製した。
【0046】比較例3 非磁性支持体として、厚さが11.8μm、長手方向の
ヤング率が730Kg/mm2 、幅方向のヤング率が460
Kg/mm2 のポリエチレンテレフタレ―トフイルムを用い
た以外は、比較例2と同様にして、ビデオテ―プを作製
した。
【0047】上記の実施例3〜6および比較例2,3の
各ビデオテ―プを用いて、以下の方法で、出力特性(電
磁変換特性)の評価を行つた。その結果を、後記の表
2,表3に示す。
【0048】<出力(電磁変換特性)>松下社製のMII
VTR(U−650)を改造し、磁気ヘツドを搭載した
回転ドラム回転数を変化させ、磁気ヘツドとビデオテ―
プとの間の相対速度を変化できるようにしたもの使用し
て、ビデオテ―プに相対速度8m/秒にて10MHzの
単一周波数信号を最適記録電流値で記録再生(記録波長
0.8μm)し、出力電圧を測定した。同様に、相対速
度15m/秒にて30MHzの単一周波数信号(記録波
長0.5μm)、相対速度8m/秒にて6.7MHzの
単一周波数信号(記録波長1.2μm)についても出力
信号を測定した。
【0049】これらの測定値より、まず、実施例3,4
および比較例2のビデオテ―プについては、比較例2の
ビデオテ―プの出力電圧(Vo;mV)と実施例3,4
の各ビデオテ―プの出力電圧(V;mV)とから、出力
(dB)=20×log(V/Vo)として、評価し
た。また、実施例5,6および比較例3のビデオテ―プ
については、比較例3のビデオテ―プの出力電圧(V
o;mV)と実施例5,6の各ビデオテ―プの出力電圧
(V;mV)とから、出力(dB)=20×log(V
/Vo)として、評価した。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】上記の表2,3の結果から、記録密度の向
上、高画質化をめざし、非磁性支持体の厚さを10μm
以下として、記録波長を0.6μm以下、磁気ヘツドと
ビデオテ―プとの間の相対速度を10m/秒以上にした
場合に、この発明の効果が特に著しいことが明らかであ
る。一方、非磁性支持体の厚さが10μmを超える場合
であつても、記録波長が1.0μm以下、特に0.6μ
m以下の場合には、この発明の効果が奏されることも明
らかである。
【0053】以上のように、この発明によれば、記録波
長が短い磁気信号を記録再生する場合に、スペ―シング
による電磁変換特性の低下が少なく、かつこの効果は、
薄い非磁性支持体を用いて高速で記録再生する場合に特
に著しいことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−243224(JP,A) 特開 昭64−105325(JP,A) 特開 平3−76020(JP,A) 特開 平2−265016(JP,A) 特開 平5−46976(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/708 G11B 5/70

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に平均針状比(平均長軸
    径/平均短軸径)が4〜15で平均長軸径が0.2μm
    以下の針状磁性粒子とその結合剤とを含む磁性層を設け
    てなり、かつ上記磁性粒子のテ―プ長手方向の配向比
    残留磁束密度/最大飽和磁束密度)が0.78以上で
    あつて、最短記録波長が1μm以下の信号を記録するた
    めのビデオテ―プにおいて、上記の磁性層中に、上記磁
    性粒子の平均短軸径の1/4倍以上でかつ平均長軸径の
    2倍以下の大きさの粒状の微粒子フイラ―を、テ―プ長
    手方向の断面における平均値として、上記磁性粒子20
    個あたり1〜10個の割合で含み、テ―プ全体の幅方向
    のヤング率が600Kg/mm 2 以上であることを特徴とす
    るビデオテ―プ。
  2. 【請求項2】 非磁性支持体の厚さが10μm以下であ
    つて、かつ磁気ヘツドとビデオテ―プとの間の相対速度
    が10m/秒以上の高速にて記録,再生される請求項1
    に記載のビデオテ―プ。
  3. 【請求項3】 最短記録波長が0.6μm以下である請
    求項1または請求項2に記載のビデオテ―プ。
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